仁義なき旭日旗戦争〈1〉 「2011年1月開戦」説は本当か

 旭日旗というのは、数ある韓国の"反日スイッチ"の中でもとくに興味深いものだと思います。
 理由の一つは、これだけ騒がれているのだからずいぶん根の深い問題のようにみえるのに、意外にも日本では「あいつらが旭日旗で騒ぎ出したのって、2011年からじゃん」と言われていること。でも韓国人たちはそのことにまったく触れていないこと。
 もう一つは、韓国人たちはあれだけ騒いでいるのに、旭日旗を正式採用している自衛隊にはちっとも文句をつけていない様子であることです。
 いったいこれらはなぜなのか。2012年から嫌韓になったにわかネトウヨの立場から、旭日旗問題を整理してみたいと思います。

   ◇  ◇

 日本では一般的に、旭日旗問題の発端は2011年1月25日、サッカーアジアカップ準決勝の日韓戦で奇誠庸(キ・ソンヨン)が猿真似パフォーマンスをし、その言い訳に「旭日旗を見てカッとなった」などと言い出したのが最初であるとされています。
 こんな"常識"はウィキペディアを見ればいいわけですが、元ソースを重視する意味からも、中央日報の過去記事をたどってみましょう。

2011年01月26日 <アジア杯>奇誠庸の“猿セレモニー”に批判
http://japanese.joins.com/article/977/136977.html

 誰に向けての「猿マネ」だったのか。まあPKを決めて勝ち誇ったときの行為ですから、当然対戦国である日本をからかったものだと受け取るのが当然ですが、それでもこの事件が報じられた当初は異なる憶測もありました。

一部のネットユーザーは「日本に向けたセレモニーではなく、セントジョンストンのファンをはじめとするヨーロッパに向けた揶揄でないかと思う」と分析している。
(引用元:上記中央日報記事)


 そうですよねえ。国際常識としては、サルは西洋人が東洋人を見下すときに使う侮蔑表現のはず。奇誠庸自身、スコットランドリーグで相手サポーターから猿マネの侮蔑を受けていたそうな。猿が猿に向かって猿マネしたらマネではなく猿ソノモノじゃないですか。そんなばかばかしいことを一流のサッカープレーヤーがするはずない、と考える人がいても当然です。

2011年01月28日 【取材日記】危険な民族主義か、奇誠庸のパフォーマンス
http://japanese.joins.com/article/057/137057.html

 ところが奇誠庸は翌日、パフォーマンスが日本人向けのものだったことをみずから認めてしまいます。馬鹿ですね。下らない言い訳などせず黙っていればいいものを。

2011年01月26日 <アジア杯>奇誠庸が“猿セレモニー”釈明 「旭日旗にカッとなった」
http://japanese.joins.com/article/982/136982.html

 彼があの場で旭日旗を本当に見たかどうかはともかく、ここで一つの疑問が生じます。
 一般に言われているように、それまでの韓国人は旭日旗をなんとも思っていなかったのだとしたら、なぜ奇誠庸はそんな言い訳を思いついたのでしょうか。
 それを知るためには、2011年1月よりも前の韓国人の旭日旗観を知る必要があります。

 とりあえず中央日報で過去記事を検索してみましょう。
2015年5月29日現在、「旭日旗」で検索してヒットしたのは58件でした。

 一番古いのは2004年2月12日掲載、李丞涓という女優が慰安婦をイメージしたヌード映像を撮ったという記事です。李さんはこの件で猛バッシングを受けるのですが、それはさておき、映像の中に「日本軍国主義の象徴である旭日旗が燃える場面」もある、というのが検索にひっかかった部分です。

 で、次に古いのが――なんと、奇誠庸の言い訳を報じた2011年1月26日の記事ではないですか。7年間ものあいだ、中央日報日本語版サイトには旭日旗という語が一度も出ていないのです。
↓↓証拠画像

中央日報旭日旗


 ネトウヨ界の常識はやはり事実だったということが、あっさり証明されてしまいました。なあんだ。

 念の為に「旭日」という語で記事検索すると、2011年1月よりも前にヒットするのは自然現象としての朝日=旭日や、「旭日昇天の勢い」という慣用句ばかり。
 唯一日本の旗について触れていたのは2010年02月19日の記事で、旧日本軍と国連軍が使った施設の天井に「旭日昇天旗」が描かれているという話題でした。
 歴史的建造物だからなのか、ここでは「近世100年の歴史の恥辱と韓国の国力の伸張を同時に感じられる空間でもある」と冷静に受け止められています。

 以上のことから、2011年1月より前の韓国人は、旭日旗を旧日本軍の象徴として認識してはいましたが、それを見てすぐ火病を起こすようなことはなかったことがうかがえます。

 奇誠庸が猿マネしたときの会場に実際に旭日旗があったのかどうかについては、ネット上の定説では「なかった」とされています。
 むしろ、日韓のメディアがこの話題を取り上げるときに別の試合の旭日旗写真を使って説明したために嫌韓派から「捏造だ!」と批判されたこともあったようです。
中央日報テレビ朝日

 わたしもやっぱり、奇誠庸はあの時、旭日旗を見ていなかっただろうと推測します。彼は愛国無罪を誇張したいがために、「日章旗を見て……」と言うべきところを、軽い気持ちで誇張して「旭日旗」と言い換えたんじゃないでしょうか。韓国人にとってはどちらも日本の象徴ですから誤差の範囲内に過ぎず、奇誠庸はことさら嘘をついた自覚もなかったのではないかと想像します。
 さらにいえば、もしかしたら彼は日章旗と旭日旗の区別が付いていなかった可能性もあります。

 ただ、彼が救いようのないところは、日本からの非難の声が大きくなると、韓国世論の「彼だってスコットランドで猿マネの侮辱を受けた」という同情にのっかって、そっち方向に言い訳の内容を変えてしまったことです。
(差別+卑怯)×馬鹿=韓国人
 という方程式がサッカーファンに定着したばかりか、イギリス(スコットランド)の世論まで敵に回してしまいました。
 当時のわたしはまだ嫌韓ネトウヨではなかったのであまり記憶していませんが、そんなわたしでさえ「なんかバカな韓国人選手がいるらしいな」くらいの認識はありました。

 しかしこの後、韓国世論は一気に旭日旗批判を高めていきます。旭日旗がいかに"悪"かを強調することで、自国のヒーローの罪を少しでも相殺したいという意識があったのでしょう。日本だって悪いのに、世界はなぜ奇誠庸ばかりいじめるのか? それは、世界が日帝の悪辣さを知らないからだ。最大の被害国である我が国がそれを世界に知らしめることこそ、われら韓民族の使命なのだ――。
 韓国のみなさんって、こういうふうにツルッと責任感の方向をすりかえるんですよね。そして反撃=逆ギレして危機を乗り越えようとするのです。

 「会場の旭日旗を見てカッとなった」――奇誠庸の発言を正当化するためには、それが韓国にとっての常識、さらには世界人類にとっての常識でなければなりません。旭日旗を目にして平気でいられる韓国人など、地球上に存在してはならないのです。そして彼らは有言実行、世界中の人類にお手本を見せるようになりました。「旭日旗を見たら無条件で怒らなきゃだめですよ、ほらこうやって、キー!!」

   ◇  ◇

 たった一疋のmonKIをかばうために始まり、あっという間に戦線が拡大して誰も止められなくなった旭日旗戦争。いくら韓国人が日本嫌いだといっても、これはまったく空恐ろしい爆発力です。どうしてこんなことが現実化してしまったのでしょうか。
 思うに、この戦争には韓国人の民族的快楽中枢を刺激する要素がふんだんに含まれているからです。

1.自己憐憫の快感
 彼らの反日行動全般に言えることですが、「自分たちは被害者である」という自己憐憫にどっぷりひたるのは、彼らにとってこの上ない快感のようです。

2.効果的な論理武装
 彼らは「旭日旗はアジアのハーケンクロイツである」という理屈で外国人に迫ります。たしかに現在の旭日旗は旧日本軍が使用していた軍旗の意匠とほぼ同じであり、旧日本軍の指導者たちがファシストであったことは世界の"常識"ですから、韓国人の主張にはそれなりの説得力があります。
 日本人側は「ドイツになぞらえるなら旭日旗は鉄十字、ハーケンクロイツに相当するのは大政翼賛会旗の方だろうが!」と反論しますが、マイナーな大政翼賛会なんか持ちだしても議論が複雑になるばかりで、相手の心にはなかなか届きません。面倒な人種差別問題には巻き込まれたくないと思っている外国人相手の説得合戦では、どうしても不利にならざるをえません。
 日本側が苦戦している間に、韓国はますます論理を飛躍させていきます。旭日旗がハーケンクロイツなら、韓国人が受けた苦しみはユダヤ民族大虐殺と同じ。そう信じることで、ますます1の快感が増幅されるわけです。

3.他人に教える優越感
 当然ながら、ふつうの国の人々は旭日旗に悪いイメージを持っていません。そこに韓国人がしゃしゃり出てきて2の理屈を展開し、「旭日旗で深く傷つく人々がいることを知らないのか!」とやれば、当然相手は「えっ、そうなの? 知らなかった」と驚き、気まずそうな顔をします。
 日本人の目からは妄想の押し付けにしか見えませんが、韓国人にしてみれば、人権意識の低い無知な外国人を教え導いているのですから、とても誇らしい善行です。

4.成功体験を得やすい
 慰安婦や靖国など日本政府を相手にした「歴史戦争」では、韓国人一人ひとりができることは限られていますし、明確なゴールがありません。しかも安倍政権になってからの日本はゲームにすら乗ってくれません。 
 それに対して旭日旗戦争は、非難対象となったディスプレーや商品を撤去させれば「勝ち」ですから、結果が分かりやすいのが魅力です。政治活動とは違い、韓国人一人ひとりが気軽に実行でき、短時間で結果を出すことができます。
 さらに、東アジアのことをよく知らない海外の民間企業などを対戦相手に選べば、かなりの確率で勝つことができます。

 韓国人さんたちは、実は慎重に相手を選んでクレームをふっかけています。よく知られているのは、朝日新聞の社旗や統一教会のシンボルマークには何も言わないこと。それから、冒頭でも触れましたが、軍国主義の本丸であるはずの自衛隊にも文句をつけません。
 2012年9月、韓国政府が日本の護衛艦の釜山港を拒否したという報道がありましたが、防衛省は「寄港の予定はなかった」と説明しています。→こちら
 個人的な想像ですが、真相は「拒否」ではなく「懇願」の結果だったんじゃないでしょうか。日本側が「予定はなかった」と説明するのも含めて。
 日本相手では、きゃりーぱみゅぱみゅのソウル公演が中止になったり(2013年2月)、ソウルのワンピース展が会場側から断られて裁判沙汰になったり(2014年8月)したのが記憶に新しいところ。
 けれどこれらは韓国国内で勝手に騒いでた要素が強いですから、総じて、韓国人は日本相手だと大人しいようです。ま、いくらクレームをつけてもきりがないし、「嫌なら買うな」「嫌なら見るな」で終わっちゃいますからね。

 でも、これがスポーツになると彼らは目つきを変え、後先を考えずに突っかかってきます。日本のユニフォームがけしからん、客席に旭日旗があってけしからん、印刷物にちょっと写ってるだけでもけしからん。この場合も、日本に直接文句を言うのではなく、IOCとかFIFAとか、主催する上部団体に訴えるのがセオリーになっています。
 数少ない例外として、韓国がホストを務める仁川アジア大会で日本ホッケー協会が旭日模様入りのバッジを女子高生に配って問題視されたケースがありました。国際大会なのに、訴える側も対処する側も韓国という、これまでにないケースでした。→過去記事
 組織委員会は「詳細を調査する」としてましたけど、どういう判断を下したのか、続報を聞きません。自分が訴える側だとあくまで強気なのに、自分が責任ある立場になるとウヤムヤにせざるをえない。でも場面が変わればまた懲りずに騒ぎ出す。ほんと、個人としても集団としても、懲りない国ですね。
 こういう矛盾を背負ってでも、彼らがスポーツではひときわ旭日排斥に血道を上げるのは、そもそもの発端である奇誠庸事件がいまだに影響しているからなのでしょう。

 残念なことに、日本のスポーツ団体は紳士的な姿勢を気取っているせいか、試合以外のことになるとあっさり譲歩しがちな傾向があるように思います。団体の役員たちにしてみれば、国際組織で出世するためには韓国を敵に回すわけにはいかないとか、いろいろ事情があるのかもしれません。

 そして、韓国人の旭日旗戦争はますますエスカレートしていくのです。後半〈2〉に続く。
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