安倍首相の「粘り強い外交努力」にも文句をつけたがる信濃毎日

08月25日(火) 信濃毎日新聞3面社説

訪中見送り 関係改善に影響ないか

 安倍晋三首相が来月上旬の中国訪問を見送ることを決めた。
 中国は「抗日戦争勝利記念日」と定める9月3日の行事に、日本を含む50カ国余の首脳を招待している。
 日中双方に関係修復を模索する動きが出始めている。安倍首相が発表した戦後70年談話に中国側が抑制的な対応を示したことで首相の判断が注目されていた。

 両国の間には沖縄の尖閣諸島をめぐる対立がある。経済や安全保障、環境問題など首脳同士が膝を突き合わせて話し合わねばならない課題が山積している。
 訪中見送りが、関係改善の流れに影響することもあり得る。後退することにならぬよう、外交上の手当てを万全にしてほしい。

 中国が示した日程案は、首相が軍事パレード終了後の3日午後に北京空港に到着。習近平国家主席と会談し、記念レセプションに参加する内容だったという。
 日本側は3日を避け、2日か4日に訪中する案を打診したが、折り合えなかったとされる。
 首相はきのうの参院予算委員会で訪中見送りに関し、「国会の状況などを踏まえて判断した」と述べた。安保関連法案の審議が大詰めを迎えていることを強調したけれど、事情は複雑のようだ。

 中国はアジア太平洋で米国に対抗している。海洋進出を強め、経済面では日米の影響力が強い世界銀行などを意識し、アジアインフラ投資銀行設立を主導する。
 抗日戦争勝利記念日は、日本の降伏文書調印式(1945年9月2日)の翌日。中国の国会に当たる全国人民代表大会が法律で確定させた。「戦勝国」として重要な役割を担っていることを宣伝する目的がある。ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵大統領が出席する意向を示した。
 米国はこうした動きに神経をとがらせている。韓国には出席を見合わせるよう求めていた。
 オバマ大統領ら大半の欧米各国首脳は出席しない見通しだ。安倍首相には米国の顔を立てる狙いもあったのではないか。反日色が濃い行事になる懸念もあり、国内保守層に配慮したとみられる。

 国会審議で政府与党は中国脅威論を強調している。中国の軍事費が不透明で、軍事力の拡大に力を入れているのは事実だ。が、安保法制の整備が日本の軍拡を進めやすくする可能性がある。
 まずは中国との緊張を和らげ、不測の事態を招かない関係を築くことが重要だ。日中は首脳会談の実現を急がねばならない。


 まるで、戦後70年談話の時は中国が和解のシグナルを送ったのに、安倍首相が日程にこだわって訪中を拒否したせいで日中関係が再び悪化しかねない、みたいな書きっぷりですね。

 9月3日の行事については、米、英、独、豪などの欧米諸国首脳が早々に不参加を決めた中、安倍首相はギリギリまで訪中の可能性を探っていました。
 信毎の同日付2面では、その交渉過程を以下のように説明しています。

 しかし中国は首相が求める「和解」演出に応じようとしなかった。習指導部は「共産党は抗日戦争勝利の立役者」との政治宣伝を強化しており、「抗日」の旗を降ろしては元も子もないからだ。北京の外交筋は「首相を招待したのは和解のためではなく、習氏の指導力を国民に見せつけるためだ」と解説。訪中調整の実態は同床異夢だった。


 習近平はレセプションで安倍首相を晒し者にする気満々だったんでしょうね。反日気運で盛り上がっている時期の中国に、コケにされるリスクを承知の上で乗り込むことを検討していた安倍さんの姿勢は、サヨクの皆さんがバカの一つ覚えのように言う「粘り強い外交努力」そのもののように見えます。
 なのになぜ信毎はそれを評価しようとしないのか。隣国との和解よりもプロパガンダを優先して首相の訪中を拒んだのは中国側なのに、なぜ信毎は「米国の顔を立てた」「保守層に配慮した」などと、妙に厭味ったらしいのか。

>国会審議で政府与党は中国脅威論を強調している。中国の軍事費が不透明で、軍事力の拡大に力を入れているのは事実だ。が、安保法制の整備が日本の軍拡を進めやすくする可能性がある。

 なにが「が、」なのか、さっぱり分かりません。安保法制に反対ならば、信毎は中国をきちんと批判すべきです。左派メディアのメンツにかけてこれ↓くらいのことを言ってみろっての。

「先の大戦が終結して70年も経過した現在、式典を名目に武力を誇示することは、安倍支持層である極右勢力を刺激し、日本に軍国主義復活の口実を与える愚かな行為である。安倍の暴走を阻止し、日米同盟を弱体化させたければ、中国はむしろ率先して軍縮に努め、海洋進出を自粛すべきである」

 抗日行事への首脳出席を決めているのはロシア、モンゴル、カザフスタン、ベラルーシ、キルギス、そして韓国など10カ国程度とのこと。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20150824-00048758/
 要するに上海協力機構と東アジアの親中勢力が主体なのでしょう。
 で、同日付の信毎はこれらの国をどのように報じているかというと。

4面

毛沢東政権 1950年の討論文書
天皇制「象徴でも危険」

→毛沢東が日本の天皇制を断固廃止させようと目論んでいたという内容。

「男ならハラキリ」ロ副首相が日本挑発
→北方領土問題に関し、ロシアのロゴジン副首相がツイッターで「真の男ならハラキリをして静かになる。結局のところ(日本は)騒ぎ立てているだけだ」と発言したとの内容。


5面

中国軍 早期警戒衛星実験 計画
ミサイル防衛 米に対抗
米中 宇宙で軍拡競争

→中国がMD網や新型の極超音速ミサイルなどを開発しているという内容。

中国 また化学工場で火災
→河南省と江蘇省でも爆発があったという内容。

譲歩しない姿勢を 韓国大統領が強調
南北会談3日目継続

→南北の軍事的緊張が高まる中、朴槿恵大統領はあくまで強気であるとの内容。

パルミラの神殿爆破か
「イスラム国」シリアの世界遺産


 …皆さんそろって挑発的ですねえ。近くでは好戦的な国々が蠢き、遠くでは狂信的な武装勢力が狼藉三昧。安倍首相の「積極的平和主義」というのはこういう連中にきちんと対応できるようにするのが目的ですから、わたしなんかはこういう記事を読むと素直に「集団的自衛権はやっぱり必要なんじゃないの?」と思ってしまいます。
 けれど信毎は不穏な国際情勢を報じながらも、社説になるとなぜかひたすら「安保法制反対!集団的自衛権反対!9条を守れ!」ばかり。
 長野県民は、こういう郷土紙の姿勢に疑問を感じないんでしょうかね。
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