慰安婦帝国の横暴に信毎すら「韓国疲れ」?

 信毎がようやく朴裕河教授起訴事件について社説を書きました。以下引用(太字引用者)。

http://www.shinmai.co.jp/news/20151123/KT151121ETI090006000.php

朴教授起訴 韓国の名誉を傷つける
11月23日(月)

 旧日本軍の慰安婦問題を扱った「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河・世宗大教授を韓国の検察が在宅で起訴した。旧日本軍による強制連行だったとは言えない、といった記述は虚偽であり、元慰安婦の名誉を損なっているとの理由である。

 問題の根っこや背景に目を配り打開への道を探った研究書だ。今度の起訴は世界の人々には、韓国社会が学問の自由に理解が薄い表れと受け止められるだろう。韓国の名誉のためにも残念だ。

 韓国語版が2013年、日本語版が昨年秋に出版された。日本語版は石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞などを受けている。

 本の特徴は書名に示されている。帝国主義の下で軍隊に性的サービスをさせるために動員された植民地女性の人権侵害―。問題をそうとらえている。

 誘拐や甘言で女性を「連れていった」のは多くの場合中間業者だった、と指摘。日本は慰安婦需要をつくりだしたこと、業者の不法なやり方を知りながら募集を中止しなかったことで責任を免れない、と書いている。

 慰安婦は旧日本軍による強制連行の被害者、という韓国内の見方からは距離がある。

 元慰安婦の女性らが昨年朴氏を告訴、出版禁止の仮処分が出ている。加えての起訴である。

 歴史をめぐる学問的な議論に公権力が介入するのは、民主社会ではあってはならないことだ。今度の起訴が研究活動をさらに萎縮させないか心配になる。両国の政府、民間レベルの対話にもマイナスに働くだろう。

 検察は著作を虚偽と認定した根拠の一つに、慰安婦を旧日本軍に強制連行された「性奴隷」と指摘した国連人権委員会の「クマラスワミ報告」を挙げた。この報告そのものが、慰安婦をめぐる論争の対象になっている。

 教授の本がこんな形で問題になるのも、日韓両国の隔たりが依然大きいからだ。当事者は高齢化している。解決のために残された時間は少ない。

 教授も指摘するとおり、この問題で日本政府は責任を免れることはできない。韓国側との対話を急ぎ、歩み寄り可能な解決策を早急に見いだしたい。

 日韓政府はただちに、当事者、支援者、識者などによる「国民協議体」をつくり、半年から1年の期限を区切って問題解決に向けた話し合いに入るべきだ―。

 教授が「帝国の慰安婦」で提言している。真剣に検討したい。


 なんていうか、文章の端々にリベラル紙なりの「韓国疲れ」がにじんでいるようで、ネトウヨ的愛読者の一人としてはニヤニヤを禁じ得ない社説でした。クマラスワミ報告について「論争の対象になっている」と距離をおいた書き方をしてるあたりとかとくに。
 日本のサヨクメディアが必死で「強制連行の有無はどうでもいい、女性の人権が侵害されたことそのものが問題なのだ!」と論点をすりかえてきたのに、当の韓国がこの有様じゃあ、やるせないですよね。
 それでも必死で「日本も悪い!」に持って行こうとする努力が涙ぐましい。

>教授の本がこんな形で問題になるのも、日韓両国の隔たりが依然大きいからだ。当事者は高齢化している。解決のために残された時間は少ない。

 これは完全に本末転倒というか、事実誤認です。信毎は韓国検察を批判してるつもりでしょうが、そもそも朴裕河教授を名誉毀損で刑事告訴したのはこの「当事者」の皆さんです。

2015/11/19 朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/19/2015111903093.html

【ソウル聯合ニュース】韓国で出版された書籍「帝国の慰安婦」(原題)をめぐり、ソウル東部地検は19日、旧日本軍慰安婦に対する虚偽の事実を載せ慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして、著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(日本語日本文学科)を名誉毀損(きそん)の罪で在宅起訴したと明らかにした。

 ソウル近郊の施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)で共同生活を送る慰安婦被害者11人は昨年6月、朴氏と出版社の代表を名誉毀損で刑事告訴すると同時に、出版と広告の差し止めを求める仮処分を申請していた。

出版と広告差し止めの仮処分申請を受け、裁判所は今年2月、「軍人の戦争遂行を助けた愛国女性」「自発的な売春婦」などと表現した部分を同書から削除しなければ軍慰安婦の名誉を損なう懸念があるとの判断を示している。朴氏は6月、問題となった部分を伏せ字にするなどした修正版をあらためて出版した。


 修正版なんかじゃアタシたちの名誉についた傷は治らないのよ。さああんたたち、やっておしまい! ……とけしかけられた検察が獲物に跳びかかったというだけの話。韓国の検察は権力に忠実なんですね。産経の加藤前支局長の起訴問題と全く同じ構図です。

 こんな有様ですから、起訴の根拠なんかもうむちゃくちゃ。
 朝鮮日報の同じ記事より。

 検察によると、朴氏は慰安婦の動員に関する事実を否定し、自発的に日本軍に協力したという趣旨で著述したことにより、公然と慰安婦被害者の名誉を毀損した。また、同書の「売春の枠組みに入る」や「日本国に愛国心を持ち、日本人兵士を精神的、身体的に慰安した日本軍の同志」などの記述は、客観的な記録と異なる虚偽の事実だと指摘した。

 日本の河野談話や国連の関連報告書、米下院の決議文などを確認したところ、慰安婦は性奴隷も同然の被害者で日本に協力しなかった事実が認められるにもかかわらず、朴氏がこれとは異なる虚偽の事実で被害者の人格と名誉を深く侵害し、学問の自由の範囲を逸脱したと、検察は強調した。


 学者の研究活動に検察が干渉すること自体問題アリですが、さらにその根拠が河野談話や国連の関連報告書(=クマラスワミ報告)、米下院の決議文という…。これらが「客観的な記録」? ええと、誤訳じゃなくて?

 信毎も「クマラスワミ報告は論争の対象になっている」とは指摘していますが、もし論争の対象になっていなければ根拠になりうるのか? …って、そんなわけありませんよね。
 談話を出した河野さんや国連に報告したクマラスワミさんや決議を主導したマイク・ホンダさんは、70年前の当事者でもなければ学術的な研究者でもありません。そんな彼らによって政治目的で作られた文章が、歴史的事実を検証する資料になり得るはずがないのです。
 むしろ、そんなものを証拠資料として提出したら、それらの正当性が法廷で争われることになります。韓国があれほど嫌がっていた「河野談話検証」を韓国みずからがやらなくてはならないという、彼らにしてみれば悪夢のような事態に陥ることになるのです。韓国検察はそれを分かっているんでしょうか?

 件の談話も報告も決議も、突き詰めればみな「被害者」を名乗る女性たちの証言が最大の根拠です。要するに今回の裁判は、朴教授を告発した元慰安婦たちの主張を裏付けるために、本人たちの証言を証拠として提出するという、絵に描いたような自己矛盾が待ち構えているのです。

 日本人なら、左派右派・親韓嫌韓に関係なく今回の裁判の恐ろしさ(&滑稽さ)を理解できるはずです。
 でも、韓国人はそうじゃないんですね。ほとんどの韓国民は「慰安婦ハルモニの怒りはもっともダ」「親日売国学者の自業自得ダ」と無邪気に思っているのでしょう。
 「自由」や「公正」や「論理」なんかより、「ウリナラは悪くない、イルボンがぜんぶ悪い」という根拠のないプライドを維持することの方が最優先なのです。信毎がいくら諫言したところで、韓国人にしてみれば、チョッパリの薄汚れた相対主義なんかに、ウリナラの聖女様たちを汚させるわけにはいかないのです。

 こんな人たちを相手に対話や歩み寄りなんて可能なんですかね? ていうか、これほど恐ろしい「権力」を持っているおばあさんたちに、日本がこれ以上情けをかける必要があるんですかね?
 この社説を書いた信毎の論説委員だって、本当はうすうす分かっているのでしょう。日本と韓国では求める「名誉」の中身がまったく違うということを。
 でも、それを認めたくない。どんな現実があろうとも、日韓和解を呼びかけなければオピニオンリーダーとしての名誉に傷がつく。だから焦って「日韓政府は期限を切って解決を急げ」なんて口走っちゃう。

 落ち着いてください信毎さん。あなたがた日本のマスコミがやるべきことは両国政府をせっつくことではありません。したり顔で提言を並べることでもありません。あなたがたの義務は目ん玉をかっぽじって韓国人の言動を見守り、つぶさに報道することです。それさえきちんとしてくれれば、あとは日本の国民世論がみずから結論を出すはずです。
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テーマ : 従軍慰安婦性奴隷制問題
ジャンル : 政治・経済

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