「普遍的人権」と輸出競争を同列に語る韓国メディアの本音

2018年01月25日の中央日報日本語版に、「美しい復讐、真の克日の道」というコラムが掲載されていました。
執筆者は韓国経済新聞のイ・ハクヨン論説室長ですが、復讐とは穏やかでありませんね。
いったいどういうつもりでこんな言葉を使うのか、興味がわいたので読んでみました。

コラムはまず、欧米人の警句を次々と引用します。

ナンシー・アスター「あなたの成功に対する対価はあなたを無視してきた人たちが支払う」
ユダヤ人の格言「立派な生き方をせよ。それが最大の復讐だ」
カント「最大の復讐は復讐の対象よりも幸せになることだ」
リンカーン「犬を殺しても咬まれた傷は治らない」
マーク・トゥエイン「怒りとは酸である。注ぐ相手より蓄える器をより浸す」

要するに、慰安婦問題でいつまでも日本に怒りをぶつけていてもラチが開かない、韓国が日本よりも幸せな国になれば、おのずと復讐=自己回復は成し遂げられるのだ、というわけです。

 独立後、60年以上も慰安婦問題で日本からまともな謝罪を受けられない我が国の現実は最悪だ。安倍首相は平昌五輪に出席すると言いながら、韓国政府に慰安婦少女像の撤去を要求すると宣言した。より緊急性があるはずの北朝鮮問題すら後回しする勢いだ。

 過去の問題は両国の国内問題と絡んでおり速やかな進展は期待しにくい。こんなときこそ、「真の復讐」を思い出すべきだ。

 壬辰倭乱後の朝鮮とは違い、日本の植民残滓を踏んで建国した大韓民国は、少なくない分野で日本と肩を並べたり上回る成果を出した。世界市場で日本企業を圧倒しているサムスン電子とLGエレクトロニクスの製品がそうであり、日本の真ん中で注目を集めている飲食品、K-POP、化粧品など韓流文化商品がそうだ。まだ不足しているが、真の克日の道を確認させる。韓国社会のより多くの分野で日本が認めざるを得ない力を蓄積していくことが強く求められる。政府が率先して取り組むべき重要な宿題だ。「積弊清算」を越える大きな絵が必要だ。



日本人であるわたしは素朴な疑問を抱きます。慰安婦問題と韓流商品との間に、一体何の関係があるのでしょうか。

韓国は慰安婦問題を「女性の人権に関する人類普遍の問題」として世界に訴えてきたはずです。韓国人自身も、「我が国は日本よりも道徳的に甲である」との信念があったからこそ、あれだけしつこく日本に謝罪を要求してきたはずです。

慰安婦問題が人権問題であるならば、韓国が自己回復のために日本と競うべきなのはスマホでも芸能でも化粧品でもなく、やはり人権という土俵のはずです。その国(の人や社会)が、どれほど人の命と心を大切にしているかを競わなければ、過ちを二度と繰り返さないことを祈るために建てられたはずの慰安婦像も存在意義がありません。

人権レベルの高低は、犯罪や事故の発生率、自殺率、モラルやマナーの浸透度、他者への献身度、過去と向き合う姿勢など、さまざまな指標で判断されることになるでしょう。これらの点で、韓国はどれほど日本を上回っている、もしくは上回ろうと努力しているのでしょうか。

多くの犠牲者を生む事故や火災を繰り返しながら、その教訓を生かさず政争に利用してばかりの自国を、中央日報の論説委員も嘆いています。

【時視各角】事故の度に駆けつけ謝る大統領=韓国(1)

日韓どちらが人権レベルで優っているのかをここで論じるつもりはありません。ただ、輸出競争での勝利が「真の克日」であり、それが日本の「真の謝罪」と同等以上の価値を持つと韓国人が認識しているのだとすれば、韓国人が口にする「人権」とか「真の」とかいう言葉も、所詮その程度の重さしかないということです。


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五輪後に試練が待っている文在寅

左派系のメディアや言論人がこぞって「安倍首相は平昌五輪に出席すべきだ!」と訴えています。

毎日新聞社説「平昌五輪開会式と首相 むしろ出席した方がいい」
https://mainichi.jp/articles/20180112/ddm/005/070/115000c

東京新聞社説「安倍首相は大局に立って、開会式への参加を表明すべき」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018011902000167.html

古賀茂明「安倍首相が参加しないと日本は世界から孤立する」
https://dot.asahi.com/dot/2018011400012.html

リテラ「五輪の開会式に出ないなどと恫喝し、慰安婦問題を葬ろうとする安倍政権は異常だ」
http://lite-ra.com/2018/01/post-3734.html

彼らは口をそろえて「五輪に政治を持ち込んではならない」と訴えていますが、だったらなおさら日本の政治家が参加する必要ないじゃないですかw

日本のサヨクの訴えを尻目に、ホストである韓国は日に日に平昌五輪の政治利用を露骨化しています。平和友好の美名のもとに自国の選手を政治の力で抑えつけて南北統一チームを結成した強権ぶりには、韓国国内からも批判が上がっています。平気でそんなことをする政府が、日本に対しては「当事者の意見をないがしろにして政治決着を試みた」などといって慰安婦合意を無視するのですから、お家芸とはいえつくづく見事なダブルスタンダードです。

スポーツイベントで南北融和を演出したところで、核やミサイル問題の解決にならないことは左派系メディアも認めるところ。

前述の東京新聞社説より。

…このままなら、「北朝鮮は平昌五輪にただ乗りし、金氏王朝を宣伝する舞台に変質させようとしている」という韓国紙の批判にも同意したくなる。一方の北朝鮮側は、朝鮮半島の非核化に関する議論には応じず、逆に十七日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は「関係改善に障害をつくり出す」として、韓国に対し平昌五輪・パラリンピック後の米韓合同軍事演習について、中止するよう要求した。

五輪には協力するが、望まない話には応じない。対価はよこせという姿勢が露骨だ。それでも、今の和解ムードまで否定すべきではない。北朝鮮は外部との対話が続いている間は、挑発行動を控える傾向がある。また、より多くの北朝鮮の人が韓国に来て現状を見れば、意識も変わるだろう。非核化に関する議論も早急に始め、本当の緊張緩和につなげてほしい。

【太字引用者】

 要するに、五輪を通じた関係改善なんてその場しのぎでしかないけれど、その場しのぎができるだけでもありがたい、ということですね。核問題にまともに向き合う気力がゼロ。

「より多くの北朝鮮の人が韓国に来て現状を見れば、意識も変わるだろう」とのことですが、北からいらっしゃる皆様がどんな方かといえば、その代表が金正恩の元カノとも噂される、いかにもセレブなこのおばさん。
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http://japanese.joins.com/article/754/237754.html
 選手はもちろん、応援団も管弦楽団もみんな金正恩体制下でエリートの地位を獲得している人たちなんですから、彼らの意識が変わることを期待するのはアホですし、そんな「草の根変革」に期待して北朝鮮を甘やかしてきた結果が現在の核ミサイル危機なわけで。

 信濃毎日新聞すらも、平昌五輪に対して冷め切ったコラムを載せていました。2018.1.22付1面の「斜面」で、南北統一チームの過去について触れたうえで、次のように述べています。

かつてのような期待感は持ちにくい。来月の平昌五輪の開会式で統一旗を掲げて合同入場行進することを国際オリンピック委員会(IOC)が承認した。…合同での行進やチーム結成は、韓国の文在寅大統領が提唱してきた。急展開は、年明けに金正恩朝鮮労働党委員長が五輪参加に言及したのが発端だ。核・ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮である。国際包囲網の分断を狙ってのことではないか◆バッハIOC会長は「五輪精神が全ての人をつなげた素晴らしい日だ」と自賛し、北朝鮮が参加する意義を強調している。韓国は南北関係改善につなげようと考えているものの、北朝鮮の出方は見通せない。せっかくの「平和の祭典」が政治利用によって興趣をそがれるとすれば残念である。



 日本の自称リベラル派にもこういう認識が広まってしまった平昌五輪に、わざわざ安倍首相が出席しなければならない理由はありませんね。たとえ韓国に恩を売るつもりで参加しても、相手は「よっしゃ、安倍も合意無効を受け入れた!」と都合よく解釈し、ますます調子に乗るだけですから。

 文在寅政権にとって、平昌五輪は大きな賭け、しかも分の悪い賭けです。五輪が開幕する前から、強引な南北合同チームの結成をめぐり、韓国の若者の反感を買っただけでなく、日本やスイスなど対戦国からも白い目で見られてしまうことになりました。IOCと国際アイスホッケー連盟の決定によれば、平昌五輪の女子アイスホッケーでは、南北合同チームのみチームエントリーの人数を35人にするとのこと。対戦する他国より12人も多いのですから、露骨なえこひいきと言われても仕方ありません。

 かといってその分だけ強くなるのかといえば、実力の低い北朝鮮から選手を入れた急ごしらえのチームなのですから、むしろ戦力は弱体化するリスクが大。さらに韓国選手の士気が下がっているとの報道もあるくらいです。まして日本に惨敗、しかもその敗因の多くが北朝鮮選手のプレーだったりすれば、韓国世論は一気に沸騰するでしょう。

 今回の五輪は強国ロシアが不参加のうえ、もともと韓国はさほど冬季スポーツが盛んとはいえないお国柄。スピードスケートの李相花はこのところずっと小平奈緒に勝てていませんし、お家芸であるショートトラックでは暴行事件が発生して有力選手が脱走するやらコーチが職務停止になるやらの騒ぎを起こしています。
 韓国は、名誉のかかった競争となると日本以上に目の色が変わるお国柄です。韓国民にとって五輪の「成功」とは自国がたくさんメダルを取ることに他なりません。選手や運営へのプレッシャーは並大抵のものではないでしょう。五輪本番で彼らが何をやらかしてくれるのか、日本の嫌韓ネトウヨは固唾を飲んで見守っています。

 五輪が終われば、米国は延期していた米韓合同軍事演習を再開しようとするでしょうし、それに北朝鮮が反発するのは必至。核実験やミサイル発射がいつ再開されるか分からない状況に戻ります。
文在寅が「平和五輪」の成功に向けて北朝鮮に譲歩すればするほど、五輪後に緊張がぶり返すことで、彼の無力さ、みっともなさが際立ってしまうのです。韓国は存在感・発言権を失うばかりか、「韓国の左派大統領すら対話に失敗した。もはや外交的解決はありえない」と、トランプに北爆への口実を与えることにもなりかねません。

 また、五輪の熱狂が終われば、財政収支はどうだったのか、施設の後利用をどうするのかといったシビアな問題にスポットライトが当たることになります。冬季五輪が黒字になることはありえませんから、招致は本当に必要だったのか、責任をだれがとるのかといった内輪もめが始まる可能性も大きいでしょう。
 後に、「2018年の平昌五輪こそ文在寅大統領のレームダックの始まりだった」…なんて語られることになるかもしれません。

 かたや日本では、2019年新天皇即位、2020年東京五輪と、ビッグイベントが相次ぐスケジュール。関連の式典には、ぜひ韓国の大統領も招待してあげてほしいと思います。

 
 

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「駄目だコリア」を理屈抜きに実感させる金慶珠

 日韓問題を巡るテレビ討論が行われるとき、必ずといっていいほど登場するのが東海大学教授の金慶珠氏。本人やテレビ局はどこまで意識しているか分かりませんが、彼女こそ2012年以降の嫌韓ブームを牽引してきた最大の功労者の一人だと思います。桜井誠や竹田恒泰がどんなに騒いでも、彼女の「話術」には及びません。

 彼女は独特の鼻声で、流暢な日本語を淀みなく喋ります。ペラペラペラペラペラペラペラペラ、壊れた蛇口のようにいつまで経っても止まりません。司会者や他の出演者が割り込んでストップさせても、しばらくすると『この人たち、なんにも分かってないわね』とでも言いたげな表情で「あの~」と口を挟み、また抑揚のない言葉を早口でペラペラペラペラペラペラペラペラと垂れ流し始めるのです。
 一体何を熱弁しているのかとようく聞いてみると、内容のほとんどは事情や経緯の説明です。前知識として有用なものもありますが、すでに皆が承知していることだったり、必ずしもいま聞いておく必要があるとは思えないものがほとんど。いつになったら結論――彼女自身の分析や見解、主張が述べられるのかと聞き手は辛抱強く耳を傾けますが、それが語られる前に彼女の話題は別の方向に逸れ始め、いつまで経っても終わりません。業を煮やした司会者が割って入り、何やら不満そうな金氏は次のスピークの機会をうかがう、その繰り返しです。
 ときどき、彼女が主張めいたものを開陳することもありますが、韓国側を擁護するための強引な論法を使うことが多く、他の出演者から袋叩きに遭うのが「お約束」になっています。

 日本のテレビ討論番組に登場する韓国人は顔ぶれが限られており、しかもその多くが在日。「韓国生まれ韓国育ち」の金慶珠氏は貴重な存在であり、我々日本人にとっては「生粋の韓国人」の代表的存在です。
 しかし彼女のスピークは聞き手をウンザリさせ、「この人とまともな議論はできそうにない」と実感させます。彼女はそうした相手の感情や場の雰囲気をまったく理解できていないようです(もし自覚的にやっているとすれば、彼女は嫌韓ネトウヨのために働く工作員の可能性が大です)。

 相手に構わず一方的にまくしたてる、長々としゃべってるわりに大したことは言っていない――要するに韓国人は自己中で薄っぺらい人たちなんだというイメージを、金慶珠氏は日本人の脳裏にせっせと刷り込んでいるのです。

 そういえば、韓国の言論界や学界では持って回った長ったらしい文章で箔をつけるのが伝統だと聞いたことがあります。実際に韓国メディアのコンテンツには、やたら文字数が多い割に何が言いたいのかよくわからない社説やコラムが散見されます。
 先日発表された日韓合意の「新方針」も、あやふやで矛盾だらけの無様なシロモノでした。

 こうして、まことしやかにネットに流布する「韓国人の扱い方マニュアル」の説得力は補強されていくのです。「韓国人の話は聞くな。どうせ大したことは言ってない」。

 早くまともな生粋韓国人論客が登場しなければ、日韓関係はますますねじくれていくことになるでしょう。
 わたしはネトウヨですから日韓関係がねじくれるのは一向に構いませんが、あの人は純粋にウザいですからね…。

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日本丸は戻らない。北風に乗り疾走するのみ

2018.01.10 朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/01/10/2018011002918.html

韓日慰安婦合意 アジア女性基金の二の舞か=韓国政府新方針で

【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年の韓日合意への韓国政府の対応方針が90年代に日本政府が設立した「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)への対応と類似した展開を見せている。



アジア女性基金は民間からの寄付を基盤としており、日本政府の予算からの拠出を決めた2015年の慰安婦合意とは違いがあったが、今回の韓国政府の方針により日本の拠出金を韓国政府が負担することになれば変わりがなくなるとの指摘も出ている。



韓国外交部傘下のシンクタンク、国立外交院の元院長の尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は10日、「慰安婦問題は結局、しこりを残したまま再び原点に戻るもようだ」とし、韓日間で慰安婦問題解決に向けた動きが再び生じるのか、確信を持って述べるのは難しいとコメントした。



 慰安婦問題が原点に戻る? 戻るわけないじゃないですか。
 なぜなら、アジア女性基金と日韓合意とでは、日本が金を出した目的が異なっているからです。

 アジア女性基金のときの村山首相は、本気で元慰安婦たちを慰め、問題を抜本的に解決してバラ色の日韓関係を実現しようと努力していました。

 けれど安倍首相は違います。いずれ韓国がゴネてくる可能性を承知の上で、踏み絵として合意を結び、手切れ金として10億円を拠出したのです。

 しかも、アジア女性基金は建前上は「日本が勝手にやったこと」ですから、その失敗は日本が甘受するしかありませんが、日韓合意は両国政府が正式に結んだものですから、韓国側が一方的に破棄すれば、その責任は韓国側に課せられます。日本は、道徳的に劣等な裏切り者を罰するためにさまざまな制裁をおこなう名分を得るのです。

 そういう本質的な問題から目をそらし、韓国政府の対抗措置など表層的な部分だけ見て「アジア女性基金の二の舞」などと言う朝鮮日報(ていうか聯合通信)は、危機意識が足りませんね。

 もちろん、安倍政権が実際に制裁に踏み切るかどうかは別問題ですし、日本側が政権交代などにより態度を軟化させてしまえば、本当に二の舞になる可能性が出てきます。
 しかし日本政府の姿勢が変わらない限り、韓国がいまさら何を叫ぼうと、日本にとって慰安婦問題は解決済です。ムン政権が発表した見苦しい「新方針」を目にした日本人は、改めて実感しました。「韓国の言うことなんか放っておけばいい」。

 韓国側が「ホロコーストに匹敵する大罪」と騒ぎ立て、国連や米国など国際社会をも巻き込んだ「普遍的人権問題」が、じつは韓国の民族的エゴでしかなかったという認識が日本国民に定着すれば、その影響は慰安婦問題だけにとどまりません。韓国の信用が低下することで、韓国が騒ぎ立ててきたあらゆる問題がノープロブレム扱いになる可能性が出てきます。「韓国が騒いでる? じゃあもっとやれw」

 靖国、憲法改正、軍艦島、領土、教科書、日本海呼称、集団的自衛権、旭日旗、etc。日本を屈服させようとして韓国が冷たい北風を吹き浴びせるほどに、イカリを上げたニッポン丸は帆をふくらませ、右へ右へと疾走していくことでしょう。朴槿恵がかろうじて結び直した細いもやい綱を、ムン・ジェインは「結び方が間違っている」と言って断ち切ろうとしているのです。

 

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ムン政権の「新方針」が日本の嫌韓を蔑韓に変える

 1月9日にカン・ギョンファ長官が発表した日韓合意への対応方針を読んで、わたしが真っ先に感じたのは「みっともねぇ…」でした。
 ムン政権はみずから無能と無責任をさらけだしました。
 もしわたしが韓国の国民だったら、自国政府のあまりにも無様な振る舞いに首をくくりたくなっていたんじゃないかと思います。
 ムン政権としては、「合意の再交渉は求めない」と明言することで、日本の逆鱗を避けて巧みな綱渡りを成し遂げたつもりなのでしょうが、今回の韓国政府の判断は、韓国の立場をじわじわと悪化させることでしょう。考えようによっては、堂々と合意破棄を宣言するよりも悪手となる可能性があります。

 カン長官が発表した方針の内容をまとめると大体次のとおりになるようです。

1.2015年の合意は被害当事者の意思を十分に反映しなかったので慰安婦被害者問題の真の解決にならない。

2.しかし、両国間の公式合意だった事実は否定できないので、日本政府に再交渉は要求しない。

3.日本が拠出した「和解・癒やし財団」の基金10億円は韓国政府の予算で置き換え、日本の金の扱いについては日本側と協議する。

4.同財団の今後の運営に関しては、被害者、関連団体、国民の意見を幅広く聞き、後続措置を講じる。

5.日本が真実をありのまま認め、被害者の名誉、尊厳の回復と心の傷を癒やすための努力(=自発的な真の謝罪)を続けることを期待する。
 
6.被害者の名誉、尊厳の回復、心の傷を癒やすため、政府はこれからも幅広く意見を聞きながら努力していく。



 6は朴槿恵へのあてつけであり、問題を先送りすることへの言い訳でしょうね。
 5の「期待する」は、文案では「要求する」という表現だったものが、発表直前になって変更されたようです。「自発的謝罪を要求」って言葉の矛盾に気がついて慌てて修正したんでしょうか。
 
 こうした内容の方針発表を、シンシアリー氏は「不履行宣言」、韓国のニュース1は「無視宣言」と表現しています。
 確かにそんなところでしょう。
 日本が出した10億円の扱いについて、カン長官は「日本側と協議する」と言っていますが、日本が返金や目的外への支出を受け入れるはずがないのは承知の上ですから、あえて宙に浮かせるのが韓国政府の狙いでしょう。財団に対して行うという「後続措置」も同様です。面倒くさい仕事には手を付けない、机の脇に積んだまま放置しておけばそのうちなんとかなるだろう――無能なサラリーマンの典型ですね。身につまされる…。
 しかも自分の無策を恥じるどころか、むしろ日本を侮る「放置プレイ」として国内の反日勢力へのアピールに利用しようとしているのですから、つくづく見下げ果てた根性です。

 ムン政権が合意無視という選択をした動機は、強硬派元慰安婦への配慮や選挙公約への責任感よりも、朴槿恵への対抗意識なのでしょう。合意を認めてしまったら、慰安婦問題の解決という歴史的偉業の栄誉をむざむざ朴槿恵に与えてしまうことになります。ろうそく革命の寵児たるムン・ジェインがそれを許せるはずがありません。

 今回の方針には、「朴槿恵の否定と自分の責任回避さえできれば、あとはぶっちゃけどうでもいい。曖昧な言葉でその場をしのいでいればなんとかなるだろう」という思惑がアリアリです。そういう不誠実な態度を、こともあろうに慰安婦問題でやらかしてしまう浅はかさ。

 慰安婦問題は、韓国が日本にふっかけてきた「道徳戦争」です。韓国人にとっては、「女性の人権」という武器を振り回して日本の頭を押さえつけ、正義感と優越感に浸るのがこのゲームの醍醐味でした。
 けれど2015年12月、安倍政権は朴槿恵政権との合意で「最終的かつ不可逆的」な解決を認めさせ、ゲームのルールを「人権」から「約束」に転換してしまいました。合意を毀損した国は、相手から「約束を守らない不道徳な国」と蔑まれることになるのです。

 ムン政権が、最小限の道徳的ダメージで合意を反故にしたければ、約束を守れないことを日本に謝罪した上で、堂々と合意破棄を宣言すべきでした。もちろん韓国内からは「弱腰だ」との批判が吹き上がったでしょうが、合意の破棄もしくは再交渉が韓国世論の過半数を占めていたのですから、国内への言い訳はどうとでもできたはずです。「朴槿恵の愚かな外交失態の尻拭いをするためにあえて恥をしのんだ」「真摯な謝罪を頑迷に拒む日本政府よりもずっと道徳的に正しい行為だ」などと。
 そういう潔さを示していれば、日本国内でも左派メディアの同情を買うことができ、与党内のハト派の取りなしで日韓外交も首の皮一枚でつながったはずです。

 けれど、ムン政権は安倍政権に一言も詫びることなく、腹をくくって開き直るわけでもなく、ウヤムヤのまま踏み倒すという、ひどく幼稚な道を選びました。言い訳がましい方針発表は矛盾に満ちており、ムン・ジェインは道徳的に劣等なだけでなく、能力的(ぶっちゃけ知能的)にも劣等であることを自白したのです。

 新方針は、「被害当事者の意思を十分に反映しなかった」という理由で日韓合意を否定していますが、自分たちの方針だって合意破棄を求める「被害当事者」の意思を無視しているのですから、説得力ゼロです。

 元慰安婦らが求めていたのは日本の法的賠償であり、だからこそ民間の寄付という体裁をとったアジア女性基金は拒否されました。そのため2015年の合意では、法的賠償に準じるものとして日本政府の国庫から10億円全額を支出させたのです。これは明らかに韓国側の外交的勝利でした。
 それなのに、ムン政権はいつの間にか「元慰安婦らが日本のカネに怒っているなら、韓国政府が肩代わりすればいい」と本末転倒してしまいました。ムン政権が問題の本質を理解していない証拠です。

 自分たちはたった2年前の政府間合意を認められずに悪あがきしているくせに、日本に対しては70年以上も前の「真実」とやらを「ありのまま」に認めろという主張も、身勝手なダブルスタンダードと言わざるをえません。

 慰安婦問題は解決していないが、合意の破棄も再交渉もしない――要するに「オレもう知ーらね!」ってことですよね。まるで、ふてくされた小学生そっくりです。

 無責任この上ない態度ですが、これってじつはかつての韓国政府の基本的立場に戻っただけなんですよね。
 安倍政権が行った河野談話検証報告によれば、1990年代はじめのころ、河野談話に至る交渉において、韓国側は日本政府に対していろいろ口出しするものの、基本的には「韓国世論をどうするかは韓国政府の問題ではなく、すべて日本側の姿勢次第」というスタンスでした。(参照:過去記事
 2011年からの4年間、イ・ミョンバクとパク・クネが2代続けて慰安婦問題にオールインしたのがむしろ例外だったのです。東日本大震災と原発事故を見た韓国が、日本は落ち目だと早合点し、「溺れる犬は棒で叩け」とばかりに攻勢をかけて墓穴を掘ったのです。

 これからの日韓関係、慰安婦問題はどうなるのでしょう。ハンギョレコリア語版などのコメント欄を見ると、ムン政権を支持する人々は「これでパク・クネの外交惨事が事実上解消された」「日本の10億円を自前の10億円で上書きすれば、また堂々と日本を圧迫できる」と喜んでいるようです。ムン政権に批判的な朝鮮日報さえ、「国際的信頼失墜は回避した」と胸をなでおろしています。政府が幼稚なら、メディアも国民も幼稚ですね。

 ムン・ジェインは10日の年頭記者会見で、またぞろ「日本は真正性ある謝罪を」と繰り返しましたが、政府としてこの問題に向き合う責任を放棄したいま、その言葉には何の重みもありません。

 わたしの素人予想では、ムン政権はもう、対日外交の場で慰安婦問題を真正面から取り上げることはしないと思います。朴槿恵の業績を否定するという第一目標を達成した以上、外交リスクを冒してまで勝てない勝負に挑むメリットがありません。むしろ合意の再交渉を求めないことで恩を売り、ツートラック外交の名目で日本からさまざまな便宜を引き出そうとするでしょう。
 一方で、親日売国のレッテルを避けるために国政ではこれまで以上に元慰安婦に媚び、彼女らの顕彰に励むことが考えられます。民間の反日活動については、政権に実害が及ばない限り野放し、もしくは陰で支援する可能性が高そうです。
 要するに韓国は何も変わらないということです。

 一方、日本の政府と国民が韓国に向ける視線は、ますます冷ややかになるのが確実です。これまでは嫌韓でしたが、これからは侮韓、蔑韓の空気が蔓延するでしょう。普遍的人権を盾に韓国を擁護する自称リベラル派の発言力は地に落ち、「韓国は信用できない」「韓国は恥を知らない」「韓国は幼稚なエゴイスト」…といった韓国観が常識として定着することになります。

 とくに、北朝鮮問題という共通課題が何らかの形で解決されてしまえば、日本政府の韓国冷遇はますます露骨になるでしょう。たとえば竹島返還要求のトーンを上げるくらいのことはするでしょうし、領土問題がヒートアップすれば韓国を潜在的な敵国とみなす世論が日本国内でじわじわと増えてくる可能性もあります。

 …なんていうのはわたしの願望混じりですから、実際はどうなるか分かりません。だからこそ、将来の理想に向かって気運を盛り上げ、ムン・ジェイン(というか韓国国民)に後悔させてあげるのが、われわれネトウヨの使命といえるでしょう。

 ムン・ジェインは10日に行った年頭の記者会見で「日本と真の友になりたい」と臆面もなく述べたそうですが、本当の友情を育むためには、一度本気で殴り合いをするのが近道だと思うんですよね。

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