ムン政権の「新方針」が日本の嫌韓を蔑韓に変える

 1月9日にカン・ギョンファ長官が発表した日韓合意への対応方針を読んで、わたしが真っ先に感じたのは「みっともねぇ…」でした。
 ムン政権はみずから無能と無責任をさらけだしました。
 もしわたしが韓国の国民だったら、自国政府のあまりにも無様な振る舞いに首をくくりたくなっていたんじゃないかと思います。
 ムン政権としては、「合意の再交渉は求めない」と明言することで、日本の逆鱗を避けて巧みな綱渡りを成し遂げたつもりなのでしょうが、今回の韓国政府の判断は、韓国の立場をじわじわと悪化させることでしょう。考えようによっては、堂々と合意破棄を宣言するよりも悪手となる可能性があります。

 カン長官が発表した方針の内容をまとめると大体次のとおりになるようです。

1.2015年の合意は被害当事者の意思を十分に反映しなかったので慰安婦被害者問題の真の解決にならない。

2.しかし、両国間の公式合意だった事実は否定できないので、日本政府に再交渉は要求しない。

3.日本が拠出した「和解・癒やし財団」の基金10億円は韓国政府の予算で置き換え、日本の金の扱いについては日本側と協議する。

4.同財団の今後の運営に関しては、被害者、関連団体、国民の意見を幅広く聞き、後続措置を講じる。

5.日本が真実をありのまま認め、被害者の名誉、尊厳の回復と心の傷を癒やすための努力(=自発的な真の謝罪)を続けることを期待する。
 
6.被害者の名誉、尊厳の回復、心の傷を癒やすため、政府はこれからも幅広く意見を聞きながら努力していく。



 6は朴槿恵へのあてつけであり、問題を先送りすることへの言い訳でしょうね。
 5の「期待する」は、文案では「要求する」という表現だったものが、発表直前になって変更されたようです。「自発的謝罪を要求」って言葉の矛盾に気がついて慌てて修正したんでしょうか。
 
 こうした内容の方針発表を、シンシアリー氏は「不履行宣言」、韓国のニュース1は「無視宣言」と表現しています。
 確かにそんなところでしょう。
 日本が出した10億円の扱いについて、カン長官は「日本側と協議する」と言っていますが、日本が返金や目的外への支出を受け入れるはずがないのは承知の上ですから、あえて宙に浮かせるのが韓国政府の狙いでしょう。財団に対して行うという「後続措置」も同様です。面倒くさい仕事には手を付けない、机の脇に積んだまま放置しておけばそのうちなんとかなるだろう――無能なサラリーマンの典型ですね。身につまされる…。
 しかも自分の無策を恥じるどころか、むしろ日本を侮る「放置プレイ」として国内の反日勢力へのアピールに利用しようとしているのですから、つくづく見下げ果てた根性です。

 ムン政権が合意無視という選択をした動機は、強硬派元慰安婦への配慮や選挙公約への責任感よりも、朴槿恵への対抗意識なのでしょう。合意を認めてしまったら、慰安婦問題の解決という歴史的偉業の栄誉をむざむざ朴槿恵に与えてしまうことになります。ろうそく革命の寵児たるムン・ジェインがそれを許せるはずがありません。

 今回の方針には、「朴槿恵の否定と自分の責任回避さえできれば、あとはぶっちゃけどうでもいい。曖昧な言葉でその場をしのいでいればなんとかなるだろう」という思惑がアリアリです。そういう不誠実な態度を、こともあろうに慰安婦問題でやらかしてしまう浅はかさ。

 慰安婦問題は、韓国が日本にふっかけてきた「道徳戦争」です。韓国人にとっては、「女性の人権」という武器を振り回して日本の頭を押さえつけ、正義感と優越感に浸るのがこのゲームの醍醐味でした。
 けれど2015年12月、安倍政権は朴槿恵政権との合意で「最終的かつ不可逆的」な解決を認めさせ、ゲームのルールを「人権」から「約束」に転換してしまいました。合意を毀損した国は、相手から「約束を守らない不道徳な国」と蔑まれることになるのです。

 ムン政権が、最小限の道徳的ダメージで合意を反故にしたければ、約束を守れないことを日本に謝罪した上で、堂々と合意破棄を宣言すべきでした。もちろん韓国内からは「弱腰だ」との批判が吹き上がったでしょうが、合意の破棄もしくは再交渉が韓国世論の過半数を占めていたのですから、国内への言い訳はどうとでもできたはずです。「朴槿恵の愚かな外交失態の尻拭いをするためにあえて恥をしのんだ」「真摯な謝罪を頑迷に拒む日本政府よりもずっと道徳的に正しい行為だ」などと。
 そういう潔さを示していれば、日本国内でも左派メディアの同情を買うことができ、与党内のハト派の取りなしで日韓外交も首の皮一枚でつながったはずです。

 けれど、ムン政権は安倍政権に一言も詫びることなく、腹をくくって開き直るわけでもなく、ウヤムヤのまま踏み倒すという、ひどく幼稚な道を選びました。言い訳がましい方針発表は矛盾に満ちており、ムン・ジェインは道徳的に劣等なだけでなく、能力的(ぶっちゃけ知能的)にも劣等であることを自白したのです。

 新方針は、「被害当事者の意思を十分に反映しなかった」という理由で日韓合意を否定していますが、自分たちの方針だって合意破棄を求める「被害当事者」の意思を無視しているのですから、説得力ゼロです。

 元慰安婦らが求めていたのは日本の法的賠償であり、だからこそ民間の寄付という体裁をとったアジア女性基金は拒否されました。そのため2015年の合意では、法的賠償に準じるものとして日本政府の国庫から10億円全額を支出させたのです。これは明らかに韓国側の外交的勝利でした。
 それなのに、ムン政権はいつの間にか「元慰安婦らが日本のカネに怒っているなら、韓国政府が肩代わりすればいい」と本末転倒してしまいました。ムン政権が問題の本質を理解していない証拠です。

 自分たちはたった2年前の政府間合意を認められずに悪あがきしているくせに、日本に対しては70年以上も前の「真実」とやらを「ありのまま」に認めろという主張も、身勝手なダブルスタンダードと言わざるをえません。

 慰安婦問題は解決していないが、合意の破棄も再交渉もしない――要するに「オレもう知ーらね!」ってことですよね。まるで、ふてくされた小学生そっくりです。

 無責任この上ない態度ですが、これってじつはかつての韓国政府の基本的立場に戻っただけなんですよね。
 安倍政権が行った河野談話検証報告によれば、1990年代はじめのころ、河野談話に至る交渉において、韓国側は日本政府に対していろいろ口出しするものの、基本的には「韓国世論をどうするかは韓国政府の問題ではなく、すべて日本側の姿勢次第」というスタンスでした。(参照:過去記事
 2011年からの4年間、イ・ミョンバクとパク・クネが2代続けて慰安婦問題にオールインしたのがむしろ例外だったのです。東日本大震災と原発事故を見た韓国が、日本は落ち目だと早合点し、「溺れる犬は棒で叩け」とばかりに攻勢をかけて墓穴を掘ったのです。

 これからの日韓関係、慰安婦問題はどうなるのでしょう。ハンギョレコリア語版などのコメント欄を見ると、ムン政権を支持する人々は「これでパク・クネの外交惨事が事実上解消された」「日本の10億円を自前の10億円で上書きすれば、また堂々と日本を圧迫できる」と喜んでいるようです。ムン政権に批判的な朝鮮日報さえ、「国際的信頼失墜は回避した」と胸をなでおろしています。政府が幼稚なら、メディアも国民も幼稚ですね。

 ムン・ジェインは10日の年頭記者会見で、またぞろ「日本は真正性ある謝罪を」と繰り返しましたが、政府としてこの問題に向き合う責任を放棄したいま、その言葉には何の重みもありません。

 わたしの素人予想では、ムン政権はもう、対日外交の場で慰安婦問題を真正面から取り上げることはしないと思います。朴槿恵の業績を否定するという第一目標を達成した以上、外交リスクを冒してまで勝てない勝負に挑むメリットがありません。むしろ合意の再交渉を求めないことで恩を売り、ツートラック外交の名目で日本からさまざまな便宜を引き出そうとするでしょう。
 一方で、親日売国のレッテルを避けるために国政ではこれまで以上に元慰安婦に媚び、彼女らの顕彰に励むことが考えられます。民間の反日活動については、政権に実害が及ばない限り野放し、もしくは陰で支援する可能性が高そうです。
 要するに韓国は何も変わらないということです。

 一方、日本の政府と国民が韓国に向ける視線は、ますます冷ややかになるのが確実です。これまでは嫌韓でしたが、これからは侮韓、蔑韓の空気が蔓延するでしょう。普遍的人権を盾に韓国を擁護する自称リベラル派の発言力は地に落ち、「韓国は信用できない」「韓国は恥を知らない」「韓国は幼稚なエゴイスト」…といった韓国観が常識として定着することになります。

 とくに、北朝鮮問題という共通課題が何らかの形で解決されてしまえば、日本政府の韓国冷遇はますます露骨になるでしょう。たとえば竹島返還要求のトーンを上げるくらいのことはするでしょうし、領土問題がヒートアップすれば韓国を潜在的な敵国とみなす世論が日本国内でじわじわと増えてくる可能性もあります。

 …なんていうのはわたしの願望混じりですから、実際はどうなるか分かりません。だからこそ、将来の理想に向かって気運を盛り上げ、ムン・ジェイン(というか韓国国民)に後悔させてあげるのが、われわれネトウヨの使命といえるでしょう。

 ムン・ジェインは10日に行った年頭の記者会見で「日本と真の友になりたい」と臆面もなく述べたそうですが、本当の友情を育むためには、一度本気で殴り合いをするのが近道だと思うんですよね。
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