自衛隊旗に文句をつけておいて「ウリナラをパートナーと認めないのか!」と叫ぶ支離滅裂
第7回西太平洋潜水艦救難訓練(パシフィックリーチ2016)におけるゴタゴタは、そのわかりやすい実例でした。
この訓練は、1999年にアメリカで「潜水艦救難シンポジウム」が開催されたのをきっかけに、シンポジウムに参加していた米、日、韓、豪、星(シンガポール)、英の6カ国が2000年から始めたものとのこと。ホスト国を交代しながら3年毎に開催し、今年は5月25日から6月7日までの10日間にわたり、韓国がホストになって開催。マレーシア軍も訓練に加わったほか、ロシアや中国など約20カ国もオブザーバー参加しました。(以上ウィキペディア)。
そこで、まず起きたのが旭日旗問題。
訓練に参加する救助艦「ちよだ」と潜水艦「さちしお」が韓国の鎮海海軍基地に入港したところ、市民団体が「戦犯旗を堂々と翻すとは何ごとだ!」と騒ぎ始めたと。
2016年05月25日 中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/089/216089.html
日本の艦艇、旭日旗つけて韓国海軍基地に入港
(前略)
旭日旗は日本の海上自衛隊が軍旗として使用している。日本が第2次世界大戦当時に使用した軍旗であり、日本帝国主義の象徴と考えられている。1945年の日本の敗戦後に使用が禁止されたが、54年に海上自衛隊が創設されて再登場した。一部の予備役と保守団体が反発している理由だ。予備役将星からなる星友会のある会員は「日本が公式に使用する旗とはいえ、韓国の立場では旭日旗を見ると拒否感を抱くのが当然ではないだろうか」と語った。
(中略)
しかし海軍は問題はないという立場だ。海軍の関係者は「艦艇は国際法上、自国の領土と見なされていて、韓国海軍が日本側に旭日旗をつけないようにするのは主権侵害に該当する」とし「韓国が他国に行った時、艦艇の前方に海軍旗、後方に太極旗をつけるように、日本も海軍旗として使用する旭日旗と日本旗をつける」と説明した。
また「(中略)国際法上の義務であるため、入港する時は旗をつけることになっている。2014年を含めて日本の艦艇が今まで韓国の港に10回ほど入港したが、その時も旭日旗をつけていた」と伝えた。
しかし正義党から当選したキム・ジョンデ氏は「独島(ドクト、日本名・竹島)をめぐる両国の葛藤や過去の問題を考慮すれば、事前の計画段階から軍が十分に説明をするべきではなかったのか」と指摘した。
予備役までが「ウリナラの国民感情は日本の主権や国際法よりも優先する」と疑わない国って、救いようがありませんね。
記事の最後に議員のコメントが紹介されている正義党は中道左派。韓国では右派にも左派にも旭日旗敵視が浸透しているわけです。
それにしても、「計画段階から十分に説明すべきだった」って…日本の護衛艦が旭日旗を掲げるのはアタリマエのこと。そんなことすら説明されなきゃ分からない人が政治家やってる国ってなんなんですか。…まあこの左派議員の本音は「チェッ、こんなことならオレたちも盛大に反日デモをやったのに。どうして教えなかったんだ!」ってことなんでしょうけど。
海上自衛隊が旭日旗を採用したのは1957年。これまでに何度も同じ旗をつけて韓国に入港しているし、そうするのが国際法上の義務なんですから、いまさら文句を言えるわけないじゃないですか――という海軍側の正論は、国民にはまったく通用しないわけですね。
結果、今回の訓練では参加艦艇が済州海軍基地に集まって訓練成果を検討する会議と閉会式を行う予定でしたが、急遽鎮海基地に変更されました。なんでも済州基地は今年2月に完成したばかりで、基地建設反対運動も激しかったため、そんなところに旭日旗を掲げた日本の艦艇を入れたら大騒動になると韓国軍側が考えたためのようです。
2016年05月26日 中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/149/216149.html
韓国海軍、旭日旗つけた日本艦艇の済州基地入港計画を変更
こうして波乱含みでスタートした訓練に、ゴタゴタの第二波が押し寄せます。今度は海上自衛隊側が韓国軍の旗艦「独島」への乗船を拒否して訓練をボイコットしたと報じられ、「日本は身勝手だ!」と韓国メディアが騒ぎたてました。
2016.5.28 朝鮮日報コリア語版
http://srchdb1.chosun.com/pdf/i_service/pdf_ReadBody.jsp?Y=2016&M=05&D=28&ID=2016052800106
日本自衛隊「独島艦の名前を理由に訓練ボイコット 」
韓・美・日の6カ国南海で訓練...「旭日旗」つけた入港などの議論育て
南海で行われる多国籍海上連合訓練に参加している日本の海上自衛隊が、韓国海軍の大型輸送艦である独島(1万4500t級)が参加する訓練には参加できないという立場を韓国側に通報したことが27日、分かった。これは、日本が独島を竹島で呼んで領有権を主張している状況で「独島」という名前の私たちの軍艦をトレーニングパートナーとして認めないという意味だ。
(中略)
海軍の関係者は、「日本は前半の訓練のボイコット理由を明らかにされたなかった」とし、「日本の自衛隊はこれまで一度も独島に乗船したことがなかった」と述べた。
この日、日本の朝日新聞は、日本の海上自衛隊が独島乗船を拒否すると、韓国側が譲歩して、海上自衛隊が乗船する船を変更したと報じたが、私たちの海軍は、「事実と違う」と述べた。海軍側は「訓練は、最初から前半部と後半部に分かれていて、日本側は独島乗船計画がなかった」と述べた。
同じ記事に、朝鮮日報日本語版は
「旭日旗を掲げて入港し訓練ボイコット、海上自衛隊に批判強まる」
とのタイトルをつけていました。
まるで自衛隊側が急に「独島」への乗船を拒否したかのような書きぶりですが、実際は自衛隊の「ボイコット」はいつものことで、今回の訓練も最初からそれを前提に計画されていたようですね。
ボイコットするな、けしからん! と韓国メディアは騒いでいますが、隊旗にケチをつけて主権侵害してきたのはそっちのくせに、自分たちのことは無条件にパートナーと認めろって、支離滅裂もいいところ。
文句があるなら自国の海軍に対して「旭日旗を掲げるような日本の自衛隊をパシフィックリーチから締め出せ! それができなきゃ訓練をボイコットしろ!」と抗議するのが筋というものです。
そもそも「安倍政権の集団的自衛権行使容認は北東アジアの平和を損ねる挑発だ!」なんて国会決議をするような国と、「戦犯旗」を准国旗扱いして恥じようとしない日本が、軍事的パートナーになれると考えるほうが甘すぎでしょ。ねぇ?
聯合ニュースの解説記事があまりにも韓国らしさ全開で面白かったです。
2016-05-27 ネイバーニュース
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=001&aid=0008432685&date=20160527&type=1&rankingSeq=3&rankingSectionId=100
連合訓練参加した「独島」をめぐって日韓の微妙な葛藤
(前略)
日本は、韓国海軍が独島の名前をつけるときから強く反発していたことが分かった。韓国海軍の独島守護の意志に露骨な反感を表示したものである。
日本のこのような態度は、未来志向的な韓日関係を構築して、北朝鮮の軍事的脅威に対抗し、日韓軍事協力を強化するために全く役立たないという指摘が出ている。
独島の名前を問題視し、参加する訓練を選別する日本の態度は、日韓軍事協力のために、日本軍国主義の象徴である旭日昇天旗をつけて、私たちの港に入ってくるように「配慮」してくれた韓国海軍の態度とも対比される。
今回の訓練を控えて、最近鎮海軍港に停泊した日本艦艇は旭日旗を掲げて論争を引き起こしたが、私たちの海軍は、国際慣例上港に停泊中の艦艇が自国の海軍旗を高く上げることを防ぐことができないという立場だ。
(中略)
日本の海上自衛隊が独島をパートナーとして認めていない場合、抗日独立運動闘士たちの名前を冠した韓国海軍艦艇もパートナーとして認めるのかという疑問も提起されている。 私たちの海軍は、安重根、尹奉吉、柳寛順など214級潜水艦に抗日独立運動闘士の名前を付けている。海軍は今後も、私たちの潜水艦に抗日独立運動闘士の名前を付ける方針だ。 最終的には、日本が暴力的な植民地支配を行い韓国に癒えない傷を与えた過去の歴史を清算して、韓国と一緒に未来を志向していなければ、韓日両国の軍事協力も根本的な限界にぶつかるしかないという指摘が出ている。
匿名を要求した軍事専門家は「北朝鮮の軍事的脅威に対応した韓日軍事協力が必要な状況では、日韓両国が過去の歴史に縛られて前に進めないのは深刻な問題だ」と述べた。
日本を刺激するような名前をわざわざ艦艇に付けることは、日韓軍事協力に役立たないどころか大きなマイナス。それを承知で押し通してきたのは韓国側なんですから、ただの自業自得です。
他国の艦艇が軍旗を掲げて入港することは国際慣例上も拒否できないと同じ記事の中で書いておきながら、それを韓国側の「配慮」だと言い張る支離滅裂。
これが韓国最大の通信社が書いた記事なんですから呆れます。
韓国メディアは、自分たちの感情に不都合な主張は無視するか、せいぜい誰かのコメントとして紹介するだけ。どちらの主張が妥当なのかを客観的に検証しようとする態度が皆無なんですよね。
日本にとってはテロリストでしかない方々の名前を冠した潜水艦との連携作戦なんて、わたしが防衛大臣なら許可しませんね。
で、軍事協力できなくて不利をこうむるのは日韓どちらでしょうか。ためしに、潜水艦救難艦の能力について比較してみましょう。
海上自衛隊の潜水艦救難艦は「ちよだ」と「ちはや」の2隻。
「ちはや」のスペック
2000年就役、満載排水量5,450トン
有人深海救難艇(DSRV)=最高潜行深度1,000m
無人潜水装置(ROV)=最高潜行深度2,000m
深海潜水装置(DDS)=450mに対応
対して、韓国海軍が所有する潜水艦専用の救難艦は「清海鎮」の1隻のみ。
「清海鎮」のスペック
1997年就役、満載排水量4,330トン
DSRV=最高潜行深度500m
ROV=無し
DDS=300mに対応
DDSによる飽和潜水(人体を圧力に慣れさせて深海での船外活動を可能にする技術)については、日本は1985年に深度450mに対応する訓練設備を導入したのに対し、韓国が導入したのはようやく2005年になってから、しかも深度300m止まりのものでした。
このように、救難体制を含めた潜水艦運用能力では日本が2歩も3歩もリードしています。韓国海軍は未熟なぶん、潜水艦が遭難するリスクとそれを救出できないリスクは日本より大きなものがあります。
実際、韓国の誇る潜水艦SS-075「安重根」はボルトが折れたり緩んだりプロペラに亀裂が入ったり燃料電池の不具合で海中作戦可能日数が大幅に減少したりとトラブル続きです。(ウィキペディア)
もしこの「安重根」が竹島近海で北朝鮮の攻撃を受け、深度1000mあたりで動けなくなったら、韓国は素直に日本へ応援を要請することができるでしょうか? 韓国民は日本の護衛艦が旭日旗を翻しながら救助活動を行う光景を許すことができるでしょうか? っていうか、そもそも歴史を反省しない卑劣なチョッパリが快く助けてくれると信じているのでしょうか?
もしわたしが防衛大臣だったら、艦名のことなどおくびにも出さず、
「韓国さんはべつに同盟国じゃないしぃ、今回は存立危機事態じゃないからぁ、集団的自衛権を行使できないのよね~テヘw」
と体よくお断り申し上げますけど。
現実でもそうなりかねないと恐れているからこそ韓国の軍事専門家は危機感を抱いているし、韓国海軍は今回の訓練をどうにか穏便に済ませようと四苦八苦したのでしょうが、メディアがこぞってこういう報道姿勢じゃあねえ。
ま、反日感情によって実害が生じたところで、それは日本を非難する新ネタを獲得することでもありますから、韓国のみなさんの価値観ではプラマイゼロかもしれません。それが国民の総意なら仕方ありません。
カーター国防長官がシャングリラ対話の講演で、韓国を安全保障の協力国に含めなかったという報道もあるようですし(ホル韓改)、こんなことを続けていれば韓国はますますブルーチームから締め出されていくでしょうね。