「命が最優先」の裏に隠れたサヨクさんの詭弁

 今回のISIL人質事件で、安倍首相を批判するサヨクのみなさんの主張は往々にして支離滅裂な場合が多い印象です。
 そりゃそうですよね。犯人はアルカイダすら愛想を尽かすほどの残虐集団。人質になったのは危険を承知で国境を越えた中年男性2人。相手の要求は無茶苦茶。米英など多くの国が「日本を支援する」と表明。――そういう状況下で被害国の代表である安倍政権を批判するのは、よほどの勇気と信念と根拠が必要です。
 サヨクの皆さんの場合は、勇気はどうか知りませんが信念は石のように硬いものをお持ちの様子。でも肝心な根拠がどうもフニャフニャですから、それらがシャッフルされれば中身がグチャグチャになるのは当然のことです。ステゴサウルスの胃石みたいなものですね。

 その典型例がハフィントンポストに出ていた森達也氏の「最優先すべきは命だ」という記事。
http://www.huffingtonpost.jp/tatsuya-mori/islamic-state_b_6543504.html
 彼の職業は作家だそうで、自信にあふれた文章は確かに読みやすく、好感を持たれやすい感じなのですが、ロジックの面でかなりいびつ。でも、彼の言い分は多くのサヨクのみなさんに共通するものでしょうから、きちんと向き合う必要はあるでしょう。
 向き合うというのはもちろん、「受け入れる」という意味ではなく「突っ込みのネタにする」という意味ですけど。
 以下、引用中の太字は引用者。

イスラム国による二人への殺害予告がなされてから二日が過ぎた22日未明(日本時間)、岡村善文国連次席大使は国連総会で、イスラム国を批判しながら「日本はテロや暴力に屈しない」と演説した。

とても当たり前のこと。「テロに屈する」という選択肢など存在しない。ならばなぜ二人の安否がわからないあの時点で、敢えてイスラム国を挑発するようなフレーズを、次席大使は世界に向けて言わなくてはならなかったのか。


 テロや暴力に屈しないのが当たり前なら、そのことを世界に向けて敢えて明確に示すのだって「当たり前のこと」じゃないですかね。なにが「ならば」でなにが「なぜ」なのか、さっぱり分かりません。
 のっけから読者を混乱させてどうするんですか。

「テロに屈しないという大原則はわかるが、人質の命を最優先に考えるなら、むやみにイスラム国を刺激しないよう、国連での演説は控えるべきだった」
 と言いたいのなら素直にそう書けばいいのに。

テロの定義は、何らかの政治的目的を達成するために、暴力による脅威で標的を不安や恐怖に陥れること。暴力行為だけではテロの要件を満たさない。政治的な目的が必要なのだ。

身代金要求は政治目的とは違う。いわば営利誘拐そのものだ。つまりこれを「支払う」ことは「テロに屈する」と同義ではない。


 だから身代金を払えばよかったと言いたいようですが、これ、完全に詭弁ですよね。なぜこんなときに言葉の定義を議論する必要があるんですか。
 岡村次席大使は「日本はテロや暴力に屈しない」と言ったんですよね? 森さんは「テロに屈するのはNGだけど暴力に屈するのはセーフ」とでも言うんですか?
 たとえテロが政治目的に限定されるものだとしても、ISILは国家を自称し、彼らの「国家」財政を潤すために外国人を拉致したのです。これに対処するのは日本政府の責任なのですから、今回の事件を政治と切り離せるはずがありません。森さんの定義に従ってもやっぱり今回の事件はテロじゃないですか。

もちろん支払うことが国際社会に与える政治的影響は看過できない。何よりも一度支払えば、反復されるリスクがある。だからこそ現時点での最善策を考えること、交渉し続けることが重要だ。

屈しないために考えるべき方法はたくさんある。実際に今は、違う選択肢がイスラム国から提示されている。ただしこの選択肢はきわめて政治的だ。この要求に従うことが、むしろ「テロに屈する」ことなのだとの意識くらいは保持すべきだ。


 ヨルダンの死刑囚釈放はISIL側が突きつけた「要求」であって「選択肢」ではありません。その要求に従うことが「テロに屈する」ことだと森氏も認めているのに、なぜそれを「考えるべき方法」の一例として提示するのか、理解に苦しみます。あえて「選択肢」と呼ぶことで、ISILの理不尽さを矮小化しようとしているようにも受け取れますが。

報道によれば、11月の段階で後藤健二さんの家族に、イスラム国から身代金の要求があり、12月には政府にこれを伝えたという。つまり官邸は二人への身代金要求を知っていた。

その後は極秘裏に人質解放のための交渉を続けていたと思いたいが、ならばよりによってなぜフランスのテロ直後に、二人が拘束されていることを知りながら、安倍首相はイスラム国と敵対する国ばかりを訪問して、連携の強化や対テロのための高額の支援を表明しなければならなかったのか。


 ISILにとって人質はただの手駒にすぎませんから、日本が中東訪問を自粛したところで事態が好転するわけでもありません。むしろ自粛すれば相手をつけあがらせることになりかねません。
 それならば、中東諸国と連携を強めることで、ISILに圧力をかけるという選択肢は十分アリじゃないでしょうか。

 森氏は安倍首相が「イスラム国と敵対する国ばかり」訪問したとご立腹のようですが、ISILと友好な国なんかあるんですかね? 敵対していない国はあるかもしれませんが、それは友好関係にあるというよりたんに無関係ってだけでしょう。そんな国、交渉の協力者としてはなんの役にも立ちませんよね。

さらにアラブにとってはパレスチナ問題で長年の宿敵であるイスラエルを訪れて、日章旗とイスラエルの国旗の前で『テロとの戦い』を宣言しなければならなかったのか。


 安倍首相が「テロとの戦い」を宣言したのは、イスラエル訪問の時だけではありません。その前に訪問したヨルダンやエジプトですでに総額2億円のISIL対策支援を表明しています。そしてイスラエルの後にはちゃんとパレスチナも訪問して歓迎を受け、アッバース議長から人質事件に関して「日本国民との連帯の念を表明する」との言葉を得ています。

 日本が中東に行う総額2億ドルの支援先はヨルダン、レバノン、パレスチナ、イラク、シリア、トルコ。内容は保健医療、水道整備、難民支援、人材開発など。そして首相は支援の意図を次のように説明しています。

 地域から暴力の芽を摘むには、たとえ時間がかかっても、民生を安定させ、中間層を育てる以外、早道はありません。「中庸が最善(ハイルル・ウムーリ・アウサトハー)」。日本はそこに、果たすべき大いなる役割があると考えています。
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0117speech.html



 えーと。これ、25日に首相官邸前で「貧困と戦え」「格差と戦え」とシュプレヒコールをあげてた人たちの望み通りじゃないですか。
 実際にこうして武力ではなく人道面で貢献をしようとしている国の首相に向かって、火炎瓶テツさんは絶叫してました。「安倍晋三は恥を知れ!」――あれはいったいどんな恥のことだったのか。

もしも12月の段階で政府が本気で交渉していたのなら、身代金の金額は桁違いに低かったのだから、今ごろは二人が帰国できていた可能性はとても高い。なぜそれをしなかったのか。


 えーと。12月の段階で、後藤さんの家族に要求されていた身代金は20億円でしたっけ。これが1月20日には2億ドル(236億円)に跳ね上がったわけですが、そんなふざけた額をISILが本気でせしめようとしてたと思ってるんですかね? で、森さんは「あのときさっさと払っておけば、216億円も得したのに」と金勘定をしていると。なんですかその態度。さっきの「テロに屈するという選択肢など存在しない(キリッ」ってのは何だったんですか。

しかも二人が拘束されて身代金の請求があったその時期に、安倍首相は(大義なき)選挙に踏み切った。使われた税金は600億円。


 なんでいきなりそこに選挙の話が出てくるんですか。ISILに邦人が拘束されてたら選挙しちゃいけないんですか。大義のない選挙がだめなら中義があればいいですか。日本はどこまで卑屈にならなくちゃいけないんですか。それもこれも、「身代金要求はテロじゃない、テロじゃなければ屈していい」という森理論が根拠ですか。

「言語道断」とか「許し難い」などと常套句を口にしている場合ではない。許し難いとは許すのが難しいということ。ならば一人を殺されても許せる余地があるのか。あなたの怒りはそのレベルなのかと、メディアは突っ込むべきだ。


 ますます言っていることが支離滅裂になってきましたが、官邸の一種紋切り型なコメントに対する不満はサヨクの皆さんに根強いようですね。共産党の池内さおり代議士も「『ゴンゴドウダン』などと、壊れたテープレコーダーの様」と安倍批判のツイートをして志位委員長に叱られていました。
 ちょっと志位さん、社民の福島さんよりずっとマトモじゃないですか。

 一部のサヨクさん方にしてみれば、こんな時こそ安倍首相や管官房長官のうろたえる姿が見られると期待していたのでしょう。
 どうやら、官邸のマニュアル的な物言いは意図したもののようです。意外にも信濃毎日新聞に、日本政府の対応を評価する識者の論評が載っていました。
 元内閣安全保障室長の佐々淳行氏です。

 今回、日本政府の対応はまずまずだ。管義偉官房長官は非常にスポークスマンとして慎重で、余計なことは言わないことをモットーとしている。控えめなのは良い。安倍晋三首相は談話で、まず憤りを示した。これは04年の人質事件のときの教訓が生きている。
 当時、首相は小泉純一郎氏、官房長官は福田康夫氏だった。このとき、私は①日本が怒っていることを第一に言うべきだ②自衛隊はイラク復興のために派遣され、一発も発砲しておらず、筋の通らない要求は拒否すべきだ③自己責任の原則④人命尊重であらゆる手段で救出する―といった点を進言した。
 安倍首相はこの進言を覚えているのだろう。まず、日本が怒っていることを伝え、イスラム国対策の2億ドル支援は非軍事の人道支援であると主張した。一方、「自己責任の原則」や特殊部隊投入を含めた実力行使の可能性には言及していない。これは、人質殺害の危険が非常に高い状況下では賢明であり、対応は慎重で発言内容も適切だ。

信濃毎日新聞4面 2015.1.26


 要するに、国のトップである首相がむやみに怒ったりうろたえたりすることが、テロリスト相手の交渉で有利な結果を生むのかって話ですよね。むしろ敵を喜ばせるだけ。
 シビアな交渉の最前線にいる首相や官房長官に向かって、常套句を口にするなとか壊れたテープレコーダーだとか、下らないイチャモンをつけてる人って、同じ立場になったら最悪な結果しか生まなさそう。

国益が大好きな日本のメディア関係者やジャーナリストや識者たちに言いたい。国益とは国の利益。でも確認するけれど国益の最優先は、国民の生命のはずだよね。

ならばその国益が明らかに犯されようとしている今、なぜこれを放置し続けた政権を批判しないのだろう。なぜ見過ごしているのだろう。なぜ本気にさせないのだろう。

これ以上は過ちを重ねないでほしい。もう一度書く。最優先すべきは命だ。


 「命」を最優先にしなければならないという主張にはわたしも同意します。でも、誰の「命」を優先させるかについては、おそらく議論が生じるでしょう。
 ISILの要求に応じれば、後藤さんの命は助かるかもしれませんが、釈放された爆弾テロ犯は再びテロを行って多くの市民の命を奪うでしょう。日本政府が身代金要求の段階で応じていた場合も、その多額の資金でISILは武器を購入し多くの人々を殺したでしょうし、気をよくしたISILは身代金目的の拉致・脅迫事件をエスカレートさせたでしょう。とくに「お得意様」である日本人がターゲットになるリスクは飛躍的に増大します。今回は邦人2人が「飛んで火に入る夏の虫」状態で被害に遭いましたが、ISILに屈服を続け彼らを肥え太らせていけば、将来的にはその工作員やシンパが日本国内でテロ事件を起こす危険性も出てきます。

 で、森さん。あなたのいう「命」って誰の命ですか。それが後藤さん一人の命を指しているのなら、はっきりとそう言ってください。

「さっさとISILの要求を受け入れて後藤さんの命を救え。ヨルダンや国際社会との関係が悪化しようが、日本をはじめ世界じゅうでテロや暴力のリスクが増大しようが、いまはそんなことどうでもいい。将来の国益損失を恐れるな!」

 こういう発言なら、わたしは一目を置きますよ。同意はしないし、もし政府がそんな行動に出ようとしたら猛反対しますけど、一つの立場としては筋が通っていると思います。他人から非難される覚悟ができたうえでの発言ですから。

 でも、森さんや官邸前のデモ隊のみなさんは、あくまで自分たちは「いい子」を保ちながら他人を批判しようとしています。
 欧米の中東政策のまずさを強調することでテロの卑劣さを希釈する一方、自国政府の落ち度を針小棒大にあげつらって責め立てる。それによって「命を尊ぶボク」「平和を愛するアタシ」をアピールし、それに異を唱える人々を「恥を知れ」となじるのです。薄汚い。
 森さんの場合はとくに論法が強引です。「テロに屈するという選択肢などない」と予防線を張ったうえで、
「身代金を払うだけなら『テロに屈する』ことにならない」
 ↓
「安倍政権は身代金を払わず、事件を本物のテロにエスカレートさせた」
 ↓
「安倍政権は人命を最優先にせよ」
 ↓
助かった場合「安倍政権はテロに屈した」
助からなかった場合「安倍政権は人命を軽視した」

 ・・・結局、自分は安全なところに身を置いて、結果がどうあっても安倍を叩けるよう網を広げているわけです。薄汚い。
 また、彼の言い回しが嫌らしいんですよね。「なぜあえて~~せねばならなかったのか」と質問形で相手を追い詰めるばかりで、肝心な部分では「~~するな」とも「~~すべきだ」ともなかなか言わない。「命を最優先に」とは言うものの、「後藤さんの命を最優先に」とはどこにも書かない。
 いろんなところに逃げ道を用意しながら、安倍首相のイメージダウンだけはきっちり狙っているあたり、さすが作家、文章力があることだけは認めてあげたいと思います。姑息であることは変わりありませんけど。


 追記で元記事の全文をコピペしておきます。

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嬉々として人質事件を政治利用するデモ隊 福島瑞穂もシュプレヒコール

人質事件に関連し、サヨクの皆さんが首相官邸前でデモを行ったそうです。1月25日の朝日新聞デジタルに動画付きで出てました。

http://www.asahi.com/articles/ASH1T5SYFH1TUTIL01Z.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr03

「後藤さんの命を救え」 官邸前で200人がアピール

 東京・永田町の首相官邸前では25日夜、約200人が「後藤さんを見殺しにするな」「後藤さんの命を救え」とシュプレヒコールをあげた。「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」事務局の高田健さん(70)らが25日正午前、ツイッターで呼び掛けた。高田さんによると、大阪府から駆けつけた女性もいた。

 「I AM KENJI」のプラカードを掲げた横浜市のアルバイト、佐藤真左美さん(55)は「後藤さんを守って、と安倍政権に言いに来た」。東京都目黒区の会社員女性(35)は「自己責任と他人事のように言う人がいる。政府はそんな考えを持たずに交渉してほしい」と話した。

 パレスチナ難民の子どもの支援活動をしている東京都板橋区の主婦岡本彰子さん(54)は、安倍政権に対し「テロに屈しないという主張は一度抑え、人命第一で交渉しないといけない」と求めた。

asahi20150125.jpg

【動画音声】

※主催者らしき男性がマイクで演説
「何としても後藤健二さんを救出しろという要求のための行動を起こしたいと思います」

※女性の声の音頭でシュプレヒコール
「安倍首相は後藤健二さんの訴えに応えよー!」

※集団が復唱、繰り返し


 どうして護憲団体が人質事件に首を突っ込むの? しかもなぜ首相官邸前で??
 さっぱり訳がわからなかったので、少し検索してみたらYouTubeにこのデモを録画した長い動画が上がってました。


以下、参加者の演説など一部をテキスト化してみました。

1:10~
レゲエDJ 火炎瓶テツ
「今日はかなりハードです。午前10時から辺野古のヒューマンチェーンで用意できました(←意味が通らないので聞き間違いかも)。
 でですね、この問題に関して私が何より恐ろしいのは、この人質の方の安否もそうなんですけど、そして人質の方を、これ、殺害予告が出てから騒がれましたけど、何ヶ月も前から拘束されてたわけじゃないですか。ずっと見殺しにしてたんですよ。
 で、もちろんこのことも恐ろしいんですけど、私が一番恐ろしいと思っているのは、この二人の命、血の礎のもとに、自衛隊海外派兵っていうその道筋を便乗してのっけようとしていることですよ。まったく恥知らずだと思いませんか。
 テロとの戦い、私はこの言葉が何より嫌いです。この言葉がとびかっている今が我慢ならないです!
 テロとの戦いは、貧困との闘いであり、差別との戦いであり、テロとの戦いはテロリストを殺害することでは収束しません! それはもう、2001年9月11日以降の世界で我々は懲りているはずでしょうが。安倍晋三は過去に学べよ。遠い過去じゃないよ。たかが10年少しの話じゃないか。もう、ろくに証拠も出さずにビン・ラディンのせいだ、そして、アフガニスタンにビン・ラディンがいる、さあ空爆だ、多くのタリバン兵が死んだ、アルカイダの活動家が死んだ、・・・活動家じゃないや、構成員が死んだ、それでテロがなくなりましたか。増える一方でしょう。
 はっきり言いましょう。おとつい、イギリスのロンドンでイスラム国対策しかも武力攻撃について話し合う有志国の会議が開かれてましたよ。で、イスラム国について『ゲリラ戦を繰り返す住民殺害を繰り返す集団』と位置づけていました。どうですか、これ何かにあてはまりませんか。すぐ思い浮かぶのがイスラエルです。大規模攻撃を繰り返す、住民殺害を繰り返す、イスラエルをどうにかしようっていうそんな真面目な会議、開かれましたか。
 フランスのパリにおいて、テロに怒った市民がフランスにおいて何百万人集まりました。ガザ攻撃のときに何十万人集まったのは確かにあの国の良心を示していますが、それにもまして、自国が襲われたときには何百万人。世界はこの不公平に怒っているんじゃないのか! この不公平をなくさない限り、テロはなくならないよ。不公平をなくそう、それがテロとの戦いなんだ。安倍晋三目を覚ませ! シュプレヒコーール!


安倍晋三は目を覚ませ
安倍晋三は目を覚ませ
テロとの戦い間違うな
テロとの戦い間違うな
貧困とー闘え
差別と戦え
格差と戦え
安倍晋三は恥を知れ
安倍晋三は恥を知れ
人命軽視の恥を知れ
人質見殺し恥を知れ
恥を知れ
恥を知れ
安倍晋三は恥を知れーー-!!

5:57~
社民党副党首 福島瑞穂
「みなさんこんばんは。参議院議員の社民党副党首福島瑞穂です。
 一人の方が殺害されて湯川さんが殺害されて、本当に胸がつぶれるような思いがしています。今日ここに来たのは、とにかくもう一人の人質の人を釈放してくれ、そのことを日本の一人の国会議員として、一人の国民として何とか伝えたい、そう思ってきました。みんなの声がなんとか届くように、そう思っています。
 テロとの戦いを始めてはならない、テロとの戦いをやるとアメリカが始めてむしろ状況は憎悪と復讐の連鎖が始まっています。戦争が悪化しています。日本が、そんなテロとの戦いに荷担をしてともに世界で戦うこと、その立場に立つことが日本として間違っている、そう思います。みなさん、どうでしょうか。
 だからわたしたちは、日本国憲法を持ち、そして憎悪と復讐ではなく、テロとの戦いで相手をやっつけて爆破してというのではなく、まさにわたしたちは彼らの敵ではないということを示していきたい、そう思っています。
 もちろんテロには反対です。人質を確保することや殺害や、そのやり方はまったく卑劣でそれはおかしいです。でもその前にあるたくさんの戦争やそしてアメリカのシリアやイラクに対する爆撃、そのテロとの戦いがここまで泥沼化したというふうにも言えるのではないでしょうか。
 ですから私たちはこれからそういうテロとの戦いではなくその大元、紛争を解決すること、そして私たちはその多くのイスラムの人たちの敵ではない、私たちはなんとか和解を望んでいる、そしてどうか人質を釈放してほしい、そのことを訴えていきたい、そう思います。
 10年前、高遠さんたちが拘束をされたとき、アルジャジーラなどに多くのみんなと出演をして、なんとか釈放してもらいました。その当時に比べて状況はより複雑になっています。でも思いは変わりません。私たちはテロとの戦いに荷担するのではなく、そうではなく、何とか和平を作りたい、憎悪と復讐の連鎖を断ち切る道はあるはずだ、そしてそのために国会もそしてわたしたちも努力する、そう言いたいと思います。そのためにできることをできるだけやっていく、そのことのために努力をしたい、そう思っています。
 一緒に力を合わせて私たちのメッセージが何とか伝わるようにがんばっていきたい、そう思います。ありがとうございます」

シュプレヒコール

「安倍首相は後藤健二さんの訴えに応えよ
 安倍首相は後藤さんを見殺しにするな
 武力で平和は作れない
 集団的自衛権反対
 安倍首相は平和憲法を守れ
 安倍首相は平和憲法に従え
 後藤さんの命を救え
 見殺しするな
 政府の責任
 戦争反対
 命が大事
 戦争支援絶対反対
 憲法守れ
 九条守れ
 後藤さんの命を救え
・・・
(中略。辺野古がどうの基地がどうのというスピーチが続く)

28:50~
主催団体事務局 高田健
「今日の行動最後にもう一度シュプレヒコールをやりますけれども、これからのことについて少し申し上げたいと思います。いま話がありましたように明日から通常国会が始まります。
 今日福島さんがおいでいただいていますけれども、私たちは明日からの通常国会の期間、国会の中で頑張っている国会議員の皆さんと、国会の外の市民が連携してこの安倍首相の責任を追及し何としても後藤健二さんを救出する、そういう世論を高め、私たちが私たちの手にこの後藤さんが日本に戻ってこれるような運動を強めなければならないと思います。
 国会が始まって最初の日からさまざまな反戦平和の行動や秘密法に反対する行動などが予定されています。これでも一連の行動を断固として成功させる中でその中で後藤さんも問題もしっかり主張し安倍首相に対して要求を続けなんとしても後藤さんを生きてこの日本に帰らせるようにしたいと思います。
 みなさん今日はおそらく安倍首相は首相公邸にいるはずです。私たちの今日の行動、日曜日であるにもかかわらずこれだけ市民の人たちが本当に緊急に集まった。11時ですよツイッターを発信したのは。労働組合とか政党とかそういう大きな組織がなにもない市民がツイッターで集まってきているんですよこれだけ。これだけ多くの人が本当に後藤さんを心配し、安倍首相に文句を言いたい、安倍首相の責任でなんとかしろ、それを言いたい人の集まりです。わたしたちの意思を安倍首相は絶対に聞き入れなければいけないと思うんです。あそこにいる安倍首相は必ず全力を挙げて平和的な手段を通して後藤健二さんを連れ戻す責任があるということをもう一度言いたいと思います」
(以下略)



 デモの様子を見てわたしが思ったこと。

 純粋に後藤さんを解放させたければ、首相官邸よりもまずヨルダン大使館に行って、リシャウィ死刑囚の釈放を懇願もしくは要求するのが一番「合理的」なやり方のはずです。日本政府に圧力をかけるのは次の手段であり、この場合も「日本政府は死刑囚を釈放するようにヨルダンに要求しろ」もしくは「今からでもいいからISに2億ドル払え」、せいぜい「あらゆる手を尽くせ」と呼びかけるべきであって、憲法を守れとか集団的自衛権反対とか叫んでも何の意味もないでしょう。
 こうしたことからして、彼らが本当に人質の解放を望んでいるのか、疑問を禁じ得ません。

 「ISの要求を受け入れよ」ではなく「後藤さんの訴えに応じよ」というシュプレヒコールも巧妙です。「安倍に私を殺させないでほしい」という後藤さんのメッセージは、IS側が用意して後藤さんに言わせたものだということくらい、デモ隊の皆さんだって承知しているはずでしょうに。後藤さんは拘束される前に「何が起きてもすべては自分の責任」と明言し、誘拐保険まで加入していたそうじゃないですか。後藤さんの本心はさておき、彼を隠れ蓑にすることで世論の非難をかわそうという、サヨクの皆さんの下心がうかがえます。

 結局、このデモの皆さんは人質事件を利用して安倍首相を批判をしたいだけ。他人の不幸、他人の命を都合よく利用し、自分勝手な論理を振りかざして相手の弱みにつけこんでいるという点では、彼らもテロリストと同じ、あえて厳しく言わせてもらえば「卑劣」な人たちです。

 2億ドルの身代金要求とか他国の死刑囚の釈放とか、IS側の要求は無茶なものばかりです。説得が通用する相手とも思えず、正直、日本政府ができることは限られています。それを承知の上で、このデモのみなさんはすべての責任を安倍首相に押しつけようとしています。
 日本政府は被害者の立場であり、明確な落ち度は何もないにもかかわらず、デモの皆さんは強引に「人命救助を訴えるワレワレvs見殺しにしようとするアベ」という構図をでっち上げ、それをさらに改憲反対だの辺野古移転反対だの、いつもの政権批判にこじつけています。彼らのシュプレヒコールや高田事務局長のスピーチからはそれがよく伝わってきます。

 「安倍首相の責任で何とかしろ」? いいですよね、責任のない人たちは。何をする力もないくせに、人質が無事解放されたら「われわれのおかげ」、殺されたら「安倍のせい」。どっちに転んでもオイシイと計算してますね。・・・薄汚いとしか言いようがありません。

 朝日新聞は、彼らの訴えの政治的な部分をカットして報道しています。サヨクの立場を悪化させないためには賢明な判断でしょうね。姑息ですけど。
 福島瑞穂氏もスピーチでは「日本はテロとの戦いに関与するな」「憎悪と復讐の連鎖を断ち切れ」と訴えているだけで憲法や集団的自衛権については触れておらず、直接的な安倍批判もしていません。これも賢明な判断ですが、こういう集会で演説して一緒にシュプレヒコール上げちゃってる時点で同じ穴のムジナ。

 一方、火炎瓶さんのスピーチは救いようがありませんね。ほとんどテロリストを擁護しているも同然です。
「(安倍首相は)二人の命、血の礎のもとに、自衛隊海外派兵っていうその道筋を便乗してのっけようとしている」・・・今回の事件でそんな動きがありましたかね?
「何ヶ月も前から拘束されていたのに(安倍首相は)見殺しにしてきた」・・・湯川氏がISに拘束されてたことは何ヶ月も前に報道されてたわけだから、それを放置したのを見殺しと呼ぶなら、あなた方も同じじゃないですかね?
 人質事件に「便乗」して政治活動する人が、現在必死で事態に対処している被害国の首相に向かって「恥を知れ」とはねえ・・・。
 まあ、この人は名前からして「あちら側」の人っぽいですから、テロにシンパシーを感じちゃうのはしょうがないって言えばしょうがないかも。

 貴重な動画をアップしてくださった方には感謝しておりますので、拡散に協力させていただきますが、こういうのをアピールすれば支持が得られると思い込んでる時点で、やっぱりサヨクさんたちって救いようがありませんね。

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嵐を覚悟で漕ぎ出すか、流刑地で朽ち果てるか

 2015年1月21日の信濃毎日新聞13面(文化面)に、なぁんか気持ち悪い寄稿文が載っていました。西谷修という大学教授の文章なのですが、以下に全文を引用します。

論考2015
「経済成長」「戦争できる国」めざす政権
貧困化と混迷 重い課題

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西谷修
にしたに・おさむ 哲学者。1950年愛知県生まれ。東京外国語大学教授などを歴任し昨春からは立教大特任教授。専攻はフランス文学・思想。「戦争論」「アフター・フクシマ・クロニクル」など著書多数。
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 「戦後70年」の節目をわれわれは「戦後レジームからの脱却」をめざす政権の下で迎えることになった。「戦後レジーム」とは、敗戦によってできた「非戦」の体制のことだとすれば、それを「脱却する」とはとりもなおさず、戦争の準備をすることを意味する。その変化が加速されようとしている。そんな年の初めにあたって、まずは国の内外の状況を俯瞰しておきたい。

 「経済成長」をうたう安倍晋三政権の政策は、大企業を支援し、株高で富裕層を潤わせるが、企業優遇は雇用や労働の条件を劣化させ、多くの人を恒常的な貧困へと追い落とす。そのしわ寄せは若者や女性に集まり、それが子どもの貧困に拍車をかける。衆院選が終わった途端、法人税減免と生活保護費の切り下げが打ち出された。保護されるのは人ではなく法人ばかりだ。
 福島の避難民の救済や汚染水処理を置き去りにした原発再稼働も、各方面から反対の根強い環太平洋連携協定(TPP)も「経済成長」のためといわれる。だが「経済成長」の追求が、社会を潤さず、むしろ人々を貧困化するのは、いまでは随所に明らかだ。人件費を抑えて競争するグローバル市場の構造と「成長神話」は行き詰まっている。この路線は、つまるところ社会全体に不公正や不寛容をまき散らし、人々を分断して生きにくくさせる。

 安倍政権は「成長」をかざす一方で、もう一つの国家改造を目指している。それは「戦争ができる国」を「取り戻す」ということ、軍事力を背景に国際秩序のアクターとなるということだ。だが、それにはいくつもの障害がある。ひとつは国内の抵抗、もうひとつは近隣諸国の抵抗、それに米国との関係だ。
 国内の抵抗に対しては、選挙や政治の争点をひたすら「経済」にすることではぐらかし、議論を排除する。近隣諸国の反発は無視で対抗しながら、後ろ支えを日米安保と軍事化に求める。「戦争ができる国」は日米安保が前提で、米国の一部がそれを後押ししている。ただし、米国は「肩代わりに使える兵力」を求めているだけであって、「日本軍」の復活を求めているのではない。そこに米国との食い違いがある。首相は就任以来、延べ50カ国以上を回り、援助の約束をばらまいて国連の安保理入りも画策する。それで米国の「強力なパートナー」になろうというのだろう。日米同盟で世界を仕切る?それが夢かもしれないが、いかにも時代錯誤の夢想というしかない。

 いま、世界の経済と軍事の状況はどうなっているのだろう?
 リーマン・ショックとその後の金融恐慌を経て、資本主義システムの破綻が様々に語られている。資源や環境の問題もあり、とくに地球温暖化への対処は急務になっている。「成長」が繁栄をもたらし、人々を豊かにするという古典的な見方はもはや成り立たず、根本的な考え方の変更が求められているのだ。
 他方、輪郭も制約もない「テロとの戦争」の動向は、軍事力が世界秩序安定の解決にはならないことを示している。
 石油利権を背景に「解放と民主化」を掲げた米国の戦争は、とうとうイラクとシリアに「イスラム国」を生み出すことになった。一方的な空爆や無人機攻撃はウイルスのように「敵」を変異させる。いまでは米国でさえ戦争に「勝つ」ことはできないのだ。日本が手伝っても、世界の混迷を深めるだけだろう。
 安倍政権の目指す二つの方向は、いずれにしても展望がない。それでも「この道しかない」というのなら、日本は徒刑囚を使役するガレー船(手漕ぎの軍船)のような国家となって、秩序の見えない世界をダッチロールし、やがて難破するのがおちだろう。船をこぐのは広範な貧困層、運営主は富裕層だ。そしてその仕組みが内部で露見しないように、すでに特定秘密保護法も用意されている。
 難破を、いやその前にガレー船化をくいとめるため、われわれは何ができるのか。重い課題が山積している。
〈随時掲載します〉

(本文太字:引用者)

 この文章の気持ち悪いところは、いろいろと突っ込みたいのに、何をどう突っ込めばいいのかすぐには見定められないところです。明らかに正論だから突っ込みどころがない、のならいいのですが、実際はむしろ、徹頭徹尾理屈をすっ飛ばして頭ごなしの「決めつけ」に満ちているから議論のしようがない、って感じなんですよね。
 それでも、がんばっていろいろイチャモンをつけてみましょう。

>「戦後レジーム」とは、敗戦によってできた「非戦」の体制のことだとすれば、それを「脱却する」とはとりもなおさず、戦争の準備をすることを意味する。

→じゃあ、「戦後レジーム」から脱却しなければ、日本は未来永劫戦争と無縁な国でいられるのでしょうか? 西谷先生は「『戦争ができる国』は日米安保が前提」といいますが、戦後レジーム下の「非戦」体制だって、日本の代わりに米国が戦ってくれるという安保条約が前提だったんじゃないですかね。あと、西谷先生は安倍政権の方針を後押ししているのは「米国の一部」だとおっしゃってますが、日本の集団的自衛権行使容認や特定秘密保護法を支持してるのはオバマ政権そのものですよね。政府を「一部」呼ばわりするあたりに、サヨク学者の反骨精神というか、図々しさがうかがえて面白いです。

 あと、西谷先生の論法で卑怯なのは、「戦争ができること」と「他国を侵略すること」をわざと混同しているところ。たとえれば、
「なに? 空手道場に通いたい? さては誰かを殴るつもりだな」
って言うのと同じです。
「クラスのみんながやってるのに、どうしてボクだけ空手を習っちゃいけないの?」
「だっておまえはバカだから、技を覚えたらすぐ近くの子に試してみたくなるだろ?」
「そんなことないよ。だってボクいつもいい子にしてるじゃん」
「いいや、どうせおまえはバカだから、きっと問題を起こすに決まってる」

戦後レジームからの脱却というのは、この「どうせおまえはバカだから」というレッテルを払拭することに他なりません。・・・それが許されないことなんですかね?

 戦争というのは、必ず相手がなければ成立しません。「侵略戦争」があればそれに抵抗する「防衛戦争」もあるわけです。日本の憲法解釈は自衛隊発足の時点で個別的自衛権の行使を容認しているのですから、日本はとっくの昔に防衛戦争ができる国になっています(勝てるかどうかは別として)。
 防衛戦争はいつでもできるようにしておかなければなりませんから、ここで論じるべきなのは日本が「戦争の準備をしているかどうか」ではなく、「侵略戦争をしようとしているかどうか」のはずです。・・・いまの自衛隊の装備は、海を越えて他国を侵略する能力があるのでしょうか?

> 「経済成長」をうたう安倍晋三政権の政策は、大企業を支援し、株高で富裕層を潤わせるが、企業優遇は雇用や労働の条件を劣化させ、多くの人を恒常的な貧困へと追い落とす。
>保護されるのは人ではなく法人ばかりだ。

→正直いって経済のことはわたしにはよくわかりません。法人税にも生活保護にもいまのところ縁がないし。濡れ手に粟でガッポガッポ稼いでいる金持ちは気に入りませんが、ろくに努力もせず生活保護に甘えている底辺連中も不愉快です。
 ただ、人と法人、労働者と企業が必ず対立関係にあると決めつけるのはいかがなものでしょうね。企業が倒産すれば路頭に迷うのは社員たち。逆に企業が潤えば社員の労働条件だってよくなるはずです。サラリーマンの給料が増えればその家族である子どもや女性、お年寄りも恩恵を受ける。それをアベノミクスは狙ってるんでしょう?
 どうして「企業優遇=労働者搾取」という一面的な見方しかできないんですか?
 サヨクの人たちって、企業は庶民を虐げるもの、国家は国民を抑圧するものと信じて疑わないところがあります。「日本は隣国を信頼して武力を捨てよ!」と叫ぶくせに、自分の国の政府や企業は信じず、むしろ対立と分断を煽りたがる。それって矛盾してませんかね。
 だいたい、われわれ庶民にしてみれば、東大卒の大学教授様だって既得権益にどっぷりつかったブルジョアジーにしか見えないんですよね。とくに文系、しかも哲学者と来た日にはw なにエラそうに庶民の味方ヅラしてるんですかって感じ。

 いずれにせよ、アベノミクスが道半ばであることは政府も国民も承知しており、とりあえずもう少しやらせてみようというのが去年の総選挙で下された国民の判断だったはず。近いうちに結果は出るし、結果が悪ければ安倍政権は国民の支持を失って選挙で負けるのですから、大人しく傍観してればいいのにと思うんですが。

>日米同盟で世界を仕切る?それが夢かもしれないが、いかにも時代錯誤の夢想というしかない。

→安倍さんはそんなこと考えているんですかね。わたしはネトウヨですからいまのところ安倍外交を支持しており、改憲賛成派ですが、日本に世界を仕切ってほしいなんて思ってはいません。周辺国にわたしたちの財産(国土・国民)を害されないようにしてもらえれば十分です。でも、自力だけでは自分の国を守り切れない場合に備えて「国際貢献」だってしなきゃいけないことが出てくるのは仕方ないことでしょう。
 あと、強いて言えば、いずれ世界を仕切ろうとするであろう中国を好き勝手させないでほしい、という期待はありますが。

 むしろ、あくまで「平和憲法」の理念を貫こうとする護憲派の皆さんこそ、日本の安全と生存を保持するためには、世界を仕切って地球上から武器と戦争を一掃させなきゃいけないはずですよね。ぜひ中国や北朝鮮に「公正と信義」を叩き込んでやってほしいんですけど。

> 他方、輪郭も制約もない「テロとの戦争」の動向は、軍事力が世界秩序安定の解決にはならないことを示している。

→まあねえ、自衛隊を国防軍に格上げしたところで、後藤さんと湯川さんを救出できるだけの能力は持つのは難しいでしょう。かといって、憲法九条はなおさら無力ですよね。
 日本が拠出する2億ドルは軍事支援じゃなくて人道支援だと訴えているのに、イスラム国はちっとも耳を貸してくれません。捕虜や人質の処刑動画を誇らしげに拡散しているような連中に、「丸腰のアタシに手出ししてごらんなさい、国際社会から非難されるわよ!」という九条バリアが通用するはずもないのです。むしろ、「無防備が一番強い」「話せばわかる」「自分だけは大丈夫」みたいなお花畑思考におぼれて現実を直視しないから、トラブルを招いて周囲にいらぬ迷惑をかけることになるわけで。

 後藤さんはみずから「何が起きても自分の責任です」とメッセージを残してイスラム国に潜入していったそうですが、彼が人質になれば、それに対処する責任と義務を負うのは後藤さん自身ではなく、国家としての日本つまり全日本国民なのです。
 「平和憲法」も同じこと。名誉ある地位だの戦争放棄だの恒久平和だのときれいごとを並べるのはけっこうですが、いざ敵国から侵略を受けた場合、サヨクの皆さんは国民の命と財産に対して責任がとれるんでしょうか。

 西谷先生は安倍政権下の日本を「徒刑囚がこぐガレー船」にたとえ、いずれ難破すると決めつけています。 

>船をこぐのは広範な貧困層、運営主は富裕層だ。そしてその仕組みが内部で露見しないように、すでに特定秘密保護法も用意されている。

→貧富の格差と特定秘密保護法との間にどんな関係があるんですか? 庶民の味方を気取るのなら、知識に乏しい庶民にもわかるように説明してください。
 手漕ぎの航路がダメだというのなら、「この道」以外にどんな道があるんでしょうか。国防を放棄し、国際協調を拒み、経済成長をあきらめ、企業を叩いて、ひたすら貧乏人を優遇すればいいんですか?
 まさか、そんな単純&極端なことを主張しようとしているわけではないでしょう。でも、彼の「論考」は安倍批判に終始し、「われわれは何ができるのか」「重い課題が山積している」と放り出したまま。・・・それ、もしかして「日本をよくするために何ができるのか」じゃなくて、「安倍政権を倒すために何ができるのか」って問題意識ですか?

 この「論考2015」というコラムは〈随時掲載します〉とのことですが、西谷先生が次回以降も執筆するのでしょうか。
 これだけ安倍政権をこき下ろしたんですから、きちんと道筋をつけた対案を示してほしいですね。そうでなければ、わたしたちはガレー船だろうが丸木舟だろうが、目の前にある船でこぎ出すしかありません。たとえ嵐が来るとしても、挑戦する価値はあります。いつまでも「戦後レジーム」という名の流刑地で、屈辱的な宮刑に甘んじていても未来はないのですから。

テーマ : サヨク・在日・プロ市民
ジャンル : 政治・経済

日本大使館を見下ろしたくて仕方ない韓国人の精神文化

 ソウルの日本大使館が、ようやく本館建て替えに向けて臨時移転先を決定したと聯合ニュースが報じました。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/01/16/0400000000AJP20150116003200882.HTML

在韓日本大使館 6月ごろ隣接ビルに臨時移転=本館新築へ

2015/01/18 09:00
【ソウル聯合ニュース】ソウルの在韓日本大使館が本館の新築のため、6月末ごろに隣接するビルに臨時移転することが18日、分かった。近く賃貸契約を結ぶという。大使館関係者やビル関係者が明らかにした。

 日本大使館側は立地やセキュリティーなど条件に合う物件が見つからず、移転先探しに苦慮してきた。臨時移転先には本館近くのビルにある領事部も入る。韓国の外交部に対し、臨時移転の計画を伝えたという。

 日本大使館側は2020年の完成を目指し、本館を建て直す計画だ。76年に建てられた本館は地下1階・地上5階(高さ23.45メートル)だったが、新たに建設されるビルは地下3階・地上6階(高さ32.4メートル)の規模となる。延べ面積は現在の3604平方メートルより約3倍増えるという。 

 日本大使館の敷地は文化財保護のため、建物の高度制限(30メートル、景福宮から半径100メートル以内は14メートル)が設定された地域。韓国文化財庁は12年、日本大使館側の新築計画案を不許可としたが、13年に決定を覆し、国会の国政監査で議論になっていた。

 日本大使館の本館は敷地の一部が文化財庁の許可が必要な景福宮の半径100メートル以内に位置している。この部分はほかより低く建てられる。


 在韓日本大使館の建て替えをめぐっては、2012年7月に日本側が提出した計画が文化財庁によって「建物の高さが基準を超えている」と拒否され、「露骨な嫌がらせだ」と日本国内(というかネトウヨ)が沸騰。1年後にほんの少し低くした計画が承認されると今度は「文化財庁が外圧に屈した」と韓国世論が沸騰しました。
そのへんの経緯は

ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版
http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887323364604578319670599601866

旧・女子知韓宣言
http://oboega.blog.jp/archives/33944825.html

 などをご参照ください。
 建て替えの許可が下りた後も、工事中の臨時移転先を見つけるのにさんざん苦労させられていたそうです。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1375706293/

 わたしが素朴に疑問に思うのは、14メートルを超えちゃいけないという基準があるのなら、どうして文化財庁は最終的に30メートル超の建設計画を許可できたのかということ。
 このカラクリについては、根拠となっている文化財保護法第13条を読むと見えてきます。

http://www.law.go.kr/%EB%B2%95%EB%A0%B9/%EB%AC%B8%ED%99%94%EC%9E%AC%EB%B3%B4%ED%98%B8%EB%B2%95

第13条(歴史文化環境保全地域の保護)
①市・道知事は、指定文化財(動産に属する文化財と無形文化財を除く。以下この条において同じ。)の歴史文化環境保護のため、文化財庁長と協議して条例に歴史文化環境保全地域を定めなければならない。
②建設工事の認可・許可等を担当する行政機関は、指定文化財の外端(保護区が指定されている場合には、保護区域の境界をいう。)の外部地域でしようとする建設工事として、第1項の規定により市・道知事が定めた歴史的、文化環境保全地域で行う建設工事については、その工事に関する認可・許可等をする前に、建設工事の施行が指定文化財の保存に影響を与えるおそれのある行為に該当するかどうかを検討しなければならない。
③歴史文化環境保全地域の範囲は、その指定文化財の歴史的・芸術的・学問的・景観的価値とその周辺の環境及びその他文化財保護に必要な事項等を考慮して、その外端から500メートルの中にある。ただし、文化財の特性と立地条件などにより指定文化財の外端から500メートルの外の建設工事をすることになる場合には、工事が文化財に影響を与えることが確実であると認められる場合には500メートルを超えて範囲を定めることができる。
④文化財庁長又は市・道知事は、文化財を指定すると、その指定告示があった日から6カ月以内に歴史的、文化環境保全地域で指定文化財の保存に影響を与えるおそれのある行為に関する具体的な行為の基準を定めて告示しなければならない。
⑤第4項の規定による具体的な行為の基準が告示された地域で、その行為基準の範囲内で行われる建設工事については、第2項の規定による検討は省略する。

(以上、Google翻訳のまま)

 わかりやすくまとめると、

第13条
①市や道は、指定文化財の周囲に環境保全地域を定めること。
②環境保全地域で建設工事が行われる場合、担当の行政機関はその工事が指定文化財の保存に影響を与えるかどうかを検討すること。
③環境保全地域の範囲は諸事情を勘案して決めること。ただし文化財の外縁から500メートル以内を基本とすること。
④文化財庁や市・道は、文化財を指定したら、6ヶ月以内に環境保全地域で「指定文化財の保存に影響を与えるおそれのある具体的な行為」の基準を定めて告示すること。
⑤環境保全地域で行為基準の範囲内で行われる建設工事は、行政機関による検討は省略すること。

ということです。

 理解しておかなければならないのは、
 「周囲100m以内の建物は高さ14m以下にすべし」云々という基準は景福宮の場合であって、全国一律のものではないこと。
 この基準は絶対的なものではなく、「基準を満たしていれば事前審議を受ける必要がない」程度にすぎないこと。
 審議で検討される論点は、その建設計画が「文化財の保存に影響を与えるかどうか」という、至極あいまいなものであることです。

 景福宮が国の史跡に登録されたのは1963年なのに、韓国文化財庁が環境保全地域の基準を告示したのは2010年。なぜこれほどタイムラグがあるかというと、それまで景福宮として史跡指定されていたのは内部の建物だけで、景福宮の敷地や塀は文化財として扱われていなかったから。じつは2006年の段階で、このエリアに韓国の民間企業が高層ビルを建てる計画をハンギョレ新聞が批判していました。

http://www.hani.co.kr/arti/society/environment/120390.html

ハンギョレ21
塀は文化財ではないという理由で...景福宮の目の前に22階建てビルを承認
登録:2006.05.02 19:33 修正:2006.05.03 13:47

光化門
国家文化財から100mもない場所に新築 「文化庁審議」の規定をずらし
ソウル市、容積率なども制限せず歴史的、文化都市の造成趣旨が無意味に

 ソウル市が、景福宮から100mも離れていない場所に高さ80mの住宅・商業複合ビルを建設する計画を都市建築共同委員会と建築委員会の審議で通過させ「ソウル歴史文化都市づくり」の趣旨を台無しにしている。
文化財保護関連法は、国指定文化財保護区域から100mの建物を建てる場合に専門家3人以上の検討を受けるようにするなど、厳しい手続きを経るよう定めているが、ソウル市は景福宮の塀は国指定文化財でないという理由で、その付近の建築計画を審議する過程でも容積率や階数を制限していなかった。このようなソウル市の建築上の決定は、再開発を推進している韓国日報社の建物など周辺地域にも影響を及ぼし、この一帯が超高層ビル密集地域に変わるという懸念も出ている。

ソウル市は今年3月と4月、それぞれの都市建築共同委員会と建築委員会を開き、鍾路区中学洞62番地に地下6階、地上22階(高さ80m)建ての雑居ビル3棟を建てるという(株)インクレスコの計画を条件付きで承認した。文化施設の面積を拡大するように条件を付けたものの、事実上の通過だ。

建物の予定地は景福宮から最短距離で90m。また、ソウル市指定文化財である東十字閣とは94mの距離だ。文化財保護法などの関連法とソウル市文化財保護条例によると、国の指定文化財は、保護区域の境界から100m以内にある場合は専門家3人以上の検討を受けて、反対意見が出てくる文化財委員会の審議まで経なければならない。

ソウル市は、文化財保護区が景福宮の内部全域ではなく、景福宮の中門(第二扉)である興礼門付近までであり、新たに建設される建物は、ここから211m離れており、関連する規制を受けないと解釈した。景福宮の正門である光化門と塀は、日帝時代に朝鮮総督府が、解放後には国立中央博物館が土地を占めていたせいで文化財の指定を受けていない。東十字閣も宮殿をなす東櫓に対応するが、市指定文化財であるため、新たに建設される建物は規制を受けない。市指定文化財の場合は、ソウル市文化財保護条例によって保護区域から50m以内にある建築物のみが規制対象だ。

しかし、今回のような決定は、これから行われる光化門復元計画と反する。文化財庁グンルン管理課の関係者は、「光化門復元計画を今年策定し、復元後は文化財に指定する予定」と話した。文化財庁は1月、光化門を景福宮の正門だった昔ながらの姿に復元するという計画を明らかにした。

チョン・ジェフン韓国伝統文化学校客員教授は「宮廷で入れた宮をかばうことで全体が文化遺産なのに、今まで復元がまともにならなかったという理由で光化門と塀の領域が史跡に指定されていなかったということが大きな誤り」としながら「ソウル市が景福宮周辺の歴史文化景観を害する高層建物が入るようにしてはいけない」と話した。

(Google翻訳とほっとコリア翻訳を併用、一部読みやすさを優先して適当に意訳)

 この後、景福宮の正門にあたる光化門の移築復元が2010年に完了したため、文化財庁はようやく周囲に環境保全地域を設定して基準を定め、告示したわけです。
 この光化門は日本大使館の目と鼻の先にあり、併合時代には朝鮮総督府建設のために取り壊しが議論され、かろうじて移転保存が行われたという歴史を持っています。朝鮮戦争で焼失しましたが、朴正熙が鉄筋コンクリートで再建。その後金泳三が総督府庁舎を取り壊し、2006年に盧武鉉が光化門を古来の場所に移築復元することを決め、2010年に完成したという経緯です。

 文化財庁が日本大使館の建築計画を不許可にしたのが2012年7月。李明博大統領(当時)が竹島に上陸する直前です。ただでさえ日本大使館は慰安婦像が建てられ水曜集会が行われる"反日のメッカ"ですから、文化財庁(ていうか韓国政府)が、基準を盾に嫌がらせする誘惑にかられたことは想像に難くありません。

 Googleのストリートビューで日本大使館付近を見てみたら、撮影時期は2009年10月でした。大使館周辺で再開発が進められている様子がよく分かります。工事現場に挟まれた茶色い建物、門前にバス(警察車両)が並んでいるのが日本大使館。




 そして現在の姿が以下の写真です。

北方面(たぶんツインツリータワー)から望む(写真引用:SBS
news-sbs200700703_700.jpg

 
西方面から望む(写真引用:どこだったっけ)
a0264602_154582.jpg

北西方面(景福宮側)から望む。ツインツリータワーの奥にちょっとだけ日本大使館が見える(写真引用:WSJ
OB-WL336_japan_G_20130222021149.jpg

 日本側の主張どおり、日本大使館の周囲は高層ビルに囲まれており、いまさら30m程度の建て替えをしたところで景福宮の景観にはほとんど影響を与えません。にもかかわらず一旦とはいえ計画を却下した文化財庁の判断は、明らかに日本への「嫌がらせ」でしょう。
 でも、考えてみると日本大使館を取り囲むように高層ビルを建設すること自体、日本への嫌がらせのように感じられてなりません。
グーグルアースで現在の状況を上空から確認してみましょう。

在韓日本大使館周辺

在韓日本大使館周辺2

 光化門前のエリアとしては、日本大使館周辺がとくに高層ビルの密集地帯となっているように感じられるのは気のせいでしょうか。単に再開発の時期が早かっただけということかもしれませんが、隣接する高層ビル(商業ビルも多い)から古ぼけた日本大使館を見下ろす韓国人は、さぞかし爽快な気分でしょう。

 「日本を見下(ろ)したい」という韓国人の願望は、取り壊された旧朝鮮総督府庁舎の塔の頂上部が、現在独立記念館の庭で文字通り見学者から見下ろせるよう穴の底に晒されていることからもうかがえます。
http://blogs.yahoo.co.jp/jj981791/54231342.html
 また、2012年に完成したソウル市新庁舎が、併合時代に日本が建てた旧庁舎を飲み込む津波そっくりのデザインになっていることも話題になりました。
http://www.news-postseven.com/archives/20140220_241794.html

 韓国は、日本が測量のために設置した杭すら「日帝がウリナラを呪うために打ち込んだ!」と騒ぐほど風水思想が根強い国。建物や景観に対する「こだわり」は相当のものがあります。
 日本大使館周辺に集中する高層ビルだって、日本を見下し日本の運気を落とすために官民挙げて取り組んだ嫌がらせ事業である可能性も十分考えられるのではないでしょうか。そんなことを韓国側が公式に認めるはずはありませんが、事業主たちの内心はどうでしょうね。

 日本大使館を現地に建て替える限り、周辺の高層ビルから見下ろされる状況に変わりはありません。ならいっそのこと、文化財庁を批判した韓国の国会議員が要求したとおり、日本大使館を別の場所に移転するのも悪くない選択のような気がします。慰安婦像との「にらめっこ」からも解放されるわけですし。もし挺対協が日本大使館の移転先にも慰安婦像を建立しようものなら、日韓関係はいったいどうなってしまうことか、想像するだけでワクワクが止まりません。
 今からでも遅くないから、日本の外務省は計画を見直してくれればいいのに……。

テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

在日コリアンライター「『帝国の慰安婦』で目からウロコが落ちた!」…何をいまさら

 信濃毎日新聞名物、日曜日の読書欄(2015年1月12日)から書評をご紹介。取り上げられているのはあの『帝国の慰安婦』です。

帝国の慰安婦  朴裕河著

【評】姜誠(ルポライター)


日韓の公的記憶 紡ぎ直し促す

 絶賛と酷評。私の見聞で、これだけ評価に落差のある本も珍しい。
 たしかに、朝鮮人慰安婦が日本軍と「同志的関係」にあったとする主張など、その資料検討の方法がやや我田引水なのではないかと首をひねった箇所もある。
 一方で、じつに貴重で目からうろこが落ちるような指摘もある。慰安婦は国籍や時期、所属した慰安所の正確などによって多様なのに、韓国では"強制連行され性奴隷にされた無垢な少女"、日本では"金銭目当ての売春婦"という正反対の「公的記憶」が広がっており、その記憶をめぐる争いが慰安婦問題の解決を阻んでいるというのだ。
 思えば、竹島(韓国名・独島)をめぐる日韓の「公的記憶」も百八十度違う。その記憶を日韓双方が貫く限り、いまや両国の和解と協働を阻むトゲと化したこの領土問題は永遠に解決されないだろう。
 解決のためには日韓双方のナショナリズムを鎮め、この小島を「日韓のもやいの島」と合意し、共同統治する以外にない、と私は思う。それは竹島=独島をめぐる日韓の「公的記憶」の紡ぎ直しにほかならない。
 慰安婦問題も同じだ。本書にはナショナリズムにからめ捕られた日韓の人々にとって、都合の悪い指摘、耳の痛い提言がちりばめられている。
 この本は、自らの国家や民族の歴史を正当化すべく慰安婦の証言から聞きたい話だけを聞いてきたわれわれに、自省を促す。そして、慰安婦をめぐる「公的記憶」を紡ぎ直し、日韓が和解するチャンスを与えようとする。
 慰安婦が日本軍の性暴力被害者だったという著者の主張は一貫している。「帝国の慰安婦」として日本軍と「同志的関係」にあったとする記述をあげつらい、日本の責任を免罪するものと批判されたり、逆に「慰安婦は売春婦」という言説を補強する良書と持ち上げられたりするのは、著者の本意ではないだろう。
 予断を持たずに一読することをお勧めする。
(朝日新聞出版、2268円)
   ◇
著者は1957年、ソウル生まれ。韓国・世宗大教授。早稲田大悪大学院文学研究科修了。著書「和解のために」で大佛次郎論壇賞。


 わたしはまだこの本を読んでいませんが、同じ著者の『和解のために』は読みました。たぶん、著者の主張は大して違わないでしょう。
 評者の姜誠さんは、『「マンガ嫌韓流」のここがデタラメ』の第1話で2002W杯の韓国のスキャンダルを擁護しネトウヨの顰蹙を買った人ですね。詳しくは→こちら
 「竹島を日韓共同統治に」なんて発言、韓国本土でやったら半殺しにされるでしょうに、大丈夫ですか?

 それはさておき、この書評で一番わたしの目を引いたのは以下の部分です。

> 一方で、じつに貴重で目からうろこが落ちるような指摘もある。慰安婦は国籍や時期、所属した慰安所の性格などによって多様なのに、韓国では"強制連行され性奴隷にされた無垢な少女"、日本では"金銭目当ての売春婦"という正反対の「公的記憶」が広がっており、その記憶をめぐる争いが慰安婦問題の解決を阻んでいるというのだ。

 …目からうろこ? 在日3世のルポライターさんがいまさら何を言ってるんですか。韓国のいびつな慰安婦観のせいで、日本側の和解努力――歴代首脳の謝罪やアジア女性基金――が台無しになってきた事実は、巷の嫌韓本にもくどいほど書かれているはずですけど。

 姜誠さんはご存知ないのかもしれませんが、ほんのちょっと前の日本は、政治家が「慰安婦はただの売春婦」と発言しただけでもバッシングを受け政治生命が危うくなるような時代でした。ナショナリズムの高揚はごく最近のことで、韓国の過度な反日に対する不満が表面化した結果にすぎません。「ただの売春婦」という表現も、韓国やサヨクの主張する「従軍慰安婦=性奴隷」論への反感から使われるようになったものだとわたしは認識しています。
 一方、韓国の「日本軍慰安婦=無垢な聖少女」史観は慰安婦問題が表面化してから一貫しておりブレがありません。しかも韓国政府は「日本軍慰安婦は性奴隷だけど米軍慰安婦はただの売春婦」というダブルスタンダードをとっており、元米軍慰安婦122人から賠償金を求められた裁判でも「だったら誰がどんな違法行為を行ったのかおまえらが個別に証明してみせろ」という態度(詳しくは→ホル韓ニュース速報)。その口でよくまあ「慰安婦問題は普遍的な女性の人権問題だ」などと言えるものだと感心します。

 この『帝国の慰安婦』に対する韓国側の感情的な反応は、当ブログでもすでに紹介しました。

歴史専門の大学教授
「たしかに朝鮮人業者の責任は避けられないが、いまそんなことを言い出したら日本に責任回避の名目を与えるだけだから黙ってろ」
http://rightabit.blog.fc2.com/blog-entry-63.html

最大手新聞の部長
「ウリたちの苦悩を軽視するな。あの頃はしょうがなかった。朴裕河はもっと謙虚になれ」
http://rightabit.blog.fc2.com/blog-entry-76.html

 ほら、ね。全然話が通じていません。
 さらに姜誠さんは知らんぷりしていますが、先行出版された韓国では、元慰安婦たちが「名誉を傷つけられた」としてこの本の出版差し止めと慰謝料の支払いを求めて著者と出版社を提訴しています。
 産経の加藤前局長のケースと同様、韓国には「気に食わない言論は片っ端から名誉毀損で封じ込めればいい」という観念が、上は青瓦台から下はナヌムの家まで染み付いているのがよく分かりますね。そんな国を相手に、共通の「公的記憶」の構築なんてものが望めるのかどうか。
 和解のために日韓双方が歩み寄る場合、日本が1歩進むなら韓国には10歩くらい歩み寄ってもらわないとバランスがとれません。

 この訴訟の状況はいまどうなっているのかとネットで調べてみたら、朝鮮日報の韓国語版(2014年11月30日付)にこんな記事が出ていましたので紹介します。
(※ Googleの自動翻訳と無料翻訳サイトhttp://hot-korea.com/tool/translation/を使い、ところによっては読みやすさを優先し独断で表現を変えています)

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2014/11/30/2014113000439.html

[反論プレスリリース]「帝国の慰安婦」の著者朴裕河教授、原告側の主張について公式に反論
入力:2014.11.30 10:42 |修正:2014.12.03 17:33

 『帝国の慰安婦-植民地支配と記憶の闘争』の中で慰安婦を「売春婦」「日本軍協力者」などと罵倒したとして、日本軍慰安婦被害者らが関連書籍を出版した著者らを相手に法的対応に乗り出したことに対し、著者が正式に反論に出た。京畿道光州の「ナヌムの家」で生活する川日の出おばあちゃんなど9人は、去る6月に出版物による名誉毀損容疑で「帝国の慰安婦」の著者朴裕河(57・女)世宗(セジョン)大日本語日本文学科教授と教授とプリワイパリ出版社チョン・ジョンジュ代表(51)を告訴して、出版・広告などを禁止する仮処分を申請した。

ソウル東部地裁民事21部(部長判事ゴチュンジョン)で7月9日と10月22日の2回仮処分申請に対する審理が行われた。原告らは当初、「問題の本は、慰安婦被害者を『売春婦』や『日本軍協力者』と同じ扱いをして貶めただけでなく、彼女らが自分たちの過去を忘れて被害者としての立場ばかりを主張していることが、韓日間の歴史葛藤の主な原因となっていると記述した」と主張した。

 これに対して朴教授は、「私が批判したのは慰安婦ではなく支援団体である。売春という言葉は、元慰安婦を単に売春婦だと思っている日本人を批判した箇所で使ったものであり、ナヌムの家の所長や顧問弁護士ら、慰安婦の周囲の人々がこれを歪曲して解釈し、社会的な非難を煽ったものだ」と主張。さらに原告側の主張を確認しないまま、すでに報道機関に対して10月20日付で言論仲裁委員会を通じた訂正報道と反論報道を要請したと述べた。

 朴裕河教授は「今回の告訴は、ナヌムの家の顧問弁護士が連れてきた学生による初級レベルの分析によって行われたもの」「当初の告訴状で原告側は、私の本が虚偽だと非難したが、後になってその主張が間違いだったと認識したのか、こっそりと告発趣旨を変え、認識問題を持ちだした。この本が日本の慰安婦問題"否定派"を批判した本でもあるという事実は無視し、慰安婦を批判した本であるかのように糊塗した。途中で告発趣旨を変えたのは、告発自体に問題があるということだ」と述べた。

 朴教授は「『帝国の慰安婦』は、今まで単なる"戦争犯罪"として扱われてきた慰安婦問題を"帝国主義支配の手段の一部"と把握しようと試みた」と言う。そのような試みが、むしろ「賠償は終わった」と主張する日本を説得する可能性が高いということだ。
 問題視されていた「同志」と「売春」という言葉は、慰安婦に対する卑下ではなく、彼らが「帝国日本の統治の中で、戦争遂行に動員された集団」という枠組みで眺めるための論理デバイスであり、日本と戦った他の国の慰安婦とは境遇が異なることを示すために使用した概念だという。
 慰安婦と軍人の関係は、基本的に賃金労働であり、この事実を明確に認識しても、日本を許されることになるわけではないということだ。

 朴裕河教授は「『帝国の慰安婦』は"強制連行"や"売春"かどうかに関係なく、日本に責任があることを日本に訴えるために書いた本なのに、これに対する支援団体の反発は、彼らが流布した認識に間違いがあるという事実が広く知られることへの恐怖のせいだと理解する」とし「これまで私たちの社会が慰安婦の多様な声を聞けなかったのは、世論とは異なる発言や行動をしたおばあさんたちが支援団体から非難され、公に発言できない雰囲気ができてしまっているため」「手遅れになる前に私たちの社会がすべきことは、彼女らの多様な声をしっかり聞くことだ」と話した。

 告発以降、『帝国の慰安婦』を肯定的に評価する書評が多数出てきた。仮処分申請直後には、キム・チョル(延世大)・バクサムホン(建国大)教授などが主導した棄却要求嘆願書に羅鍾一(元駐日大使) -ムン・ジョンイン(延世大)教授、金園宇、チャン正一氏などの作家、ギムギュハン氏(「クジラがやった」代表)をはじめとする約200人の知識人と市民が署名した。
 特にフェイスブックで一面識もなかったギムグァンギ弁護士が無料弁論を自ら要望して出た、ノヒェギョン(詩人)などの文化人と市民の擁護の動きが活発である。米国テキサス州にある美英(大学オースティン校)教授の提案で、米国-オーストラリア-韓国を結ぶ支援連帯も作られた。

 朴裕河教授はこれについて「SNSのコミュニティの可能性を見る。彼らはすべて、それぞれの領域で韓国社会の問題を真剣に悩んできた人々だ。彼らと一緒に韓国社会の問題的な部分を変えていきたい」と述べた。
 朴教授はまた、「国連人権委員会や米国議会の慰安婦問題を認識には、オランダや中国の場合は、朝鮮でも同じように行われたかのように誤解された部分がある。去る8月、慰安婦問題を20年以上にわたって最も真摯な姿勢で報道してきた朝日新聞が、韓半島での強制連行説を広めた吉田清治の証言が虚偽であったことを明らかにして以降、日本政府は、国連など国際社会に積極的にこの事実を知らせて修正を要求している。韓国はこのような状況を迅速に把握し柔軟に対処しなければならない」とし「この問題を支援団体にのみ任せるのではなく、すべて一緒に知恵を集めて賢明に解かなければならない」と述べた。

 また、「支援団体は、私の本を虚偽だと言うばかりでなく、私が植民地支配を擁護し戦争犯罪を賛美しているといって今度は別の魔女狩りを始めた」とし「この本は、出版直後から多数の書評やインタビューを受けたものだ。原告側が出版当時は何も言わず、10ヶ月もたって突然告発したのは、不通社会になった現代の韓国社会を象徴しているように思う。彼らに対する批判を口止めしようとする試みと理解しており、支援者らと共に適切に対処していく」としている。

 続いて、「この本はもともと、この問題に関する日本人の考えを批判し再考を促すことを目的に日本のメディアに連載したものだが、途中から韓国も知っておくべき部分が多いと思い、韓国語版を先に出した。最近出版した日本版では、この問題に対する謝罪の意識を盛り込んだ日本の国会決議が必要であると書いた。既存の支援団体とは内容も論理も話し方も異なるが、私の論旨がこの問題を否定してきた日本人たちを動かしてぎっしり詰まった慰安婦問題の解決に貢献することを願っている」と述べた。

【この報道は、言論仲裁委員会の調整によるものです。】


 タイトルや最後の注から想像するに、これは朴裕河氏側が言論仲裁委員会を通じて朝鮮日報に書かせた記事のようです。
 なんか面倒くさいことになっていますね。「ナヌムの家の所長と弁護士が本の内容を歪曲して世論を煽った!」「原告側は後から訴えの論旨をすりかえた!」――朴裕河氏のこれらの主張が正しいのかどうか、わたしの知ったことではありませんが、こういう応酬そのものがこれまで日韓で繰り返されてきた慰安婦論争の縮図に見えます。

 朴裕河氏を支援する動きが活発になっているというのは本当でしょうか。
 韓国世論が、少なくとも朴裕河氏程度に客観的な歴史観を持てるようになれば、日韓対話も進展するのでしょう。
 ただし、対話が進展したからといって日本から賠償金をもらえると期待されても困ります。日本としては、日韓併合が合法だったという立場は譲れませんし、道義的責任ならアジア女性基金によってすでに果たし終えています。譲歩するとしても、安倍首相が多少踏み込んだ謝罪談話(リップサービス)を出す程度じゃないですかね。でもそれやっちゃうと韓国はそれをネタにますます要求をエスカレートさせてきますから、やっぱ妥協はムリですね。

 朴槿恵大統領は12日の新年記者会見で「日本側の姿勢転換、変化が重要だ」と述べたそうです。

中央日報日本語版2015年01月12日
<新年記者会見>朴大統領、韓日関係について「日本の変化が重要だ」
http://japanese.joins.com/article/181/195181.html

朴大統領は「今年は韓日国交正常化50周年を迎える意義深い年なので、正しい歴史認識をもとに両国が新しい未来に向けて新たな出発をするきっかけになればという希望を持っている」と話した。さらに「首脳会談ができない理由はないが、過去のように期待を膨らませたのに関係はむしろ後退するようなことになってはいけない」として「条件をしっかり作って成功的な、意味のある、一歩でも前に進むような首脳会談になるようにすべきだが、困難がある」と話した。それと共に「日本側の姿勢転換、変化が重要だと思う」と述べた。

朴大統領は慰安婦の被害者について「その方々の年齢が高いので、早期に解決策が出てこなければ永久に未解決となってしまう」と憂慮した。それと共に「そうなれば、それは韓日関係だけでなく日本にとっても重い歴史の荷物になる」としながら「日本としてもその方々が生存していらっしゃる間にこの問題をしっかり解決することが大切なのではないか思う」と話した。

 いつもどおりで安心しましたw
 日本政府がどう考えているかは知りませんが、わたしはもう慰安婦問題は解決されなくても仕方がないと受け止めています。だって朴大統領自身が2年前に「加害者と被害者の関係は千年たっても変わらない」と言ってますし。998年先も「レキシガー」「ニッテイガー」と言われ続けることが確定してるんですから、「イアンフガー」だけを強引に解決しようとしたって無意味じゃないですか。
 信濃毎日新聞すら社説で「どうせすぐ解決できる問題じゃないんだからあわてるな」(意訳)と言っています(→こちら)。

 もう日本側は、韓国の頑なな態度に慣れっこになっちゃってるんですよね。日韓首脳会談が開かれなくても困らないという既成事実が積み重なるほど、慰安婦おばあさんたちの寿命が迫るほど、韓国側の勝利は遠のくのです。
 だいたい、日本に対して何をどうしてほしいのか具体的な要求をちっとも示さないのですから、朴政権が本気で日韓和解を求めているのかどうかも疑わざるをえません。首脳会談なんか無理に開かなくても困らないのは、韓国側も同じなんでしょう。むしろ反日を続けていたほうが国内向けにも中国向けにも都合がいいと踏んでいる可能性は十分にあります。

 そういう両国の"馴れ合い"のなかで、慰安婦おばあさんたちは一人また一人と天国に召されていきます。ま、隣国のよしみですから、日本としてはお葬式に総理大臣名で花輪を贈るくらいはしてもいいかもしれませんw

テーマ : 従軍慰安婦性奴隷制問題
ジャンル : 政治・経済

ザイトクもカウンターもプロ市民も一網打尽にされてしまえばいいのに♪

 信濃毎日新聞の1月3日の社説の見出しは「戦後70年に 排外主義 克服へ 地域の平和力を」
 全文はこちら→http://www.shinmai.co.jp/news/20150103/KT150102ETI090004000.php

 以下つまみ食い的に引用します。

 街頭で声高に民族差別をあおるヘイトスピーチが全国各地に広がっている。書店には、中国や韓国への反感をあらわにした本が棚の一角を埋めるように並ぶ。異様な光景が日常化しつつある。

 ヘイトスピーチの矛先が向いているのは主に、朝鮮半島に出自を持つ在日コリアンである。東京、大阪、京都などで、デモや街宣が一時は毎週のように行われた。その様子はインターネットの動画サイトに掲載されて拡散した。

<対抗する活動も>
 「うじ虫を日本からたたき出せ」「反日民族は皆殺しにしろ」…。聞くに堪えない言葉だ。「ほんま憎くてたまらない。鶴橋大虐殺を実行しますよ」。在日コリアンが多く住む大阪・鶴橋で叫んだのは中学生の少女だった。やり切れない思いがする。

 ヘイトスピーチの拡大は、2000年代にネット上で広がった差別的な書き込みに端を発する。ネットでまき散らされた差別や憎悪が、街頭での行動として現れた。中心的な団体が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)だ。

 攻撃は、被差別部落の人たちなどさまざまな少数派や、反原発運動、平和運動にも向けられている。威圧的な言動によって、物言えぬ社会になっていく怖さがある。

<歴史観を共有する>
 信州で排外的なデモや街宣があったとは聞かない。だからこそ今から、できることを考え、行動を起こしたい。


 どうなんですかね、街頭での過激なヘイトデモはいまも盛んなのでしょうか。信毎さんが言うように長野県でヘイトデモが起きたという話は聞きませんから、わたしのような田舎住まいの一読者にはどうもピンと来ません。今から行動を起こせと言われてもねえ。こんなブログをシコシコ更新するくらいしかお手伝いできませんw

 すでに2013年4月の段階で、デモ主催者側は過激なアピールを厳しく自制するようになったという報告もあります(→「殺せ」「叩き出せ」封印に追い込まれたヘイトデモ)。YouTubeで「ヘイトデモ」を検索して出てくる動画を見る限り、えげつないプラカードは鳴りを潜め、いわゆる「カウンター」の皆さんの方がむしろ騒々しい印象です。ま、正直どっちもバカっぽい。いい加減にしてほしいですね。
 ヘイトデモの現状はともかく、少なくともいわゆる「嫌韓本」を十把一絡げでヘイト扱いするようなメディアの社説は、安易に受け入れたくありません(関連記事:「韓国とサヨクは嫌韓ブームの後に気をつけろ」)。
 外見(タイトル)だけ見て内面(本文)を理解しようとせず「異様」の一言で切り捨てるのって、差別をみずから実践しているも同然じゃないですか。その点、果敢に中身を批判しようとしているリテラのエンジョウトオル氏は立派ですが、彼の記事は煽り文句が派手なだけで批判の中身はいつもみみっちいのが残念(参照:「トンデモぶりに背筋も凍る!? 冬の「ヘイト&嫌韓本」ワースト5」)。

 信毎さんはまだ主張していないようですが、サヨクの皆さんの中には「ヘイトスピーチ規制法」を作ろうという動きがあるそうで。
 断言してもいいですが、もし日本でそんな法律ができたら日韓関係はますます悪化するでしょう。日本国内で「じゃあ韓国人や在日コリアンは他者に対してヘイトスピーチをしていないのか?」という不信がふくらみ、いわゆる「カウンター」団体の行動や韓国本土の反日デモに対する視線が厳しくなることが目に見えているからです。彼らのパフォーマンスは総じて過激ですから(たとえば→過去記事)、日本人の嫌韓に油を注ぐことになるでしょう。「在ソウル日本大使館前の水曜集会を中止させろ!」と在韓日本人が裁判に訴えるなんて事態も出てくるかもしれません。

 そもそも韓国は国連から問題視されるほど人種差別が深刻な国ですし(レコードチャイナ記事)、韓国の反日の背後には根強い民族差別意識が横たわっていると指摘する韓国ウォッチャーもいます(「日韓問題(初心者向け)」記事→これとかこれ)。
 韓国の掲示板には、日本および安倍首相さらには天皇陛下に対する罵詈雑言が溢れていることはいまさら指摘するまでもないでしょう(おすすめ:みずきの知韓宣言ホル韓ニュース速報「改」)。まあ日本のネトウヨも掲示板ではガラの悪い発言ばかりしていますからどっちもどっちですが、この「どっちもどっち」という認識が日本人の間に定着すること自体、「韓国人の反日は正義だけど日本人の嫌韓は人種差別」ということにしておきたい韓国やサヨクメディアにとっては不都合なはずです。

 そんな状況下でヘイトスピーチ規制法を押し進めれば、主導したサヨクの皆さんも立場を悪くするでしょう。彼らのデモがけっしてお行儀のよいものではないことは、信濃毎日新聞すら認めています。

2015年1月4日付け31面

戦後70年 信州から 『平和』を問う【3】 第1部 二択を超える(下)

「ファシスト」「死ね」―。安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した昨年7月1日。都内の首相官邸前にいた長野市出身の慶応大生塚田耀太さん(21)の耳に、官邸に向けた罵声が聞こえた。閣議決定に反対する趣旨ののぼり旗を掲げ、中高年が目立つデモ隊からだった。
 塚田さんは交流サイト「フェイスブック」でデモを見に行こうと呼び掛け、若者約100人が集まっていた。閣議決定に賛成の人も反対の人もいたが、「こんな暴言を浴びて、自分がやったことを改めようと思うか?」「変わらないよな」という声が出た。
 「賛否はともかく、自分たちに関わる可能性がある問題の現場は自分の目で見ておきたい」。塚田さんは思ったが、罵声があふれるデモに「何一つ変わる気がしなかった」。塚田さんは今、集団的自衛権行使容認の是非に関心を持てないでいる。


 この記事は、こうしたガラの悪い既存のデモに不満を抱いた若者が、ヒップホップの曲にのせて特定秘密保護法反対のパフォーマンスに取り組んでいる様子などを伝えています。「サヨク頑張れ」という結論ありきとはいえ、安倍政権を批判する側にも問題があることを認めている点で、信毎にしては珍しい記事です。

 サヨクさんたちの過激なデモは沖縄でもお盛んなようで、YouTubeで「沖縄 プロ市民」で検索すると「うわあ…」って感じの動画がいくつもヒットします(とくに有名なのがこれでしょう)。彼らの言動が「差別」にあたるかどうかはともかく、限りなく反社会的であり、名実ともに「基地外」の名にふさわしいものであることは確かです。

 わたし自身は極右だろうがプロ市民だろうが、騒々しく見苦しいデモは大嫌いですから、ヘイトスピーチ規制法の制定によって目障りな騒ぎが減り、一方で「差別とはなにか」「なぜ嫌韓がヘイトで反日は正義なのか」といった国民的議論が巻き起こるのならそれはそれで有意義かもなと思っています。
 でも、いまや日本国民の66.4%が「韓国に親しみを感じない」と答える時代(内閣府の世論調査)です。嫌韓が常識になれば在特会やその類似団体もお役御免になり、ヘイトデモは自然消滅するんじゃないでしょうか。
 そして本来のターゲットを見失ったまま成立した規制法が、感情任せの抗議しか能がないプロ市民の皆さんに襲いかかる―なんて近未来が来ないとも限りませんよねえ、有田芳生センセ?

テーマ : サヨク・在日・プロ市民
ジャンル : 政治・経済

纐纈厚「命がけの路上ストリップを嫌がる日本は腰抜けだ」

 戦後70年ということで、信濃毎日新聞の紙面は元旦号から自衛隊だの憲法だの集団的自衛権だの、政治的な記事が目白押しでした。ネトウヨとしては興味のあるテーマなので歓迎ですが、信毎が力を入れれば入れるほど一般読者をウンザリさせるのではないかといらぬ心配をしてしまいます。

 1月1日付9面の特集は「戦後70年 私たちはどこへ 第1部 揺らぐ自制①」。共同通信が配信しているようですが、「自衛隊 緊迫の尖閣」「日中 危険なせめぎあい」との見出しを掲げ、1954年に発足した自衛隊の歩みを振り返っていました。
 領空侵犯した旧ソ連の偵察機に対して空自のF4戦闘機が警告射撃を行った87年の事件を振り返るとともに、現在では仮想敵国が中国に変わり、昨年10月には空自と陸自が中国軍機の領空侵犯を想定した訓練を行ったことなどを紹介しています。
 以下、抜粋引用。

 関係者が「実戦さながらの緊迫感だった」という訓練。挑発とも言える中国の行動がその背景にある。
 翌11月の日中首脳会談は尖閣諸島領有や歴史認識問題など対立が深まる中で開かれた。
 「戦争で真っ先に死ぬのは自分たち」という自衛隊幹部は衝突回避に向け、会談で合意した緊急時のホットラインを含む海上連絡メカニズムの構築に期待する。
 だが防衛省首脳は「日本からボールを投げ続けているが、何の返答もない。開設できても、米中のように米側が電話をかけても誰も出なければ無意味だ」と突き放す
 警告射撃の経験を踏まえ、元パイロット【87年にソ連機に警告射撃をした空自戦闘機に搭乗していた人:引用者注】は問い掛ける。「後輩パイロットたちが警告射撃したり、その先の対応を迫られたりしないようにするのが、政治、外交の責任ではないか」
 かつて戦火を交えた日中が、戦後70年の今、尖閣という無人島をめぐって対峙している。
(敬称略:共同通信編集委員 石井暁)  (太字:引用者)


 文中の「突き放す」って表現に共同通信の下心を感じるのはわたしだけでしょうかね。悪いのは衝突回避に後ろ向きな中国なのに、まるで防衛省首脳が現場の自衛官を見殺しにしようとしているかの印象を読者に与えようとしているような。

 こうした記事を読んだ一般読者は当然、「ヒエー、尖閣諸島は一触即発じゃん。日本はどうすりゃいいの?」と不安を覚えることでしょう。
 特集はさらに「自衛隊60年 冷戦終結後3度の転換点と題して次のように解説しています(要約)。

 憲法違反かどうかの論議をひきずりながら米軍と一体化してソ連と対峙してきた自衛隊は、約60年の歴史の上で大きな転換点が3つあった。第一は89年の冷戦終結であり、これによって米国や国際社会は自衛隊に海外での活動を求めるようになった。第二は2001年の米中枢同時テロであり、自衛隊は初めて戦地に派遣されたが9条の制約で戦闘には加わらずに済んだ。第三にして最大の転換は14年の集団的自衛権行使容認の閣議決定であり、これが行使されれば自衛隊が米軍などとともに戦い、犠牲者を出したり外国人を殺傷したりする危険が高まる。さらに「国防軍」化すれば自衛隊は「専守防衛」のたがが外れ「普通の軍隊」に姿を変える。


 個人的には「普通の軍隊」で何が悪いの? と言いたいですね。だって世界中のほとんどすべての国は「普通の軍隊」を持っているんですから。サヨクの皆さんは日本の自衛隊が「普通でない軍隊」であることに誇りを感じているようですが、軍事費(防衛費)に年間545億ドル、世界6位(2014年度)の大金をつぎ込んでいる国が、憲法では「武力の行使」を永久に放棄すると謳っている事実はたしかに「普通」でない、はっきりいって「異常」です。そういう「異常性」が、中国など敵対性周辺国につけ込む隙を与え、日本の安全を脅かしているとわたしは思います。→尖閣戦争に利用される敵国条項と憲法9条

 これまで日本に「普通の軍隊」が許されなかった理由は、日本にそんなものを持たせたらまたぞろ「侵略」を始めるかもしれないと連合国側が懸念したからですよね。国際社会の要請によって自衛隊が実質的に「普通の軍隊」化することは、日本の平和主義が世界的に認知され、信頼が深まってきた証拠です。集団的自衛権の行使を容認した閣議決定も、特亜以外の国々には十分理解され、むしろ歓迎されています。

 でも、今回の特集記事はそうした側面には触れず、ひたすら安倍外交に警鐘を鳴らす纐纈厚・山口大副学長へのインタビューで締めくくっています。以下引用。

纐纈厚・山口大副学長に聞く 節目の年 平和戦略構築の元年に

―今の日本はどういう局面にあるか。
 「戦争を知らない世代が主要を占め国民の平和意識が揺らいでいる。米ソ冷戦や北朝鮮など周辺に脅威は常にあったが、中国の台頭による圧力感が『平和の歩みが正しかったのだろうか』という不信につながっている」

―戦後の歩みに問題があったのか。
 「日本は戦争に凝りて平和が欲しいと望んだが、軍備を厚くした。ボタンの掛け違いが今も続いている。集団的自衛権の行使容認などこわもての外交が失敗するのは歴史の示すところ。日中の対立はお互い知恵がなく、自己中心的な一国主義だからだ。率先して軍縮の方向性を示し、相手に軍備強化の口実を与えないのも平和戦略の一つだ」

―中国脅威論を前に自衛隊の自制が揺らいでいないか。
 「何が起きても拡大させない自制心があると信じたい。ただ自衛隊に権限が集中し、自衛官がハンドリングできる領域が増えた。だからこそ文民統制が大切だが、安倍晋三首相は軍備には軍備で応える冷戦構造の発想だ。政治家の劣化が深刻と言わざるを得ない」

―「新たな戦前」にしないためには。
 「政治が前のめりになって世論をあおらないことだ。戦場で硝煙のにおいをかがないと戦争が怖いと思えないなら、想像力の欠如でしかない。国民主体でアジア諸国と信頼を深め、平和共同体を追求する。『武器なき平和』は勇気と想像力が要るが、節目の年が新たな平和戦略を構築する元年であってほしい」



 前段で「尖閣で日中が衝突するかもしれない」「集団的自衛権の行使容認で自衛官に犠牲者が出るかもしれない」と脅し、後段で「だから日本は率先して軍縮をすべき」という結論に持ち込む。こういう流れに納得する読者はどれほどの割合を占めているんでしょうか。わたしには支離滅裂としか思えないんですが。
 纐纈先生はファシズム研究や近代戦争史の専門家とのことですが、言ってることは突っ込みどころ満載です。

>中国の台頭による圧力感が『平和の歩みが正しかったのだろうか』という不信につながっている

 わたしの実感もそのとおりです。ですからサヨク側識者にはその不信を解消するような言論が求められているのに、纐纈先生はその期待に応えてくれていません。「こわもて外交は失敗する」と決めつけていますが、その根拠も示さないまま。彼の著作を読めば分かるんですかね?

>日中の対立はお互い知恵がなく、自己中心的な一国主義だからだ。率先して軍縮の方向性を示し、相手に軍備強化の口実を与えないのも平和戦略の一つだ

 言ってることが矛盾してませんか? 中国が自己中心的な一国主義なら、日本が率先して軍縮したって影響はゼロでしょうし、むしろ相手を喜ばせるだけじゃないですか。それのどこが「戦略」なんですか?
 実際、これまで日本が防衛費をずっと横ばいのまま維持してきたのに対し、中国は驚異的な勢いで軍事費を増大させてきました(分かりやすいグラフは→たとえばここ)。その事実を知らないわけでもあるまいに、先生はどうしてこんなお花畑発言ができるんでしょうね。
 そもそも現在の中国が軍事的ライバル=目標とみなしているのは世界最大の軍事大国である米国ですから、日本がパンツを脱いで「ほら、アタシがこんな格好になったんだから、アナタもさあ早く♪」なんて言っても滑稽なだけです。サヨクの人たちの思考って、ある意味変態的なほどナルシズムですよね。

>『武器なき平和』は勇気と想像力が要るが、節目の年が新たな平和戦略を構築する元年であってほしい

 纐纈先生の主張を一言にまとめると、要するに「自己中心的な一国主義である中国の前でパンツを脱ぎたがらない日本は、勇気と想像力を持たない腰抜けだ」ってことですよね。「勇気と想像力」? 「無謀と妄想癖」の間違いでしょうに。日本に命がけの露出を強要し、尻込みするな!と罵るなんて、SMプレイにしても高度すぎませんか?

 こういう記事を読んでいるとなんだかもう、新年早々背筋がむずがゆくなりますね。こんなノリの特集がこれから1年間ずっと続くんでしょうか。いや、わたしは構いませんけど、一般読者が気の毒すぎる…。

テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
ジャンル : 政治・経済

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