にわかネトウヨが韓国の歴史教科書に学ぶ03【三国時代】

 続いて新羅、百済、高句麗の三国時代になります。
 このへんの記述はずいぶん勇ましく、誇らしげです。
 
 高句麗の全盛時代、人々は自ら高句麗が天下の中心だとする自負心を持っていた。(p50)
 
 5世紀末に高句麗は韓半島の中部地方と遼東を含む満州の地を占有して、東北アジアの強大国として威勢をとどろかせた。(p51)

 日本の教科書では、大和政権が任那に勢力を持っていたり、百済と連合して新羅や高句麗と戦ったり、朝鮮南部の支配権を認めてもらおうと中国に使者をやったりしたことが書かれているわけですが、韓国の教科書はこの時代の日本との関わりについての記述は意外とあっさりしています。

 百済は中国の東晋、伽耶、倭と外交関係を結んで高句麗を牽制した。これを基盤に、百済は黄海を渡って、中国の遼西・山東地方と日本の九州地方に進出して、活動舞台を海外に広げた。(p38-39)

 世界史における「進出」って言葉は、「侵略」「征服」をオブラートにくるんだ表現というイメージがあるんですが、あんまり日本側にはこの時期朝鮮から攻めこまれたって印象はないですね。
 白村江の戦い(663年)で敗れた天智天皇が、唐・新羅連合軍の侵攻を恐れて各地に山城を築いたって話は聞きますけど。
 ここでいう「進出」は物騒な意味じゃないんでしょうかね。

 また、伽耶の一部勢力が日本に進出し、日本の古代文化発展に貢献した。(p44)

 ここでは両国の認識の違いがハッキリ見えていて面白いですね。
 日本側は、大和朝廷が任那(伽耶)を支配していたんだというし、韓国側は任那が日本の文化を発展させてやったんだというし。

 新羅は唐の力を借りて高句麗も滅ぼします(668年)が、今度は新羅と唐の戦いになります。新羅が唐軍を追い出し半島統一を成し遂げたのが676年。

 新羅の三国統一は、その過程で中国勢力である唐の助けを得たという点と、大同江【引用者注:平壌付近を流れる川】以南の地域に限定されたという点に限界があるが、私たちの歴史上大きな意味を持つ事件だった。それはたとえ不完全ではあっても、わが民族がなし遂げた最初の統一であり、新しい民族文化をつくり上げる重要なきっかけとなった。特に、新羅が領土的野心をもった唐を退け、統一を完遂したという事実は、新羅人の自主的性格を示している。(p65)

 ここんところは、国家が南北に分断されている現在の状況を意識しているんでしょう。「わが民族の自主的性格」というフレーズは、この後も何度か登場します。
 わたしたち日本人は、「日本民族の自主的性格」なんてほとんど意識したことがありません。韓国人が「自主的性格」にこだわるのは、彼らには「自主性」が持てなかった時期が長かったことの裏返しでしょう。
 たしかに、朝鮮半島の最初の統一が中国の力を借りたものだったという事実は、その後の朝鮮史を眺めると象徴的です。
 教科書は、今度こそ他国の力を借りずに半島を統一するぞ! という心意気をここに込めようとしているわけですね。

 教科書は、新羅の時代にさまざまな制度が整えられ、文化や交易が活発になったことを詳しく書いています。

 統一後繁栄を続けていた新羅は、8世紀後半から貴族の権力争いに巻き込まれるようになった。(p81)

 新羅には骨品(コルプム)制という身分制度がありました。王族は「聖骨」、その他の有力者は「真骨」といったように、部族長たちを貴族としてランク付けして、国家の重要事項は上級貴族の代表が集まった会議で決めたりしてたそうです。なかなかシステマチックではありませんか。
 けれどそれが機能していたのは最初だけ。

 少数の真骨貴族に権力が集中し、王と貴族の間で、そして貴族同士でしばしば争いが起きた。貴族は農場を増やし、自分の軍隊を組織して互いに争ったが、国家はこれを統制できなかった。(P81)

 時は8世紀末。貴族が権力争いして王をないがしろにするさまは日本の平安時代を彷彿とさせますが、さすが新羅は制度の腐敗も日本より先を行ってます。

 このような権力争いは恵恭王のときに始まった。【中略】以後新羅では王位争いが激しくなり、150年あまりの間に20人の王が変わる大きな混乱が起きて王権が非常に弱まった。(p81)

 中央の王位争いに連動して地方でも反乱が多発。中央貴族が腐敗して国力が衰える一方で地方の軍人などが力をたくわえ、「後百済」「後高句麗」ができて新羅と合わせた「後三国時代」になります。このうち、後高句麗は王建が即位して918年に高麗と名を変え、936年に半島を統一します。

 では、次回は高麗時代についてです。
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