『マンガ嫌韓流』vs反論本を勝手にジャッジ【3】在日コリアン問題

 『マンガ嫌韓流』とそれに反論した『『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ』を読み比べ、主観にもとづいて勝敗を判定する企画です。

第3話 在日コリアンへの誤解と偏見の増幅を斬る! 朴一


『嫌韓流』の主張
 敗戦後、朝鮮人は日本を裏切って戦勝国民と偽り、朝鮮進駐軍などと名乗って暴れだした。

朴さんの反論
 在日朝鮮人こそ、日本に裏切られた人びとである。日本国籍を失った朝鮮人の元軍人、軍属たちは日本の援護法から除外され補償を受けられなかった。2000年になって在日コリアンの元軍人・軍属の重度戦傷病者に対して見舞金200万円などを支給する法律が採択されたが、日本人への支給額との格差が著しかった。

わたしの感想
 日本が戦争に勝っていればこんな悲劇はなかったのにと心が痛みます。ただし『嫌韓流』第2話によれば、在日韓国人の面倒を見るべき韓国政府も補償を拒否しているそうですから、むしろそっちの方が大きな問題なんじゃないでしょうか。ぎゃくに日本は遅ればせながら200万円の見舞金を支給しているわけですし。
 朝鮮進駐軍という言葉について朴さんはとくに問題視していませんが、これは2000年以降ネット上に流布されたものであることがほぼ明らかになっているようなので、『嫌韓流』側の減点対象です。



『嫌韓流』
 戦勝国でもなく敗戦国でもない第三国という意味で「三国人」という言葉が生まれた。

朴さん
 三国人という言葉は、戦後の混乱の中で解放された朝鮮人や台湾人が民族団体を結成する一方、闇市での利権をめぐって日本人と衝突するようになったため、日本人が敵対する朝鮮人や台湾人を蔑視する俗称として、この言葉が用いられるようになったものである。差別用語として認知されている言葉を安易に使った作者の人権感覚を疑わざるをえない。

わたし
 『嫌韓流』では「三国人」という言葉の由来を説明しているだけで、とくに差別的な文脈では使われていないように感じます。「なぜそこであえて三国人の説明をしたのか? 差別の意図があったに違いない!」という批判もあるかと思いますが、わたしには「三国人」という言葉は馴染みがなく、差別用語といわれてもピンと来ません。
 ところで、終戦後の混乱期に台湾人や朝鮮人が徒党を組んでヤクザまがいの抗争をやっていたことは朴さんも認めているようですね。日本人、とくに高齢者が「朝鮮人は怖い」という認識を持つのもある程度やむを得ないと理解していいんですよね?



『嫌韓流』
 韓国は国民徴用令に基づいた動員を「強制連行」という言葉にすりかえている。動員は当時の日本国民の義務だったのだから違法ではない。

朴さん
 国家総動員法によって朝鮮人が強制力を伴って労務動員された事実は変わらない。韓国政府は1910年に締結された韓国併合条約を当初から無効とみなしている。だから当時の朝鮮人が日本国民だったというのは日本人の勝手な解釈で、そもそも日本人でない朝鮮人を国民徴用令に従って強制的に労務させたのは違法ということになる。

わたし
 この議論は第2話と重複しますね。認識の違いであり、「デタラメだ」「差別だ」と頭ごなしに批判できるものではありません。松代大本営の案内板の件でも浮き彫りになりましたが、戦後の日本では「強制連行」という言葉が深い議論のないまま使われてきました。これは両国国交の土台を揺るがしかねない問題であることを、われわれは自覚する必要があるでしょう。



『嫌韓流』
 終戦直後に日本本土にいた朝鮮人200万人は「強制連行」されてきたのではない。現在の在日韓国・朝鮮人のルーツは、日本の豊かさに惹かれて渡ってきた移民と、朝鮮戦争を逃れて密入国してきた人びとである。

朴さん
 在日コリアンがみな「強制連行(労務動員)」被害者とその子孫であるかのような言説は確かに間違っている。だが各種統計から推測すれば、日本にとどまった在日コリアンのうち「強制連行(労務動員)」該当者の占める割合は14%に上る。
 また貧困のせいで日本に移住してきた人たちが多いのは確かだが、それは日本が朝鮮で土地調査(1910~1918)を行い無知な朝鮮民衆から土地を収奪したせいである。また1920年代からは、日本国内の食糧危機を回避するために朝鮮からの米輸入を増やした。それによって困窮した朝鮮農民たちは生活の糧を求めて日本や中国東北部に渡った。

わたし
 朴さんのいう「日本が土地調査で農民を追い出した」ってのは本当なんですかね? そんなことをすれば治安が悪くなるし、耕作する労働力も減ってしまいます。食料を増産しておきながら自分が飢えてまで米を輸出に回す農民たちの姿も想像できません。てか日本に売ったぶんだけ金銭収入があったんじゃないんですか? 農民が搾取されるシステムをもう少し詳しく説明してほしいです。
 日本に併合されるまで、朝鮮の農民が国外に出るなんてことは許されなかったはず。経済的に豊かな日本への渡航が可能になったのですから、豊かな暮らしを夢見て日本に渡った人たちも多かっただろうと想像します。



『嫌韓流』
 戦後しばらくは朝鮮人を半島に送還する帰国事業が行われていたのだから、「強制連行」で無理やり連れて来られた人びとがいたとしてもみな帰っていったはずだ。

朴さん
 在日1世を対象にしたアンケート調査によると、終戦後「帰国を準備した」と答えたのが7割に上り、そのうちの6割が帰国しなかった理由に「帰国後の生活のめどが立たなかった」ことを挙げた。これは日本政府が当時の在日朝鮮人に対して通貨1,000円、荷物250ポンド以上の持ち帰りを禁じたことが大きな原因である。また日本企業が在日朝鮮人に対する賃金を未払いのまま放置したこと、日本政府がきちんと補償を行わなかったことも、原因になったと考えられる。

わたし
 帰りたくても帰れなかったコリアンたちが一定数存在したことは確かなんじゃないですかね。でも奴隷同然に働かされてた人たちが持ち出し上限を超えるほどの財産を持っていたとは考えにくいですし、死ぬほど辛い目に遭った人たちなら所持金・所持品制限なんかお構いなしにさっさと帰国してたでしょう。
 朴さんは「労務動員で日本に渡った朝鮮人のうち帰りたくても帰れなかった人たちがどれほどいたのか」「その理由は何か」を示せていないので、『嫌韓流』への反論としては弱いですね。



『嫌韓流』
 高度経済成長期の日本は人手不足で、在日も普通に企業に採用されていた。

朴さん
 在日に対する就職差別はわたしやわたしの身の回りの仲間が実際に体験しているし、各種アンケート結果でも明らかだ。

わたし
 これは朴さんの反論を否定することはできないような気がしますね。「在日コリアンの採用を敬遠した企業も一部にはあった」と『嫌韓流』自身が認めちゃってますし。



『嫌韓流』
 在日であることを隠し通名で受験する者が現れ、その合格を取り消した企業側が裁判に負けて損害を被る事態も発生した。

朴さん
 通名は創氏改名を受け継いだもので法的効力が認められている。それを記載するのは「虚偽の記載」にはあたらない。

わたし
 これは裁判で企業側が負けてるんですからしょうがないですね。



判定 引き分け

総評
 ほんの少し前まで、在日コリアンは「強制連行」で日本に連れて来られた可哀想な人たち、という「常識」がまかり通っていたように思います。それが誤りであると知られるようになったのは意義深いことです。戦後に一部の過激派が狼藉を働いて日本人にトラウマを刻みつけたのも事実でしょう。多数派とされる平和的で常識的な在日コリアンの皆さんが「一部」の連中の暴走を食い止めるためにどれほど努力したのか? そういうところが見えてこないので、在日コリアンを十把一絡げに嫌う風潮が定着しちゃったんじゃないかなーと感じました。偏見かもしれませんが、民団も総連も本国政府の手先っていうイメージしかないんですよね。
 一方で、在日の人たちが日韓両国の法制度の空隙にハマり不利な立場に置かれてきたこと、罪のない人までさまざまな差別を受けてきたことは確かでしょう。朴さんの主張は韓国政府の主張そのまんまな部分があるし反論として不十分なところも見受けられますが、『嫌韓流』側も在日差別をことさら矮小化しようとする姿勢がみられるので、わたしの心証はよくないです。
 あと、朴一さんのこと、わたしはけっこう嫌いじゃないので採点が甘くなってるかもしれません。そこまで言って委員会で孤軍奮闘してる人には同情的になってしまうタチなので。
http://www.youtube.com/watch?v=La-ImLfmfjg
↑この人自身は先祖が日本に出稼ぎにきてキャバレー経営で成功して、自分もキャバレー王を継ぐはずだったという「勝ち組」なんですね。学生時代にクラスメイトたちの前で「じつはおれ韓国人なんだ。これからは本名で呼んでくれ!」と告白した直後、ついつい通名で呼びかけた恋人(日本人)をぶん殴ったというヒデーひとw
 ところで、朴さんのおじいさんは日帝に土地を奪われてやむなく故郷を捨てた可哀想な農民だったんでしょうかね?
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