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信毎「昔の解釈改憲は良かった。だが安倍、オマエのはダメだ」

2016年2月5日 信濃毎日新聞社説
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160205/KT160204ETI090007000.php

9条改憲発言 虫のいい首相の論法

 陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない―。そう定めた憲法9条2項を改める必要性に、安倍晋三首相が言及した。

 「7割の憲法学者が自衛隊に憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきだとの考え方もある」と、憲法学者を引き合いに出しての発言である。

 昨年、強行成立させた安全保障関連法の審議では、憲法学者からの違憲との指摘に耳を貸そうとしなかった。一転、改憲に向けては推進する材料に使おうとする。虫がいい話だ。

 衆院予算委員会で発言した。9条2項は現実に合わないと指摘した自民党の稲田朋美政調会長に答える形で踏み込んでいる。側近とのやりとりを通して、9条改憲を目指す姿勢を鮮明にした。

 答弁で首相は、国防軍の保持を盛り込んだ自民党の改憲草案に触れ、「自衛権を明記し、新たに自衛のための組織設置を規定するなど、将来あるべき憲法の姿を示している」とした。

 その時々で憲法学者の指摘を使い分ける「ご都合主義」だけが問題なのではない。

 憲法は自衛隊が存在する現実にそぐわないから改めよう―という考え方だ。隔たりを埋めようというのであれば、現実の方を憲法に近づける努力をするのが本来の姿ではないか。

 政府はこれまで、9条の下でも自衛権は認められているとし、そのための必要最小限度の実力組織である自衛隊は「戦力」に当たらないと説明してきた。

 確かに、憲法学の立場から自衛隊は違憲と指摘されている。一方で、創設から既に60年が過ぎ、政府の憲法解釈が広く定着していることも事実だ。

 戦力不保持の制約に基づく抑制的な防衛政策によって歴代政権は憲法と現実の折り合いを付けようとしてきた。歯止めを取り払う改憲論は、国会で積み上げてきた議論をあまりに軽視している。

 安保法の問題点もあらためて浮かび上がらせる。他国軍への後方支援など海外活動が拡大され、米軍との一体化が加速する。実際に運用されれば、自衛隊の実態はますます憲法から懸け離れたものになっていく。改憲が一段と声高に主張されかねない。

 なし崩しに既成事実を積み重ねた揚げ句、現実に合わせるとしてルールを変える。武器禁輸政策の例外を広げた末に「防衛装備移転三原則」を定め、輸出解禁に転じたのと同じやり方だ。乱暴な論法を許すわけにはいかない。

(2月5日)



>昨年、強行成立させた安全保障関連法の審議では、憲法学者からの違憲との指摘に耳を貸そうとしなかった。一転、改憲に向けては推進する材料に使おうとする。虫がいい話だ。

 どっちもどっちじゃないですかね。自衛隊と憲法9条の矛盾についてはダンマリを決め込んで、安保関連法制の違憲性ばかり叫んでいた護憲派のみなさんだって十分にご都合主義です。

> 戦力不保持の制約に基づく抑制的な防衛政策によって歴代政権は憲法と現実の折り合いを付けようとしてきた。歯止めを取り払う改憲論は、国会で積み上げてきた議論をあまりに軽視している。

 つまり、昔の解釈改憲は許せるけれど、現在および将来の解釈改憲は許せないってことですか? ずいぶん虫がいいというか、呑気な主張ですね。一体どこで線引きをするつもりなのか。
 信毎さんは、安倍より前の歴代内閣の解釈改憲を「国会で積み上げてきた議論」と好意的に評価していますが、その実態は、たんに「なし崩し」を許してきたサヨク護憲派の敗北の歴史でしょうに。
 集団的自衛権の行使容認だって、数年後には政府の憲法解釈として定着するのは明白です。結局、護憲派サヨクの皆さんは「憲法を守れ!」と叫んでさえいれば幸せで、その結果については何の責任も反省も感じていないんでしょう。

 我々が直視しなければならないのは、自衛隊が「存在する」現実よりも、自衛隊が「求められている」現実です。自衛隊の実態が変化するとすれば、それは国民や国際社会が自衛隊に寄せる期待の中身が変化した結果です。
 自衛隊が発足した当時は朝鮮戦争という現実がありました。その後は東西冷戦、そして現在は中国の軍拡、北朝鮮の核ミサイル開発、さらに韓国世論までが核保有を叫び始めた現実があります。

 そんな国際情勢の中にありながら、「現実のほうを憲法に近づける努力をしろ」などと真顔で言ってしまえる信毎さんは、どこまでお花畑なんでしょうか。
 せめて中国や北朝鮮が日本にとって軍事的脅威にはならないこと、もしくは軍事力がなくても連中の脅威を退ける方法があることを理路整然と説明できなければ説得力がないはずですが、いまのところサヨクの皆さんが主張する武器は「対話砲」オンリー。
 安倍政権や日本国民すら説得できないほど対話下手な皆さんが、習近平や金正恩を相手に日本の国益を守り通せるなんて、とうてい思えないんですけどね。

 もちろん、憲法の理想に向かって努力することは尊いですが、いまの憲法9条は理想というよりただの幻想にすぎません。いくら護憲派サヨクのみなさんが騒いでも、解釈改憲の流れを全然止められていないのがその証拠じゃないですか。


 現実を直視できないような人たちは国民の支持を得られません。だから彼らは永遠に解釈改憲を防ぐ力を持ちません。
 一方で彼らは、日本国民に改憲恐怖症を植え付けることには成功しています。その結果、日本国憲法はますます現実と乖離し形骸化していきます。
 憲法を守れと言いながら、憲法の無力化に一番貢献しているのがいまの護憲勢力であることを、信毎はさっさと認めたほうがいいと思うんですが、改憲論者=軍国主義者というレッテルに自縄自縛になっている状況では、どうしようもありませんね。
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信毎「11法案をまとめて審議なんて乱暴だ!どうせ全部反対だけど」

2015年9月17日 信濃毎日新聞社説

特別委採決 「良識の府」の名が泣く

・・・
 強行採決の色合いを薄めようと与党は、次世代の党など3野党と修正協議で合意した。自衛隊派遣の歯止め策として国会関与の強化を担保する閣議決定や法案の付帯決議を行うというものだ。
 憲法に反するという問題の本質は変わらない。3野党の修正案はもともと与党を助けるためのものだったのだろう。

PKOも審議不足

 11本の法案を二つにまとめただけに積み残された論点は多い。目を向けたい一つが、国連平和維持活動(PKO)など国際貢献に関わる任務拡大だ。
・・・
 法案は自衛隊の任務に治安維持活動を加えた。住民保護のための巡回、検問といった活動だ。「任務遂行のための武器使用」も認めている。離れた場所で武装集団に襲われた他国部隊や国連要因らを現場に出向いて助ける「駆け付け警護」もできる。
 活動の危険度が高まり、武器使用の現実味を増す。
 「国際連携平和安全活動」という枠組みを設け、国連が統括しない活動にも参加可能にする。かつてのイラク復興支援特別措置法のようなケースが念頭にある、
 本来、これだけでも一国会以上かけて議論すべきものである。集団的自衛権や後方支援とひとくくりに扱ったのでは、審議を尽くせるはずがない。
・・・
 法案には、紛争地で活動する非政府組織(NGO)も危機感を示している。
 日本国際ボランティアセンター(東京)スーダン事務所現地代表の今井高樹さんは先週、都内での集会で「襲撃してくる集団には武装した住民もいる。そういう人に銃を向ければ、日本への反感が高まるだけではないか」と、駆け付け警護に疑問を呈した。
・・・
 国際貢献を強めるにしても、なぜ武器使用を前提とした任務の拡大なのか。日本がPKOに参加して20年余、自衛隊は一発も銃弾を放たず傷つけることも傷つくこともなかった。それが日本への評価にもつながってきたはずだ。
 威嚇射撃であっても発泡すれば相手からの反撃が見込まれる。武器使用が日本への憎悪や敵意を生めば、かえって国民を危険にさらす。人道復興支援活動にもマイナスになる。
 武器に頼らない非軍事の貢献こそ、平和国家にふさわしい。停戦の仲介、紛争後の復旧や復興、医療、難民支援など、他に力を入れるべき分野はいくらでもある。あらためて成立に反対する。


 「審議が尽くせていない」。そりゃあ、内閣不信任決議案の趣旨説明だけで1時間44分もかかる民主党さんのことですから、衆参両院の審議に200時間かけようが200年かけようが足りないでしょうねえ。
 でも、ほんとうに審議なんか必要だったんでしょうか。
 
>11本の法案を二つにまとめただけに積み残された論点は多い。目を向けたい一つが、国連平和維持活動(PKO)など国際貢献に関わる任務拡大だ。

>武器に頼らない非軍事の貢献こそ、平和国家にふさわしい。停戦の仲介、紛争後の復旧や復興、医療、難民支援など、他に力を入れるべき分野はいくらでもある。あらためて成立に反対する。

 なんだ、どうせ反対なら一つにまとめて正解だったじゃないですか。複数の法案をまとめて審議採決することの問題点を指摘したければ、「法案の中には賛成できるところとできないところがある。だから個別に審議すべきだ」って言わないと。
 てゆうか、法案を個別審議したところでサヨク野党のみなさんはその一つ一つに憲法論争をふっかけてくるんでしょ?

 サヨクさんたちが危惧するように、今回の法案成立は日本の非軍事的貢献をおろそかにすることにつながるんでしょうか。わたしはそうは思いません。軍事的貢献も非軍事的貢献も両方できる限りのことを頑張ればいいだけです。より前線に近い地域がよりシビアな支援が求められており、その任務を遂行できるだけの能力を自衛隊が有しているのなら、国際社会の期待に応えることは決して悪いことではないはずです。そもそも、安全な場所での活動なら自衛隊じゃなくても務まるわけで。

 住民保護のための巡回、検問、駆け付け警護・・・立派な任務じゃないですか。現地の人たちに喜ばれることでしょう。まさに国際貢献です。それなのに、サヨクのみなさんが気にかけるのはテロリストの顔色ばかり。

>「襲撃してくる集団には武装した住民もいる。そういう人に銃を向ければ、日本への反感が高まるだけではないか」

 村を襲撃するようなヒャッハーたちを野放しにしておいたら、現地住民どころか国際社会からの反感も高まるんじゃないですかね。
 いままでの法律では自衛隊は現地住民や仲間の部隊をほったらかしてさっさと逃げてたんでしょ? わたしが現地の村人だったら、そんな日本のジエイタイの姿に絶対イラッとすると思います。少なくとも失望します。

>日本がPKOに参加して20年余、自衛隊は一発も銃弾を放たず傷つけることも傷つくこともなかった。

 安全なところでしか活動してこなかったんだから当たり前じゃないですか。で、その安全を誰が確保してくれたのかといえば、前線で危険な任務を行っている他国の部隊なのですから、何の自慢にもなりません。
 社説が取り上げている南スーダンのPKOに関して言えば、自衛隊(施設部隊)が派遣されているジュバの全般警備は、中国、エチオピア、ネパール、ルワンダの歩兵部隊が担当しているとのこと(ソース:内閣府HP)。どの国も日本と比べれば決して国情が安定しているとはいえないでしょうに(中国も含めw)、そんな彼らが異国の地で自衛隊の代わりに銃を撃ち、傷を負うリスクを引き受けてくれているなんて皮肉すぎます。いくら役割分担とはいえ、これらの国に自衛隊の安全がおんぶにだっこという状況を知れば、申し訳なくも恥ずかしい気持ちになるのが日本人として自然じゃないですかね。ましてや「銃を撃たないからわが国は平和国家ダ!」と胸を張れる神経がわたしには理解できません。

>武器に頼らない非軍事の貢献こそ、平和国家にふさわしい。

 今年1月、ISILは安倍首相が中東にテロ対策支援を行うと表明したことに言いがかりをつけ、日本人の人質2人を殺害しました。安倍首相が表明したのは非軍事的な援助だったのに、ISILは聞く耳を持ちませんでした。
 結局のところ、軍事的だろうが非軍事的だろうが、何かをやろうとすればいつだって誰かから恨まれる可能性があるのです。テロリストと村人のどちらに恨まれるのが怖いかといえば前者でしょうが、どちらのために行動すべきかといえば、答えは明らかです。

 自衛隊の国際的役割拡大に反対するサヨクさんたちの主張の本質は、ぶっちゃければ「遠くの国の紛争なんか知ったこっちゃない、どこの馬の骨とも分からない連中を助けるためにどうして日本人が命を賭けなきゃいけないんだ。汚れ役はよその国に押しつけて、オレたちは安全なところで適当にお茶を濁しておけばいいじゃないか」という、一種のエゴです。
 日本にとって一番大切なのは自国民の安全ですから、こういう主張があるのは自然なことです。でも、サヨクのみなさんはそのエゴを「平和国家ニッポン」「好戦国家ニッポン」という二枚舌で誤魔化し、自分たちは高いところから自国と他国の両方を見下しているのです。

 PKOが議題になる時は自衛隊員の危険ばかり騒ぎ立て、現地住民や他国の部隊のことは二の次。
 憲法9条が議題になる時は自衛隊がまるで侵略軍かのように騒ぎたて、隊員や自国の安全は二の次。
 このダブルスタンダードがわたしには気に入りません。

 現実から目をそらし、キレイゴトばっかり言っているサヨク野党を相手にいくら時間をかけたところで、有益な議論ができないのは当然のことだと思います。

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信毎「自民党なんか総裁選で分裂すればよかったのに。チッ」

 自民党総裁選で安倍さんが無投票当選したことをサヨクのみなさんが批判しています。
 信濃毎日新聞は9日の社説2本を両方とも安倍総裁再選の話題にあてていました。
 その一つをご紹介。

09月09日(水)信濃毎日新聞社説

自民党 無投票が映すいびつな姿

 政権を担う自民党の総裁選は単に一政党のトップを選ぶものではない。国政のリーダーを国民が見定める機会でもある。
 党にとっては論戦を通じて人材の多様さ、懐の深さをアピールする場になる。
 せっかくのチャンスを生かそうとはしなかった。安倍晋三首相の無投票での再選である。党幹部らは、対立候補を出させまいと躍起だった。今の自民党のいびつな姿が見て取れる。
・・・
 党幹部らが無投票にこだわったのは、安全保障関連法案の審議への影響を避けるためだ。総裁選は議員票に加え、党員・党友の地方票がある。選挙戦になれば、地方から「反安倍」票が出る可能性もあるとみたのだろう。
 国会審議と総裁選が重なる事態を自ら招いておきながら、身勝手な考え方ではないか。
 党の総裁選挙管理委員会は、野田氏が立候補した場合を想定して国会審議への影響を極力抑える手だても検討していた。前回より街頭演説の回数を減らすといったものだ。何のための総裁選かと首をかしげたくなる。
・・・
 首相「1強」が際立つほど次を担う人材の不在を印象付ける。自民党の活力が失われてはいないか。安保、原発、経済政策など党内にはさまざまな意見があるはずだ。異論が聞こえてこない状況は党の将来にマイナスである。


 ……総裁選をやろうがやるまいが、そんなことは自民党の自由じゃないですか。外野がなにをそんなに大騒ぎしているんですか。
 信毎さんは自民党打破が社是だから、本当は総裁選で自民党内に亀裂が入るのを期待してたんでしょ? その「チャンス」が消えた不満を無理やりもっともらしげな批判に言い換えようとするから、すっかりいびつな社説になっています。

 異論をぶつけあうのが健全な政党? 政党ってのは同じ政治的価値観を共有する人々の任意の集まりですから、べつに党内論争がなくてもおかしくないと思いますけどね。国会をほったらかしにして論争しなければならないほどの対立があるならば、さっさと別の政党に分裂してくれた方が有権者としてはありがたいです。

 党執行部がいろいろ根回ししたのだとしても、そんな工作はこれまでの総裁選挙でもいくらでもあったはず。その根回しに屈した反安倍派も、問題意識は所詮その程度だったということです。党内の権力争いより国会審議を優先した自民党の判断は、むしろ国民に対して誠実だと思いますけど。
 もし総裁選が実現し安倍総裁が日本中を街宣カーで飛び回っていたら、どうせ野党や信毎は「党内の権力争いにかまけて国会を軽視している。何のための政党か」と大喜びで食いついたでしょうに。たしかこの前、首相がほんの一日大阪のTVに出ただけで「国会軽視だ!」と叫んでましたよね。

 信毎によると、野党は「異論のない組織の危うさを感じる」(民主党長妻)、「昔の密室の政治、暗い派閥の政治に戻った」(維新の党松野代表)などと批判していますが、国政選挙で勝てない負け犬の遠吠えでしかありません。そもそもいまの国会を一強多弱状態にしたのは、野党のみなさんが揃いもそろって内部対立にあけくれて自滅したせいじゃないですか。野党の中では中央集権制の共産党だけが躍進してる現実はなんとも皮肉です。

 民主党長野県連の北沢俊美氏なんかは「自民党内で、もう少し国民のための深い議論があって良かった」とコメントしていますが、自分で言ってて情けなくないのかな。国民のために国会審議の場において深い議論を挑むのがあなたがた民主党の仕事じゃないですか。それを自民党の総裁選に丸投げしちゃったら、自民党員を日本国民の代表者として認めたも同然ですよ。あなたがた、最近の国政選挙ではいつも、自民党の得票率が低いことを理由に「自民が大勝したからといって必ずしも民意を反映したものではない!」みたいなことを叫んでませんでしたっけ?

 こういう、よその政党の内部のイベントにシタリ顔で口出しする態度って、日本の内政に平然と干渉してくる韓国にそっくりですね。安倍憎しに目がくらんで主張が支離滅裂になってたり、何を叫んでも相手の痛痒になってないところも含めて。

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対話教のためにはキンペー演説すら捏造する信毎

 さすがの信濃毎日新聞も、中国の軍事パレードを問題視する社説を掲載していました。

2015年9月4日 信濃毎日新聞3面

中国戦勝行事 「大国」にふさわしいか

 市民の日常生活を圧迫することもいとわずに大々的な軍事パレードを挙行し、存在感を内外に誇示する、それが「大国」にふさわしい振る舞いとはとても思えない。
 中国はきのう、「抗日戦争勝利70周年」の記念行事を開き、その一環として軍事パレードを行った。「10年ごと」の慣例を破り、建国60年の2009年以来6年ぶりである。諸外国の首脳らを広く招いたのは初めてだ。

 兵士1万2千人を動員。装備は全て国産で、対艦弾道ミサイルなどの新兵器をはじめ8割以上が初公開という。軍事力の強大さを示す意図は明らかだろう。東シナ海に進出を図る中国の行動は周辺国とのあつれきを招いてきた。国防費の増加は顕著で、軍拡路線は鮮明だ。習近平国家主席は演説で、中国は覇権を唱えず、拡張政策も取らないと述べたが、説得力に乏しい。
 米国に次ぐ経済大国となった中国は大きな影響力を持つ。アジアや世界の安定と平和に向け、責任ある大国として役割を果すことが求められている。軍事力を見せつける姿勢はそれと相反する。

 習指導部はことしを「抗日戦争と反ファシズム戦争の勝利70年」と位置づけている。第2次大戦の「戦勝国」の立場を強調して国際秩序の構築に積極的に関与する意思を示すとともに、共産党の権威を高め、一党支配体制の正当性を国民に訴える狙いがある。
 ただ、思惑通りには事は運んでいない。記念行事にはロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵大統領らが参列する一方、欧米主要国の首脳は軒並み出席を見合わせ、安倍晋三首相も欠席した。
 国内では言論の締め付けを強め、パレード開催を疑問視したりする「デマ」を集中的に取り締まった。開催地の北京には厳戒態勢を敷き、交通規制や工場の操業停止、焦点の営業休止で仕事や生活に大きな影響が出ている。

 中国がいま取り組むべきは、国の威信を示すことではない。人々の声に耳を傾け、政治の民主化を前進させることだ。習指導部が自らの姿勢を問い直すことなしに、国際社会で幅広い信頼を得ることはできない。
 日本の向き合い方も問われる。習氏の演説からは対日関係改善への意思も読み取れた。習氏と朴氏の会談では、日中韓3カ国の首脳会談を10月末にも開くことで一致している。地域の安定に向け、対話を通じて信頼関係を構築する取り組みを強めたい。


 それなりに中国に苦言を呈したことについては褒めてあげましょう(上から目線)。でも案の定、結論は相変わらず芸のない「対話セヨー、タイワセヨー」の一本槍。

>習氏の演説からは対日関係改善への意思も読み取れた。

 はて、そうですか。この日の紙面で中国の抗日記念行事についての記事が掲載されていたのは1,2,3,5面。この中から習氏の演説について触れた部分を抜き出してみましょう。

1面

習近平国家主席はパレード後のレセプションで戦後世代に「正しい歴史観」を持つよう求め、謝罪に区切りを付けたい意向を示した安倍晋三首相の戦後70年談話を暗に批判した。歴史認識をめぐる対日攻勢の継続を宣言した形だ。
・・・
 習氏は記念行事の演説で「戦勝国」の立場を誇示。中国は覇権を唱えないと述べ、中国軍の兵力230万人のうち30万人を削減すると発表した。
・・・
【レセプションで(引用者注)】習氏は「侵略戦争以後に生まれた人であっても、正しい歴史観を持ち、歴史の教訓を心に刻まなければならない」と強調。「侵略戦争の否定は歴史をもてあそぶものであり、人類の良識に対する侮辱だ。世界中の人の信頼を失うのは必然だ」として、安倍氏をけん制した。


3面

 「侵略戦争の否定は人類の良識に対する侮辱だ」。パレード後のレセプション。習国家主席はロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵大統領ら居並ぶ各国要人を前に、こう強調した。
 習氏は2日に会談した朴大統領と、10月末にも日中韓首脳会談を開催することで一致したばかり。安倍氏の戦後70年談話にも厳しい反応を示さず、日本に抑制的な対応をしてきたが、対日「歴史カード」を維持する姿勢をあらためて示した。

中国軍事パレードQ&A

A パレードに伴う記念行事で習近平国主席は「戦勝国」としての立場を誇示し、国際秩序構築に関与を強めることに意欲を示しました。終了後のレセプションでは、戦後世代に「正しい歴史観」を持つよう求め、謝罪に区切りを付けたいとした安倍晋三首相の戦後70年談話を暗に批判しました。


5面

 「日本軍国主義を徹底的に粉砕し、世界の中で中国の大国としての地位を再び確立した」。周主席は軍事パレードに先立つ天安門城楼での演説で訴えた。日本軍国主義を打倒して「大国」の一角を占めたという歴史観が、党の正統性を誇示するために今も必要な論理だからだ。


 わたしがチェックした限り、習氏の演説についてふれた部分は以上がすべて。これらのどこから「対日関係改善への意思」が読み取れるんですかね? 報道と主張がまったく噛み合っていません。三国首脳会談への同意を表明したのは演説のときではありませんし、兵士30万人削減も、たんに兵器の近代化によって不要になっただけだとあちこちのメディアで指摘されています。
(ちなみに、パレードでの習近平演説の全文は産経新聞に出ています→こちら

 中国には「歴史をもてあそぶな」「正しい歴史観を持て」などと他国に説教を垂れる資格はありません。そもそも中華人民共和国が大きな顔で「戦勝国」を名乗ること自体、日本人からすると「ハア?」ですよね。
 この日の信毎も次のように書いていました。

5面

その一方、軍事パレードを通じて「強国」路線を前面に出す中で、「抗日戦争はそもそも国民党が主導したものだった」という矛盾も露呈した。解放軍歴史研究室の研究員は記者会見で「日本打倒で中国が決定的な力を持った」と強調したが、「(当時の)主力はソ連、米国、英国の3カ国だった」と解説する国防大学教授の文章がインターネット上で流れ、共産党の歴史観への疑問が相次いだ。
 不満と疑問の声は、軍事パレードへの招待客にも及んだ。
 習主席が天安門で固く握手を交わした首脳の中に、戦争犯罪と人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に国際手配されているスーダンのバシル大統領の姿があった。ある中国人知識人は、ネット上でこう指摘した。「バシルを(平和を訴える)反ファシズムの式典に招待して連携を強化することは、中国も戦争犯罪に協力することになるのではないか」(北京時事)

【北京共同】・・・
 一方、上海市の企業に勤めている女性(38)は「社会や経済など国内問題の解決が大きな課題だ」と強調し「抗日戦争では(現在の台湾与党である)国民党政権が正面の戦場で主導的役割を果たした。(共産党は)国民党の功労を横取りしているのではないか」と疑問を呈した。


 こうした報道は、中国国民の冷静な声を紹介して日本人の警戒感を和らげようという意図かもしれませんが、むしろ、こんなデタラメで不誠実な共産党政権とまともな「対話」が成り立つのかという絶望感の方が大きくなります。
 そもそも、ファシズムとは「対内的には暴力的手段で民主主義的自由を奪い、対外的には帝国主義的侵略主義を主張するもの」(小学館『新選国語辞典』第七版)。天安門事件を認めず、オバマに「太平洋を半分こしないか」と持ちかけ、弾道ミサイルをおっ立ててパレードする中国こそ立派なファシズムじゃないですか。
 中国が信頼に値しない国であることは信毎すら認める現実なのに、ケンポー9条とタイワ砲だけでどうやって対峙すればいいんですか。日本と中国の軍事力の差は刻一刻と開いているのに、同盟国・友好国との連携を強化しないでどうするんですか。

 信毎の紙面上では、国際社会の現実とサヨクメディアの幻想との間で乖離が進んでいます。
 この日の時事まんがはとくに気持ち悪かったです。
150905sinmaia.jpg

 なにこれ。軍事パレードはただの冗談だよ~ん! ってことですか?
 これがサヨクのみなさんの国際感覚なのかと思うとため息が出ますね。中国のミサイルは見かけ倒しのハリボテだ、という皮肉が含まれているのだとしても。

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安倍首相の「粘り強い外交努力」にも文句をつけたがる信濃毎日

08月25日(火) 信濃毎日新聞3面社説

訪中見送り 関係改善に影響ないか

 安倍晋三首相が来月上旬の中国訪問を見送ることを決めた。
 中国は「抗日戦争勝利記念日」と定める9月3日の行事に、日本を含む50カ国余の首脳を招待している。
 日中双方に関係修復を模索する動きが出始めている。安倍首相が発表した戦後70年談話に中国側が抑制的な対応を示したことで首相の判断が注目されていた。

 両国の間には沖縄の尖閣諸島をめぐる対立がある。経済や安全保障、環境問題など首脳同士が膝を突き合わせて話し合わねばならない課題が山積している。
 訪中見送りが、関係改善の流れに影響することもあり得る。後退することにならぬよう、外交上の手当てを万全にしてほしい。

 中国が示した日程案は、首相が軍事パレード終了後の3日午後に北京空港に到着。習近平国家主席と会談し、記念レセプションに参加する内容だったという。
 日本側は3日を避け、2日か4日に訪中する案を打診したが、折り合えなかったとされる。
 首相はきのうの参院予算委員会で訪中見送りに関し、「国会の状況などを踏まえて判断した」と述べた。安保関連法案の審議が大詰めを迎えていることを強調したけれど、事情は複雑のようだ。

 中国はアジア太平洋で米国に対抗している。海洋進出を強め、経済面では日米の影響力が強い世界銀行などを意識し、アジアインフラ投資銀行設立を主導する。
 抗日戦争勝利記念日は、日本の降伏文書調印式(1945年9月2日)の翌日。中国の国会に当たる全国人民代表大会が法律で確定させた。「戦勝国」として重要な役割を担っていることを宣伝する目的がある。ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵大統領が出席する意向を示した。
 米国はこうした動きに神経をとがらせている。韓国には出席を見合わせるよう求めていた。
 オバマ大統領ら大半の欧米各国首脳は出席しない見通しだ。安倍首相には米国の顔を立てる狙いもあったのではないか。反日色が濃い行事になる懸念もあり、国内保守層に配慮したとみられる。

 国会審議で政府与党は中国脅威論を強調している。中国の軍事費が不透明で、軍事力の拡大に力を入れているのは事実だ。が、安保法制の整備が日本の軍拡を進めやすくする可能性がある。
 まずは中国との緊張を和らげ、不測の事態を招かない関係を築くことが重要だ。日中は首脳会談の実現を急がねばならない。


 まるで、戦後70年談話の時は中国が和解のシグナルを送ったのに、安倍首相が日程にこだわって訪中を拒否したせいで日中関係が再び悪化しかねない、みたいな書きっぷりですね。

 9月3日の行事については、米、英、独、豪などの欧米諸国首脳が早々に不参加を決めた中、安倍首相はギリギリまで訪中の可能性を探っていました。
 信毎の同日付2面では、その交渉過程を以下のように説明しています。

 しかし中国は首相が求める「和解」演出に応じようとしなかった。習指導部は「共産党は抗日戦争勝利の立役者」との政治宣伝を強化しており、「抗日」の旗を降ろしては元も子もないからだ。北京の外交筋は「首相を招待したのは和解のためではなく、習氏の指導力を国民に見せつけるためだ」と解説。訪中調整の実態は同床異夢だった。


 習近平はレセプションで安倍首相を晒し者にする気満々だったんでしょうね。反日気運で盛り上がっている時期の中国に、コケにされるリスクを承知の上で乗り込むことを検討していた安倍さんの姿勢は、サヨクの皆さんがバカの一つ覚えのように言う「粘り強い外交努力」そのもののように見えます。
 なのになぜ信毎はそれを評価しようとしないのか。隣国との和解よりもプロパガンダを優先して首相の訪中を拒んだのは中国側なのに、なぜ信毎は「米国の顔を立てた」「保守層に配慮した」などと、妙に厭味ったらしいのか。

>国会審議で政府与党は中国脅威論を強調している。中国の軍事費が不透明で、軍事力の拡大に力を入れているのは事実だ。が、安保法制の整備が日本の軍拡を進めやすくする可能性がある。

 なにが「が、」なのか、さっぱり分かりません。安保法制に反対ならば、信毎は中国をきちんと批判すべきです。左派メディアのメンツにかけてこれ↓くらいのことを言ってみろっての。

「先の大戦が終結して70年も経過した現在、式典を名目に武力を誇示することは、安倍支持層である極右勢力を刺激し、日本に軍国主義復活の口実を与える愚かな行為である。安倍の暴走を阻止し、日米同盟を弱体化させたければ、中国はむしろ率先して軍縮に努め、海洋進出を自粛すべきである」

 抗日行事への首脳出席を決めているのはロシア、モンゴル、カザフスタン、ベラルーシ、キルギス、そして韓国など10カ国程度とのこと。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20150824-00048758/
 要するに上海協力機構と東アジアの親中勢力が主体なのでしょう。
 で、同日付の信毎はこれらの国をどのように報じているかというと。

4面

毛沢東政権 1950年の討論文書
天皇制「象徴でも危険」

→毛沢東が日本の天皇制を断固廃止させようと目論んでいたという内容。

「男ならハラキリ」ロ副首相が日本挑発
→北方領土問題に関し、ロシアのロゴジン副首相がツイッターで「真の男ならハラキリをして静かになる。結局のところ(日本は)騒ぎ立てているだけだ」と発言したとの内容。


5面

中国軍 早期警戒衛星実験 計画
ミサイル防衛 米に対抗
米中 宇宙で軍拡競争

→中国がMD網や新型の極超音速ミサイルなどを開発しているという内容。

中国 また化学工場で火災
→河南省と江蘇省でも爆発があったという内容。

譲歩しない姿勢を 韓国大統領が強調
南北会談3日目継続

→南北の軍事的緊張が高まる中、朴槿恵大統領はあくまで強気であるとの内容。

パルミラの神殿爆破か
「イスラム国」シリアの世界遺産


 …皆さんそろって挑発的ですねえ。近くでは好戦的な国々が蠢き、遠くでは狂信的な武装勢力が狼藉三昧。安倍首相の「積極的平和主義」というのはこういう連中にきちんと対応できるようにするのが目的ですから、わたしなんかはこういう記事を読むと素直に「集団的自衛権はやっぱり必要なんじゃないの?」と思ってしまいます。
 けれど信毎は不穏な国際情勢を報じながらも、社説になるとなぜかひたすら「安保法制反対!集団的自衛権反対!9条を守れ!」ばかり。
 長野県民は、こういう郷土紙の姿勢に疑問を感じないんでしょうかね。

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