中央日報「日本には謝罪と賠償と経済協力と安全保障と統一への支援を要求すべき」

 中央日報日本語版(2014年10月21日)に、韓国外交部で対日外交を担当した趙世暎・東西大学特任教授へのインタビュー記事が掲載されていました。
 内容を一言で言うと、「虫が良すぎ」。
 まずは、彼の発言を箇条書きで要約してみます。

http://japanese.joins.com/article/627/191627.html

韓国「65年体制」、変化が必要…対等な関係で日本から統一協力を引き出すべき(1~3)

●過去の日韓関係について
・1965年に韓日国交正常化が行われて以降の「65年体制」は、経済と安保が2つの大きな柱だった。
・経済面では、65年当時最貧国だった韓国に金を貸す国は日本だけだった。日本が拠出した5億ドルで韓国は経済成長のきっかけをつくった。
・安保面では、反共陣営の結束が重要だった。日本が米国に頼って国防費をGNPの1%しか出さないのに対し、韓国は「もっと安保に寄与すべきだ」と主張し韓国への支援を要求した。今とは正反対の状況だった。
・当初、日本は韓国の要求を適当に聞くふりをしながら北朝鮮とも対話する等距離外交を行った。日本が韓国を支援するようになったのは、1974年の文世光事件(北朝鮮工作員だった在日韓国人・文世光が朴正熙の暗殺を試み夫人を殺害した事件)がきっかけだった。このとき日本の右派が韓国を支援するよう要求し日本政府を動かした。

●現在の日韓関係について
・経済面で韓日の国力差は狭まり、韓国は日本に手を差し出す理由がなくなった。
・安保面では、韓国は中国との関係が密接となり、米や日との軍事協力にアレルギーを示すようになった。

●これからの日韓関係について
・経済面でも安保面でも、韓国は日本と対等の関係にならなければならない。
・これまでの「経済」「安保」に加えて、「統一」という柱を立てなければならない。
・国家統一には日本など周辺列強国の助けが不可欠である。よってどの国も敵にしてはいけない。
・韓国の安保の軸が韓米同盟であることは変わらず、その土台は在日米軍である。だから合理的範囲で日本と協力する必要がある。
・李明博政権は韓日軍事情報保護協定を撤回したが、情報は選択的なやりとりが可能なのだから、交流したほうが双方にメリットがある。
・米国が主導するMD(ミサイル防衛)システムは、中国やロシアが反発するので、韓国は加わるべきでない。加わらなくても韓米日の安保体制を維持する知恵を出すべきだ。
・40年前の文世光事件のとき、ソウルのデモ隊が日本大使館に乱入して日章旗に火をつけたり、日本が本気で断交準備をしていたのと比べれば、いまの韓日関係は決して最悪ではない。
・韓国は慰安婦や独島問題では譲れない。米国は韓国に対して日本と和解せよと圧力をかけているが、その米国も慰安婦や靖国参拝では日本に対して断固とした姿勢を示している。
・韓国政府はポピュリズムに迎合せず、日本と対話を行わなければならない。
・日本に対しては、安保や経済などの協力で「光」を追求する一方、歴史問題など刺々しい「暗」についてもしつこく問題提起し続ける「分離対応」が必要だ。
・首脳会談を無理に行って両首脳がけんかをするくらいなら、会談は行わない方がいい。ただし外相レベルなら存分にけんかしていい。
・日本は中国の力を意識して「普通の国」化を推進しており、地域の不安定を高める恐れがある。これを防ぐには、韓国が外交的創造力を発揮し、韓日中の3カ国協議システムを活発化させなければならない。
・いまの韓国人は、日本の政治家を批判しながらも日本の文化や製品には親しんでいる。日本人も、かつては韓国よりも中国に親近感を感じていたが、いまでは中国に背を向けている。韓日の市民レベルで相互理解が進んでおり、これは両国関係を支える大きな力になるだろう。


 以上、要約したのに長くなってしまいました。これをさらに要約すれば、次のようになるでしょう。
  • 40年前に比べれば、日韓関係はそれほどひどい状況ではない。
  • 韓国の安保や統一のためには、日本の協力が不可欠である。
  • 朴槿恵大統領はポピュリズムに流されず、日韓首脳会談を行うべきである。
  • 必要なことについては日本の協力を得ながら、慰安婦問題などはこれからもネチネチと追及を続ければいい。

 典型的な「用日論」ですね。日韓首脳会談を実現させるためには韓国世論に媚びなければならないという事情はあるかもしれませんが、それにしたって自分たちの都合でしか物事を見れてないな―と思います。
 緑字の部分なんか、事実誤認に近いんじゃないですかね。米国は従軍慰安婦や靖国参拝を外交問題化させる意図はないはずです。米国政府が嫌がっているのはそれらの問題そのものではなく、それらによって日韓関係にヒビが入ることです。韓国は米国に対して余計な期待はしないほうがいいと思いますけどね。

 趙教授の言い草は日本に対して失礼です。これまで日本が韓国に膨大な経済援助を行い、安保面でも協力をしてきたことを認めているのに、それに対する感謝の念がまったく伝わってきません。むしろ、国力を上げて対等の立場になれたから、これからもっと強気で日本と交渉できる、だから目先の感情に流されて対話を拒否するのはもったいない、と言っているように受け取れます。…ほんと、何様のつもりでしょうか。え? 侵略の被害者様? そうでしたっけwww

 日本が一方的に韓国を支援するのは確かにいびつですから、両国が「対等」の関係になるのはわれわれも歓迎です。でも対等というからには、韓国には「被害者様」という衣装を脱いでもらわなければなりません。その上で、両国が互いに同じ量の利益を与えあう関係になるのが正しい対等関係であるはずです。韓国が日本に統一や安保への協力を求めるのなら、日本も韓国から相応の実利を頂かなければなりません。では韓国は日本に何を与えてくれるのでしょうか?

 朴槿恵大統領が一時期宣伝していた「統一大当たり」とかいうフレーズは、それを意識したものでしょう。半島が統一して強くて大きな韓国が誕生すれば、周辺諸国にも大きなメリットがありますよと。でも具体的にどんなメリットがあるのか、日本人にはいまひとつピンと来ないんですよね。
 軍事的であれ経済的であれ、統一に際して韓国から支援要請が来た場合、「普通の国」かつ「対等の国」である日本は、シビアな目で損得を判断し、協力に応じるか応じないか、応じる場合はどの程度協力をするかを決定することになるでしょう。その際には、これまで韓国がどれほど日本に貢献してくれたかも判断の目安になるでしょうし、そのときの日本の国民感情も影響します。

 残念ながらいまの韓国は、安保面で日本の期待に応えているとはいえません。日本の集団的自衛権行使容認に表立って反対の意思を示し、竹島問題で騒ぎ立てるばかりか尖閣問題では中国の肩を持つようなそぶりすら見せています。日米が求めるMDシステムへの参加を政府が断り軍事情報保護協定を拒否する一方で、ロッテホテルは自衛隊を締め出して人民解放軍を歓迎し、韓国人は自衛隊旗である旭日旗を公然と否定しています。そして韓国軍は陸軍よりも海軍力の拡大に力を注ぎ、軍艦に「独島」「安重根」などの名を付けて日本を挑発しています。

 趙教授は、「どの国も敵に回すな」と訴える一方で、「日本に対する歴史問題はしつこく追及を続けるべき」と明言しています。これまで韓国は、日本に対して何かを要求する際は必ず「歴史問題」に絡めてきました。慰安婦や竹島、靖国は当然のこと、旭日旗も「東海」も教科書も。要するに趙教授は「これまでどおり反日しながら日本をこき使えばいいじゃん」と言っているのです。

 趙教授は、自分がいかに虫のいいことを言っているのか、分かっているのでしょうか?
 たしかに、彼が現役外交官だったころの日韓関係ではそれが可能だったかもしれません。日本にいわゆる「自虐史観」が定着し、韓国の実態が日本国民の目から隠されてきた数年前までは。でも今やそんなものが通用しないのは明らかです。反日外交にありったけの力を注ぎ、日本を露骨に仮想敵国扱いしておきながら、平然と援助やら協力やらを期待する韓国人の神経が理解できません。
 安倍首相は「対話のドアはつねにオープン」と言っていますが、対話するからといって譲歩するわけではありません。中国とは尖閣問題、北朝鮮とは拉致問題という重要課題を抱えていますが、韓国とは差し迫って解決しなければならない課題がありません。強いて言えば首脳会談が開かれていないことくらいですから、一度朴槿恵大統領が会談に応じれば、日本はそれで十分なのです。
 日本としては、できれば中国包囲網に加わってほしいという希望はありますが、それに応じられない韓国の事情も分かります。日本側は、いざというときには中国や北朝鮮と一緒に韓国をも包囲する用意を整えるしかありません。
 韓国は日米中の間で「等距離外交」をやりたいのでしょうが、やられた側がそれをどれだけ不快に感じるかは、このコラムで文世光事件以前の日韓関係を振り返っている超教授なら理解できるはずです。彼は「韓国が日中の間をとりもって3国間協議システムを作るべき」としていますが、反日を続けながら日本の信頼を得るなんて、いったいどんな曲芸ですか。

 「普通の国」を目指す日本にとって、いちいち戦前の古傷を持ちだして「軍国主義」呼ばわりする国は、はっきり言って邪魔者です。そうした行為は国連憲章の敵国条項をほじくり返そうとするものであり、尖閣防衛など日本の安全保障を著しく損ねるものだからです(参考:当ブログ記事 )。

 韓国がイアンフガー、ヤスクニガーを叫べば叫ぶほど日本国民は嫌韓に染まり、韓国が「用日」を行う場合に要するコストは増大していきます。
 朴槿恵大統領の性格から言って、彼女の任期中は大きな方針転換はできないでしょう。その間に尖閣をめぐる日中の対立は深刻度を増しているかもしれません。日本では安倍よりもタカ派の田母神内閣が発足しているかもしれません。そういう可能性を趙教授は考えたことがあるのでしょうか。日本政府の思惑や日本人の国民感情に、想像を巡らせたことがあるのでしょうか。

 趙教授はどうやら「対等」という言葉の意味が分かっていないようです。
 元外交官の日本専門家がこんな手前味噌な用日論をしたり顔で語っているようでは、本当に先が思いやられますね。

 …すいません、「先が思いやられる」はうそです。むしろ先が楽しみです。
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テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

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