先に進む安倍政権、座り込んでゴネ続ける野党連合

2015/9/25 信濃毎日新聞2面

首相、経済と社会保障 全力
総裁再選会見「参院選公約に改憲」


 安倍晋三首相は自民党総裁選での再選を受けて24日夕、党本部で記者会見し、今後の政権運営に関し、経済再生と社会保障の充実に全力を挙げる考えを表明した。・・・憲法改正を来夏の参院選でも公約に掲げると明言。
・・・
 経済重視で政権運営に当たる姿勢を前面に、重点的に進めてきた安全保障分野からの転換を図った。参院選を見据え、成立した安保関連法への国民の批判をかわす狙いもあるとみられる。

局面転換狙い「経済重視」
[解説]
 安倍晋三首相が24日の記者会見で、経済最優先で政権運営に当たる姿勢を打ち出したのは、安全保障法制の整備を推し進めたことで世論が離反した状況を踏まえ、局面の転換を図る狙いがある。来夏の参院選に向け、支持率を回復させたいとの思惑があるのは間違いない。・・・


 局面を転換して国民の批判をかわす狙い、ねえ。じゃあ、もし安保関連法制がスムーズに成立して支持率も下がっていなかったら、安倍首相は会見でどんなことを言っていたでしょうか。…やっぱり、同様に「経済重視で頑張る」と表明していたんじゃないですかね。
 集団的自衛権をめぐる法整備という一つの仕事がクリアできたから、次は前から課題になっている経済対策という宿題に挑む。当然なことじゃないですか。

 それに、安倍首相が本当に安保論争にフタをしたいと思っているのなら、来年夏の参院選で憲法改正を公約に掲げると明言したのは辻褄が合いません。
 むしろ自民党としては、野党がこれまで「安保法制は憲法違反だ」と主張してきたのを逆手に取って、「安保法制は合憲だが、これ以上無用な誤解や間違った解釈が生じないよう改憲が必要だ」と切り返すこともできるようになりました。そうなれば、今回「解釈改憲は憲法改正の妨げになる」という思いから安保関連法に反対していた改憲派の支持も得られるでしょう。

 ただ、改憲が自民党の公約だとはいっても、それが選挙戦で主たる争点になるかどうかは別問題です。野党がそれについて騒ぎ立てても、有権者が付いてくるかどうかはわかりません。
 常識的に考えれば、来年の参院選の最大の争点は消費税になるでしょう。

 もともと、自民党がこのところの国政選挙で圧勝できているのは、アベノミクスに象徴される経済政策が期待されてのことです。しかも、安倍政権は消費税再引き上げの時期を2017年4月に先送りし、「再延期は行わない」と背水の陣を敷いています。現状の支持率がどうであろうと、経済政策に失敗したらどのみち安倍さんはお払い箱になるのです。
 これがもし習近平や朴槿恵だったら、国民の民族感情を刺激し、不満をよその国に向けさせることで政府の責任をごまかそうとするかもしれませんが、さすがにそんな姑息な手は日本国民に通用しないでしょう。

 安倍政権の安保政策が間違っていることが証明されるには、日本が米国の身勝手な戦争に加担して世界中を敵に回し日本人に多数の死者が出るのを待たなければなりませんが、そんな事態はいつ来るやら来ないやら分かりません。
 一方で、アベノミクスの成否はあと1~2年で判断が下されることでしょう。野党が本気で安倍政権を打倒したければ、アベノミクスに勝る経済政策を打ち出すことが手っ取り早いはずですし、それができなければ政権を担う資格がありません。外交や安全保障政策では安倍政権を支持する保守派の中にも、アベノミクスを痛烈に批判する人たちは多くいます。

 ところが、野党の行動はまったく見当違いの方向に進んでいます。
 同日付の信濃毎日新聞4面。

安保法批判かわし鮮明
経済優先へシフト 首相会見


・・・
 野党も負けていない。首相のこうした戦略に対抗し、あくまで世論の関心を安保法に引き付けて参院選で安倍政権を追い詰める作戦を描く。
 民主党の蓮舫代表代行は会見で「安保法の白紙撤回に向け、一致団結して取り組む」と強調した。共産党の志位和夫委員長も会見で「(安倍政権は)時間がたてば、国民は忘れるという気持ちだろうが、そうはいかない。国民をなめてはいけない」とくぎを刺した。
 経済か安保か―。与野党の世論争奪戦。「安保法でついた首相の強引なイメージを拭うのは簡単ではないだろう。参院選では劣勢を強いられかねない」。自民党閣僚経験者はつぶやいた。


 民主党と共産党の選挙協力には、SEALDsの皆さんも大きな期待を寄せているようです。

2015/9/16 J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2015/09/16245404.html

安全保障関連法成立後のSEALDs 賛成議員の落選運動を展開する

 安全保障関連法案に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー、奥田愛基(あき)氏(23)ら3人が2015年9月16日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。近く成立する見通しの安全保障関連法案が違憲だと主張し、採決を見送るように求めた。

 一方で、奥田氏は法案が「通ってしまうだろう」とも発言。今回の抗議活動で参加者の層が広がったことなどから、今後は安保法案に賛成した議員への落選運動を展開する考えを明らかにした。奥田氏は、今回の抗議活動を通じてできた参加者のつながりが「そのまま選挙に影響を与えると思っている」と話しており、焦点は16年夏の参院選に移る。

すでに「賛成議員を落選させよう」が「合い言葉」

 奥田氏は今回の安保法案をめぐる活動を通じて、日本でもデモという形での抗議活動が定着したことを強調。法案通過後も、野党が何らかの争点で共闘できれば、「落選運動」が抗議活動の形として効果を発揮するとの見方を示した。

「世代、地域を越えて、人々が声をあげている。このつながりが、そのまま選挙に影響を与えると思っている」
「野党がうまく協力していただければ、次の選挙で応援をしやすくなる。現在では、『賛成議員を落選させよう』というのは合い言葉のように使われている。いわゆる『法案が通る前の運動』とは、違う形になりつつあるのではないか」


 うう、若いのにネガキャン以外にやるべきことが見つからないのかい、キミたちは。そんなんだからネトウヨから「ただの批判魔」なんて呼ばれちゃうんだよ。

onepiece.jpg



 野党連合(略して野合)が政権奪取に成功したとして、安保法制の白紙撤回は本当に実現するのでしょうか。有権者は、かつての民主党政権がいかに公約を反故しまくったかをしっかり覚えています。
 今国会で成立した安保関連法制は、10本の法改正と1本の法新設で成り立っていました。

●改正
 1.自衛隊法
 2.国際平和協力法(いわゆるPKO協力法)
 3.周辺事態安全確保法 → 重要影響事態安全確保法に変更
 4.船舶検査活動法
 5.事態対処法
 6.米軍行動関連措置法 → 米軍等行動関連措置法に変更
 7.特定公共施設利用法
 8.海上輸送規制法
 9.捕虜取扱い法
10.国家安全保障会議設置法

●新設
国際平和支援法

参考:http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/gaiyou-heiwaanzenhousei.pdf

 新法を撤廃するのはいいとして、改正された10個の法律は、再改正して元の状態に戻すだけでいいんでしょうか。
 共産党や社民党(旧社会党)は、個々の法律が成立した当時も「軍靴の音ガー」と騒いで反対していたんじゃないんですかね。だったら改正撤回ではなくあくまで法律の全面廃止を主張するのが政党としての筋のはずです。まずこの点で民主と共産・社民の間で対立が生じることになるでしょう。
 仮にその対立を乗り越えて無事公約を実現させたとして、その後はどうするのでしょうか。
 サヨク野党のみなさんは、今国会で「選挙の争点になっていなかったものを多数決で決めるな!」と叫び続けていました。ならばことさら「戦争法撤回」を大声で訴えて勝利した野合政権は、他の政策課題についてはすべて全会一致か国民投票で決めなければならないことになります。
 ブーメランというか、墓穴ですね。

 志位委員長は「時間がたてば、国民は忘れるという気持ちだろうが、そうはいかない」と強気らしいですが、うーん。
 時間が経てば忘れるっていうよりも、時間が経てばサヨクさんたちの主張がただのこけおどしだったとバレるだけじゃないですかね。「日本が再び侵略国家になる」「テロリストの逆恨みを買って日本人がバタバタ殺される」「徴兵制が復活する」――これらが現実化しないことには安保法制の誤りは証明されないのですから。

 国会前のデモで演説している野党党首の中には、かつて「国民の生活が第一」を標榜したり、党名にまで掲げていた皆さんがいますけど、国民の生活に直結する景気対策をほったらかして憲法論議にかまけていていいんでしょうか。

 来年夏までに日本の景気が良くならなければ、参院選の争点は増税の是非を含む経済政策になる。
 来年夏までに日本の景気が良くなれば、そのまま自民党への追い風になる。

 安保法制なんかにこだわっている限り、どっちに転んでも野党に勝ち目はありません。
 逆に、説得力のある経済政策を示し実際に成果を出しさえすれば、その手法が少しくらい強引でもむしろリーダシップとして賞賛されます。要するに結果を出した者、もしくは出せそうな者が勝つってことです。

 もし、知恵を絞っても経済対策の妙案が浮かばないのなら、野合の皆さんが次に争点にすべきなのは選挙制度や国会運営の改革です。得票率が低くても一つの党がボロ勝ちできてしまう現状、与党の思惑一つで「強行採決」できてしまう現状を変えようと訴えるのなら、それなりに整合性と説得力があります。ぎゃくに、野党がそれらの問題を放置するのなら、今後は同じネタで与党を批判する資格はありません。

 安倍政権さえ倒せれば後はケンチャナヨ、なんてことを平気で言うド近眼な人たちに、日本の舵取りを任せられるわけがないじゃないですか。野党とその支持者のみなさんはしっかりしてください。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 安倍政権
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

No title

全国で唯一、青少年健全育成条例が無い長野県ですが、この数日は信毎を含む左翼が大騒ぎで条例の制定に反対していますね。制定されたら困るんでしょうかね。

Re: No title

10月6日付の信毎2面、淫行処罰規定を批判する記事。
<q>ただ、全国では処罰規定を盛った条例があっても、毎年1千人前後が淫行で検挙されている。処罰が性被害の抑止につながっているとは言い難い現実がある。</q>
規定がなかったら毎年1千人前後の淫行が野放しってことですよねえ。
検挙が無かったらなかったで「規定が機能していない証拠だ」って言うでしょうし。

「処罰か県民運動か」みたいな二者択一論にすり替えるやり方はサヨク論法の典型ではありますね。
「適正に運用される保証がない」って理由で全否定するところとかも。

最新記事
カテゴリ
カレンダー
10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
アクセスカウンター