朝鮮日報の反日連発は会談に向けた牽制か

 最近の朝鮮日報は、なりふり構わない反日記事が妙に増えている印象があることを前回少し触れました。穿った見方をすれば、安倍晋三と朴槿恵が初めて行う二国間首脳会談を前に、日本側を牽制しようという意図があるのかもしれません。

2015/10/27 朝鮮日報日本語版

慰安婦被害者 首脳会談控え日本政府を提訴へ=韓国
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/27/2015102702317.html


 この訴訟は2013年にソウル中央地裁に民事調停を要求する形で起こされながら、日本政府から完全に無視されてきたもの。業を煮やした原告側が、日韓首脳会談にぶつける形で地裁に「調停をしない決定」を申し立て、本格的な裁判を起こすぞと日本側を圧迫しているという内容です。

【一部引用】

 金弁護士は聯合ニュースの取材に対し「民事調停で解決しようとしたが、日本政府、特に外務省が非協力的で、(被害者の)おばあさんたちが日本政府に送った意見書さえ受け取ってもらえなかった」と語った。

 また、正式な訴訟になれば、公示送達(当事者に書類を伝達できない場合にこれを裁判所の掲示板などに一定期間掲示し、送達したものとする手続き)が可能になり、日本政府が法廷に出席しなくても判決まで持っていける可能性もあると説明した。被害者らは韓日首脳会談の開催前に訴訟に入ることを望んでいるという。


 こんな訴訟に日本が協力するわけないじゃないですか。…いや、過去の日本が安易に協力してきたからこそ、韓国はかつての旨味を忘れられないのか。
 いずれにせよ、このタイミングで慰安婦訴訟が再燃したら立場が苦しくなるのは韓国政府の方だと思いますがね。たとえ政府間で何らかの合意をしたとしても、韓国政府が民間の暴走を抑えられなければ何の解決にもならないことを再実証しちゃってるわけですから。

 そういえば、天皇陛下や安倍首相や産経新聞やその他日本企業を米国の裁判所に訴えたキム・ヒョンジンさんの訴訟はどうなったのでしょう。
 わたしは、彼が裁判費用の名目でネットを通じ約12000人から1億300万ウォン以上の寄付金を集めたらしいことまでは把握していますが、 その後の音沙汰を聞きません。これがもし詐欺だったら最高に韓国らしくて面白いんですけど。

2015/10/27 朝鮮日報日本語版

日本植民地時代の朝鮮、生きることは地獄だった
国立劇団「切れ端」舞台レビュー
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/27/2015102701203.html

【一部引用】

「結婚が何だ! 家が何だ! 苦労して農業やっても口にクモの巣がはるような世の中じゃないですか。いったいこの朝鮮で何をして生きていけっていうんですか? こんな地獄でもこのまま死ねなんて言われたくないでしょう」(演劇『切れ端』の青年サムジョのセリフ)

 テイクアウトのコーヒーカップを手に持ったままスマートフォンをいじり、「ヘル(hell=地獄)朝鮮」などと自分の国を地獄に例える現代の若者たちでも、舞台『切れ端』(ユ・チジン作、キム・チョルリ演出)を見れば、果たして本当の「ヘル朝鮮」とは何なのかを知ることができるだろう。希望などというものはまったく見えない日本植民地時代のすさまじい人生がそこにある。

 主人公ミョンソ一家は崩れかけた掘っ立て小屋で暮らしている。一家のあるじミョンソは病に倒れ、娘のグムニョは障害があるので、ミョンソの妻が畑を耕してやっとのことで生計を立てている。隣家のギョンソン一家は飢え死にしてはならないとコメを借りたが、返せなかったためにボロボロの家まで奪われ、物ごいと行商で食いつなぎ、寒い冬の夜も寝床がなく故郷を離れる。ミョンソの唯一の願いは、日本に出稼ぎに行った息子ミョンスが帰ってくることだったが、ミョンスは独立運動をして捕まり獄死、遺骨になって戻ってくる。


 素朴な疑問。日韓併合時代にド貧乏だった朝鮮の農民が、併合以前は豊かで幸せに暮らせていたんですか? だったらどうして東学党の乱なんてものが起きたんですか?
 日本に併合される前は、農民が半島の外に出稼ぎに行くという選択肢すらなかったわけで。出稼ぎという形で日本の富の恩恵を受けておきながら、独立運動なんかするから自業自得に陥るわけで。
 代々貧乏続きの農民がその時期になって改めて貧乏を自覚し嘆くということは、「圧政を敷いていた李氏朝鮮を日帝が滅ぼしてくれたおかげで、我々の暮らしは楽になると思ったのに」という期待の裏返しでしょう。つまり、その農民は日韓併合に期待を寄せる「親日派」だったってことじゃないですか?

2015/10/27 朝鮮日報日本語版

安倍首相、ロッテでなくウェスティン朝鮮に宿泊
自衛隊行事予約キャンセルしたロッテホテル、招致合戦で敗れる
新羅ホテルは李克強首相、ハイアットは米大統領の定宿
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/27/2015102700597.html


 これはべつに反日記事というわけではありませんが、面白かったので取り上げます。昨年7月にロッテホテルが自衛隊の式典をドタキャンしたために日本政府が利用禁止令を出し、今回の安倍訪韓でもロッテホテルは首相の宿泊先に選ばれなかったという話題です。

【一部引用】

 今回の安倍首相の招致合戦もロッテとウェスティン朝鮮が手を挙げたが、結局ウェスティン朝鮮が獲得したことが分かった。ホテル業界関係者は26日、「ロッテホテルは名誉挽回(ばんかい)に乗り出したが、日本政府の気持ちは変わらず、安倍首相は結局ウェスティン朝鮮に泊まることになった」と言った。外交消息筋は「安倍首相は朝鮮ホテルに滞在するが、日本の記者たちが使用するプレスセンターはロッテホテルに設けられると聞いている」と語った。


 去年は自衛隊式典を直前に拒否して日本人に嫌われ、今年はお家騒動や持ち株会社の"国籍"問題で韓国人から疑いの目を向けられているロッテ。ええ、わたしもネトウヨですからお店の棚に同じ値段で並んでいたらロッテのチョコパイより森永のエンゼルパイを選びますよ。

 たとえ安倍首相の宿泊招致に成功したところで、ロッテの名誉挽回には成り得ないと思います。韓国人からは「やはりロッテは日本企業か」と恨まれるでしょうし、日本人からは「どのツラ下げて」と軽蔑されるでしょう。
 ロッテホテルが日本相手に本当に名誉を挽回したければ、中谷防衛相に土下座して「自衛隊創立61周年式典」を無償で誘致するくらいやってみろっての。

2015/10/26 朝鮮日報日本語版

「父親は親日派ではない」 韓国与党代表が反論
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/26/2015102601346.html


 記事の中身はタイトルから察するとおりです。日本という共通の敵を前に団結するかと思いきや、反日が過激になれば国内の内ゲバもエスカレートする皮肉。
 親の行状を理由に子がバッシングされるなんて、日本では完全に差別行為ですが、韓国ではごく当然のことなんですね。しかも、そのレッテル貼りを行う権力者が行政でも司法でもなく「親日人名事典」を発行している一民間団体(=民族問題研究所)であるという点が恐ろしい。


 韓国側はこうやって日本を叩くことが首脳会談を有利に運ぶ手段だと考えているのかもしれませんが、完全に「北風と太陽」の寓話そのままですね。
 日中韓首脳会談といっても、中国から来るのは習近平主席ではなく李克強首相。どうせ中身は中韓そろって「レキシガー」を叫ぶだけのセレモニーでしょう。安倍首相としては、首脳会談実現というアリバイを米国にアピールできさえすればいいのであって、実質的成果なんかたいして期待していないでしょう。
 一方の朴槿恵大統領は、外交関係と国内世論の板挟みで苦しい立場に追い込まれています。しかも今回は彼女がホスト役ですから、下手に日本に恥をかかせれば自分の顔に泥を塗るのと同じになります。会談相手の中国・日本だけでなく、米国の視線にも配慮しなければなりません。
 朴大統領にはサーカスの綱渡りなみのバランス感覚が求められます。因幡の白兎みたいに皮を剥がれても、大国様は現れてくれません。…それどころか、サーカスの幕が開く直前の空港で安倍首相が暗殺されそうになって会談中止、なんてシナリオも十二分に考えられます。
 安倍さん、無事に帰ってきてね。…まるで我が子を戦場に送り出す岸壁の母みたいな心境になってしまいました。
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朝鮮日報はむしろ半島分断に感謝しろ

 2012年から"目覚めた"ニワカ嫌韓厨のわたしの目から見ても、最近の朝鮮日報の論説はちょっと感情的で支離滅裂度が高まっている印象です。
 まあ、韓国の最大手新聞のオピニオンリーダーたちが言うことですから、これが韓国の一般的な世論、もしくは模範的思考なのでしょう。

【要約】

2015/10/23 朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/23/2015102300927.html
【コラム】南北分断は日本のせい、中谷防衛相の発言は許せない

 韓国は、日本から謝罪を受け、責任を問いただすべき数多くの歴史的傷を負っている。その中でも、南北分断は最も痛々しく忍びない傷だ。第2次大戦後、ドイツは東西に分断されたのに、同じ戦犯国である日本が分断されず、被害国である韓国が分断されたのは納得いかない。

 半島が南北分断された直接の原因は、終戦1週間前に参戦して利権を要求したソ連。そしてソ連に妥協した米国。さらに解放されたのに左右対立に明け暮れ機会を逃した韓国自身。
 しかし、そもそも日本が韓半島を併合していなかったら韓国は「分断か否か」の岐路に立たされずに済んだ。わが民族が国家統一の力を失ったのは苛烈な植民統治のせいだ。
 それに、日本がさっさと降伏していればソ連の参戦もなかったはずだ。日本は韓半島と天皇を手放したくないためにスターリンに仲裁を頼み、原爆投下を招いてソ連の半島占領を許した。要するに、ソ連の参戦も南北分断も、日本のとんでもない妄想のせいで起こった過ちだ。

 日本は韓半島を犠牲にして天皇制を守りぬいた。しかも加害者の立場にもかかわらず、戦後になると朝鮮戦争で甘い汁を吸って特需を謳歌し再軍備の足場を作り米国から安全保障面で優遇される権利を得た。

 「韓国の有効支配範囲は休戦ラインの南側」という中谷防衛大臣の発言は、韓国の苦しみを無視したものだ。良心ある正常な国家なら、気の毒に感じてまず分断解消を支援してこそ正しい。なのに日本政府は、まるで人ごとのように知らぬふりをし、神経を逆なですることを言って回っている。
 南であれ北であれ、韓国の同意なき「日本軍」の韓半島進入は容認できない。

朴正薫(パク・チョンフン)論説委員


 あれもこれも日本のせいにするのは簡単でしょうが、そんなことを騒ぎ続けていったい何になるんでしょうね。
 前段でいかに日本が強欲で卑怯で無反省な劣等国家であるかを強調しておきながら、そんな国の同情や支援を期待するなんてアホの骨頂じゃないですか。
 大国に向かって「同意なき進入は容認できない」なんて口先だけの抗議をしたって、いざ戦争となったら何の役にも立たないことはコリア人だって日清戦争のときに思い知ったはずです。本当に日本が危険だと思うなら、さっさと軍事力を強化し、第二次朝鮮戦争が勃発したら北朝鮮と日本を同時に相手にする覚悟を固めるほかありません。

 朝鮮日報が行ったアンケート調査によれば、韓国の専門家の26%が「南北統一でもっとも邪魔になる国」として「日本」を挙げているとのこと。これは「中国」(62%)に次いで2位です。

 うーん。わたし個人の感覚としては、いまの日本がなぜ朝鮮半島統一を邪魔立てせねばならないのか、理由がわかりません。邦人の安否や難民問題などで我が国がとばっちりさえ受けなければ、平和統一でも武力統一でも好きにすればって感じです。
 論説委員さんが言うとおり、もはや日本にとっては完全に人ごとなんですよね。むしろわれわれが警戒しているのは、北から攻められた韓国が自衛隊に援助を求めて来ないか、情にほだされた日本政府がそれに応じてしまわないかということです。

 こういう「冷たさ」は、韓国人が理想とする国家像に照らせばけっして悪いことではないはずです。日清・日露戦争も韓国併合も、ある意味日本が朝鮮に過剰な期待をしすぎた結果ですからね。
 ただし、日本が半島に手を出さなかったらいまごろどうなっていたか、冷静にシミュレーションしてみることをおすすめします。日本の支援なしで半島が近代化できたか。中国とロシアの間で独立を維持できたか。共産圏から逃れることができたか。日本という"痰壺"を失った朝鮮人が「恨」のはけ口をどこに求めたか。

 韓国人は日本をドイツになぞらえ、自国をポーランドになぞらえるのが大好きですが、第二次大戦後のポーランドは完全に共産圏に呑み込まれ、ソ連の息のかかった独裁政治が長く続きました。そのことを考えれば、朝鮮半島が南北分断程度で済んだことは、韓国にとってむしろ幸いと思うべきでしょう。
 ヨーロッパでは1989年にベルリンの壁崩壊とポーランド民主化が実現しましたが、それらの背後にはワレサ氏のような優れたリーダーたちの粘り強い努力がありました。
 かたや、すべての責任を隣国になすりつけて満足しているような怠惰な半島に、それだけの人物が現れる素地があるかどうか。少なくとも、いまだに朝鮮労働党や中国共産党による独裁政治が健在であるという東アジアの現実は、否定しようのない事実です。

追記に朴正薫氏の論説を全文引用しておきます。



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ジャンル : 政治・経済

朝鮮日報「日本に謝罪させるためにはもっと日本に寄生するしかない」

 朝鮮日報東京支局の金秀恵特派員が、コリア語版にコラムを書いていました。日本語版には見当たりません。以下、機械が翻訳した文章をあてずっぽうで読みやすくアレンジして全文引用します。機械翻訳のままだとすごく頭の悪そうな文章になって、それはそれでリアルな感じなのですが、いかんせん読みにくいので。強調は引用者。

朝鮮日報コリア語版
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2015/10/18/2015101802964.html

[特派員レポート]おばあちゃん、申し訳ありません

ギムスヒェ東京特派員
入力:2015.10.19

 15年前、私は鍾路警察署に出入りする記者だった。その年の2月末、警察署の壁に「水曜集会」の案内文が張り出された。3・1節が水曜日にあたり、集会がちょうど400回になると書かれていた。
 京畿道光州にあるナヌムの家に行き、日本軍慰安婦おばあさんたち九人にお目にかかって3・1節の日の朝、社会面のトップ記事を書いた。その時の私は、おばあさんたちの話に憤慨し、社会面トップを書くことに興奮した。この問題に憤慨する人が多くなれば、難題も軽く解決するだろうと感じた。記者の使命は、できるだけ多くの人を私のように憤慨させることであり、それを果たせば「任務終了」と簡単に考えていた。純真だったのか、愚かだったのか。

 あの日お会いしたおばあさんたちの多くが亡くなった。
 「がんで先立った他のおばあちゃんに『これ以上は生きられない私の分まで突っ走ってほしい』と言われた」と話していたダンスンドク(1921~2004)おばあちゃん。「どんなに歳を取ろうが這ってでもデモに行く」と言いながら、亡くなる最後までデモに参加し、11年前の夏の終わりに逝去されたノ青磁(1920~2004)おばあさん。金さんが逝って2カ月後の真夏に瞼を閉じた。「冬にデモに行くのが一番しんどい」と話していたバクオクリョン(1919~2011)おばあちゃんは、2010年の冬を越した翌年の花咲く春に亡くなった。「あとどれくらい記者たちに会って胸をえぐり取られるような昔の話を続ければ謝罪が受け取れるのか」と言っていたイ傭女(1926~2013)おばあさん。お言葉の終わりに泣いたが、2年前の夏に亡くなった。

 その時の私は、慰安婦問題がどれほど解決が難しい問題かを知らなかった。知らないくせに、知っていると思い込んでいた。そしてすぐにこの問題を忘れて、次のトップ記事に移った。
 そうしている間に、生きていらっしゃったおばあちゃんのうち、150人のうち100人が亡くなった。最近の私は朝鮮日報東京支局で、15年間よりも厚くなった慰安婦関連資料に赤いラインを引きながら「この問題がいまだに解決されてこなかった」云々という記事を相変わらず送っている。
 記事を書きながら胸に食い込むのは、「解決とは何なのか」という疑問だ。私たちの要求の核心は、日本が「慰安婦問題は、大日本帝国という国家が犯した戦争犯罪であり、その責任は大日本帝国と大日本帝国を継承した日本国にある」ときれいに認めることである。安倍晋三首相がそれをするか? ありえない。安倍首相の次の首相はどうだろうか? 可能性は低い。ではどうすればいいのか? まさにこの点で韓国は政府も国民も意見がバラバラだ。
 私たちには「100年がかかってもしっかりとした方法で雪辱する道」が何なのかについて国論がない。「日本が悪く安倍が悪い」というのは原論でしかない。私たちはお互いに非難されるのが怖くて、安倍首相の悪口だけを粘り強く繰り返す。本音と建前を使い分けているのは日本人だけでなく、韓国人も同じだ。
 歴史問題に対する唯一の根本的な解決策は、強くなることだ。日本は絶対に私たちが望むような反省はしない。そのような日本を相手に、この問題を忘れることも許すこともしないまま、実利は抜け目のなく持っていってしつこく毎日少しずつ彼らよりさらに強くなることだけが、慰安婦問題を含んだ歴史問題の懸案で私たちが願う場所に私たちを立たせておくことができる。
そこまで行く間、避けられなく多くのおばあさんが亡くなることだというのが詰まって感じでよく聞こえないだけだ。


 このコラムを読んだわたしの感想は、端的にいうと「ザマーミロ」です。
 韓国メディアの「中の人」たちって、きっとほとんどがこんな感じ↓なんだろうと想像します。

「自国民の怒りが爆発すれば、日本は恐れをなして屈服するだろう。我が社の使命は怒りの炎に存分に油を注ぐことである。その結果がどうなるかなんて知ったことではない。問題の解決がますます難しくなったとしても、その責任はまず日本にあり、次にあるとすれば国論をまとめきれない韓国政府や国民にある」

 アジア女性基金についてまったく触れていないのが、あいかわらずのウリナラチラシクオリティです。
 この記者さんは「解決とは何なのか」などとしおらしく自問自答しているようですが、日本のネトウヨのほとんどはその答えを知っています。韓国が希求している「解決」とは、「勝利」と言い換えることができます。決して「和解」ではありません。日本に勝利したと実感できないかぎり、韓国人にとって歴史問題に「解決」はありえません。そして勝利の美酒には中毒性があるのです。
 だから日本が引き分けに持ち込もうとすると、韓国はそれに応じる振りをして攻め込んでくる。僅差の勝利が目前に迫ると、圧勝がほしくなって延長戦に引きずり込む。あきれた日本が試合を放棄してロッカールームに引き上げても、まだピッチに残って騒ぎ続ける。

 この記者さんは「韓国が強くなれば日本はおのずと土下座するだろう」と素朴に思い込んでいるようですが、それこそが日本に勝利したがっている欲望の表れです。
 けれど、弱い国に強情で強い国にへつらうのが日本だと思ったら大きな間違いです。日清、日露、大東亜と、格上の相手に無謀な戦争を繰り返してきた日本のクソ度胸を甘く見てはいけません。
 たとえば中国はいまや世界第二位の強大国ですが、その中華人民共和帝国様に安倍首相は謝罪したでしょうか。戦後70年談話を読んでも、謝ってるんだか開き直ってるんだかさっぱりわかりません。むしろ中国を「隣人」の中でもビリッケツ扱いしているうえに、歴史問題でグチグチ言いながら海洋進出を図っている中国の姿勢を暗に批判し、「自由、民主主義、人権といった基本的価値」を共有する国々と力を合わせて包囲網を構築するぞと脅しをかけています。
 朝鮮半島なんか、たとえ南北統一が実現したところで、いまの中国を上回るほどの国力を築く可能性なんかほぼ永遠にないわけで。

 まあ、自分の国を強くしたい、周囲から見くびられない国になりたいという記者さんの気持ちはわかりますが、その手段があいかわらず「日本から抜け目なく甘い汁を吸えばいい」という寄生虫根性なのか情けない。そんな姑息な真似をして日本から謝罪をむしり取れたとして、天国に召された慰安婦おばあちゃんたちが喜ぶでしょうか? …大喜びするんだろうな。

 河野談話やアジア女性基金は日本にとって精一杯の誠意でしたから、それ以上の譲歩はそもそもありえないのではありますが、なぜ最近の日本がとみに韓国に対して冷淡になったのかといえば、それは韓国が豊かで強い国になったからです。
 日本人は、枕草子の時代から「いとあはれ」なもの、「いとかはゆし」なものが大好きです。弱くてみじめで不憫なものをいたわり愛でる自分自身が大好きなのです。福沢諭吉が金玉均を支援したのも、そういう哀れみの心に由来していたんじゃないでしょうか。
 道徳的優位を誇示したいがために謝罪を要求する韓国と、寛容を示すことで自己満足に浸りたい日本。その利害が奇妙に一致したのが1990年代の日韓関係でした。当時の韓国は軍事独裁に終止符を打ち民主化を成し遂げて間もない時期ですから、日本としては韓国に寄せる期待と愛着は相当なものがあったはずです。たとえ歴史的事実とはかけはなれていたとしても、民主国家になった韓国との友好関係を維持できるなら多少の譲歩はやむを得ない、と河野さんや宮澤さんは考えたのでしょう。

 こう考えていくと、韓国が将来、日本から思い通りの謝罪を受け取るための道筋も見えてきます。それはつまり、韓国が弱小国家になって日本に服従を誓うこと。中国との縁を切り、竹島と仏像を返還し、産経の加藤前局長を無罪放免し、水曜集会や徴用工訴訟や旭日旗排斥や東海併記運動やソメイヨシノ起源説を取りやめ、世界中の慰安婦少女像を撤去し、これらの反日行為を謝罪すること。ついでに北朝鮮に攻めこまれて滅亡寸前になり、日本に集団的自衛権の行使を懇願すれば完璧です。いまどきの用日は、これくらい身を削らなければ実を得られません。土下座されたければ土下座しろ。それがこの世界を支配する等価交換の原則です。
 そこまでやれば、日本だって韓国の意気に感じ入り、半島に派兵して韓国主導による南北統一を助けた上で国庫による元慰安婦救済事業の実施に動き出すかもしれません。そのころには存命中の慰安婦ハルモニなんて数人でしょうし。

 もちろんわれわれネトウヨは断固反対しますけどね。

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ジャンル : 政治・経済

【記憶遺産戦争】拠出金停止よりも地道な資料検証が先だと思う

 中国が申請した「南京大虐殺関連文書」がユネスコ世界記憶遺産に登録されたことに対し、日本政府が抗議したんだそうで。
 世界遺産登録で韓国相手に一悶着あったばかりなのに、騒々しいことです。
 
平成27年10月10日
ユネスコ記憶遺産の新規登録について(外務報道官談話)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_001450.htm

2 一方,中国の関係機関によって申請された「南京事件」に関係する文書についても登録が発表されました。当該申請案件は,例えば,日中両国の歴史共同研究でも示されてもいるように,日中間で見解の相違があることが明らかなものです。それにもかかわらず本件は,中国の一方的な主張に基づき申請されたものであり,当該文書は完全性や真正性に問題があることは明らかであると考えます。日本政府が,これらの基本的な考え方について随時申入れを行ってきたにもかかわらず,当該案件が記憶遺産として登録されたことは,中立・公平であるべき国際機関として問題であり,極めて遺憾です。

3  記憶遺産事業は,文書遺産の保護やアクセスの確保等を目的として,当該基準を満たした文書等を登録するユネスコの事業です。この重要なユネスコの事業が,政治利用されることがないよう,我が国は責任あるユネスコ加盟国として,然るべく本件事業の制度改革を求めていく所存です。


 信毎や他の一般マスコミのネット記事を見ても、申請された文書の中身がどんなものなのかイマイチ見えてきません。

10月11日 信濃毎日新聞1面

南京大虐殺紀念館などによると、提出した関連資料には、判決で「犠牲者30万人以上」とした南京軍事法廷の記録や極東国際軍事裁判(東京裁判)の資料などが含まれている。(南京、東京共同)

 「申請した資料は、日本から揚げ足を取られないように厳選した」
 中国江蘇省の南京大虐殺紀念館で10日、記者会見をひらいた朱成山館長は虐殺を否定する見解が日本国内にあることを強く意識した。その上で「世界が南京大虐殺の歴史に共通認識を持った」と登録の意義を強調し、胸を張った。


 信毎の記事から分かったのはこれだけでした。

 資料の具体的な中身が見えてこない背景には、記憶遺産の登録の仕組みがあるようです。

10月11日 信濃毎日新聞3面

「中国側は資料の開示請求に応じてこなかった。申請したのも各地の公文書館などで中国政府ではないので、政府間協議もできなかった」。日本政府関係者はこう語り、川村外務報道官談話が示した批判の矛先がユネスコに向けられた理由を説明する。
 一方、登録申請に当たった中国の関係部門幹部は「日本側は資料の具体的な問題点を指摘せず、登録に反対するのは理解できない」と強調。双方の主張はすれ違い、記憶遺産をめぐるきしみに日中両政府が今後対処できるかどうかは不透明だ。


2015.10.10 産経ニュース
審査非公開、反論機会なく…問われる密室性 透明性確保の必要も
http://www.sankei.com/life/news/151010/lif1510100015-n1.html

 同じユネスコの世界遺産や無形文化遺産では登録の可否が公開の場で議論されるのに対し、記憶遺産は非公開の国際諮問委員会で審査され、ユネスコ事務局長が追認する仕組み。4~6日に開かれた委員会も非公開のため、日本側に反論する機会はなかった。こうした仕組みのため、中国側が登録申請した「南京大虐殺文書」や「慰安婦関係資料」について、日本政府はこれまで外交ルートで中国側に繰り返し抗議、取り下げを要請するしかなかった。

 また中国の申請書類は概要がユネスコのホームページで閲覧できるだけで、具体的な文書や写真が事前に公開されず、日本側の研究者からは「開示を求めるべきだ」といった声が聞かれた。

 登録へのプロセスが透明性に欠ける要因は、世界遺産や無形文化遺産との成り立ちの違いにある。他の2つと異なり、根拠となる国際条約がなく、政府に限らず自治体や団体、個人でも登録を申請できる。

 審査も他の2つが条約締約国の代表によって議論されるのに対し、記憶遺産の場合は事務局長が選んだ専門家によって行われる。政治利用を想定した枠組みとなっていないのも実態だ。

 文部科学省幹部は「手続きが簡略で、運営態勢も小規模。真正性や重要性がどのように調査されているかうかがい知れない。枠組みを改善すべきだという議論も必要になるかもしれない」と話している。


 なるほどねえ。そういえば、2011年に炭鉱夫の絵日記が日本で初めて登録されたニュースを知った時、わたしは「確かに面白い資料だけど、世界の遺産と呼ぶほど大層なものなんか?」と微妙な感じがしたのを覚えています。あれなんかも福岡の自治体と大学がちゃっちゃと申請したものがちゃっちゃと登録されちゃったんですね。もともと”その程度”の登録事業であるということです。

 日本政府は「ユネスコへの分担金・拠出金の停止や減額を検討する」と言い出しました。
 これまでずっと優等生としてのメンツを気にしてばかりいた日本が、カネの話題を持ちだして国際機関に圧力をかけるようになるなんて、ずいぶんと時代が変わったものです。しかも、菅官房長官だけでなく親中派で知られる二階俊博・自民党総務会長まで同様の発言をしたのは意外でした。
 そんなことを言い出せば、特亜が噛みつくのは当然のこと。朝鮮日報のソンウ・ジョン論説委員は「政治利用というなら、世界遺産になった原爆ドームや今回記憶遺産になった『舞鶴への生還』記録は、被害国アピールという立派な政治利用ではないか」と日本の姿勢を批判しました。
(2015/10/13 朝鮮日報日本語版 【萬物相】ユネスコを脅迫する日本の品格

 わたしも、こういう経済制裁はあまり良策と思いません。ユネスコは株式会社じゃないんですから、出したカネに見合うだけの影響力をよこせというのは横暴です。それに、もし日本が拠出を絞る代わりに中国がユネスコに大金を出すようになったら、日本は何も文句を言えなくなります。
 ユネスコのボコヴァ事務局長にしてみれば、「慰安婦関連資料は日本に配慮して却下してあげたのに…!」って思いはあるんじゃないでしょうか。

 南京事件について日本政府がこれまで問題にしてきたのは「30万人は多すぎる」ということだけで、非戦闘員の殺害や暴行略奪などについては否定していません。右派論客の櫻井よしこさんすら、日本軍が一定数の便衣兵を殺したことを「あっただろう」と認めています

 ウィキペディアによれば、過去に世界記憶遺産に登録されたものの中には、奴隷、植民地、難民、虐殺といったジャンルの資料がけっこう多く見られますから、今回の南京関連資料だって場違いとは言えませんし、申請が政治目的であるか否かは水掛け論にしかなりません。登録を本気で阻止したければ、資料の誤りや問題点を客観的かつ具体的に指摘するほかないわけで、たんに「意見の相違がある」「一方的だ」というボヤけた抗議が通用しないのも仕方ないかなという気がします。

「30万人は多すぎます」
「じゃあ何人ですか」
「よくわかりません。でも30万人は多すぎます!」
 …小学生じゃないんだから。

 日本の外務省って、こういう肝心なときに腰が引けたりピントのずれた主張をしちゃったりしがちですよね。明治日本の産業革命遺産の時だって、「強制労働」について直接論争することを避け、「対象年代が異なる」なんて訳の分からないことしか言えませんでした。
 今回は登録された文書には南京軍事法廷や極東国際軍事裁判の関連資料が含まれているとのこと。国連そのものがもともと戦勝国によって設立されたものなのですから、その正当性に異議を唱えることはいろんなリスクが伴うでしょうね。

 わたしはいわゆるリベラル教育を受けてきましたから、旧日本軍は南京で大虐殺をしたんだろうなとかつては漠然と信じてきました。でも、いまのわたしは生半可な知識を得たネトウヨですから、「虐殺ではなく便衣兵の掃討だ」「蒋介石のプロパガンダだ」「南京駐在の欧米人が、中国への同情と日本への憎悪から戦死体の山を虐殺の証拠と勘違いしたのだ」という反論も説得力があるように感じています。本多勝一をはじめとする朝日新聞の報道については、写真の間違いなども多く指摘されているようです。

 虐殺説の根拠になっているのは主観や伝聞が多くを占める日記や証言などが主のようですし、写真に残された死体の山だって、それが戦闘によるものなのか虐殺によるものなのかはなかなか判別がつきません。でも、根拠が曖昧だからこそ、なんとなく定着してしまった国際通念を覆すのは至難の業です。

 どうすりゃいいんですかね。
 愚考するに、日本として南京事件の検証をきちんと行い、当時の南京で何が行われたのかについて公式もしくはそれに準ずる見解を明らかにするという地道な作業が大切なんだと思います。世界記憶遺産に登録された資料はデジタルデータ化されて世界中の人々が簡単に閲覧できるようになるでしょう。資料が本当に世界の「遺産」にふさわしいものかどうかを明らかにする作業はこれからが本番です。
 その結果、登録資料に重大な欠点が見つかれば、中国とユネスコの信用は失墜するのですから、それは拠出金の停止なんかよりも大きなダメージになるはずです。さらにそれが軍事法廷のずさんさを証明することになれば一石二鳥です。
 一方で、一部であろうとも無抵抗の民間人を殺害するような事実があったのなら、日本はそれをきちんと認めなければいけません。われわれ日本人が真相の直視を拒んでいたら、結局また中国の宣伝戦に敗北することになります。「南京大虐殺はなかった」「南京大虐殺はでっちあげだ」といった発言は、南京事件の存在を全否定しているかのような印象を与えますから、気をつけたほうがいいでしょうね。

 ユネスコに経済制裁をちらつかせるにしても、官房長官がいきなり発言するよりもう少し利口なやり方がなかったんでしょうか。保守系の野党やメディアに騒がせ、それに押し切られるポーズをとるとか。・・・安倍首相ごときが「極右」呼ばわりされてる現状では難しいかな。
 少なくとも今回は「検討したが、今回は国際貢献の観点から拠出継続を決めた」と表明してユネスコに恩を売っておくのが無難じゃないでしょうか。で、常任理事国のくせにこういうときに限って発展途上国ヅラをするドケチな中国にチクチク嫌味を言ってやればいいのです。

 それよりも、今回の世界記憶遺産問題でわたしが興味深く感じたことが二つあります。

 一つは韓国の反応。
 彼らは今回の登録実現を我がことのように喜んでいますが、当時の朝鮮は日本だったのですから、どちらかといえば韓国は加害者側の立場のはず。こんなことに首を突っ込んで中国の肩を持ったら、ますます米国から嫌われかねません。韓国の皆さんはむしろ、中韓が共闘できるはずの慰安婦関連資料があえなく却下されたことに危機感を持つべきだと思うんですが、そんな様子はほとんど見られないのが不可解です。
 日本兵が中国で女性を強姦したり慰安婦にするために「強制連行」したりしたことについては、加害者側の具体的な証言もいくつか出ています。そんな中国の慰安婦資料すらユネスコに却下されたのですから、今後中韓が協力したところで、韓国のハルモニの証言集なんか役に立つとは思えないんですけどね。

 もう一つは、国際機関の権威に媚びるようになった中国の態度。
 これまでの中国は、国際的な常識や価値観とは一線を画してきました。政治体制や人権侵害を批判されるたびに「ウチにはウチのやり方がある。よその国がとやかく言うな」と突っぱねるのが常でした。2010年のノーベル賞選考ではノルウェーに対して「劉暁波に平和賞を与えるな」と露骨に圧力をかけ、それに失敗すると対抗措置として手前味噌な「孔子平和賞」を創設し世界中の失笑を買っていたものです。
 ところが今年、初めて理系分野で中国人のノーベル賞受賞者が出たとたん、これまでの反発はどこへやら、政治家もメディアも素直にはしゃいでいます。無邪気というか無節操というか。
 中国が国際機関で発言権を強め他国の共感を集めたいと望むなら、国際社会の価値観も受け入れなければなりません。70年以上も前の旧日本軍の行為を批判し平和や人権の尊さを強調するなら、他国から「じゃあ今のおまえはどうなんだ」とつつかれるリスクも受け入れなければなりません。

 蒋介石の南京プロパガンダが成功したのは、当時の日本が大きな軍事力をもって中国本土に攻め込んでいたという現実があり、欧米の同情を引けたからです。しかしいまや中国は、世界第2位の経済と世界第3位の軍事力を誇る世界最大の独裁国家にのし上がりました。へたな振る舞いをすれば、70年前の被害者ヅラなんかなんの隠れ蓑にもなりません。ユネスコの政治利用は中国にとって諸刃の剣です。

 結局、その国の主張が世界に受け入れられるかどうかは、その国の日頃の行動によって決まるのです。日本も、中国に反論する大前提として、誠実な歴史検証や国際貢献を地道に行っていくことが求められます。

 世界記憶遺産に関して言えば、このままの審査方法で登録物件が増えていけば、その権威は確実に落ちていくのではないかと想像します。個人的には、ヴォイニッチ手稿が登録される日を楽しみにしてるんですが。
 そんなのありえない? いや、だって憲法9条なんてものがノーベル賞候補にノミネートされるご時世ですからねえ…。

テーマ : 歴史認識
ジャンル : 政治・経済

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