「日王がアベを叱ってくれた!」…それ、日本政府の思う壺かも。

 戦後70年談話に鬱憤を募らせてきた内外の反アベ勢力が、戦没者追悼式で「深い反省」に言及した天皇陛下のお言葉を大喜びで持ち上げています。

2015/08/17朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/17/2015081700526.html

安倍談話:天皇は「深い反省」に言及=戦没者追悼式

 第2次大戦の終戦から70年を迎えた今月15日午前11時50分、東京都心にある日本武道館で行われた全国戦没者追悼式で、天皇は「歴史を顧み、先の大戦に対する深い反省とともに、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願う」と述べた。天皇が戦没者追悼式で、過去の日本の戦争について「深い反省」に言及したのは初めてだ。戦没者追悼式以外の場では、1992年の中国訪問時と、94年に韓国の金泳三(キム・ヨンサム)大統領(当時)が訪日したとき、「深い反省」に言及している。

 天皇はこの日の「お言葉」で、「深い反省」のほかにも、以前には用いなかった表現を二つ用いた。戦後日本の平和と繁栄について天皇は「平和の存続を切望する国民の意識に支えられた」と強調し、「この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがない」と述べた。歴史認識や安全保障関連法案をめぐる論議の中で、天皇が過去の戦争に対する反省や、平和憲法の維持が重要だという意向を明確に示したものと考えられる。
(以下略)


2015年08月17日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150817k0000e030088000c.html

首相70年談話:「反省」天皇陛下と対照的 米メディア

 【ワシントン和田浩明】天皇陛下が70回目の終戦記念日である15日、政府主催の全国戦没者追悼式で「さきの大戦に対する深い反省」に初めて言及されたことについて、米主要メディアは安倍晋三首相の戦後70年談話とは「対照的」などと報じた。

 米通信社ブルームバーグは「天皇、戦争に反省表明、安倍首相と対照的」との見出しで記事を配信。また、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「安倍首相の政策に対する静かな反対」との見方が強まると紹介した。

 全米公共ラジオ(電子版)も第二次大戦に関する「前例がない謝罪」であり、安倍首相の談話より踏み込んだもの、と評価した。米メディアは安倍談話について自らの言葉で謝罪がなかったとして「日本の指導者、第二次大戦で謝罪に至らず」(ワシントン・ポスト紙)などと批判的に伝えていた。


2015.8.16 産経新聞
http://www.sankei.com/world/news/150816/wor1508160024-n1.html

韓国与党、天皇陛下のお言葉を評価…「安倍談話とは対照的」

 韓国与党セヌリ党の報道官は16日、天皇陛下が15日の全国戦没者追悼式で述べられたお言葉で「さきの大戦に対する深い反省」との文言を盛り込んだことを挙げ、天皇が「反省に直接言及したのは今回が初めてだ」と評価した。

 報道官は「安倍晋三首相が、戦後70年談話で植民地支配と侵略に直接謝罪しなかった姿とは対照的」とし、安倍氏が「退行的な歴史認識を捨て、心からの謝罪と反省で韓日関係復元の突破口とするべきだ」と指摘した。(共同)


 宮内庁のHPで確認すると、追悼式における今上陛下のお言葉は、即位以来ほぼ同じ文章を踏襲していたことが分かります。
 今回、以下の赤字部分が新たに付け加わったのですが、たしかにこれほどの変更は、過去27年間に例のなかったことです。

戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来既に70年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け払われた国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがありません。

ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。


 この変化の意味をどう解釈するかは受け手の自由ですから、安倍批判に利用しようとする勢力が出てくるのも自然なことだとは思います。

 でも、一つ言えることは、安倍首相が悪者扱いされることで天皇陛下が賞賛されるのだとすれば、これは日本の右派にとって意外と「悪くない」ということです。
 天皇は日本の「象徴」という建前ですが、実質的には日本の元首です。これは日本の自衛隊が海外では実質的に軍隊として扱われているのと同様です。
 反日勢力はことあるごとに天皇の戦争責任を追及しようとしてきました。いまもアメリカで「日王はヒトラーと同じだ!」「ヒロヒト、アキヒトともどもアメリカ様に裁いてもらう!」と息巻いている韓国人がおりますし、日本がのうのうと天皇制を維持していることを苦々しく思っている特亜&サヨクの皆さんはかなり多いと思われます。

 そんな状況なのに、「過去を清算しない無責任な日本」の象徴であるはずの天皇を、サヨクや特亜のみなさんが褒めてくれるなんて、なんとありがたいことではありませんか。天皇は日本の象徴ですから、陛下を平和主義者と認める人々は、日本が平和国家であることを認めることになります。それはすなわち、「戦後のわが国は平和に貢献しきちんと反省している」という安倍談話の主張を認めるのと同じことです。

 買いかぶりすぎかもしれませんが、追悼式のお言葉は当然政府の了解を得たものでしょうから、これももしかしたら安倍内閣の計算の内かもしれません。
 首相があえて汚れ役を買い、元首を守る盾になる。こういう役割分担はとても重要だと思うんですよね。安倍談話だって、民間人を集めた有識者懇談会を盾に利用しました。

 そこで最近気になるのは、GHQや東京裁判を検証する組織を設置しようとしている稲田朋美政調会長の動き
 あまり感心しませんね。稲田氏は安倍首相の後継者に目されているそうじゃないですか。そういう人が自らこんな斬り込み隊長みたいな真似をしたら、また特亜や野党にイチャモンの口実を与えることになります。
 世間の集中砲火を浴びやすい汚れ役は民間の学者やシンクタンクに主導させ、「世論」に突き動かされて仕方なく政策に反映させる―という形をとったほうが安全だと思うんですが。
 韓国だって、反日プロパガンダの急先鋒はVANKやソ・ギョンドク、キム・ヒョンジンといった面々に任せているんですから、日本もそれを見習わなくちゃ。
 斬り込み隊長役は誰がいいかなあ。チャンネル桜の水島社長はヤクザっぽいし、百田尚樹は軽薄だし、櫻井よしこや田母神俊雄は極右のレッテルが強すぎるし…。そうだ、ケント・ギルバートあたりは知名度も高いし、米国人だからちょっと面白いかも。

 最後に、アメリカで慰安婦訴訟に邁進中の欲張り弁護士、我らがキム・ヒョンジン氏の近影をご紹介しておきます。

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褒め殺しで反日勢力を揺さぶる安倍外交

 今回の安倍談話の特徴の一つは、先の記事にも書きましたが「褒め殺し」のテクニックを巧みに使っている点です。
 これは5月にアレクシス・ダデン教授らが大量の学者の署名を集めて話題になった「日本の歴史家を支持する声明」に通じるものがあります。あれも戦後の日本の平和貢献を評価し、米議会での安倍演説をあえて「賞賛」することで、70年談話におけるさらなる譲歩を要求していました。また、中韓の民族主義や米国内の人種差別などに言及することで、日本の右派の反発を防ぎつつ、安倍政権に対して一方的に「清算」を要求していました。
 あの声明もこの談話も、相手を持ち上げたり自分の非を認めたりしながら遠回しに本音を盛り込んでいるので、どうしても冗長な感じにならざるを得ないんですね。SSG声明(セカイノサヨクガクシャ声明)は約3000字、安倍談話は3500字もありました。

 談話で一番強烈な殺し文句が「寛容への感謝」です。ストレートに「国際社会に寛容な態度を求める」なんて言ったら「戦犯国にそんなことを言う資格はない!」と叱られるのがオチですから、「許してくれてありがとう」と先に御礼を言っちゃうところがミソ。よくコンビニのトイレに「いつも清潔にご利用いただきありがとうございます」と張り紙してあるアレと同じです。
 でも、わざわざそんな張り紙をすること自体、トイレを汚す連中が後を絶たない裏返しでもあるわけで。

ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。


 わたしの地元である長野県は満州移民を多く出した土地柄なので、引揚者や残留孤児に対する中国人の温情は、とくにサヨクのみなさんがしきりに強調するところ。それを根拠に「だから中国は怖くない」「日中友好バンザイ」という結論に持っていくのも一種のパターンです。
 安倍談話はそうした親中派の思い込みにあえて乗っかることで、現在の中共政府の反日プロパガンダは中国国内の民意から乖離していると暗に指摘しているわけです。

 また、あの当時は日本人の逃避行を助けてくれた現地人もいた一方で、ソ連軍の追撃や朝鮮人の襲撃が苛烈だったことも事実です。
 8月15日付の信濃毎日新聞では、安倍談話を報じる同じ紙面に『竹林はるか遠く』の広告が載っていて思わずニヤリとさせられました。

150815sinmai.jpgしわくちゃですみません

 あの本に対して韓国人がどのように火病を爆発させたかはウィキペディアに詳しいですが、要するに絶対悪たるべき日本人が、「被害者コスプレ」という自分たちのお家芸を奪ったことに、彼らは我慢がならないわけです。

2007年02月17日 中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/714/84714.html
「『ヨーコの話』の最大の過ちは被害者と加害者を入れ替えた点」


 絶対的加害者である日本人には被害者ヅラする資格なんかない! という意識は、韓国人の多くに根強いようです。その典型が朝鮮日報日本語版が8月14日に掲載した「被爆国・日本の『犠牲者コスプレ』」というコラムでしょう。
 被爆者をコスプレ呼ばわりしている点はもちろん異様ですが、前半のシベリア抑留問題にまつわるエピソードの紹介の仕方も韓国人らしいものでした。

2015/08/14 朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/14/2015081401042.html
【コラム】被爆国・日本の「犠牲者コスプレ」

 同時通訳者にして作家でもあり、韓国にも固定ファンが非常多い米原万里の著書『魔女の1ダース』には、こんな話が出てくる。90年に東京で開かれたシンポジウムの通訳を務めていたときに経験したことだという。45年、ソ連軍が満州に進駐し、軍人を含む日本人60万人が抑留された。ソ連は抑留者をシベリアに連行し、長いケースでは10年間も強制労働をさせ、6万人が命を失った。ソ連は、ゴルバチョフ登場後にようやく抑留者問題に関心を持つジェスチャーをみせ、赤十字や歴史学者からなる代表団を送って対話をスタートさせた。

 シンポジウムの途中、ソ連の歴史学者が抑留者問題の端緒となった経緯を報告する際に、ソ連軍が満州に「入っていった」と表現した途端、事件が起こった。ある出席者が「日ソ中立条約を勝手に破っておいて、『入っていった』とは何だ」と揶揄して会場内は収拾がつかなくなり、騒がしくなった、ソ連の歴史学者は、あきれたというように見守っていたが、マイクをつかんだ。「うるさい! ならそのとき、あなた方はどこにいたのか。寝室にいたのか。満州があなた方の土地だというでもいうのか」。この一言で、ハチの巣をつついたようだった会場は、水を打ったように静まり返った。米原万里は、バランス感覚を欠いて自分の立場でしか物を考えない一部の日本人の厚かましさを、こういう形で皮肉った。


 ソ連は終戦間際に日ソ中立条約を破棄して満州に攻め込みました。シンポジウムでそのことに抗議した日本人が、ソ連の学者から「うるさい、満州はあなたたちの土地じゃない」と一喝されたという話です。コラムを書いたキム・ギチョル文化部次長は、その場面に出くわした米原万里氏の目線を借りて、日本人(の一部)は「バランス感覚を欠いて自分の立場でしか物を考えない」厚かましい連中であると批判しているわけです。

 でもねえ。日本人から言わせてもらえば、だからって満州がソ連(ロシア)の土地なわけではないですし、あのときのソ連軍の侵攻が朝鮮半島分断の直接的原因になったわけですし、ソ連の捕虜になってシベリア送りになった日本兵の中には朝鮮人もたくさんいたわけですし。
 そういうのをさっぱり無視して「日本ざまあ~~!」だけを言うためにソ連の言い分に同調するキム・ギチョル文化部次長の視野の狭さにはちょっとウンザリします。

 中央日報も2013年のコラムで「原爆は神の懲罰」と書いて日本から反発を受けてましたっけ。投下した側の米国メディアが正当化したがるのはまあわからんでもないですが、朝鮮人も多くの被害を受けたというのに韓国メディアが安易にそれを肯定するのはいかがなものかと思うんですよね。むしろ、日本のサヨクと一緒に精一杯"犠牲者コスプレ"に励んで米国に謝罪と賠償を求めればいいのに。

 でも、結局それをやらないのは、韓国に核武装という下心があるからでしょう。こういう韓国側の態度は、不寛容どころか好戦的って印象すら受けるんですが、日本のサヨクのみなさんは許せるんですかね? それとも「韓国人が心にもないことを言うのはアベのせい!」ってことなんですかね?

 こうして見ていくと、日本のサヨクと韓国は、アベという共通の敵のお陰で辛うじて共同歩調がとれているんだなという感じがします。また韓国国内ではすでに、政府&与党と、野党&メディア&民間団体では、安倍談話に対する評価に差が生じているようです。米政府がはっきりと安倍談話を歓迎している状況で、媚韓派のエド・ロイス米国下院外交委員長あたりが談話にどんな評価を下すのか、とても興味深いです。
 さらにいえばSSG声明に名を連ねたみなさんだって、今回の安倍談話に対してはそれぞれに評価は異なるはずです。

 安倍首相は褒め殺し談話を出したり朴槿恵大統領に下手なコリア語で媚を売ったりと、けっこう自分のプライドを二の次にできる人のようですから、今後もその調子で硬軟織り交ぜたイヤらしいやり方を展開していけば、反アベ勢力を大いに揺さぶることができるんじゃないかとわたしは思うのでした。
 もっとも、"軟"をやり過ぎると支持母体である国内の保守層をも揺さぶっちゃうおそれはありますけどw

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安倍談話という鏡に映る中韓の素顔

2015年8月15日 信濃毎日新聞朝刊2面

 14日閣議決定された安倍晋三首相の戦後70年談話に対し、県内の与党代表者は、歴代内閣の立場を引き継ぎ未来志向の内容だと評価した。一方、野党代表者からは、各方面への配慮などから真意が伝わらないといった批判が出た。
(中略)
 民主党県連の北沢俊美代表は「第一印象として長く、冗漫な談話だ」とする。「過去の日本による侵略戦争を認めるべきだとする勢力と認めるべきでないとする勢力の両方に気遣い、真意が伝わらない。70年の大事な節目に発表する談話としては意味不明」とした。


 あの談話が曖昧だというのはその通りですし、それが各方面への配慮の結果であることも確かでしょう。だからこそ意味があるのだとわたしは思います。サヨク野党や中韓は安倍首相のことを歴史修正主義で極右の独裁者だと批判しますが、各方面に配慮して曖昧な談話しか出せない独裁者ってなんなんですか。個人の思いはともかく、日本の総理大臣としてああいう形の談話に収めたという事実に、良くも悪くも政治家・安倍晋三のバランス感覚が見て取れます。

 あの談話は曖昧ですから、その解釈は受け手に委ねられます。つまり、談話について論評する側の価値観や立場を映す鏡なのです。あの談話を好意的に解釈する国は、日本と友好関係を結びたいと思っていることの証ですし、あれこれ文句をつけてくる国や人は、もともと日本を敵視する意志を持っているということです。

 思い起こすと、ユネスコの世界遺産登録問題のときは、登録決定文の注釈に「日本の発表を注目する」の一文が盛り込まれただけで韓国は「日本が強制労働を認めた!」と大騒ぎしていました(→こちら)。それだけの"解釈力"を持つ韓国が、こと安倍談話に関しては「間接的な言及では謝罪したことにならない!」と叫ぶのはおかしなことです。

 反日勢力のみなさんは安倍談話を批判し村山談話や小泉談話を賛美しますが、シンシアリーさんによれば村山談話が出された当時、韓国のメディアは「形式的な談話一つでは反省の根拠にならない」「謝罪したくせに賠償しないなんて矛盾してる」と批判していたそうじゃないですか(→こちら)。
 さらに小泉談話のときは、小泉首相の靖国参拝や「戦後賠償は完全終了」表明で非難轟々、韓国政府の公式見解からして「謝罪や反省なんかしたって信用できない」というものだったそうで(→こちら)。

 この調子だと、戦後80年、90年にはもっとタカ派のリーダーが日本に登場し、特亜のみなさんが「安倍談話を継承しろ!」と騒いでいるかもしれません。そんな時代が本当に来るかどうかは、特亜および野党のみなさんの振る舞いが賢明かどうかにもかかってくると思います。

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特亜への牽制球を散りばめた70年談話

 わたしが戦後70年総理談話をテレビ中継で観たときの第一印象は「長えよ!」でした。一部の民放では「植民地」「侵略」などのキーワードチェックリストまで表示しながら、談話が終わる前にさっさとCMに切り替えていたのが笑えました。

 談話の中で、一番印象的だったのがこの部分。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。


 これ、完全に中韓に対する牽制ですよね。国際社会の寛容を強調すればするほど、いまだに歴史問題を蒸し返す特亜の異常性が強調されるという。

 「キーワード」として注目されていた反省や謝罪の文言も、変化球として入れてきました。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。


 要するに、日本はこれまで何度も謝罪してきたし、それを行動で示してきたじゃないか、その立場は今も将来も変わりないと表明しているのに、それでもまだイチャモンをつける気か、という遠回しの抗議です。
 そりゃそうですよね。安倍晋三、習近平、朴槿恵といった日中韓の首脳は、すでに全員が戦後生まれです。いまや大東亜戦争を直接知らない「被害者」の子孫が、戦争を直接知らない「加害者」の子孫に対して謝罪と反省を要求する時代に突入しています。孫やひ孫や玄孫たちまで永遠に謝罪を続けなければならないというのなら、モンゴル人はユーラシアの各国に対し、チンギスハンの蛮行をいつまで謝罪し続けなければならないのかって話です。

 少し話は変わりますが、先日のニコニコドキュメンタリーの討論「『従軍慰安婦問題』を考えよう」で、アジア女性基金の理事だった下村満子さんが「被害を受けた当人たちが亡くなってしまったら、日本は一体誰に向かって謝罪をすればいいのか(だから早くこの問題を解決しなければいけない)」と発言していました。
 それを聞いた時、わたしが思ったのは「じゃあ加害した当人たちが不在のまま謝罪を繰り返してきた日本って、一体何なの?」ということでした。直接の加害者(女衒や慰安所経営者や軍人)はほとんど特定されていないし存命者も極めて少ないだろうことを考えれば、本当に謝罪すべき主体はすでに存在しないことになりませんか。加害者を名乗りでた貴重な一人もただの虚言癖だったしw

 日本国内のサヨクさんたちや告げ口外交を展開する韓国のみなさんは、「慰安婦問題は二国間の問題ではなく普遍的な人権問題だ!」と言い続けています。国家間の問題でないのならなおさら、戦後生まれが主体である現代の日本に謝罪を要求するのはお門違いとも言えるわけで。
 もちろんまだ存命の元慰安婦はいるし、韓国側は「彼女らに対して日本がきちんと謝罪していない!」と怒っているわけですが、韓国側が当人たちにアジア女性基金のことをきちんと知らせず、償い金とお詫びの手紙の受け取りすら妨害した以上、もう日本としてはこの問題について交渉することはできません。

 安倍談話で注目された「侵略」や「植民地支配」についても同じことです。それらに直接加担しておらず、実体験すらしていない戦後生まれの日本人に対し、同じく被害を実体験していない韓国人が「心からの」「真正性ある」謝罪を要求することのナンセンスさ。当事者でない人間に謝罪の「真正性」を判定する資格があるのかってことです。

 それでも安倍首相がこれらの問題に触れて「断腸の念」を表明したのは、日本という国を背負った代表者としての責任からです。もしそれを「ただの口先だ」「ただのパフォーマンスだ」などと批判する人々がいるとすれば、それは日本という国そのものを軽視している証拠であり、彼らは今後日本政府に何かを要求する資格はありません。

 ニコニコドキュメンタリーの「タイズ・ザット・バインド」をめぐる討論では、「作品の視点が不公平だ」「製作者は勉強不足だ」と不満を訴える平沢勝栄氏や潮匡人氏に対し、青木理氏が「イギリスの視点からは日韓関係がこう見える、という現実を受け止めなくちゃいけない」と指摘していました。
 今回の安倍談話も同様です。特亜からはきっと、アレが足りないコレが余計だとさまざまな反応が出るでしょう。でも現在の安倍政権=日本政府のスタンスがこういうものであるということを彼らがきちんと受け止め、その上でどう日本とつきあっていくかを冷静に考えることができなければ、東アジア外交に未来はありません。
 安倍首相にしてみれば、今回の談話はかなり譲歩したものでしょう。それに対し、ひたすら感情に任せて文句をつけるのは愚かですし、戦略的下心からイチャモンをつけるのだとしたら不誠実です。
 中韓や野党がどう応えるか、われわれネトウヨはジト目で見守ることにいたしましょう。

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戦後70年談話で試されるのは安倍晋三よりも朴槿恵の方だと思う

 終戦記念日にはまだ半年近くもあるのに、マスコミは安倍首相の戦後70年談話の話題で持ちきりです。

 信濃毎日新聞2月26日付け社説から。

戦後70年談話
出発点を踏まえてこそ

 安倍晋三首相が夏に発表する戦後70年談話に関する有識者懇談会の論議が始まった。
 首相は1995年の村山談話を継承する考えを示しながら、表現を変える可能性も示唆している。
(略)
 首相は「未来志向」の内容にすると盛んに強調するけれど、過去を軽視して、未来を語るわけにはいかない。植民地支配や侵略に対する反省がしっかり引き継がれるかがポイントとなる。村山談話の核心がぼやけぬよう、懇談会は慎重な論議を行うべきだ。
 初回の開合は、座長に日本郵政社長の西室泰三氏、座長代理に国際大学長の北岡伸一氏を選んだ。夏までに報告をまとめる。
 懇談会は首相の私的諮問機関の位置付けで、メンバーは16人。多様な視点から議論してもらうため専門分野や世代などバランスに配慮したと説明されている。
 しかし、布陣を見ると、首相に近い人や保守派人脈に連なる人物が目立つ。ナンバー2を務める北岡氏は安全保障に関する有識者懇談会の中核で、懇談会は集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を提言した。安保政策同様、首相の意向に沿う格好で、議論が進む可能性が否定できない。
 安倍首相は第2次政権発足直後から新しい談話を出すことを表明してきた。中国や韓国は戦後50年の村山談話、同60年の小泉談話で示された歴史に関する日本政府の公式見解が後退するのではないかと警戒感を強めている。
 新談話によって東アジアの緊張がより高まることに神経をとがらせている米国も同様だ。
 国内でも懸念する声が強まっている。河野洋平元衆院議長は村山談話の表現を踏襲することを求めた。自民党の高村正彦副総裁も村山、小泉両談話を明確に継承した上で、未来志向の内容にするべきだとの認識を示している。野党からも同様の声が相次いだ。
 懇談会は、戦後日本の出発点をきちんと踏まえ、国際社会から広く理解される内容にすべく、論議を深めてもらいたい。


>布陣を見ると、首相に近い人や保守派人脈に連なる人物が目立つ。
>首相の意向に沿う格好で、議論が進む可能性が否定できない。

 そんなの当たり前じゃないですか。だって、戦後70年談話は安倍首相本人の発案により本人の意志に基いて本人の名のもとで出す談話なんですから。それをいうなら河野談話や村山談話はその作成過程でどれほどオープンな議論が行われたんですかって話。

 サヨクや親特亜派の皆さんが安倍談話に不信感を持つなら、好きなように作文して「戦後70年決議」案を国会に提出すればいいのに思うんですが。

 個人的な印象では、安倍首相はそれなりにバランス感覚を持った人だと思います。去年の河野談話作成過程検証だって、談話の中身そのものには踏み込まず、「河野談話を継承する立場に変わりはない」と明言しました。一昨年12月以降は靖国参拝だって自粛しています。日米韓の合同首脳会談では鉄仮面の朴槿恵にたどたどしい朝鮮語で話しかけて媚を売ってみせましたし、中国に対してはただ習近平と握手写真を撮るためだけに、危うい文言の合意文書を交わしたのです。

 夏に出される戦後70年談話も、蓋を開けてみれば意外とソツのないものになっているでしょう。「植民地支配」や「侵略」といった言葉の扱いなど細かい表現がどうなるかはともかく、先の大戦を反省する文言が盛り込まれることはほぼ確定しています。

 むしろわたしがネトウヨとして注目したいのが、安倍談話が出たときに韓国がどういう反応を示すかです。
 中国の場合は、 ①日本の「侵略」を受けたという歴史的事実 ②世界第2位の経済大国としての自信 ③非民主的な共産党独裁国家としての開き直り――という3つの強みがありますから、安倍談話がどういう内容であろうと自国を棚に上げてネチネチ嫌味を言ってくるのは既定路線です。
 しかし韓国の場合は、米中の間で揺れ動くコウモリの立場。安倍談話に明確な落ち度がないにもかかわらず過剰な批判をすれば、中国には褒めてもらえても、日韓関係の悪化を嫌う米国からは睨まれかねません。

 安倍談話は、戦後の日本が平和国家として歩んできた事実と、今後も国際社会に貢献していく決意を強調するものになるでしょう。そのこと自体は誰も批判しようがありません。
 けれど韓国には近視眼的な方が多いですから、きっと細かい言葉尻をとらえて「村山談話よりも後退した!」「反省が足りない!」「右傾化ガー!」と騒ぎ立てるはず。その頃のパクネ政権は今よりもさらにレームダック化が進んでいるでしょうから、国内世論に媚びて日本を批判したいという誘惑に駆られることになるでしょう。でもそれをやってしまえば、"平和を希求する民主主義陣営の一員"という国際的地位を危うくすることにもつながりかねません。

 左翼メディアの間では、「米国は村山談話の踏襲を安倍政権に要求した」ってことになってるみたいですが、事実はちょっと違いますよね。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501/2015010700080


安倍首相発言を「歓迎」=戦後70年談話で軌道修正-米国務省

 【ワシントン時事】米国務省のサキ報道官は6日の記者会見で、戦後70年談話に関する安倍晋三首相の年頭記者会見での発言について「歴史問題と戦後日本の平和への貢献に関する前向きなメッセージを含んでおり、われわれは歓迎する」と述べた。

 報道官は5日の会見では「村山富市首相と河野洋平官房長官が示した謝罪は、日本が近隣諸国との関係を改善しようと努力する中で重要な1章を刻んだ」と語っていた。しかし、安倍首相の姿勢に懸念を示したとの見方が広がったため、軌道修正を図ったとみられる。 
 5日の発言を圧力とみる向きがあるとの記者団の指摘に対し、報道官は「そういう意図ではない。言い直させてほしい」と語り、首相発言を「歓迎」する立場を説明した。(2015/01/07-07:01)


 結局のところ、オバマ政権はただの「事なかれ」主義であって、安倍談話の中身そのものには大して興味ないんじゃないかと思います。

 思えば、安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したときも、韓国は微妙な立場に立たされました。集団的自衛権はすべての国が有するものであり、その行使を自らに認めるかどうかはその国の主権に関わることなのですから、他国が口を挟めるものではありません。にもかかわらず中国は「日本国民の多くが反対している」ことを口実に日本政府を批判し、韓国もうかうかとそれに同調しました。半島有事の際には日本の支援が不可欠な韓国にとって、これは大きな自滅行為だったはずです。
 安倍首相の戦後70年談話も、韓国にとって同じ踏み絵になるでしょう。戦後日本から多大な支援を受けて豊かになった韓国が、その恩を踏みにじるような態度を示したらどうなるか? 日本の「積極的平和主義」に面と向かって異議を唱えたらどうなるか? 朴槿恵大統領や尹炳世外相が、自国の国際的立場を理解したうえで冷静な言動をとれるかどうかが「見どころ」になるんだと思います。

 

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