鳥越氏にオール・インして逃げ場を失った野党聯合の悲哀

 ただでさえ準備不足や健康不安が指摘されていた鳥越俊太郎氏が、女性問題で集中砲火。
 …なのはネット世論だけなのか、我が家の愛読紙である信毎はもちろん全国紙でも、「過去に女性に絡んだ疑惑」(読売オンライン)などと表現するにとどまり、「女子大生」云々まで踏み込んでいるのは産経だけの様子です(各紙の反応について詳しくはJ-CASTニュース)。おそらくTVも大同小異でしょう。
 赤旗に至ってはたんに「疑惑」としか表現していません。

 新聞やテレビがわざと曖昧な報道をしているおかげで、Google検索で「鳥越」と入力すると、予測変換は「鳥越 文春」がトップに出るありさまになっています(わたしのブラウザだけ?)。

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 また、「鳥越」だけの検索結果でも、上位にヒットするのは鳥越俊太郎氏に対して批判的な記事ばかり。疑惑の詳細がバッチリ分かってしまうのはもちろん、報道陣に対する彼の姿勢の不誠実さや、過去発言との矛盾もボロボロ暴露されています。

 巷の企業がみな大枚をはたいてSEO対策に励んでいるご時世で、これはまったく怖ろしいことです。これだけのネガキャンを専門業者に依頼するとなると、費用はどれくらいになるでしょうかね。

 ちなみに、Googleの検索窓に「小池百合子」と入力すると、予測変換のトップは「小池百合子 結婚歴」でした(わたしのブ(ry)。

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 ネットではこれだけお祭り騒ぎになっていても、テレビや新聞だけを情報源にしている人(おもに高齢者)は、鳥越氏が具体的にどんな疑惑を持たれているか、どんな批判にさらされているかを知らされないまま投票日を迎えることになり、野党聯合もそれを望んでいるわけです。無邪気に鳥越氏に投票した人たちが、報道自粛が解除されてから詳細を知り「裏切られた!」と叫ぶ光景が目に浮かびます。

 こんな状況にもかかわらず、もし鳥越氏が勝利するとしたら、東京都民の多くが

①ただの情弱で何も理解していない
②疑惑の内容は知っているが鳥越氏の潔白を信じている
③淫行が事実だったとしても、都知事には鳥越氏が一番ふさわしいと思っている

 のどれかであることになります。悪夢ですね。
 鳥越氏に女性問題の影が濃いことは、かのリテラすら早い段階で警告していたほどですから、まったくのシロなんてことはありえない感じ。
 こうした疑惑が取り沙汰されることはある程度予想がついていたはずなのに、鳥越氏の反応は「事実無根」「告訴する」「弁護士一任」「何も言うことはない」――笑っちゃうほど桝添さんそっくりです。
 これほど彼が世論に疎く危機管理能力に欠けているという事実は、政治家として致命的なんじゃないかと思いますが、それでも都民が鳥越氏を選ぶとなれば、どのみち東京に未来はないでしょう。

 この期に及んでも、野党聯合は鳥越氏をかばおうとしているようですが、せめてきちんと自分の言葉で釈明するよう、本人に促すくらいはしたほうがいいと思います。
 ま、幹部のみなさんはメンツや立場がありますから身動きとれないかもしれませんが、一般の党員や党支持者はどう思ってるんでしょうね。リテラもいまだこの件に関してはダンマリだし。根性ないなあ。

 わたし、いまだに「組織票」というものが理解できません。投票用紙に誰の名前を書くかなんて個人の自由だし秘密は守られるはずなのに、なぜあえて組織の「命令」に従う人たちがいるのでしょうか。彼らは自分の意志を持たないのか、それとも組織に洗脳されているのか。いずれにしても気持ち悪い。
 日頃、個人の自由を守れだの議論を尽くせだのと騒いでいる人たちに限って、所属集団の方針に無批判・無抵抗だったりするんですかね。それじゃあ大政翼賛会と一緒じゃないですか。
 宇都宮氏を切り捨てたせいで退路を失った野党聯合と、分裂選挙のリスクを負いながらも結果として大きな選択肢(小池か増田か)を残した自公連合。
 結果論かもしれませんが、民主的に健全であり有権者にとって有益なのはどっちですかね。

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鳥越氏には勝ち目がないとしか思えない

 ネットからの情報で判断する限り、今回の東京都知事選挙で鳥越俊太郎さんが勝利するのは無理そうですね。
 政治家未経験者が首長選挙で勝利するには、

①既存勢力を敵に仕立てて徹底批判する
②自分は政策通であることをアピールする
③有権者にバラ色の夢を語る

 のどれかしかありませんが、鳥越さんはそのすべてに失敗しました。
 ①については、前職の舛添さんはすでに姿を消し、政治資金問題への姿勢では各候補の立場に差がありませんから争点になりません。そのうえ、前知事を支えた自公への批判は、すでに小池さんに先取りされています。
 鳥越氏は安倍政権を批判したいのが本音で、都知事選をそれに利用したかったのでしょうが、それをやっちゃうと「そんなことより都政を語れよ」と怒られてしまいます。

 ②と③については、出馬表明当初から、鳥越さん自身が東京都政について知識も関心もビジョンもなかったことを自白してしまいました。ようやく政策らしきものを言うかと思ったら「がん検診100%」とかですから、支援者側も拍子抜けです。キャッチフレーズは「住んでよし」「働いてよし」「環境によし」だそうですが、微妙に語呂が悪いし、言葉のセンスがどうも年寄りくさいですね。

 鳥越氏は選挙戦の第一声で「私の長所は聞く耳を持っていること」とアピールしましたが、19日のフジテレビの「病み上がり」バトルでは、鳥越氏が小池氏に対する”質問”として投げかけたにもかかわらず、相手にまったく申し開きの余地を与えようとしませんでした。逆に小池氏からは余裕の笑顔で「他に質問はないんですか」と返される始末。

 鳥越さんは自ら進んで闘病経歴をウリにしてきたのですから、健康不安について他候補からあれこれ言われることは覚悟していたはずです。攻撃を逆手に取って「小池さんはわたしを病み上がりと呼んだが、今は元気。病の苦しさを知っているわたしだからこそ、誰もが病気や挫折から復活できる社会を実現したい」とでも訴えれば株が上がったでしょうに、鳥越さんはそこまで頭が回らなかったようです。
 つまるところあの口論は、些細な事でも「サベツだ!」と噛みつきたがるサヨク根性を露呈し、彼の余裕のなさ&知力のなさばかりが強調されたように感じます。

 鳥越さんの街頭演説の動画をいくつか観させてもらいましたが、ありゃ演説というよりトークショーですね。自分のファンを相手にする場ならけっこうですが、態度を決めかねている人たちの心に届くものではないでしょう。
 しかも、その街頭演説すら他候補とくらべて回数も延べ時間も圧倒的に不足しているようですから、このままでは「都民に向き合わない候補」というイメージが定着しかねません。
 また、7月14日のプライムニュースを観ての印象ですが、小池、増田両氏はしっかりと顔をあげてカメラや司会者の方を見ているのに、鳥越さんは終始うつむいていて内向きな印象を受けました。

 いくら民進党や共産党が組織力を動員しても、肝心の候補者がこの有様では無党派層への浸透は限界があります。民進党の杉尾秀哉氏は「私が勝てた信州モデルを東京に!」などと応援演説をしていましたが、直前まで現役だった58歳の彼が、もともと強固なリベラル地盤のある長野選挙区で苦戦を強いられたのですから、そんな「モデル」が東京で通用するはずがありません。

 残る武器は鳥越さん自身のホンワカしたキャラクターでしょうが、これは一歩間違えれば「頼りなさ」「脇の甘さ」につながります。投票日が近づくにつれて鳥越さんの気力・体力もしんどくなりますから、ますますボロが出る確率は高まるでしょう。小池氏によほどの失点がない限り、彼女との差は開き続けるんじゃないですかね。
 
 選挙期間中の大手メディアは公平性に気を使いますから、各陣営の戦い方についての検証報道は控えめですが、選挙が終わったとたん、容赦ない「敗因分析」が行われるでしょう。
 「病み上がり」と言われただけで激昂するような人が、メディアから冷静なダメ出しの集中砲火を食らったらどうなるか。他人事ながらちょっと気の毒な気はします。

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「争点じゃなかった」と負け惜しみする護憲派サヨクの自虐ぶり

 参院選が終わったら案の定、左派野党やそれを支持するメディアが叫び出しました。
「改憲勢力が3分の2を占めたからといって、国民の信任を得たとはいえない! なぜなら自民党は憲法問題を選挙の争点にしなかったからだ!」

 確かに自民党は今回の選挙で声高に憲法改正を訴えることはありませんでした。さらに、多くの世論調査では「改憲不要」との声が過半数を占めている状況です。
 かといって、野党側が「与党が争点にしなかったから改憲問題はノーカンな」と言っちゃうのは、あまりにも自虐的な気がします。
まるで選挙の争点は政権与党から一方的に与えられるものであり、自分たちには問題提起する力も資格もないのだとみずから認めているに等しいからです。
 
 だったら彼らは何のために選挙期間中はあれほど喉を枯らして「安倍に騙されるな!」「憲法問題こそ本当の争点だ!」と声を枯らしていたのでしょうか。信濃毎日新聞だって何度も憲法関連の特集を組み、自民党の憲法草案にダメ出ししまくる連載までやっていました。
 「自分たちの力不足で訴えが届かなかった」と反省するのならともかく、一方的に与党側に責任を丸投げする態度がどれほど見苦しく不様であるかを、知的エリートであるはずの政治家やマスコミの皆さんは理解できないのでしょうか。

 そんな無責任な人たちのことですから、もし野党聯合(←誤変換わざとw)が勝っていたら、彼らは与党側の姿勢に関係なく「護憲の精神が国民に支持された!」と勝ち誇っていたでしょう。

 今回、改憲勢力に投票した人たちが、憲法改正論議のことを何も知らなかったなんてことは考えられません。もし知らなかったとすればその人は選挙関連の報道・話題に接したことがなく、政治に何の興味もない人―たとえば知人から依頼された候補に唯々諾々と投票するようなタイプのはず。そんなゾンビ有権者のことは議論の対象にするだけ無駄というものです。
 与党に投票した人たちを現実的視点から分類すると、
①改憲賛成派
②どうせ改憲なんかできっこないとたかをくくっている派
③改憲問題に重要性を感じていないorよくわからない派

 の3パターンに分かれるでしょう。そして一番多いのは③の人たちじゃないかと思います。
 これから安倍政権が改憲手続きに着手する場合、①ならまったく問題なし。②は見通しが甘かった自己責任だからざまあみろ。てゆうか国民投票があるから問題なし。③は事実上の白紙委任だからもちろん問題なし。
 本当に改憲阻止が重要だと思ってる人たちは、野党聯合に投票したはずです。その結果として聯合側は大敗したのですから、政府与党が改憲論議を進めることに反対できる大義なんか、護憲派野党側にはないのです。

 正直言って、我々日本国民にとって憲法は空気みたいなもので、大事なものだと頭では理解していても普段とくに意識することはありません。サヨクのみなさんは「憲法は権力者を縛るために重要だ」と叫びますが、時の政権が民意に反して暴走したとき、それにストップをかけるのは実質的には憲法ではなく世論と選挙です。
 「暴走するアベ政治から憲法を守れ!」とサヨクの皆さんが叫んでいる事実こそ、すでに彼らにとって憲法は権力者を縛る鎖でも国民を守る盾でもなく、むしろ国民が身を挺して守らなければならない繊細なお宝(=骨董品)に堕していることを示しています。
 護憲派サヨクが「憲法が現実にそぐわないというのなら、現実を変える努力をしろ!」なんて無茶を平気で言えるのも、憲法が観念的な象徴(=お飾り)になっているからです。

例の有名なイラスト


 世論調査で改憲反対にマルをつけた人たちだって、多くは「いままで変えずにやってこれたんだから、これからもなんとかなるっしょ」「いざとなれば解釈変更すればいいっしょ」というスタンスじゃないでしょうか。自公はそれをよく知っているから、ことさら改憲を公約の前面に押し出すような愚を犯さなかっただけです。
 まして、野党時代に思わず作っちゃった「ぼくがかんがえたさいこうのけんぽう」を完全に実現しようなんてガキっぽいことは、まさか思ってはいないでしょう。

 一方の左派野党側は、SEALDsなど一部の方々に踊らされて世論を読み違え、憲法問題で自民を責め立てれば追い風にできるという幻想を捨てることができませんでした。
 サヨク系メディアはそろって「憲法論議が深まらなかった。与党は卑怯だ、野党は不甲斐ない」と嘆いていますが(たとえば神奈川新聞)、そもそも左派の皆さんは「憲法を変えてはならない」という立場なのですから、深い議論など成立するはずがありません。
 要するに彼らは改憲問題をダシにして、自民党は極右だ安倍は危険だとレッテルを貼りたかったのに、相手にうまく逃げられて悔しがってるだけなんじゃないですかね。

 たしかに安倍首相は、野党の攻撃をのらりくらりとかわしつつ、ここぞというタイミングでは一気に踏み込んで目的を達成するのが巧みな政治家です。左派から猛反発を受けた安保関連法制、右派から批判された韓国政府との慰安婦問題和解合意、妙な理屈で開き直った消費税延期などはその最たるものでしょう。そういう柔軟性(=したたかさ&図々しさ)を持っているからこそ、わたしは安倍政権に一目置いているのです。

 かたや、民主党政権の歴代首相はどうだったでしょうか。トラストミーの鳩山さん、原発でテンパッてた管さん、中韓を逆ギレさせたうえにあっさり政権を明け渡した野田さん。みんな純朴でワキとツメが甘く、はっきり言って政治の手腕は二流です。現代表の岡田さんもすっごく不器用な感じです。
 2009年のときは、われわれ国民も無邪気に「政権交代すればなんとかなる」と期待することができましたが、共産党に牛耳られた野党聯合政権に幻想を抱ける国民が今更どれほどいるかって話です。

 くわえて今回の選挙では、与野党ともに認める最大の争点だった経済政策について、民進党は「人への投資」「分配と成長の両立」と曖昧なことを言うばかりで、激動する世界経済に立ち向かうための具体的な即効薬を示せませんでした。たぶん、そんな都合のいい薬はあるはずもなく、あったとしたらかなりの劇薬なのでしょう。
 となると、「道半ばからのアクセル」と「ゼロからのスタート」のどちらがましかという選択になりますが、野党聯合に政権が移ったらその時点で政治が不安定化してマイナスからのスタートになりそうだし、サヨクに経済を任せておいたら脱輪すらしかねない。――そう考えてわたしは投票先を決めました。
 わたしに限らず、「よくわかんないけど、与党のほうがしっかりしてそう」レベルの判断で投票した人が多かったんじゃないでしょうか。

 わが長野選挙区では民進党が勝利しましたが、負け惜しみを言わせてもらえば、あれは引退した北沢俊美氏の地盤と共産党の組織票に杉尾秀哉氏の知名度がうまく乗っかった結果であって、民進党の政策がどれほど長野県民の共感を得たのかはよく分かりませんよね。
 ま、ライバルの若林健太氏は黄色いポロシャツがイマイチだったし、負けてべそをかいて「今後の政治活動についてはよく考える」なんてヘタレたことを言ってるようなおぼっちゃん2世議員ですから、負けてもしょうがなかったかなという気はしますけど。

 選挙なんてそんなもの。民主主義なんてそんなものじゃないですかね。

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