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「アジア安全保障協力機構」の実現に必要なもの

 信濃毎日新聞の社説は連日、集団的自衛権行使容認に対する批判ばかりで、愛読者の一人としては食傷気味です。一方で、信毎が日朝対話スタートや河野談話作成過程検証報告などのビッグイベントを社説で取り上げたのを見た記憶がありません。つまんないの。

 6月26日朝刊の4面では、千葉眞(しん)・国際基督教大学教授の投稿文が「安倍政権の『憲法破壊』」「時代遅れの軍事的安全保障」の見出しで掲載されておりました。
 千葉先生は政治思想史・政治理論が専門だそうで、護憲派の論客の一人のようです。以下に内容を要約します。
 安倍政権がやろうとしている集団的自衛権行使容認や平和憲法の破壊は、中国や北朝鮮への挑発であり、これらの国に日本への不信と敵愾心を増幅させて対日軍備増強を招く恐れがある。
 歴史を振り返れば、欧州ではNATO(北大西洋条約機構)への依存度を下げ、OSCE(欧州安保協力機構)を設立して東西両陣営の信頼醸成のメカニズムを作った。こうした努力や国連軍縮委員会の活動など、軍縮・平和外交が奏功して冷戦終結の一要因となった。現在ではカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ASEANなどがこうした非軍事的な安全保障に基づく外交路線を採用している。
 日本もこれらに倣い、平和憲法の「非戦」の信用力と信頼醸成によるソフトパワーを中心とした平和構築外交を推進すべきだ。
 骨子は正直いってサヨクさんお決まりの主張そのまんまで「耳にタコ」ですが、OSCEとか難しそうなモノを引き合いに出してきていてさすが専門家。どれほど説得力があるのかと思い、このOSCEというものについて興味を持ちました。
 にわかでウィキペディアの関連項目から仕入れた知識をまとめると以下のとおり。

 OSCE(欧州安全保障協力機構)は1975年に発足した全欧安全保障協力会議(CSCE)が前身。冷戦終了後の1995年に現在の名称に変更し今に至ります。欧米やロシアなど57カ国が加盟する世界最大の地域的安全保障組織で、民主主義体勢の構築・強化および基本的人権の保証と保護、武力行使の抑止における加盟各国の協力と相互尊重を目的としています。アジアではモンゴルが加盟しているほか、アフガニスタン、日本、韓国、タイが協力国となっています。

 安全保障だけでなく、民主主義とか基本的人権も対象になっているんですね。ではこの組織の前身であるCSCEはどのような過程で誕生したんでしょうか。
 こちらなどを基にわたしが理解したのが以下の流れです。

 CSCEは、冷戦時代の途中にあったデタント(緊張緩和)を象徴するものの一つで、元々のアイデアはソ連側から提案されました。CSCEができる前の1960年代は、キューバ危機やベルリン危機などで東西の緊張関係がピークに達しており、さすがにこれにウンザリしたソ連は軍事対立に終止符を打つ代わりに現状の国境線を認めてお互いの主権を認めましょうやと提案しました。当時アメリカはベトナム戦争に負けたせいで発言力が弱っており、ソ連は主導権を握りやすい立場にあったのです。ソ連には東ドイツを国際的に認めさせたいという思惑もありました。西側も協議に応じ、思想や文化が自由に交流できることを追加するよう求めるなど、西側のNATOと東側のWTO(ワルシャワ条約機構)の間で話し合いが重ねられCSCEが実現したわけです。

 以上の歴史をみれば分かる通り、CSCEは当時極限に達した軍事的緊張を緩和したいという東西両陣営の思惑が一致して成立したものです。では、いまの日本と中国にそういう「思惑の一致」は期待できるのでしょうか。
 習近平政権は、急成長する自国の経済力、薄まりつつある米国の影響力を背景にイケイケドンドン。とくに力を入れているのが海洋進出で、そのために日・越・比など海側周辺国とのトラブルを引き起こしています。いまの中国には「軍縮してお互い仲良く」なんて発想はどこにもありません。
 そういう相手にいきなりOSCEみたいな軍縮・平和路線を求めても無益なのは明らかです。
 そもそも日本はOSCEの協力国ですが、中国は完全に距離を置いています。そりゃ、「民主主義体勢の構築・強化および基本的人権の保証と保護」を追求するOSCEの理念とは真っ向から対立してますからね。

 千葉先生は「カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ASEANもこうした非軍事的安全保障に基づく外交を行っている」とおっしゃいますが、カナダもニュージーランドもオーストラリアも近隣に面倒な国がなく地政学的に恵まれています。それにASEAN各国は対中姿勢に関しては一枚岩ではありません。日本の集団的自衛権について理解を示してますし、むしろ熱烈歓迎している国だってあります。くわえて、千葉先生が挙げた国々はべつに憲法で戦力不保持なんか謳ってないし集団的自衛権の行使を自制してるわけでもありません。
 さらに言わせてもらえば、GDPにおける軍事費(防衛費)の比率(2011年)はカナダ1.5%、ニュージーランド1.2%、オーストラリア1.9%、サヨクさんやコリアンさんがしょっちゅう「見習え!」と叫ぶドイツですら1.4%もあります。対して日本はたった1.0%。ちょっと日本って平和すぎやしませんかね?(いつものウヨク論法で恐縮ですw)

 千葉先生は「日本は平和憲法の『非戦』の信用力と信頼醸成によるソフトパワーを中心とした平和構築外交を推進すべきだ」とおっしゃいます。でもそれをやってきた結果が現在の東アジア情勢なわけで。戦後ずっと「平和憲法」を順守し実行してきた日本という素晴らしい隣国がありながら、いまだに「日帝」の残虐性を国民に刷り込んで軍備増強に利用している中国や北朝鮮って何なんでしょうね。
 
 専門家の大学教授様に盾突くのは恐れ多いのですが、日本の集団的自衛権行使容認や憲法改正が「中国への挑発になる」という言い方は正しくないんじゃないですかね。「中国に口実を与える」というのが正確でしょう。そして口実はしょせん口実であり、たとえ日本が憲法の解釈変更や改正なんかしなくたって、中国は必要さえあれば好きなときに好きなように好きな口実をでっちあげてくるでしょう。たとえば戦時中のことを蒸し返して日本にイチャモンをつけ、それを日本が拒めば即座に「日本は歴史を反省していない!」「帝国主義の野望を捨てていない!」と叫べるんですから楽なもんです。
 そもそもいまの中国には、日本を信頼しなければならない必要性がないのです。中国が軍備拡張に積極的なのは日本の挑発におびえているからではなく、たんにマッチョになりたいからです。東シナ海や南シナ海でブイブイ言わせ、資源を採掘してさらなる経済成長を遂げたいからです。経済成長しないと共産党の息の音が止まってしまうからです。 

 一足遅れでやってきた大国・中国は、わたしの印象からすると先進国の歴史を良くも悪くも忠実に踏襲しているように見えます。非民主的な政治体制しかり、少数民族を征服抑圧する植民地主義しかり、環境汚染しかり、激しい経済格差しかり。要するにいまの中国や北朝鮮こそ「時代遅れ」なのです。習近平のスローガン「中華民族の夢を取り戻せ」なんて、完全に前近代へ逆行してますよね。
 そんな中国には何も言わず、自国の政府ばかり批判するサヨクの皆さんってなんなんでしょうか。いまの日本が時代に逆行しているとしたら、それは中国や北朝鮮の異次元的時代錯誤に引きずられた結果であり、日本の平和主義を無視し続けてきた特亜に対する日本人の失望であり、役立たずな自国のサヨク政党に対する苛立ちなのです。

 中国が突き進む覇権主義の行き着く先がアメリカを凌ぐ超大国化なのか、それとも哀れな自壊自滅なのかはわかりませんが、気が済むまでとことんやって教訓を得なければ彼らは「時代」に追いつけないでしょう。
 歴史に学ぶとしたら、アジア版OSCE=アジア安全保障協力機構(OSCA)が実現するにはおそらく、中華陣営vs反中華陣営の対立激化という「アジア危機」が必要になるでしょう。だとすれば、安倍政権の中国包囲戦略はむしろその実現に向かう近道の一つかもしれませんw。

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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
ジャンル : 政治・経済

相変わらずな朝鮮日報の反論にツッコミを入れる

 今回の河野談話検証報告について、韓国各紙は当然ながら非難轟々の様子です(知韓宣言)。
 その中で朝鮮日報はさすが大手だけに、たんに日本を非難するだけでなく報告書の問題点を指摘しようとしていました。でもこれがまた、悲しくなるほど的はずれなんですよね。韓国人のみなさん、というか車学峰(チャ・ハクポン)東京特派員さん、しっかりしてくださいよもう・・・。
 以下、朝鮮日報の主張要約本文引用、そしてわたしの感想です。

1.スマラン事件(白馬事件)などを見れば明らかなように、従軍慰安婦の強制動員は歴史的事実だ。
(1)普遍的人権の問題を韓日の外交問題に歪曲

 従軍慰安婦の強制動員は、数多くの元慰安婦の証言や文書で確認された歴史的事実だ。慰安婦の強制動員は韓国だけでなく、中国、マレーシア、インドネシアなどアジア全域で行われた。1944年にインドネシアでオランダの民間人女性35人を慰安所に連れて行き、性的奴隷にした「スマラン事件(白馬事件)」は、戦後の国際軍事裁判やオランダ政府報告書でもはっきりと確認されている犯罪だ。

 この報告書は、韓日間の外交的妥協の産物として河野談話が発表されたかのように記述している。同報告書は外交交渉の内容を日時別に口語体で叙述し、まるで「密室の共謀」により河野談話が作られたような印象も与える。これは「慰安婦の強制動員は操作されたもので、両国間の問題に過ぎない」という極右派の主張を徹底的に踏襲したものだ。関東学院大学の林博史教授は「普遍的人権の問題を両国間の外交問題に潤色した検証」と評した。
→スマラン事件のことなんか日本側は百も承知ですよ。河野談話に「官憲等が直接これに加担したこともあった」と盛り込まれたのは、日本国民に突っ込まれたとき「これはスマラン事件のことだから」と言い逃れできると河野さんたちが踏んでいたからでしょう。ま、河野談話は実質韓国に向けて行われたものですから、はっきり言って詭弁なんですけどね。
 スマラン事件は国際軍事裁判で裁かれており、被害者はアジア女性基金の償い金を受け取っています。韓国側が日本を論破したければ、コリアン女性の事例を出さないと意味がありません。慰安婦にされたのは朝鮮半島出身者が一番多かったというのが韓国の言い分なわけですし。それができない時点で韓国側の主張に説得力がないことを自白してるようなものじゃないですか。


2.1992年に防衛研究所で発見された文書など、河野談話の根拠となった資料の内容について何も検討していない。
(2)自分たちの意向に合う文書だけ読み「調査終了」 

 河野談話が作成されたのは、日本軍が慰安所設置・運営に直接または間接的に関与した文書が日本国内で発見されたのがきっかけだった。しかし、この報告書では「1992年に防衛庁(当時)防衛研究所で日本軍が関与したという文書が発見された」という内容だけが簡単に記述されている。検証チームは、防衛研究所の文書はもちろん、談話の根拠とされた各種文書に対する検討もしていない。
 北東アジア歴史財団のナム・サング博士は「河野談話の草案は日本政府が発見した関連文書を根拠としているのに、その文書を検討もしていないとすれば、きちんとした検証と見なすことはできない」と話している。
→今回の報告書は河野談話そのものの是非ではなく、作成過程を明らかにしたものですから、談話の根拠となった資料の中身を問題にしていないのは当然です。朝鮮日報の記者はどうもそのことを理解できていないようですね。ていうか資料の中身を検証することはすなわち河野談話そのものを検証することになってしまうわけで、それをするな! と叫んでいたのは韓国側じゃなかったんですか? 資料の中身を検討するとなると、元慰安婦の証言の中身も検討しなければならないことになりますが、いいんですか?
 それに朝鮮日報が例示している文書は、慰安婦の不法な募集を取り締まるよう指示する文書ですから、日本軍がコリアン女性を強制連行した証拠にはなりません。

3.河野談話の発表後に新たに発見された資料について言及していないから不十分だ。
(3)新たな資料を排除、河野談話の「無力化」戦略

 河野談話の発表後、慰安婦問題をめぐり500件以上の資料が新たに発見されたが、検証チームはこれに全く言及していない。同報告書は「日本軍が慰安婦を強制連行した資料はない」という点ばかり強調している。これは、日本政府が「河野談話を継承する」と言いながらも、河野談話を無力化するため検証したことを示している。林教授は「日本政府は河野談話を修正したがっているが、各国からの反発を懸念している。そこで、河野談話の検証を通じ信頼度を落とすという作戦を取ったもの」と分析した。
→繰り返しになりますが、今回の報告書は河野談話の作成過程を検証したものです。だから談話以降なんか関係ありません。アジア女性基金の記述はオマケみたいなもんです。
 それにしても、いまだに日本を責めるネタが1992年発見の公文書とスマラン事件しかない時点で、談話以降に見つかったという500件以上の資料がどの程度のものか、容易に想像がついてしまうのが物悲しいですね。

4.主導したのは極右学者。結論は最初から決まっていた。
(4)極右派の学者が調査を主導、結論は当初から決まっていた

 日本政府は「河野談話検証チームは中立的な法曹関係者、教授、学者、ジャーナリストら5人で、このうち女性は3人だ」と発表した。しかし、慰安婦問題に関する専門家は「慰安婦は公娼が戦場に移動したに過ぎない」と慰安婦の強制動員を否定してきた極右派学者・秦郁彦氏(81)だけだ。フジテレビの元ニュースキャスター有馬真紀子氏(81)は女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)理事を務めたが「女性リーダー論」に関する著書を主に書いているだけで、慰安婦問題に深く関与したことがない。そのほかには検事総長を務めた法曹関係者、国際関係学・国際法教授が調査に参加した。関連問題の専門家でない人物ばかりで、検証のための集まりは5回しか開かれていない。
→ある程度のシナリオは確かに最初から決まってたかもしれませんねえ。でも河野さん本人が「正しい」って言ってるから正しいんじゃないですか? 韓国なら「河野は極右!」とか言いそうですけどw
 秦さんが極右かどうかわたしは知りませんが、調査を主導した人物を問題にするなら座長の但木さんを取り上げた方がいいんじゃないですか? ていうか何度も言いますが今回は河野談話そのものじゃなくて河野談話の成立過程が検証対象なんですから、慰安婦問題の専門家なんか必要ないと思いますよ。当時の日韓のやりとりの記録を整理すればいいだけなんだから、実際はヒラ官僚でもできる仕事でしょう。会合が5回しか開かれていないのもそれが理由じゃないですかね。付け加えますと、今回の報告書には「結論」なんかありません。

 以上、朝鮮日報の指摘は完全に的はずれです。今回の報告書について韓国側が批判するとしたら、「いまさら内情を暴露するな!」もしくは「あのときそんなことは言ってない!」しかないでしょう。

でも、日本では左派系の沖縄タイムスすら社説
 日韓の水面下のやりとりについては、当時、複数の新聞に取り上げられている。決して目新しい話ではない。
 外交関係文書の作成にあたって、事前に相手国と内容をすりあわせるのも特に問題はない。
 とおっしゃってます。
 たいして目新しくもなく、特に問題もないことを発表されただけなのに「日韓外交が崩壊する!」とか騒いでる皆さんは何なんでしょう。
 それにしても、韓国メディアにしろ日本国内の左派勢力にしろ、どうも一枚岩になりきれてないのが残念ですね。「強制連行は事実だ!」「強制連行はともかく広義の強制性が!」「強制性なんか関係ない、人権侵害があったことは確かだ!」……みなさん言うことがバラバラで、責められるウヨクは無駄に混乱するばかりです。
 このさい反日勢力同士、一度水面下できちんとすりあわせしてみたらどうですか? 河野さんを見習って、ね。

テーマ : 従軍慰安婦性奴隷制問題
ジャンル : 政治・経済

相変わらずな河野さんの演説にツッコミを入れる

 産経新聞によれば、安倍首相のお膝元である山口県で、河野洋平氏(河野談話の張本人)とトニー・マラーノ氏(ネトウヨに大人気のテキサス親父)が同じ建物の隣り合った部屋でそれぞれの講演会を開いたそうです。いやあ、面白そう。
 わたしにとって講演内容が気になるのは、やっぱりテキサス親父よりも河野さんの方ですね。
 彼の発言に対する感想を以下に。

「誤った事実は誤っていたと謝罪すべき。『他国もやっていた』と開き直るのは卑怯。」
 
→韓国側は人身売買に加担したコリアン家族・業者の非人道性は棚上げして、慰安婦はすべて日本が強制連行したと認めろ、と要求してたんですよ? 誤ってるのは韓国側の事実認識じゃないですか。個人的には、「日本軍は業者に対する適切な管理監督を怠った」という非難なら受け入れていいと思いますけどね。
 ていうか道義的には、日本政府はすでに何度も謝罪してきたじゃないですか。それなのに挺対協は女性基金の受け取りを拒否し、「法的賠償をしなければ謝罪と認めない」と揺さぶりをかけ、後に韓国政府も同調するようになったわけです。それについては譲れない、という立場は河野さんだって同じだったんじゃないですか? 韓国側がそういう態度に出なければ、安倍さんだって今回の検証なんかしなかっただろうし、橋下市長も「他国もやっていた」なんて発言をせずに済んだんですよ。

「慰安婦の中には自分からやってきた人もいるかもしれないが、一度慰安所に入ったら自由に帰ることはできない。ならば強制とみるべきだ。」
 
→談話で慰安婦の募集については「官憲等が直接これに加担したこともあった」と明記し、発表の記者会見で強制連行の事実があったと明言しちゃった時点で言い訳効きませんよねえ。
 慰安婦問題の解決を急いだ日本政府は、「強制連行」を認めろという韓国側の圧力に屈し、玉虫色の表現ですりあわせを行いました。普通に読めば官憲による韓国人女性の「強制連行」があったと受け取られて当然の表現を選びながら、日本国民には「広義の強制性」という概念を持ち出してごまかしました。一方、「強制連行を認めた!」と喜ぶ韓国側に明確な反論をしませんでした。それが結果として、いまの日韓両国民の相互不信につながっています。

「私が日本をおとしめるわけがない。当時は誠心誠意、日韓関係を良好なものにしたいと努力した。」

→当事者は一生懸命だったと思いますよ。報告書読めば伝わってきますもん。日韓が仲良くなれるなら、多少の信念を曲げるのもやむをえない、悪役になるのは仕方ない、むしろ潔く度量の広い振る舞いだ――と河野さんたちは思っていたんでしょう。でも結果として禍根を残した。すべて安倍やネトウヨが悪いと決めつけますか? 現在のわたしの目からは、あんなガラス細工みたいな作文は遅かれ早かれ破綻するほかなかったように思えますけどね。

「今日本がやるべきことは、日韓関係を尊敬しあえる間柄にすること。」

→うーん、無理じゃないですかね。少なくとも韓国が反日教育を止めない限り韓国人の日本蔑視は変わらないでしょう。反日教育に血道を上げる韓国の全教祖を方針転換させるには、コリアンが朝鮮半島を統一して反日が必要なくなるほど幸せな国家を築くしかありません。そして今のコリアンにはそんな能力はたぶんありません。

「河野談話以降の日韓関係は良好だったのに、この2、3年でなぜ互いの国を悪く言うようになったのか。」
 
→何言ってるんですか、良好だったのはせいぜい政府同士の関係だけでしょう。コリアンは半万年前から現在までずっと日本を軽蔑してますよね。韓国政府だって、日本と外交交渉する一方で国内では日本の文化を規制したり反日教育にいそしんでたじゃないですか。河野談話が出て間もない時期のアジア女性基金すら猛反発食らってたのを忘れたんですか? 双方の国民感情を理解分析しようとせず、表面上の外交的友好関係ばかりを拙速に追い求める態度、ちっとも変わってないですね。

「両国の指導者には、協力関係を築くために大局的な見方をしてほしい。」

→あー、河野談話作るときもそんなこと言ってましたけど、その場しのぎで詐欺まがいの談話のどこが「大局的」なんですかね。上っ面の友好関係なんかより、両国民が本音をぶつけあえる今の関係のほうが、よほど健全だと思いますよ。

「夕べ、検証報告書を読んだ。足すべきことも引くべきこともない、すべて正しい。」

→ご本人も太鼓判ですか、一安心w あの報告書を読んだわたしの結論は、「韓国と無理に和解しようとするのは愚行」ということでした。もしあれを読んで何も反省するところがないとすれば、やっぱり河野さんって頭悪いかも。ま、本人は思うところがあっても口には出さないかもしれませんね。

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河野談話の検証結果から思うことその2 「韓国政府は役立たず」

 今回の河野談話の検証結果を読んでみてわたしが2番目に感じたのは、「やっぱり韓国政府は使えないね」ということです。

 日本側は、ギリギリまで妥協して韓国との和解を切望していました。日本政府の健気さは報告書から痛いほど伝わってきます。慰安婦への聞き取り調査だって、実際は調査なんかではなくてボランティア、ぶっちゃければ韓国への媚でした。
 そんな日本側の「誠意」に乗っかって、韓国政府は好き勝手な要求をしてきました。
 日本側がいくら「強制連行の事実は認められなかった」と説明しても、「それでは国民感情が納得しない」の一点張り。「真相を究明しろ」と繰り返しますが、要は「強制連行を認めろ」ってだけの話です。結論ありきで、まともに歴史に向きあおうとしていません。大体、いまも世界有数の売春婦輸出国なのに、戦時中に限って慰安婦は全員が強制されたことにしろ、なんて要求は無茶もいいところです。
 でも韓国政府にしてみれば、重要なのは自国の国民感情をどうなだめるかであり、過去の事実がどうだったかなんて知ったこっちゃないんですよね。

 韓国政府は国民感情の代弁者ではありますが、ただ代弁者なだけで何の権限も持っていません。韓国政府自身、「事態収拾のために国内世論をコントロールすることはできない」(93年4月1日)「韓国世論をどうするかは韓国政府の問題ではなく、すべて日本側の姿勢次第」(同月上旬)と、完全に責任を放棄しています。
 企業活動で例えれば、社長同士のトップ会談で商談を成功させようと契約書のすり合わせをしているのに、相手の社長がいつまでたっても「んー、社員のみんながなんて言うかわかんないからねー」と首をかしげてる、みたいな。そんな役立たずの相手からどんな口約束を取り付けても何の役にも立たないのです。
 そして案の定、日本が築こうとしていた両国の信頼関係は挺対協や韓国マスコミのせいで潰され、韓国政府は態度を翻し、司法までが「国民感情」の奴隷になって韓国は挙国一致態勢で反日の泥沼に飛び込むことになりました。

 この韓国政府の無能ぶり、何かに似てるな―と思いました。そう、李氏朝鮮末期の愚王、高宗です。大院君や閔妃に振り回され、守旧派官僚と改革派官僚の間でフラフラするしかなかった高宗。日本政府と韓国世論に挟まれて右往左往し、結局双方の信頼を失った韓国政府そっくりです。

 軍政時代は大統領の鶴の一声でピシッと筋が通っていた韓国という国家は、民主化により「国民感情」という絶対神による神聖政治が行われるようになってからグニャグニャになりました。政府は気まぐれで無責任な国民感情様の下僕ですから、そんな国と付きあおうとする外国は苦労させられるのが当然です。米・中・露の外交姿勢は力づくで頭ごなしですから問題ありませんが、戦犯国の負い目を持つ日本は韓国政府を対等な交渉相手として――もしくはだだをこねる子供をあやすベビーシッターのような立場で――接してきました。バカですねえ。また企業活動に例えれば、社長だと思って必死に交渉していた相手がじつはただのお茶汲みおばさんだった、みたいなものです。

 韓国という国の形は今も、河野談話の当時と何も変わっていません。外国(とくに自国に対して無害な国)との関係よりも目先の国民感情を優先させてしまう外交音痴ぶりがその証拠です。
 韓国政府は今回の報告書公開を「外交礼儀に反している」と批判していますが、われわれ日本のネトウヨに言わせれば「おまえが言うな」って感じです。そもそも日本に歴史問題を何度も蒸し返してくること自体が条約や協定を無視した外交的非礼、というかもうほとんど犯罪みたいなものじゃないですか。

 21日の朝鮮日報日本語版にいいことが書いてありました。

 外交部の関係者は「たとえ戦争中でも対話をするのが外交だ。非公式な場で交わした言葉を、後に『交渉内容』として公開するのは常識以下だ。こんなことでは今後、一体誰が日本との交渉に臨むだろうか」と語った。

 そうそう、交渉内容を公開されるのが怖ければ、しばらくは日本に関わろうなんてしないほうがいいですよ。内容を公開できないような交渉を持ちかけられても、日本が困ります。韓国側ではまた基金を作って日本にもカネを出させ徴用工や慰安婦に補償を、なんて動きがあるようですが、冗談じゃありません。

 河野談話当時、日韓の政府同士は太いパイプでつながり、水面下の協議を重ねてきました。両国民からすれば「癒着」と呼べるほどでした。
 それを日本側が自ら暴露した以上、両政府の関係はいままで以上に緊張したものになるでしょう。
 でも、それでいいんじゃないでしょうか。あの当時、日本は解決を焦って失敗しましたが、日本の拙速を許した背景の一つがこの癒着外交だったのは明らかです。日本政府は韓国の国民感情様の恐ろしさを直視せず、多少強引に進めても政府間の太いパイプでなんとかなる、とたかをくくっていたのでしょう。それは完全に日本側の判断ミスであり、今回の報告書は日本政府の反省文みたいなものです。

 この件で韓国政府が激怒しても気にすることはありません。なにしろアレはただのお茶汲みおばさんですからね。

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河野談話の検証結果から思うことその1 「焦りすぎた日本」

 今回の河野談話の検証結果(詳しくは前回記事)を読んでみてわたしが一番強く感じたのは、「日本は焦りすぎた」ということです。

 わたしは当時の事情を知りませんが、検証結果を読む限り、日本側は問題が提起された当初から前のめりでした。韓国側から「宮澤総理の訪韓前に」(91年12月)とせっつかれて火が付いたのか、「盧泰愚大統領の在任中に解決する。そのために基金設置なども検討する」(92年10月)とあせり、次の金泳三大統領に対しても「早く解決しようぜ。文言ならギリギリまで譲歩するからさあ」(93年3~4月)とせっつきました。
 これに対して韓国政府側は、「いまは選挙で忙しい」(92年10月下旬)、「いたずらに早期解決を急いでもしょうがない」(93年4月上旬)などのように、あまり急いでいない様子。韓国内でも支援団体が「解決を急いでお茶を濁そうとしている」(93年4月)と批判するなど、早期解決を焦る日本の姿勢は逆効果だったことがうかがえます。
 やたら焦っていたのはアジア女性基金も同様でした。金泳三大統領は「補償金よりも真相究明が重要」という立場だったのに、日本側は基金の設立を発表。設立当初から被害者支援団体は基金を批判していました(95年6月31日)。
 韓国政府は「これは敏感な問題だから時間をかけて静かに話し合いたい」(96年7月)と求めていたのに、基金は事実上その要望を無視しました。案の定韓国での基金事業は猛反発をくらい、初めは「水面下で協力する」(95年6月)と言っていた韓国政府もヘソを曲げてしまいました。
 事業が暗礁に乗り上げ日本政府からなだめられても基金は暴走。韓国の新聞に広告を出して問題をこじらせてしまいました(98年)。
 この時期は、基金よりも韓国政府の方がよほど冷静に見えます。韓国政府は「本問題は目立たずに消えていくような対応が望ましい」と述べて自ら元慰安婦への生活支援を行い(98年)、「この問題は何かしてもしなくても批判される」(99年3月)とまで述べています。

 わたしはこれまで、アジア女性基金というのは実質的に公的機関であり、日本政府の意向・指示に基いて事業を行っていたのかとばかり思っていましたが、どうも違うみたいですね。

 基金の理事はどんな面々だったのでしょうか。
役員はウィキペディアに出てました。こちら

理事長:村山富市 →当時の総理大臣、社会党党首
副理事長:石原信雄 →当時の官房副長官、河野談話をまとめた事務方トップ
副理事長:大鷹淑子 →元女優、かの有名な李香蘭
評議員会座長:赤松良子 →元文部大臣、現日本ユニセフ協会長
運営審議会委員長:高崎宗司 →津田塾大教授(朝鮮半島史)、親韓活動家(和田の推薦で基金に参加)
専務理事:伊勢桃代 →元国連職員(ヘッドハンティング)
専務理事:和田春樹 →東大教授、ネトウヨの敵w
理事:宮崎勇 →村山内閣の経済企画庁長官
理事:金平輝子 →東京都副知事(福祉畑の役人)
理事:大沼保昭 →明治大学教授(国際法学者)
理事:有馬真喜子 →ジャーナリスト、元朝日新聞記者
理事:下村満子 →元朝日新聞記者(朝日ジャーナル編集長)
業務部長:松田瑞穂 →牛丼の「吉野家」創業者(どういう縁なんでしょうね?)
業務部長:岡檀(おかまゆみ) →基金設立当時は団体職員? なんか自殺関係の本を出してますね
運営審議会委員:横田洋三 →国際法学者(東大教授など歴任。人権問題に積極的)
運営審議会委員:中嶋滋 →元連合国際部長、国際労働機関理事
運営審議会委員:林陽子 →弁護士(女性問題に積極的)

 ざっと見た感じ、官僚と人権派(左派系)識者が集まってたという印象ですかね。
 慰安婦問題を煽った朝日新聞のOGが2人も入ってるのは興味深い。 このうち下村さんは5月30日の朝まで生テレビで、基金を拒否した韓国の挺対協に愚痴を言ってました。詳しくはこちら→書き起こし動画

 基金を引っ張ってたのは専務理事の2人でしょう。伊勢桃代氏と和田春樹氏の2人です。
 伊勢さんは国連の職員で、国連大学の事務局長などを歴任していましたが、どうやら基金に引きぬかれたようです。この人が基金の事務局長もやってました。
 和田さんの方は、もうネトウヨ界では知らない人はいないほど。韓国メディアでは現在「日本で数少ない心ある知識人」としてもてはやされています。基金の当時は韓国人の猛反対を押し切って「日本の汚い金」を無理強いしようとした人がねえ……感慨深いw

 ほとんど想像ですが、当時基金の皆さんは「日韓を和解させてやる!」とすごく意気込んでたんじゃないでしょうか。偏見ですけど、サヨクの皆さんって真面目で純粋で……融通が効かないんですよね。権力を批判するのは得意ですが、いざ自分でやってみろと言われるとすぐに相手と衝突して行き詰まる。そして他人のせいにする。
 当時の日本の政治は大転換を迎えてました。社会党が与党になって総理大臣まで出すなんて、それまでは考えられないことでした。結局、村山内閣は1年半で倒れ、社会党は社民党に変わってその後は共産党の後塵を拝するまでに落ちぶれてしまいました。
 アジア女性基金も、サヨクの皆さんの崇高な努力が韓国という難物の前で見事玉砕した物語だったわけです。

 21日付け信毎朝刊は、今回の検証報告を「日韓関係 新たな難題」と報じ、日韓関係を憂いています。

 検証結果を受け「崩壊の危機」(政府関係者)が現実味を帯びてくるのは日韓関係だ。外務省幹部は「来年は日韓国交正常化から50年でもある。従軍慰安婦問題を最終決着させ、関係を好転させたい」と意気込むが、首相が信念を貫けば貫くほど「外交戦略が立てられない」という矛盾に陥っていく。


 うわあ……外務省って過去の教訓から何も学んでないんですね。勝手に達成期限を作って無理やり解決を急ぐ、その姿勢が相手国との関係をよけいこじらせるんだってことがどうして分からないんでしょうか。安倍首相の「信念」がなかったら何をどうするつもりだったんでしょう。ぞっとしますね。

 安倍首相の下命でまとめられた報告書だから当たり前かもしれませんが、和解を急がずむしろ相手を揺さぶる安倍政権の対韓外交は、当時の歴代内閣よりもよっぽど冷静なんじゃないかなーと思わされたのでした。

テーマ : 従軍慰安婦性奴隷制問題
ジャンル : 政治・経済

河野談話作成過程検証結果報告を年表で要約

 ついに出ました、河野談話の検証結果報告。全文21ページは首相官邸サイトにPDFで掲載されているほか、産経新聞のサイトにもテキストが掲載されています。

 慰安婦問題が提起されてからアジア女性基金が終了するまでの経緯を、事実に基いて淡々と(悪く言えばダラダラと)振り返っています。
 全文を要約する前に、検討チームの顔ぶれを押さえておきましょう。

但木敬一(座長):弁護士、元検事総長、イオン社外取締役
秋月弘子:亜細亜大学国際関係学部教授(国際法が専門)
有馬真喜子:ジャーナリスト、アジア女性基金理事、元朝日新聞記者、元フジテレビニュースキャスター、国連女性開発基金日本国内委員会理事長
河野真理子:早稲田大学法学学術院教授(国際司法が専門)
秦郁彦:現代史家、元千葉大法経学部&日大法学部教授(日本の近現代史、第二次世界大戦史等が専門。現地調査により吉田清治の嘘を暴いたことでネトウヨには有名)

 法学者(女性)が2人、歴史学者が1人、弁護士が1人、ジャーナリストが1人。この中では有馬さんが異色ですね。慰安婦問題が持ち上がった当時はすでに朝日新聞を退社していますが、アジア女性基金理事という立場はいわば"当事者"です。後半の基金を巡る検証の部分は、ある程度彼女の視点が入っている可能性がありますね。ほかの皆さんはかなり中立的な立場なのかなという印象です。わたしは素人なのでよく知りませんが。

 では、以下に報告書の内容を年表形式で要約してみます。

Ⅰ 河野談話の作成の経緯

1991年

8月 14日  韓国で元慰安婦が名乗りを上げる。
12月 06日  慰安婦3人が東京地裁に提訴。
 宮澤喜一総理の訪韓(1992.1)で問題がこじれるのを防ぐために、日本側が前もって何らかの措置をするよう、韓国側が複数回にわたって要請。日本側が謝罪姿勢を示すこと、示し方は官房長官談話などの形も一案であることを伝達。これを受けて日本側は慰安婦に関する調査を開始。

1992年

01月 07日  防衛研究所で「軍の関与を示す文書」発見。
11日  朝日新聞が文書の存在を報道、韓国世論沸騰。
13日  加藤紘一官房長官が定例記者会見で「軍の関与は否定できない」「衷心よりお詫びと反省の気持ちを申し上げたい」と発言(←もうこの時点で軍の「関与」を認めて謝っちゃってるんですよねw)
16~18日  宮澤総理訪韓。首脳会談で盧泰愚大統領が加藤官房長官の発言を評価。宮澤総理も「募集や経営等に軍が関与していたことを政府としても認め、心から謝罪する立場を決めた」と述べて謝罪。引き続き資料発掘を約束。
 宮澤総理訪韓後、韓国政府が日本に対し「真相究明と適切な補償等の措置」を要求。日本側は韓国側の考えを内々に聴取。
06月  日本の各省内における資料調査終了。
 調査結果の発表に先立ち、韓国側が「韓国政府と韓国国民が納得できる発表内容にしてほしい」「発表内容について事務方で非公式の事前協議をしてほしい」と要請。日本側は事前協議に応じ、日韓で綿密なやりとりが行われた。
 発表原案を見た韓国側の要求・見解
  • 結果について日本政府の見解を示せ
  • 調査に続く措置の案(補償や教科書への記述)を提示せよ
  • 日本政府が誠意をもって調査した努力は認めるが、全般的に期待はずれであり、このままでは韓国の国民感情を刺激する
  • 募集時の強制性を含めて真相究明を続けることを明言せよ
等々。
07月 06日  加藤官房長官が記者会見で調査結果を発表。慰安所の設置や慰安婦の衛生管理、慰安婦募集業者の取り締まりなどについて政府の関与を認め、慰安婦に対し「衷心よりお詫びと反省の気持ち」を表明、「その気持ちをいかなる形で表せるか検討したい」と述べる。慰安婦を強制徴用したかどうかについては「裏付ける資料は今のところ発見されていない」とした。

 これに対し韓国側は、「法律論的に補償請求が可能かどうかはよく検討してみないと分からない」「日本に新たな補償を申し入れる考えはない」などの発言があり、態度は曖昧。韓国世論は慰安婦問題に納得せず。
10月 上旬  日本の外務省は盧泰愚大統領の任期中(同年12月)までにこの問題を解決すべきという認識を固める。内閣審議室と外務省が協議を行い、
  1. 日本赤十字社内に基金を設け、大韓赤十字社と協力して元慰安婦を対象とした福祉措置を講じる
  2. 真相究明の方法については、資料収集の対象を広げる一方、元慰安婦への聞き取りは行えない
 という方針を固める。
中旬  日韓が事務方で協議。韓国側は
「重要なのは真相究明だ」
「資料が見つかっていないから強制性の有無は分からないという説明は韓国国民が納得しない、真の努力ができていないと映る」
「被害者と加害者に事情聴取を行い、日本政府が強制性を認めなければならない」
 と要求。
下旬  盧泰愚政権のうちに問題を解決したい日本側は
  1. 元慰安婦代表者数名との面会を行う
  2. 強制性を明確に認めることはできないが、「一部に強制性の要素があったことは否定できない」みたいな表現で妥協する
 ことを決定し韓国側に伝える。しかし韓国側は「いま大統領選挙で忙しいから議論は選挙の後で」と返事。日本側は
  • 韓国側調査結果の入手(←挺対協の証言集のことか?)
  • 日本側関係者・有識者の意見聴取
 を行うことも追加約束。元慰安婦代表からの意見聴取は「真相究明の結論および後続措置に関して韓国側の協力が得られるめどが立った最終段階で」「必要最小限の形で」実施するとした。(←要するに「これで手打ちにしてくれるなら元慰安婦らに会いましょう、という意味でしょうね)
12月  日本側は重ねて韓国側に立場を説明。
  1. これまで努力してきたが、100%の解明はそもそも不可能
  2. 強制性についてはいろんなケースがあり、強制と非強制の割合を明らかにすることはできない
  3. 韓国側の調査結果を参考にし、強制的な要素があったということをなんらかの表現にして政府の認識としたい
  4. 後続措置については、法的には片付いているが、モラルの問題として誠意を示すことを検討している
  5. 措置をとるにあたっては、韓国側の意見は参考として聞くが、基本的には日本側が自発的に行う
 ことを説明。

1993年

03月 13日  金泳三大統領(2月に就任)が
「日本政府には物質的補償を要求せず、補償は韓国予算で行う。これによって日本に対し道徳的優位性を持ってアプローチできる」と発言。
中旬  日韓事務方のやりとり。日本側の姿勢は
  1. 問題を早期に解決する
  2. 韓国政府に世論対策をきちんと行ってもらう
  3. そのかわり「強制性」に関する一定の認識を示す
 などが柱。
 韓国側は「強制性を認定するくだりの部分で『軍が募集に直接関与した資料は見つからなかったが』などの前置きは避けるべき」と要求(←「日本側の言い訳は聞きたくない!」ってことでしょうね)
04月 01日  日韓外相会談。
 日本側は
「すべてのケースで強制的であったということは困難」
「両国民の心に大きなしこりが残らないよう、ぎりぎりの表現を検討している」
 と説明。
 これに対し韓国側は、それまで「真相究明のやり方にいちいち注文を付けるべきことではなく、要は誠意をもってやってほしい」という姿勢だったが、外相会談のころから
「韓国国内の慰安婦関係団体が納得するような形を期待する」
「韓国政府は事態収拾のために国内世論をコントロールすることはできない」
 という姿勢に転換。
上旬  日韓事務方のやりとり
 韓国側は
  1. いたずらに早期解決を急ぐべきではない
  2. 強制性が一部のみということでは通らない
  3. 韓国世論をどうするかは韓国政府の問題ではなく、すべて日本側の姿勢次第(←もう他人事ですなw)
 という立場を表明。
下旬  日韓事務方が応酬。
韓国側「強制性は一部だったなんて、韓国世論が納得しない」
日本側「歴史的事実を曲げるわけにはいかない」
06月 29~30日 武藤外務大臣が訪韓。
日本側「表現でギリギリの努力をするから韓国政府も大局的な見地から理解と協力をしてほしい」(←もうほとんど涙目w)
韓国側「強制性の認定などをしてくれるなら、韓国政府としても問題の円満解決のために努力したい。日本に対して金銭的な補償は求めない」
07月~12月  元慰安婦に対して聞き取り調査を行うよう、韓国側が再三にわたり要請。その理由として、「日本政府が誠意を見せ、最善を尽くしたことが韓国人に伝わることが重要」
「聞き取り調査によって関係者の感情を和らげることができる」
 と主張。(←元慰安婦の聞き取りの目的は真相究明なんかじゃなかったことがよく分かります)
 日本側は、「聞き取り調査を始めると収拾がつかなくなる」という意見が多かったが、「日本側が示した結論と後続措置に関して韓国側が協力してくれるなら、必要最小限で」という条件で応じる方針を決定(1992年10月下旬の項参照)。

元慰安婦からの聞き取り調査の経緯

1993年

03月  日韓事務方のやりとり
 韓国側は日本側の方針を評価。元慰安婦全員から聴取する必要はないこと、証人の立ち会いは希望しないことを伝える。
04月  韓国政府が日本側に対し
「慰安婦問題関係団体への打診を行ったが、団体は『解決を急ぐあまりにお茶を濁そうとしている』と反発された。時間に余裕をもって対応する必要がある」「太平洋戦争犠牲者遺族会は聞き取りに応じてくれるが、挺身隊問題対策協議会は難色を示しているので、挺対協が出している証言集を参考にしたらどうか」
 と見解を示す。
05月 中旬 韓国政府「聞き取り調査で新たな事実が出てくるとは思わないし聞き取りが必要不可欠なものとも思わないが、日本側がこうしたことで誠意を見せれば、関係者に調査結果を好意的に受け取ってもらうため効果的だろう」との意向を示す。
5月末~7月  日本側が挺対協と遺族会と接触・協議。挺対協側は
  1. 日本がこれまでに行ってきた追加調査の結果を見せること
  2. 強制性を認めること
 を聞き取り調査の条件として要求。「証言集を読めば十分」ともいわれて日本側は聞き取り調査を断念。

 遺族会の方は、
  1. 静かな雰囲気で行うこと
  2. 弁護士などのオブザーバーを立ち会わせること
  3. 遺族会の募集により希望するすべての元慰安婦に聞き取りすること
 などを条件に調査に応じた。場所は遺族会側が指定した場所(遺族会事務所)で行い、当然日本政府も韓国政府も聞き取り対象となる元慰安婦の人選には関与しなかった。
07月 26日~30日  聞き取り調査実施。
 当初は2日間の予定だったが5日間に延長。16人に対し聞き取り。日本側は内閣外政審議室と外務省から計5人が参加。元慰安婦の中には淡々と話す人もいれば記憶がかなり混乱している人もいたが、日本側は誠実に耳を傾けた(←もう調査というよりただの傾聴ボランティアw)
 韓国政府は外務部の部員が各日の冒頭部分のみ状況視察に訪れた。
 聞き取り調査は事実究明よりも、日本政府の真摯な態度を示し元慰安婦の気持ちを理解することが目的だったため、事後の裏付け調査や他の証言との比較は行わなかった。聞き取り調査終了前に談話の原案はすでに作成されていた。

河野談話の文言をめぐるやりとり

1993年

03月  日韓事務方のやりとり
韓国側「発表はあくまで日本側が自主的に行ったものとして扱われるべきだが、発表内容は韓国側をも納得させ得る内容に極力近いことが望ましい」
05月  日韓事務方のやりとり
日本側「発表に対して韓国政府からネガティブな反応をされるのは嫌だから、『強制性』等の認識について韓国側とやりとりしたい」
韓国側「種々協力したい。発表文の内容を知らせてほしい
07月 28日  日韓外相会談。
武藤外相「発表の文言については内々に貴政府に事前に相談したい。これで問題に区切りをつけたい」
金泳三大統領「誠心誠意に基づいた発表ならば自分からも説明するし韓国国民も理解してもらえるだろう」
韓昇洲韓国外務部長官「日本の努力と誠意を評価する。これで韓日関係が未来志向になれることを期待する」
 このころすでに日本側は、アメリカ国立公文書館などにも手を広げて文献調査を行い、軍関係者や慰安所経営者等への聞き取り、挺対協の証言集も分析。その結果、いわゆる「強制連行」は確認できないという認識に達した。

 談話(河野談話)の原案は、元慰安婦の聞き取り調査が行われている最中の7月29日までにまとめられ、談話発表(8月4日)の前日まで外務省と在日韓国大使館、在韓日本大使館と韓国外務部との間で集中的に行われた。
 遅くとも7月31日には韓国側から原案に対して最初のコメントが寄せられた。
韓国側「発表内容は日本政府が自主的に決めるものだが、問題を解決するためには韓国国民から評価を受けるものでなければならず、そのためには具体的発表文の一部が修正されることを希望する、さもなければ韓国政府として発表文をポジティブに評価することはできない」
 その後、韓国側は複数回にわたって文案に対してコメント。
 主な論点となったのは3つ。
  1. 慰安所設置に関する軍の関与について
  2. 慰安婦募集の際の軍の関与について
  3. 慰安婦募集に際しての「強制性」
 だった。
 1と2について原案の表現は「軍当局の意向」だったが韓国側は「軍の指示」を要求。結果として「軍の要請」で妥協した。
 3については韓国側から「一部の慰安婦は自発的に慰安婦になったとの印象をあたえることはできない」と主張。(このへんのやりとりはごちゃごちゃしてるのでソース参照してください)

 こうしたやりとりは日本側から「マスコミには一切出さないようにすべき」と提案、韓国側も了承。韓国は発表直前にFAXで受け取ったことにした。日本側は、談話発表の時に質問されても「韓国と事前協議は行っていない」と答えることを確認した。
08月 04日  河野談話発表。記者会見での質疑
質問「強制連行の事実があったという認識なのか」
河野「そういう事実があったと。結構です」

質問「強制という言葉が慰安婦募集のところでなく慰安所での生活のところに使われているが」
河野「『意思に反して集められた』と書いてあるんです。それがどういう意味か。おわかりだと思います」

質問「公文書で強制連行を裏付ける記述は見つからなかったのか」
河野「強制ということの中には、物理的な強制もあるし、精神的な強制というのもある」、精神的な強制は「官憲側の記録に残るというものではない部分が多い」
 等々。

 韓国外務部は談話を評価する論評を発表。在日韓国大使館は外務省に対して「韓国側は比較的肯定的な評価が多い」と伝え、その理由は「調査結果と談話が全体として誠意に満ちたものだった」「この問題を巡って頻繁に韓国政府と協議しつつ、韓国側のコメントを可能な限り取り入れた」ことが考えられると報告した。

Ⅱ.韓国における「女性のためのアジア平和国民基金」(以下「基金」)事業の経緯

1993年

 慰安婦問題の解決は真相究明と後続措置がパッケージであることが日韓政府の共通認識だった。一方で慰安婦問題を含め請求権問題は法的に解決済みであり、個人的賠償は行わないことを両政府は確認しあっていた。
韓国側「日本政府に対し物質的な補償を求めず、日本側の措置には関与しない」

1994年

 日韓事務方のやりとり
韓国側「一部の被害者とその関係団体は補償を要求しているが、慰安婦問題であれ何であれ、日本政府に何かを求めることはそろそろ止めにしようという世論の方が多い」
12月 07日  与党3党(社会・自民・さきがけ)のプロジェクトチームが「基金」構想を発表。

1995年

06月 13日  日本政府は「基金」の公式発表に先立ち韓国側に通知。韓国政府からは
  1. 当事者団体にとって満足いくものでないにしても、韓国政府としては評価できる点もあるような感じがする(←なにその曖昧&他人事みたいな感想は)
  2. 金泳三大統領は従来より、慰安婦に対する補償金よりも徹底した真相究明を求めている(←大統領にとっては、カネよりも強制性を認めさせること=日本に対して道徳的優位に立つことが重要だったということでしょう)
  3. 日本政府の公的性格が含まれており、政府のお詫びの気持ちを表明している点は評価する
  4. 関係団体への説明にあたっては韓国政府も協力したい
 との回答。翌日の日本側の発表に対する韓国側の論評も、おおむねこれに沿ったもので好意的だった。

 しかし韓国国内の被害者支援団体は、「基金」を民間団体による慰労金と位置づけて批判。
 韓国外務部から日本側に報告「被害者支援団体から強い批判が来ており困っている。表立っては難しいが、水面下では日本政府に協力したい」(←すでにこの時点で雲行きが怪しい)

1996年

07月  「基金」が「償い金」支給と総理による「お詫びの手紙」等の事業を決定。「お詫びの手紙」は韓国政府からの要望だった。
 しかし遺族会と挺対協は「民間基金」を受け入れることはできないと拒否。

 韓国政府は日本側に要望。
  1. どのような形であれ、日本政府は被害者たちが納得できる措置をとってほしい
  2. 何らかの形で国家補償と同じように見えるものができないか
  3. 「韓国との関係については今後誠意を持って話し合いたい」旨のメッセージを日本政府から出してほしい
 そして今後どう対応するか、時間をかけて静かに話し合いたいとの意向を示す。(←これを受け入れる余裕がなぜか日本(基金)側にはなかったんですね・・・)
08月  フィリピンにおいて「基金」事業が開始。韓国でも政府が認定した元慰安婦に対し、「基金」運営審議委会委員らの対話チームが被害者10数名に事業内容を説明。
12月  元慰安婦7名が「基金」の努力を認め事業の受け入れを表明。

1997年

01月 10日  日本政府、元慰安婦7人に基金事業を届けることが決まったと韓国政府に事前通報。韓国政府は
  1. 関係団体と被害者の両方が満足する形でなければ解決にならない
  2. 一部の慰安婦だけに実施するのであれば関係団体が厳しい反応を示すだろう
 とし、日韓外相会談、首脳会談の直前でありタイミングが悪いと回答
11日  「基金」代表団がソウルで元慰安婦7人に「お詫びの手紙」を渡し、韓国マスコミに報告&事業を説明。
 これに対し韓国メディアは事業を非難、受け取った元慰安婦7人に対して被害者団体等による嫌がらせが始まった。被害者団体は7人の実名を公表し、本人らに電話をかけて「民間基金からカネを受け取るのは自ら売春婦であったことを認める行為だ」と非難。その後新たに基金事業の受け入れを表明した元慰安婦に対しては自宅におしかけて「日本の汚いカネ」を受け取らないように迫った。
 韓国政府は「日本側は性急すぎる」「本当に困惑している」と遺憾の意表明。
 日韓外相会談にて、韓国外務部長官が基金事業を開始したこと非難、事業の撤回と一時金支給の中断を要求。大統領も「敏感な問題であり、『基金』の措置は国民感情にとって好ましくない」と発言。(完全に韓国政府を敵に回してしまいましたw)
02月~  「基金」は事業を見合わせることを決定。新聞広告などで韓国国民の理解を得るなどの方策を模索。基金と日本政府は協議を重ねた。政府側は韓国の大統領選挙や日韓漁業交渉の状況をふまえて広告掲載延期するよう働きかけるが、基金側は「少しでも多くの韓国人元慰安婦に事業を知ってもらいたい」と強く要望(←「基金」が暴走を始めましたw)。日本政府も「大統領選挙後に目立たない形で事業を再開するなら」ということで広告掲載を許可。

1998年

01月 上旬 「基金」の広告掲載に先立って日本政府は韓国政府に対して事前説明。韓国側からは「一方的な実施は問題解決にならない、挺対協からは組織内の意見がまとまるまでもう少し時間がほしいと言われている」と回答。
同月 06日  広告掲載。韓国政府は日本側に対し「本問題は急ぐことなく、目立たずに徐々に消えていくよう対応するのが好ましい。あの広告は刺激的すぎた」と抗議。
03月  金大中政権が発足。韓国政府としては日本には国家補償を要求せず、韓国政府が「生活支援金」を元慰安婦に支給することを決定。「基金」から受け取った元慰安婦は支援金の対象外とするが、「基金」の措置を非難するものではない、と立場を表明。
 金大統領自身が「本件に関して金銭の問題はなくすべき。両国間には問題は存在しない。「基金」事業に終止符を打つべき」と表明していた。
07月  オランダで「基金」の医療福祉事業が順調にスタート。

1999年

01月  韓国でも「償い金」から医療福祉事業に転換するため韓国赤十字に打診。韓国側も前向き。
03月 下旬  韓国政府が突如方針転換。
韓国側「この問題では何かしてもしなくても批判されることを冷静に踏まえる必要がある。(←韓国政府のほうがよほど冷静じゃないですかw) 韓赤は韓国政府の息がかかった組織であり、強い反対が予想されるので、今回の提案は勘弁してほしい」
日本側「それでは『基金』側が納得しない」(←日本政府も「基金」の顔色を見てばかり。誰のための償いなのやら)
 結局韓国側の協力が得られず、事業転換できずじまい。
07月  「基金」事業停止。

2002年

02月 20日  「基金」事業停止を一旦解除。韓国内での事業申請受付期限を同年05月01日とすることを決定。
04月  日韓事務方のやりとりで、韓国政府はあらためて「基金」の事業に反対の態度を示す。
05月 01日  韓国における「基金」の事業が終了。

2007年

03月  インドネシアでの事業をもって「基金」の活動は全体終了。約6億円の募金を集め、日本政府は約48億円を支出。韓国国内では元慰安婦61名に対して「償い金」200万円を支給、政府拠出金を原資とする医療・福祉支援事業300万円と合わせて一人あたり500万円を実施した。
 フィリピン、インドネシア、オランダでの事業は相手国政府や関連団体等からの理解や肯定的な評価の下で実施できた。韓国では政府や国民からの理解を得られなかったが、事業を受け取った元慰安婦からは感謝の言葉が寄せられた。
おわり。

テーマ : 従軍慰安婦性奴隷制問題
ジャンル : 政治・経済

国民感情という名の神が、恥ずべき日本に永遠の賃貸契約を迫っている

 河野談話の作成過程に関する検証結果の報告書がもうすぐ公表されるとのことで、韓国側が「日本はウリナラと断交するつもりか!」と怒っています。たとえば中央日報
 ネットで見る限り、日本のメディアよりも韓国メディアの方が大々的に取り上げてますね。我が家の愛読紙である信濃毎日の朝刊紙面には、少なくとも19日までは関連記事が一行も出てなかったように思います。

 報告書は、談話が韓国側の要請を受けて文言をすり合わせながら作られたことを公式に確認する内容になるようです。今ごろになって「あの談話は韓国に言わされたんですぅ!」と訴えるのはあまり格好のいいことではありませんが、河野談話を否定するのではなく実質的に"骨抜き"にしようとする策略はなかなか面白い。

 なぜ安倍さんは河野談話を葬ろうとするのか。あの談話で韓国が慰安婦問題について矛を収めてくれれば、彼がここまですることはなかったと思います。でも韓国側は、河野談話を格好の武器として反日をエスカレートさせました。日本側にしてみれば、河野談話で手打ちをしたはずが裏切られ、アジア女性基金を踏みにじられたトラウマがあります。韓国がそう来るならこっちだって、という気持ちはよく分かります。

 韓国側は、「外交当局の協議内容を一方的に公開するのはルール違反だ」「事実上『もう韓国とは外交をしない』という意味と受け止めざるを得ない」とお怒りだそうですが、われわれネトウヨに言わせれば「そりゃこっちのセリフだ」です。

 これまでの日韓関係では、韓国側が「ウリナラは被害国である」というただ1点を自己正当化の根拠として、つねに日本を一方的に刺激し挑発し攻撃してきました。挑発の最たるものの一つが李明博の竹島上陸ですが、もし日本が"普通の国"だったらあの時点でブチ切れていたでしょう。たとえば安倍首相が尖閣諸島に上陸してドヤ顔したら中国はどう出るか? 習近平がスプラトリー諸島に上陸したらベトナムはどうするか? 国交の実質停止はもちろん、ドンパチにだって発展しかねないでしょう。
 でもたしか、あのときの日本はせいぜい遺憾の意砲を発射したくらいで、韓国に対して経済制裁すら行いませんでした。通貨スワップの延長をやめた程度でしたよね。当時の政権与党が民主党であり、国民の嫌韓感情もまだ今と比べれば薄かったことは韓国にとって大きな幸いだったはずです。
 ただしそれは一昨年までの話。靖国参拝といい「対話のドアは常にオープン」の棒読み宣言といい今回の談話検証といい、 安倍政権には「韓国に嫌われても仕方ない」という開き直りの態度が明らかです。「絡まったひもをほどこうと無理に引っ張っても、ますます結び目を固くするだけ」という冷静な判断が、韓国側をますます苛立たせています。

 中央日報は冒頭紹介の記事と同じ18日付けで、「韓日協定の時に過去の歴史清算できなかったのが対立の根源」という見出しの論説も載せていました。朴正煕が経済再建を優先させて日韓基本条約締結を急いだのが諸悪の根源だった、という主旨です。
 いや、清算はしたでしょうよ。ただその清算内容に韓国側がいつまでも不満を抱いているだけで。
 関税自主権や治外法権といった待遇に関する不平等条約なら撤廃や改正にむけて外交努力を行うのは当然ですが、トラブルの清算を目的とした条約の場合は、相手が条約内容を履行している限り、文句をつけることはできません。――という「常識」は、残念ながら韓国には通用しないんですね。
 条約は契約と同じ。一度反故にしたら世間の信用を失い、二度と相手にしてもらえなくなるどころか、これまでに結んだ他の契約を反故にされても文句をいえなくなります。
 日本人なら当然そう考えて、不本意な契約でも涙をのんで従い、他の分野で挽回しようと考えますが、韓国は信頼なんかよりも自分たちの気分を優先させるのが当然であると考えているようです。
 日本は「清算=貸し借りの解消契約」と理解していますが、韓国人にとっては「清算=自分の気が済むこと」です。韓国人の気分なんて移り気なものですから、その時はホルホルしてもまたしばらくすれば不満と欲が湧いてくるのは当然です。日本側が「それは約束違反だろ」と批判しても、「加害者であるイルボンが被害者であるウリナラに異を唱えることは許されない!」の一点張りです。

 どうして韓国はこれほどまでにジコチューでいられるのか。「そういう国だから」と言ってしまえばそれまでですが、もしかしたら韓国人にとっての「契約」は、日本人が思っているそれとは別の概念かもしれない、という疑念が湧いてきます。

 少し話題はそれますが、韓国は日本よりもキリスト教が深く根付いています。「旧約聖書」「新約聖書」の「約」は神と人の契約を意味しています。この契約はかなり一方的です。神は人間に戒律を課し、それに背いた人間は容赦なく罰します。時には大洪水を起こして"堕落"した人や生物を皆殺しにしたりします。一方、戒律を順守した人間には必ず幸せな生活が約束されるかといえば、そうとも言えず、"試練"という名の苦しみを次から次へと与えられ、死んで天国に召されるまでは真の平穏は与えられません。そんな神の気まぐれに、人間は抗議する権利すらありません。

 韓国側が考える日本との契約は、これに近いものがあるのではないでしょうか。もちろん韓国が神であり、日本は迷える子羊(ていうか豚)です。韓国が何かにつけて「人道問題」を強調するのは、日本との関係をこういう形而上的、倫理的な関係に持ち込むことで、対等な人間同士の社会的な契約を骨抜きにできると信じているからです。
 それまでの秩序を力づくで破壊し、自国が一方的に有利な関係を強要する・・・それってもはや外交というより戦争ですよね。
 日韓基本条約は日韓外交の土台です。この条約によって日本は韓国を朝鮮半島唯一の国家であると認め、あらゆる支援を行ってきました。
 でも韓国はこの条約に不満タラタラです。妥協して損した! と後悔するだけなら勝手に後悔していればいいのですが、韓国司法は実質的に基本条約を無効とする判決を下しています。慰安婦賠償交渉を韓国政府に命じた憲法裁判所しかり、日本企業に戦時徴用工への賠償を命じた高等法院しかり。
 徴用工裁判の判決理由の概要はのですが、それを読んでもさっぱり理解できないのはわたしの頭が悪いせいでしょうか。
 日本の判決文だと、普通「○法第○条○項に基づき・・・」などと判断の根拠となる法律が具体的に示されるのが普通だと思うのですが、韓国のそれは「韓国憲法の価値観と衝突しているから承認できない」「公序良俗に照らして容認できない」「信義誠実の原則に反するもので許されない」といった文言ばかりで、根拠となる条項が全く示されていません。せめて「大韓民国憲法○条に違反している」くらい書けばいいのに。それとも原本には書かれているんでしょうか?
 一方で、産経新聞によれば、ソウル高裁の判決文では日本国憲法が引き合いに出されているそうです。(2014年5月3日「一筆多論」)
 要するに、「日本は憲法で永久平和を願い国際社会で名誉ある地位を得ようとしている。だから日本企業も人道性を最優先して賠償金を支払うべきだ」という理屈のようです。うひゃー。

 河野談話について、韓国側は「あれは日本が勝手に出したもの。共同声明や合意文書じゃないんだからウリは知らネ」とシラを切る一方で、「すべての論理、資料を出して談話破棄を失敗させる」(聯合ニュース)と気炎を吐いておいでのようです。早くもテンパっちゃってる感があるんですけど大丈夫でしょうかね? 日本が勝手に出したものなら検証しようが撤回しようが日本の自由のはずです。それに韓国が何か重要な資料を持っているのなら、どうして今まで出さなかったんでしょうか。
 河野談話は日本の一閣僚の大きな寝言みたいなものですが、日韓基本条約と関連協定はそれこそ両国が合意して調印した正式な約束です。それを否定することは日韓の国交を否定することに直結します。韓国が「歴史の精算」という名目で条約を反古にしようとするのなら、日本だって相応の対応を取らねばなりません。今回の河野談話骨抜き作戦はそのためのジャブなんだと思います。
 これに対抗して韓国政府が徴用工への賠償金を支払わせるために日本企業の資産を差し押さえたりしたら、もう完全に両国の関係は破綻するでしょうね。中国が商船三井を差し押さえたようなわけにはいかないでしょう。日本側は韓国が日韓基本条約を破棄したものとみなさざるをえません。結果として、これまで支払った協力金の返還を要求したり、韓国という国の存在を否定して北朝鮮を半島唯一の国家と認めたりしたっていいことになります。
 
 韓国はそれだけの覚悟をもって反日をしているのでしょうか? そんなわけないですよね。法曹も政府も国会もただひたすら「国民感情」という目に見えない神を畏れ迎合してるだけ。そして気に食わない相手を叩くために親日派というレッテルを利用しているだけ。
 首相候補になったとたんにバッシングを浴びたムン・チャングクの「親日発言」なんか、日本人の価値観からするとごくまっとうな意見に思えますが、韓国の「国民感情」に照らし合わせると恥ずべき売国発言になってしまいます。
 そんな国を相手に、日本はどうやったらまともな外交関係を結べるのか? ていうか無理して外交することにどんなメリットがあるのか? 今回の談話検証報告を機に、そういう根本的な議論が日本国内で沸き上がってくるかもしれません。沸き上がってほしいものですね。

テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

対話教信者に不都合な南シナ海

 11日の信毎朝刊の1面トップは「中国、電話会談や特使拒絶」。
 中国とベトナムはともに共産党が一党支配(独裁)を続けており党同士の太いパイプがあるはずなのに、今回はそれが機能していないという内容でした。ベトナムが中国に対話を求めても拒否されてしまい、文字通り「話にならない」状況ということです。

 強引な石油掘削といい船の体当たりといい対話拒絶といい、どうして中国はベトナムに対してこれほどまでに強硬な姿勢を取れるのか。その理由は

①ベトナムは中国経済に依存している
②ベトナムの軍事力は中国に較べて圧倒的に弱い
③ベトナムには大国(アメリカ)の後ろ盾がない

 といったところでしょう。要するにベトナムは完全に中国にナメられているのです。
 一方、尖閣問題では、中国は巡視船や航空機をウロチョロさせるだけで、今のところベトナム相手のような強硬策には出ていません。
 どうしてこのような差になるかといえば、

①日中の経済は相互依存関係にある
②海上自衛隊はけっこう強い
③日本のバックにアメリカが控えている

 からにほかならないでしょう。力押しはやりにくいから、首脳会談を拒否するのに加え、歴史問題をほじくり返したり韓国を懐柔したりと搦め手からの戦略が中心になっています。

 では、中国の対米姿勢はどうでしょうか。米国は中国にとって最大のライバルであり、米国政府もストレートに中国を批判しています。でも習政権は米国首脳との会談を拒んだりしません。先日のアジア安全保障会議で中国人民解放軍の副総参謀長は「遠回しに我が国を批判する安倍よりも、名指しで非難するヘーゲルさんの方がまし」とまで発言しました。
 もし安倍首相が名指しで中国を非難すれば激おこのくせに、この態度の違いはなんなんでしょう。結局のところ

①米経済は世界最大である
②米軍は世界最強である

からにほかなりません。

 要するに何が言いたいかというと、経済力と軍事力が弱い国がひとたびトラブルに巻き込まれれば、たとえ相手政府と直前まで蜜月状態にあったとしても、「対話」すらさせてもらえなくなる、ということです。

 護憲派サヨク=対話教のみなさんはおっしゃいます。
「軍事力なんかいらない、すべて対話で解決できる」
「米国に頼るな、中国を刺激するな」
「民間交流を活発にしていれば戦争なんか起きるはずがない」

 べつにわたしは、軍事力がすべてで対話なんか必要ないとか、米国には服従を誓い中国をどんどん挑発しろとか、民間交流なんか必要ないとか、そんなことは言いません。でも対話教徒のみなさんの主張が、南シナ海をめぐる諸問題ではまったく通用していないことは明らかです。
 「対話」しか交渉手段がない国は、相手から対話を拒否されてしまえば手も足も出ません。それを見越した相手国は当然、率先して対話拒否を行い圧力をかけてくるでしょう。そんなときに絶対必要なのが同盟国との協力関係でしょうに、サヨクの皆さんは集団的自衛権すら拒否しています。
 自分の手足をみずから縛っておいて「対話のためにあらゆる努力を」なんて矛盾してませんか? 一体どんな大道芸ですか?

 弱い相手にはとことん横柄な中国をどう対話の場に引きずり出すか、その方策をきちんと示してくれればサヨクの皆さんの株も上がるんですけど。「アベが悪い」しか言えないようじゃあね。なんの役にも立ちませんねえ…。

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「政治」を理由に隣国の「心」を踏みつける韓国の論理

 前回の記事で紹介した趙世暎さんの「韓国の思考回路」ですが、東京裁判をどう受け止めるべきかの部分で思うところがあるので少し。
 趙さんは以下のとおり述べています。要約ではなくそのまま引用します。
 一方で東京裁判に対する日本の方々の思いも私は分かっているつもりである。勝者による裁判であり、公平ではない側面があったかもしれない。A級戦犯の中にはその個人を考えれば気の毒なケースもあると思う。しかし様々な感情や思いはあるけれどそれを受け入れたことが、正に戦争に負けたという厳しい現実の意味する所ではなかろうか。
 東京裁判を国際法的、歴史的に分析し評価をするのは学者等のやることであり、国家の指導者の立場にある人がやるものではないと思う。日本の政治外交を司る責任のある立場の人なら、ちゃんとわきまえて東京裁判はあくまでも敗戦処理という国際政治の領域でその意味合いを考えるべきであり、A級戦犯に対する追悼に繋がる靖国神社参拝は自制すべきである。
 東京裁判は、日本が戦争に対してケジメをつけ、国際社会に復帰するための政治的なセレモニーなのだから、勝者の論理による一方的な判決も受け入れなければならない、という理屈です。
 でも、そんなことは日本だってわかっています。だからそのセレモニーを受け入れて講話条約を締結したのです。
 韓国の論理は、東京裁判は政治問題→A級戦犯を祀った靖国神社も政治問題→だから日本の政治家は参拝するな、「心の問題だ」なんていう強弁は通用しない、というものです。やたら"政治問題"であることを強調しています。

 ところで、なぜ韓国は靖国参拝を騒ぎ立てるのでしょうか? 毎回聞くのが、「被害者である我が国の国民感情を傷つけるから」という理屈。ちょっと待って、それって「心の問題」じゃないの?

 東京裁判とは無関係な立場のくせに、自分たちの「心」を理由に靖国参拝を政治問題化し、それが政治問題であることを根拠に日本人の「心」を否定しようとする。これってかなり暴力的じゃないですかね。
 東京裁判が政治的なセレモニーであると分かっているなら、セレモニーの犠牲になった人たちを日本人がどう慰霊するかなんてことくらい、口出ししないでほしいと思うんですけど、ダメですかねえ。
 本来の戦勝国である米英が靖国問題に対してそれほど騒がないのも、そういう配慮があるからじゃないのかな。彼らにしてみれば、無茶な裁判をやっちまった後ろめたさもあるでしょうが。
 とにかく、こういうセンシティブな問題を嬉々としてえぐってくる韓国のデリカシーのなさに、日本人は生理的な嫌悪感を抱いています。ノッケから自分勝手な論理で日本人の「心」を踏みつけようとしてくる相手と、「互いのプライドを思いやる」関係なんか築けるんですかねえ。
 
 サヨクだろうがウヨクだろうが、日本人同士で東京裁判や靖国問題を論じ合うのはいいと思うんですよね。国内の葛藤ですから。でも連合国でもないよその国が、しかも中国に便乗するような格好でねえ……。

 結局、韓国をこういう行動に駆り立てているのは、無様に負けた戦犯国日本に対する侮蔑であり、自分たちは同情されるべき被害者であるという絶対の自信であり、この関係を最大限に利用して日本を踏み越え自分たちのプライドを満たしたいという切なる欲望なんでしょう。こういう理解って、ネトウヨの被害妄想ですかね? まあそれがどんなに妄想でも、国民のほとんどが同じ妄想に取り憑かれればそれが"真実"になりますからねw おたがいさま。

 韓国は言います。
「日本が我が国の要求をすべて受け入れてくれたなら、両国は真の友好関係を結べるのに」
 靖国も慰安婦も戦時徴用工も竹島も旭日旗も「東海」も渡来文化財も天皇も……。それらの要求を日本が一つでも拒否すれば、即座に無反省だ右傾化だ軍国主義だと騒ぎ立てる「100かゼロか」の極論。
 つくづく思います。やっぱり韓国って日本のサヨクさんにそっくりですね。

テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

"率直"の先に何があるのか――韓国人の「思考回路」を検証する

 BLOGOSの「文藝春秋SPECIAL」とやらで、韓国の元外交官である趙世暎という人が「韓国人が本当に思っていること」という題で文章を載せていました。
 http://blogos.com/article/87264/

 「偏狭なナショナリズムにとらわれず、率直なコミュニケーションで相互理解に努めるべき」という立場だそうで、韓国側の主張(趙さんの言葉では「思考回路」)を整理しています。
 そこそこ冷静な文章なので、韓国人が書いたもののわりにはとても理解しやすいです。日本のいわゆるリベラル派と呼ばれる人たちの主張も、ほぼこれと同じでしょう。「日本側からすれば○○だろうが、韓国側からは○○に見えてしまう」という言い回しを多用しているので、客観性を演出できているんですよね。
 では韓国人の思考回路とやらはどんなものか。趙さんの論旨を以下にまとめてみました。
1.日本人の中には、「韓国(政府)の反日姿勢は国内事情のためやむなくやっていることで、日本が韓国政府のメンツを立ててやれば何とかなるはずだ」と考える人がいる。しかしこれは間違いだ。
 韓国(政府)が本音と建前を使い分けたのは、途上国時代のこと。今の韓国は民主化と経済発展を成し遂げて自信をつけ、「日韓の友好協力のためにも歴史問題や慰安婦問題はウヤムヤにしてはならない」という断固たる立場が主流である。

2.日本は侵略戦争で周辺諸国に多大な苦痛と損害を与えたのに、敗戦処理が不完全すぎる。天皇をはじめ戦争主導者たちの責任の問い方も不十分だった。

3.日本は敗戦処理をウヤムヤにした代わりに、戦力を保持しない平和憲法を採択することによって国際社会に復帰することが許された。これが日本の戦後を支えた基本バランスである。

4.安倍政権は憲法改正に意欲を示し、集団的自衛権の行使を容認しようとしている。たとえそれが日本の主権に属する問題であり、安保政策として現実的だとしても、その態度は韓国にとって前述の「基本バランス」から逸脱するように見えてしまい、憂慮と疑心を持たずにはいられない。

5.日本が「普通の国」になりたければ、戦争責任をはっきりさせるか、少なくとも今までの歴史認識を再確認することが期待される。にもかかわらず安倍総理は靖国神社に参拝した。それは韓国にとって、「基本バランス」をさらに崩す態度のように見える。

6.東京裁判は勝者の論理による不公正な側面もあったかもしれないが、戦争責任の追及という点ではむしろ不十分といえるものであり、それを受け入れるのは敗戦国として最低限の義務である。東京裁判は政治的なものだったのだから、A級戦犯をまつる靖国神社への参拝は政治的見地により自制するのが当然である。日本側の「不戦を誓うために参拝した」などという主張は、韓国側の不信感の前では何の意味もない。

7.日本側に「何度も謝っているのにいつまで歴史問題を蒸し返すのか」という不満があるのは承知している。だが日本は反省や謝罪を表明しても、後からそれに反するような言動を繰り返す。日本側は「謝罪疲労」というが、一貫性のない日本側の態度に韓国側も疲労している。

8.こうした双方の疲労を防ぐためにも、あの戦争と植民地支配に関する基本認識について、両国がガイドライン的な基準を設けることが必要である。(これは韓国の一般認識というより趙さんの意見でしょう)

9.最近の日本では、韓国が中国寄りになっているという見方が多い。しかし韓国人の多数は、中国と連帯して日本に対抗することなど望んでいない。安倍総理の靖国参拝以降、日本を牽制するために歴史問題で共同戦線を張ろうと韓国に働きかけているのは中国側である。そして両国を連携に追いやっている原因は、靖国参拝などで歴史問題を浮き彫りにする日本側の態度にある。

10.近年は日韓中それぞれでナショナリズムが台頭するようになった。その背景には過去の屈辱への意識がある。韓国では植民地支配の屈辱、日本では敗戦の屈辱、中国ではアヘン戦争以来の屈辱である。
 日韓中はこうした世論に押されて外交的な柔軟性を失っている。このままでは不幸な摩擦や衝突が起きる可能性はますます高まっていく。自分のプライドを重視するなら相手のプライドも思いやるべきだ。日韓には認識のギャップが大きすぎる。それを埋めるには率直なコミュニケーションが必要だ。(これも趙さんの意見です)
 要するに、連合国による敗戦処理は手ぬるかった。日本は戦争責任をウヤムヤにしたままA級戦犯を拝んだり「普通の国」になろうとしたりしてけしからん。日本が挑発するから韓国は中国に傾かざるを得ないのだ、ということです。――まあ当然ながら、とくに目新しいことは言っていません。

 日本側にしてみれば、それなりの責任を感じたからこそ戦後は韓国の面倒をあれこれ見てやったのに、その結果自信がついたからといって反日を激化されるとは、まるで育てた赤子に手を噛まれるようなものです。反抗期を経て親離れしてくれるのならいいのですが、実際はお小遣いがもらえないからといってわざわざ隣近所まででかけて泣きながらだだをこねているのですから、成長というより退行に近いものがあります。
 
 われわれのような日本のネトウヨがまず疑問に思うのは「本当に韓国は戦争被害国なのか?」ということです。
 日帝の一員として連合国相手に戦い、戦犯だって何人も出したくせに、どうして連合国や他のアジア諸国よりもでかい声で戦争被害を叫ぶのか。まずそこんところで不信感を持ってしまいます。植民地支配の被害者だとしても、それと第二次世界大戦の敗戦処理=東京裁判とは何の関係もありません。無理やり戦争に駆り出されたという意味では戦争被害者かもしれませんが、それは日本人も同じこと。戦後に独立させてもらえたからといって、戦勝国気取りで東京裁判にまで口を挟む権利があるんでしょうか。
 戦前の日韓関係についての処理は、日韓基本条約とそれに関連する協定がすべて。それに不服があるのなら、堂々と基本条約の破棄でもなんでも宣言すればいいのです。
 それをせず、戦後70年近くが経ったいまでもことさらに被害者ぶって、連合国の威を借りて日本に揺さぶりをかけようとする。そういう卑怯な態度がわれわれ嫌韓派には我慢できないのです。

 韓国は、自分たちが中国になびかざるを得ないのは安倍が靖国参拝したからであり、韓国の本意ではないと言いますが(9)、見え透いた嘘をつかないでほしいものです。朴槿恵さんが習近平さんに「安重根の記念碑を建ててよ、ネーエ」とおねだりしたのは安倍首相の靖国参拝より半年も前です。安倍さんが靖国参拝を自粛していた丸一年の間、朴さんは日韓和解のためにどんな努力をしていたでしょうか。首脳会談を逃げまわりながら世界中で告げ口外交して、日本の孤立化を画策してた姿しか思い出せないんですけどね。

 でも日本が何を言おうと、韓国人の被害者意識は決して揺るぎません。韓国人にとって被害者という肩書は水戸黄門の印籠のように絶対的権威であり旨味です。このことはセウォル号事件でまざまざと見せつけられました。
 韓国が大きな顔で被害国ぶれるのは、すべての責任を「親日派」にかぶせて徹底的に切り捨てたからです。ドイツもナチスをスケープゴートにして禊をしました。それにより、ナチスを支持し戦争を支持したはずのドイツ国民そのものの責任は不問に付されたのです。まあそれはそれで合理的な片付け方だったかもしれません。

 日本は戦争責任が曖昧だ! という韓国側の不信感の根底には、当時日本の元首だった天皇が処分を受けずにのうのうと生きながらえたことへの不満があります。
 そこまでして天皇と天皇制を守りたいのなら、そのかわりに日本は未来永劫謝罪しろ、首相と天皇は土下座しろ、日韓基本条約や請求権協定なんかどうでもいいから慰安婦や徴用工に賠償しろ、韓国への賠償金も追加しろ、旭日旗を廃止しろ、日本海の名称を東海に変えろ、日本国内にある半島由来の文化財はすべてよこせ、教科書は韓国の要求通りにしろ、もちろん竹島はあきらめろ、ついでに対馬も明け渡せ。これらの要求を拒否するなら、日本は戦争を反省していないとみなす――というのが韓国側の"率直な本音"でしょう。

 対して、日本側だって言い分はあります。まず「謝罪疲労」の問題。日本側が謝罪談話やアジア女性基金で誠意を見せても、政権浮揚のためにそれを踏みにじって歴史問題を蒸し返し続けてきたのは韓国の方です。まあこれは水掛け論になりますから議論するだけ虚しいですが、韓国は日本に何かを要求する場合に必ず歴史問題と結びつけます。それを拒否すれば日本は即座に「戦犯国の立場を忘れた恥知らず」となじられるのですから、もう付き合いきれねーよ、というのが大多数の日本人の”率直な本音"ではないでしょうか。

 そして一番デリケートなのは天皇制の問題です。韓国は、天皇の戦争責任問題をつつくことの危険性をどの程度理解しているのでしょうか。なぜ天皇制が1500年ものあいだ維持されてきたのか、なぜ連合国は日本を完膚なきまでに叩きのめしておきながら天皇制を廃止するどころか昭和天皇個人を裁くことすらできなかったのか。その意味を韓国人はよく考えてみる必要があるでしょう。どうせ考えたところで理解できないでしょうけど。正直、わたしもよくわかっていませんし。

 わたしはそれほど天皇崇拝者ではありません。一般論でいえば、国家元首だった天皇に何の責任もなかったなんてことはありえませんし、そのことは日本人だってわかっているはずです。あの戦争はひどかった、もうあんな辛い思いはこりごりだ、でも天皇は憎みきれない――それが大部分の日本人の気持ちじゃないでしょうか。
 現在の大嫌韓時代が本格化したのも李明博の天皇謝罪要求発言がきっかけでした。日本人の天皇に対する思い入れはいまも決して薄らいではいないようです。
 いずれにしても天皇を切り捨てることができなかった時点で、日本は永遠に特亜になじられる運命を背負いました。そのことを日本人は自覚し受け入れる必要があると思います。ただし、たとえ日本が天皇制を捨てたとしても、韓国が反日をやめてくれる保証はどこにもありませんけれど。 

 趙さんは「率直なコミュニケーションが必要だ」と言っています。日本のサヨクの皆さんが「腹を割って対話せよ」というのとまったく同じです。でもそれをいうなら、現在の安倍政権の対韓・対中姿勢は歴代政府よりもずっと"率直"です。韓国の要求にその場しのぎの対応をしてきた日本の(悪い意味で)柔軟な姿勢が、いまの日韓関係の硬直化につながったのは明らかでしょう。
 日本がもっと率直になってもいいのなら、竹島返せとか仏像返せとか慰安婦像を撤去しろとか旭日旗に文句言うなとか反日教育やめろとか日本文化に対する規制をやめろとかパクリや起源主張をやめろとか、言いたいことはいくらでもありますけど、いいんですかね?

 いままでの日本は、政府も国民も韓国に対する理解がなさすぎました。
 巷の嫌韓サイトでは言い尽くされていることですが、日本人は韓国人のことを知らないから嫌っているわけではなく、むしろ知ってしまったから嫌いになったのです。
 わたしだって、韓国に興味も知識もない数年前にこの元記事を読んでいたら、素直に共感していたに違いありません。でもいまは韓国に興味津々。韓国の歴史教科書を読み、中央日報や朝鮮日報に欠かさず目を通し、セウォル号事件における韓国人の一挙手一投足までチェックするほどになりました。そして知れば知るほど、「ダメダコリア」との思いを強くする結果になったのです。

 今回の元記事を読んでわたしが理解したことが「韓国人が本当に思っていること」なのだとしたら、やっぱり"本当"の日韓友好なんて千年たっても不可能なんじゃないかと思わされます。
 趙さんは「互いの思考回路を理解しろ」と言ってますが、半島人の思考回路については、河野洋平さんや村山富市さんなんかより、いまの嫌韓サイトの管理人さんたちの方がよっぽど正確に理解してるんじゃないですかね。みずきさんとか楽韓さんとか。

 趙さんは、日韓の意見の違いは解消の見込みがないことを認める一方で、「歴史認識について共通のガイドラインを作れ」「互いのプライドを思いやれ」と提言しています。ガイドラインねえ・・・。そういうのってお互いが譲歩して中間点をさぐるのが基本作業になりますけど、韓国側には譲歩という選択肢はあるんですかね? 幸いにしてそのガイドラインができたとして、韓国側がそれを順守する保証はあるんですかね? ていうか対等に相手を”思いやる”関係なんて、韓国に期待できるんですかね?

 趙さんは、双方のナショナリズムが高じて不幸な摩擦や衝突につながるのを危惧しています。だったら無理に"率直なコミュニケーション"をして対立を深めるよりも、互いに敬して遠ざかるほうが賢い選択じゃないでしょうか。それは結局、月見櫓さんが主張する日韓断交に近い形にならざるをえないでしょう。
 個人的には、おおっぴらに断交するのは外聞が悪いので、暗黙の了解として非韓三原則に努めるのがベストなんじゃないかと思っています。 

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