ハンギョレの「合意固辞論」が陰険すぎて哀れなレベル

ハンギョレ新聞の東京特派員、キル・ユンヒョンという記者が、カッとなると見境がなくなる韓国人の典型ともいえるすばらしいコラムを書いてくれました。

2016.10.07 ハンギョレ日本語版
[特派員コラム] 12・28合意と決別しよう
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/25340.html

コラムの中でキル氏は、例の安倍首相の国会答弁をテレビで見ていて最初は言葉の意味が分からなかったこと、それが「毛頭=毛の先ほども」であることを教えられて「堪えきれない怒りとこの上ない無力感」に襲われたと述懐しています。
われわれ日本国民にとっては、「毛頭」という言葉に挑発的な意味はさほどありません。安倍首相の言い方も、べつに当該フレーズを厭味ったらしく強調したわけではありません。安倍さん自身、韓国世論がこれほど猛烈に反発するとは思っていなかったんじゃないでしょうか。

シンシアリー氏の解説によると、韓国では物事をキッパリ言い切るのは上の者(甲)が下の者(乙)に接するときの態度だそうで、つまり今回の韓国の火病ぶりは、日ごろから日本を下に見ていたことの証拠なのですね。

キル特派員によると、韓国社会では12・28合意について、「合意なんか破棄しろ」派と「あれこれ追加要求すればいい」派とに分かれて対立していたのだそうです。
…えっと。「合意をそのまま履行しよう」派はゼロだったという理解でいいんですかね?

分かってたつもりではいましたけど、韓国の皆さんってほんと、社会性に欠けた人たちなんですね。「最終的かつ不可逆的に解決」との文言がある以上、合意にないことを追加要求してしまえば、その時点で合意違反のそしりを受けても仕方ないでしょうに。

ウリナラは日本よりも上の存在だから、いくらでも追加要求していい。
それなのに日本は下の分際で、ウリナラの要求をキッパリと断りやがった。
せめて断るにしても、下相応の口の利き方ってものがあるだろう。
無礼千万なチョッパリめ、いったいどうしてくれようか。

…というのが、キル記者の「堪えきれない怒りとこの上ない無力感」の中身でしょう。
これ、純粋な民族差別ですよね。
日本が戦犯国家だからとか、日本は過去を真摯に反省していないからとかいう理由で正当化できるものではありません。

合意に不満なら、日本に謝罪して10億円を返還するのが道理というものでしょう。
でも、キル特派員が提言する「決別」方法はまったく違うんですね。

 これからどうすべきか。第3の道を提案してみる。名付けて「合意固辞論」である。

 韓国政府は、日本側に傾いた12・28合意という不利な戦場から組織的に退却すべきだ。この合意を何とか正当化しようとする痛ましい努力はやめてほしい

 まず、「和解・癒やし財団」は日本政府から受け取った10億円の執行を停止し、状況を静観しなければならない。さらに、日本政府の関心事である少女像の問題について、もう少し原則的な立場を明らかにする必要がある。韓国は過去の合意で「少女像について関連団体との協議などを通じて、適切に解決されるよう努力する」としただけで、移転そのものを約束したことはない。安倍首相の言葉をそのまま返すと、少女像の移転は「(合意)内容の外」である。

 政府は合意で「国際社会において、この問題について互いに批判・非難することは控える」と約束した。この約束は、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの民間団体が女性の普遍的な人権懸案である慰安婦問題を解決しようとする国際的な努力まで拘束するものではない。政府は、民間団体の活動を今よりも積極的に支援する必要がある。慰安婦問題という歴史的な痛みを経験した韓国社会が、最終的に到達すべき目標が12・28合意でないなら、徐々に、しかし明確な方向性を持って、合意と決別していかなければならない。



彼の主張を整理すると、

1.日本政府から受け取った10億円の執行を停止する。
2.状況を静観する。
3.慰安婦像に対して原則的な立場を明らかにする。
4.政府が民間団体に出資して国際社内でも反日活動を強化する。

…「名付けて合意固辞論である(キリッ」とか「明確な方向性をもって決別せよ(ドヤッ」とか言ってますが、日本に10億円を突き返すわけではなく、正式に合意破棄を通達するわけでもない。慰安婦像の移転を断固拒否すると宣言するわけでもない。「もう少し原則的な立場」って、なんですかそりゃ(失笑。
要するに、日本との和解に向けた努力をのらりくらりとサボタージュし、裏から手を回して合意をなし崩し的に踏み倒そうってことですよね。うっわぁ、ヤクザ。陰険。かっこわるい。

そんな卑怯なマネが国際社会で通用すると思ってるんですかね。
…思ってるんでしょうね。いままで韓国がいくらゴネても日本は懐深く受け止めてくれましたもんね。それこそが韓国が上で日本が下である証拠だったわけですもんね。

でも、それがもう通用しないことは、他でもない安倍首相の「毛頭」発言がはっきりと示しているのです。さらに、首相の発言を日本の世論が受け入れています。質問をした民進党だって、べつに挺対協の肩を持ってるわけじゃない。あの河野洋平さんですら「もう少し言い方があっただろうに」とボヤいてるだけ。
日本の一部のサヨク団体は、安倍首相に手紙を書くよう要求する声明を出しましたが、それを報じるメディアの反応は韓国側すら冷ややかでした。

2016.09.29 ハンギョレ日本語版
日本の市民団体、「安倍首相は慰安婦被害者に謝罪の手紙を」
http://japan.hani.co.kr/arti/international/25273.html


28日「慰安婦問題解決の会」緊急記者会見 
被害者たちの本質的な要求との隔たりあり、根本的な解決策にはならず


(本文前略)
 しかし、被害者女性たちが12・28合意を拒否する理由が日本首相の手紙の有無ではないことを考えた時、彼らの運動には根本的な限界があると言わざるを得ない。
 
東京/キル・ユンヒョン特派員



オイッ! 貴様か、キル・ユンヒョン!
書いても無駄な手紙なら、安倍首相が拒絶するのは当たり前じゃないか!
無意味な手紙を要求し、それを拒否されたからといって逆上し、卑怯な手を使って約束を踏み倒そうとするあなたがたに、他人の「誠意」だの「真正性」だのを要求する資格があると思うのか!
…あると思ってるんでしょうね。韓国のみなさんは。永遠に日本は下だから。

でも実際は、左派の雄たるハンギョレすら「合意を堂々と破棄せよ」と言えなくなっている時点で、もう実質的に韓国の負けでしょう。
立場の上下ってのは、結局のところ力関係で決まるんですよ。国力とか経済力とか外交力とか。
朴槿恵政権は限界まで反日外交を繰り広げて挫折しました。米国の人権派大統領、国連の韓国人事務総長という「追い風」があったにもかかわらず。
韓国が勝てなかった理由は3つあります。

1.日本を挑発することはできても、強制する力がなかった。
2.韓国国内と国際社会とは、価値観の物差しが違った。
3.勝敗ラインの設定が無謀もしくは曖昧すぎた。

キル特派員は12・28合意を「最終的に到達すべき目標」とは認めないと言っていますが、では彼らの目標は何なのか。それは実現の見込みがあるのか。
合意に反対してる韓国人の中で、そのことをきちんとわきまえている人って、たぶん皆無なんじゃないですかね。
だから、周囲に不幸を撒き散らすことはできても、自分たちは満たされない。永遠に勝利を実感できないまま、腹一杯にどす黒い恨みばかりをつのらせる。
まさにヘル朝鮮。地獄ですね。

国家の威信をかけた戦いで勝てなかったのに、民間レベルの嫌がらせで日本政府を動かせるわけがありません。本当に日本政府を屈服させたければ、日本の国内世論を抱き込んで内部から突き動かすしかありませんが、キル記者の提言する戦略は余りに薄汚なすぎて、日本国民の嫌韓を助長することしかできません。
まして、国際社会を舞台に民間レベルでさらなる反日を展開するとなれば、あのフライブルク市への慰安婦像計画のように、泥沼の戦いになります。その場合、韓国側が先に合意を踏み倒したという事実は、かなりのハンデになるでしょう。
人を呪わば穴二つ。日本の非道徳性を訴えているつもりの行動が、韓国人の陰湿さ、無責任さ、幼稚さをみずから世界に知らしめることになるのです。

・・・などと願望まじりの将来展望をしてみましたが、どうなることやら。
最後に、朝鮮日報のコラムを引用しておきます。

2016/10/06 朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/06/2016100601120_2.html

【コラム】韓国唯一のノーベル賞が平和賞なのは偶然ではない

(前略)

 100年余り前、西洋の宣教師が撮影した韓国の姿は乳をあらわにした女性たち、数カ月は水浴びしていないであろう子どもたち、ふん尿だらけの光化門通りだった。それに比べれば現在の韓日の差は縮まった。それでも格差は存在する。韓国が気付かないだけだ。韓国人は「世界で唯一日本を見下す韓国人」という言葉を聞くと悪い気はしない。そんな声に酔う人もいる。実はそこに「おかしな韓国人」という言葉の意味がひそんでいる。実際には日本を見下す国など世界に存在しないからだ。日本を見下すためには日本に対し無知でなければならない。ろくに知らずに大言壮語して虚勢を張る人だけが日本を見下すことができる。
(以下略)

楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹


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ダメ元おねだりで自縛自爆の韓国外交部がアホすぎる

やっぱり韓国政府ってアホだったんだなあと思いました。
韓国外交部が「安倍首相から元慰安婦に謝罪の手紙を出してほしい」と公言し、安倍首相が国会答弁で「そんなことは毛頭考えていない」とキッパリ断った件です。

2016年 10月 04日(火) 聯合ニュース

合意履行努力に冷や水 安倍首相の手紙拒否に困惑=韓国

【ソウル聯合ニュース】安倍晋三首相が3日の衆院予算委員会で、旧日本軍の慰安婦問題をめぐる昨年末の韓国との合意の追加措置として、慰安婦被害者への謝罪の手紙を求める声があることについて、「毛頭考えていない」と断固として拒否したことを受け、韓国政府は戸惑いを隠せずにいる。

韓国の外交部関係者は4日、「安倍首相の発言について、どのような立場を表明するか議論している」と伝えた。



国会中継を見る限り、安倍さんの「毛頭」発言のニュアンスは断固ッというよりサラリって印象でしたけど。
それにしても、韓国外交部は立場表明をどうするかいまごろ議論って…断られた場合のことを想定してなかったんですかね。
そもそも、安倍首相の「謝罪」をどういう形で表現するかは、昨年末の合意に至る協議の過程でガッツリ話し合われたはずです。日本政府が追加要求に応じる見込みがあるかどうか分かりそうなものですが。

日本政府としては、合意が結ばれた時点で慰安婦問題は解決し、10億円を支払った時点で義務は果たしてしまったのです。元慰安婦の一部がゴネ続けようがどうしようが、それは韓国の国内問題。わざわざ追加の手紙を書くメリットは何もありません。

そうした日本側の立場を理解できていなかったとしたら、韓国外交部の官僚・閣僚は外交官として落第ですね。外交のことよりも自分たちの努力を国内にアピールすることしか頭にない。だから結果を先読みできず、いざバッサリ断られてから慌てふためく。アホですね。

これほど無計画な韓国政府のことですから、もし日本が要求に応じた場合にはどうなっていたか。
アジア女性基金を蹴った挺対協が、二番煎じの手紙なんかで軟化するはずがありません。無理を言って安倍首相に手紙を書いてもらったのに説得できませんでした、じゃあ言い訳がききません。韓国政府のメンツは丸つぶれ、日韓関係は再び凍りつき、韓国の国際的な信用は地に落ちることでしょう。
……なんて考えるのは、日本人的思考でしょうね。

もし手紙が通用しなかったら追加の「誠意」を要求すればいいだけだし、たとえ元慰安婦を説得させられなくてもそれは戦犯国日本の誠意が足りないせいだからオレたち責任ないし、むしろあの厄介な合意を実質的に骨抜きにできたオレたちスゲー、国民の皆さん褒めて褒めて!
ってのが韓国政府の役人たちの思考回路でしょう。

 韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は先月29日の定例会見で、「慰安婦被害者の心の傷を癒やす追加的な、感性に訴える措置に期待している」と表明していた。

 だが、安倍首相がこうした要求を断固として拒否し、韓国政府は難しい立場に立たされた。安倍首相の発言を受け、合意に対する韓国内での世論がさらに悪化するとみられ、合意を受け止めるよう被害者を説得する作業もより難しくなった。

 また、韓国政府は北朝鮮の核実験に対応し、韓国と米国、日本3カ国の安全保障協力の強化に向け、日本との関係を改善する方向に方針を決めており、合意に含まれていないことを日本側に強く求めることも容易ではない状況だ。



「ダメモトでゴネてみる」っていう韓国式交渉術は、気弱な相手(=乙)なら存分に効果を発しますが、そうでない場合はどんどん自分たちの首を締めることになります。
韓国自身もそれを知っているからこそ、中国に向かって朝鮮戦争の責任を追及したりはしないわけで。
それだけ、日本はいまだに韓国からナメられているってことですね。

聯合ニュースの記事にはこんな文章が混ざっていました。

 日本首相の謝罪の手紙は合意に含まれていない。だが、合意当時、岸田文雄外相が発表した安倍首相の謝罪を手紙の形にするよう求める意見を激しい表現を使って拒否したのは、謝罪の真意を疑わざるを得ないとの見方が出ている。



安倍の態度が悪いからあの謝罪は謝罪とは呼べない、だから合意に違反しているのは日本の方だ! と言いたい気持ちがとてもよく伝わってきます。いやー、素晴らしく韓国的で、なんだかほっとしますね。
安倍首相が嫌々ながら謝罪した、その事実こそが日本政府の誠意であり、韓国が勝ち誇るべき戦利品だと何度言えばわかるのか。

さらに韓国の国連大使まで「慰安婦問題の国際的議論は終わっていない」などと妙なことを言い出しました。

2016年 10月 04日(火) 聯合ニュース

韓国国連大使 慰安婦問題合意も「国際的議論終わってない」

 国会外交統一委員会による国政監査が国連韓国政府代表部で行われ、野党議員が慰安婦問題をめぐる昨年12月の韓日政府の合意は被害者の立場が抜け落ちている誤った交渉だと指摘した。これに対し呉氏は、「われわれは韓日間の外交問題としてこの問題を解決し外交関係を正常化しよういう意図で合意したものと理解する」と答えた。

 その一方で、「昨年12月に合意したからといって、国連など国際舞台で議論が継続されることに直接影響を及ぼすものではない。国際問題、多国間の問題として、慰安婦問題、戦時中の女性への性暴力問題は終わっていない」と言及した。



確かに、国際舞台で非難し合わないという合意の対象は日韓両政府ですから、たとえば第三国や個人の報告者が国連人権理事会にこの問題を提起するのは別の問題、という主張は間違ってはいません。
でも、日韓関係を改善したいなら、そういう面倒ごとはできる限り起こさないように務めるのが節度ある外交というものです。
政府の一員である国連大使が「これからも慰安婦問題による日本包囲網は続くだろう」みたいな言い方をするのは、日本側の不信を招きますから日韓関係にマイナスですね。マイナスになってより多くの国益を損ねるのはどちらの国でしょうね。

日韓両政府の間で「解決」し、世界各国が「歓迎」した以上、わざわざ国際舞台で慰安婦問題を取り上げようとする国があるとは考えにくいのが幸いです。中国だって、韓国政府を釣れないのならこの問題に首を突っ込むメリットは薄いでしょうし。
 この国連大使さんは一般論で野党議員の追及をかわそうとしただけかもしれませんが、隣国との関係よりもその場しのぎを優先する態度は、謝罪手紙要求と通じるものがあります。

外交部の連中がこういうことをしているくせに、トップである尹炳世長官は韓日交流おまつりinソウルで「韓日は友情と信頼を発展させるべき」とか白々しいスピーチをしているようです。

2016年10月03日
中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/327/221327.html
尹炳世外交部長官「韓日、友情と信頼を発展させるべき」

どういうコリア語が「信頼」と訳されているのか知りませんが、もしかしたら日本のそれとは微妙にニュアンスが異なるのかもしれませんね。

日本としては、韓国の誠意なんかに期待することなく、相手が合意に反するようなマネをしたら迅速に制裁措置を取れるように準備しておくことこそ、円滑な日韓関係の実現につながるんじゃないかと思います。
ていうか、慰安婦像撤去のために今からどんどん圧力をかけてほしいところですね。次期大統領が怖気づくくらいに。

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政府間合意が日本人に与える「戦う勇気」

 今では朝鮮日報の論説委員の椅子に収まっている鮮于鉦氏が書いた「【コラム】日本政府の拠出金10億円は恥ずかしいカネなのか」(朝鮮日報日本語版9月17日)。

要旨は
「元慰安婦の中には日本からの金を受け取って和解に応じたいと考えている人もいるはず。あの金が法的賠償でないという理由で『恥ずかしい金』と決めつけることは、そうした彼女らを傷つけるものだ」
というもの。
 珍しく、最近の韓国メディアがほとんど【無かったこと】扱いしているアジア女性基金について触れていました。

 日本が20年前に「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を設立し、元慰安婦に「償い金」を支払った時もそうだった。当時、元慰安婦支援団体を率いていた数人はこの資金を「人間の尊厳と名誉を再び毀損(きそん)するだろう」と言った。政府に登録された元慰安婦238人のうち61人が金を受け取った。61人は金を受け取ったことにより、自ら人間の尊厳と名誉を再び毀損したのだろうか。韓国社会の厳しい批判のせいで心に傷を負い、社会から疎外され、静かに息を引き取った元慰安婦たちは少なくない。



20年前のアジア女性基金にも日本国民の真心が込められていた。そうでなければ、あれだけ多くの人々が募金に協力することはなかっただろう。彼らの募金はほぼ同時期、韓国で集まった元慰安婦への募金の数倍に達した。この時日本国民が基金側に金と一緒に送った謝罪の手紙は今でもインターネット上で見ることができる。それに対して「人間の尊厳と名誉を毀損するもの」と言われては、その善意の人々も傷付くのではないだろうか。



 「その善意の人々も傷付くのではないだろうか」
 この文はちょっとおかしいのではないでしょうか。アジア女性基金を韓国側が「汚い金」と呼んで踏みにじったのはもう20年も前のこと。すでに基金は終了しています。なぜ鮮于鉦氏は過去形で語らないのでしょうか。
「我々はかつて日本の善意の人々を傷つけた。同じことを繰り返してはいけない」
と。
 …書きたくないし、書けないんでしょうねえ。日本人を傷つけたことを認めるのは被害者様としてのプライドが許さないし、一度でも認めれば「乙」の立場に転落して日本から永遠に謝罪を要求されかねませんからね。
 でも、アジア女性基金の失敗が日本に大きなトラウマを残したことは事実。基金の主要スタッフの中にも、当時の韓国の頑なな態度を痛烈に批判する人が少なくありません(下村満子氏など)。

 一部メディアの報道によれば、和解・癒やし財団の内部では「安倍首相に謝罪の手紙を書いてもらってはどうか」という議論が出ているとのこと。

中央日報日本語版9月21日
韓国外交部「慰安婦財団で日本首相の書簡など追加措置を議論」



 これは明らかにアジア女性基金の焼き直しを狙ったものでしょう。財団側は「前回書いたんだから今回も書けないはずはない」と気やすく日本に要求するつもりでしょうが、こういうことをやればやるほど、日本側から
「アジア女性基金と同じことをやれというのなら、どうしてあのとき受け入れなかったんだ」
「政府間合意になかったことを要求するのなら、合意に含まれている慰安婦像の件で誠意くらい見せてみろ」
 と突っ込まれるのは目に見えているでしょうに。

 もし日本政府が財団の要求を受け入れれば、韓国は手紙の内容に口を出したり文句をつけたりしてくるのは火を見るよりも明らか。故加藤紘一氏みたいなハト派がのさばっていた20年前ならいざしらず、今の安倍政権がこんなことに応じるわけがありません。ありませんよね…!?
 韓国側に理性があれば、こんな内輪の議論を公表すること自体、相手国に不信感を抱かせ自分たちの立場を悪くしかねない考えるものですが、そこは韓国。意外とあっさり10億円を振り込んでもらえたから調子づいて、さらに有利な交渉ができないかモーションをかけてきたのでしょう。そんなの、安倍政権に通用するはずがないじゃないですか。はずがないですよね…!?

 韓国人って、慰安婦問題を安易に考え過ぎなんですよね。
 知日派(≠親日派)であるはずの鮮于鉦氏も、このコラムでこんなことを書いています。

個人の賠償権は誰も無効にできない。元慰安婦支援団体は韓国をはじめとする世界各国の法廷で賠償努力を続ければいい。「最終的かつ不可逆的解決」という約束は当然、政府だけを縛るものだ。10億円は「少女像」撤去の代償なのだろうか。そうならば、日本政府は少女像がまだ設置されている今の時点で送金しなかっただろう。



 あの合意に拘束されるのは政府だけだから、民間はこれまでどおり世界中でイアンフガーを叫び続けていればいい、という理屈です。
 確かに、合意を文面通りに読めばそうでしょう。でもあの合意の一番の目的は、日韓関係を改善することにありました。韓国側は、これ以上日本との関係が悪化すれば自分たちの国益を損うと踏んだからこそ、国内からの猛烈な反発を覚悟の上で合意に応じたはずです。
 一方、日本にしてみれば、像の移転を待たずに10億円を拠出したのは、国内のサヨク野党の批判を封じ、韓国の逃げ道を断つのが目的。「われわれは合意を履行した。おまえたちはいつになったら誠意を見せるのか」と、像の移転が実現するまでネチネチ圧力をかけるためです。たぶん。

 もし鮮于鉦氏が日韓関係の改善を願う立場ならば、民間レベルの反日だって容認すべきではありません。日本人は体面を気にする国民性ですから、国際的な場で恥をかかされるのを何より嫌います。これまで長いこと韓国に甘い顔をしてきたのは、お人好しな民族性だけでなく、ソトヅラを気にしてきたからという理由が大です。
 昨年の政府間合意を不満に思う人たちは、日本国内にも少なくありません。鮮于鉦氏もこのコラムの中で「10億円が恥辱的だという彼らの主張は、この金を支払うようにさせた日本側の加害者に当てはまる話だ。」と書いています。
 10億円を払わされたうえ未来永劫まで世界各国の法廷で訴えられ続ける日本国民の気持ちを、鮮于鉦氏は想像できないんでしょうか。これ以上の嫌韓リバウンドが日本を覆ったら、政治、経済、安全保障などさまざまな面で韓国の国益がどれほど損なわれるのかを想像できないんでしょうか。
 韓国の人たちって、ほんと「思いやり」がありませんね。いや、べつに日本人に同情しろとか寛大になれとか言うわけじゃなく、相手の感情や思考を推察してもっとクレバーに振る舞えないのかってことです。

 …それとも、日本は甘ちゃんだから、どんなに挑発しても大した反撃はしてこないと見くびってるんでしょうかね。
 彼らにしてみれば、被害者であるワレワレがなぜ加害者のことを慮らねばならんのだ、日本の嫌韓でウリナラが不利益を被ったなら、もっと大きな声でニホンガーを叫べばいいだけだ、くらいの意識なのかもしれません。

 実際、最近の韓国では、民間団体だけでなく地方自治体も暴走ぎみです。
 京畿道水原市は、ドイツのフライブルク市と2015年に姉妹都市提携を行ったのをよいことに、フライブルクのど真ん中に慰安婦像を建てようと画策しました。

9月06日中央日報
「慰安婦少女像、欧州で初めてドイツに設置」



これに対し、水原市と姉妹都市関係にある日本の福井市が「それマジか。本当だったら市長訪問取りやめるぞ」と騒ぎ出しました。

9月8日福井新聞
「福井市長の韓国水原市訪問中止も 独への慰安婦像設置報道で真意確認へ」



 同時にフライブルク市に対しては、1989年から姉妹都市提携している愛媛県松山市が
「それをやられちゃうとこれから仲良くできなくなるから、考え直してくれない?」と要望。

9月16日産経ニュース
「ドイツの慰安婦像計画、松山市が懸念伝達 姉妹都市交流に影響も」



 結果、フライブルクは像の設置を取りやめ、それを通知された水原がフライブルクに対して遺憾を表明し、さらに松山に抗議するとのこと。

9月21日産経ニュース
独フライブルク市への慰安婦像設置断念 韓国水原市が発表 日本側が「圧力」と批判



 こんな険悪な雰囲気では、福井市長の水原訪問も難しいかもしれませんね。
 韓国の一市長の安易な思いつきが、ドイツと日本の自治体を巻き込んだぐっちゃぐちゃの「姉妹都市戦争」に発展しようとしているわけです。
 国家間の揉め事ならプロの外交官や政治家に任せておけばいいですが、自治体レベルの不和は市民感情に直結します。
 日本のサヨクは特亜に対していつも「政治レベルではぎくしゃくしていても、民間レベルでこつこつと友好関係を深めていけばいつかきっと分かり合えるはず♪」などと言っていますが、いま韓国側がやろうとしているのはまさにその暗黒版。民間レベル、草の根レベルでコツコツと日本にダメージを与えようとしているのです。
 まさに「邪悪」って言葉がふさわしいですね。
 邪悪な韓国の民間(非政府)勢力を、日本人はどうやって国際社会から排除していけばいいのでしょうか。
 善良であるわれわれが手にできる武器は、「事実」と「誠意」の二つだけ。その「誠意」を具体的に象徴するものが、昨年末の政府間合意です。アジア女性基金は国連人権委員会などに「不十分」のレッテルを張られましたが、今回は当事者である韓国政府が納得づくなのですから、国際社会が口出しする余地はありません。
 日本人は昨年までよりずっと、自分たちの立場の主張をしやすくなったのです。

 朝鮮半島で日本軍が女性たちを組織的に強制連行した事実はなく、しかしながら女性たちが辛い目にあった点については、日本は道義的見地から何度も公式に謝罪している。さらに昨年は政府間で「不可逆的に解決」し、合意に基づいて一人あたり1000万円近くも拠出した。しかもこれは20年前に行われた基金の事実上の再実施である。このように日本は重ねて誠意を示しているにもかかわらず、韓国人はいまだ日本大使館の前に不法に設置した像を手がかりに過度な抗議を続けており、それを貴国に輸出して「従軍慰安婦はホロコースト犠牲者と同じ」と主張しようとしている――。
 こういうふうに理詰めで説明すれば、フライブルク市長がまともな人なら納得してくれるのは当然でしょうね。

 フライブルクにしてみれば、つい昨年に姉妹提携したばかりの水原が、四半世紀以上におよぶ松山との友好関係をぶち壊しかけたのですから迷惑な話。さらにこの件で水原から遺憾表明されたうえ、松山まで水原に因縁をつけられるとあっては、フライブルクの顔は泥の二度塗りになるでしょう。水原市がこれ以上騒げば、フライブルク市と福井市の双方から姉妹都市関係の解消をつきつけられることになってもおかしくありません。

 10億円はもらっとけ、海外での反日活動はもっとやれ。
 韓国の最有力紙の論説委員様がそうけしかければ、今回みたいな騒動が世界各地で繰り返されるようになるでしょう。
 韓国が草の根レベルで反日を続ければ、日本の嫌韓も社会にますます根を広げ、さらなる力を持つようになります。事なかれ主義に傾きがちな日本の地方自治体が、今回ばかりは波風が立つのを覚悟で声を上げるようになったのはその表れでしょう。
 自治体の勇気を後押ししたのは、まぎれもなく政府間合意という大義名分の存在です。そして松山市、福井市の行動と成功は、われわれに勇気を与えてくれました。いいですねえ、この勇気の好循環。

 こうして考えていくと、「慰安婦支援団体は世界じゅうの法廷で自由に訴訟を起こせばいい」という、一見無責任なように見える鮮于鉦の発言は、もしかしたら彼なりの自嘲なのかもしれません。
 このコラムで彼は、あのキム・ヒョンジン弁護士がカリフォルニアで起こした訴訟があえなく失敗した件について触れています。

勝算がなかった米国での訴訟は、韓国側弁護士の怠慢で棄却された。そのあきれて物が言えないような出来事の経緯が先月10日、金徳翰(キム・ドクハン)本紙ニューヨーク特派員のコラムに書かれている。



コラムというのは→これですね。 (朝鮮日報コリア語版)

 訴訟を先導したキム・ヒョンジン弁護士は日本の企業だけでなく我が国の天皇陛下まで告発し、「原告を1万人集める」と豪語。クラウドファンディングで1千万円以上もの資金を集めることに成功したものの、実際は法廷にろくな証拠も提出せず、どうやら訴訟の目的は母国で国会議員になるための売名だったらしいというオチでした(しかも議員候補にすらなれず)。→関連過去記事
 韓国人のみなさんがこれと同じことを世界中で始めたら…すごくウザいモグラ叩きゲームになりますね。でも、日本側がきちんと反論すれば、世界中で韓国の評価を落とす絶好の機会になるはずです。

 もし日韓合意に批判的な人物が韓国の次期大統領になっても、日本は「合意を破られたらどうしよう」とおびえる必要はありません。むしろ「合意を破ったらどんな制裁をくれてやろうか」と手ぐすねひいていればいいのです。先方が本当に合意を破棄すれば、日本は韓国に「約束を守れない非常識国家」の烙印を押す権利を獲得するわけですから、甲の立場から乙をネチネチといたぶってやればいいのです。

 実際にどんな制裁が可能なのかはけっこう悩ましい問題ですけど、通貨スワップの交渉打ち切りとか竹島問題の国際裁判所への提訴とか、韓国大使館に対馬の仏像のレプリカを建てるとか、嫌がらせの手段はいくらでもあります。でもまあ、とりあえずはビール、じゃなくて謝罪要求から始めましょうか。

 韓国はアジア女性基金と政府間合意の2度にわたって我が国の誠意を踏みにじり、いまだに世界中で日本人の尊厳と名誉を傷つけている。これはあきらかに民族差別であり、断固として許されるべきでない。韓国はこのことを真摯に反省し、誠意をもって謝罪せよ!

 みなさん、大きな声を出せるように今のうちから喉を鍛えておいてください。

 追記で、当該コラムを全文引用しておきます。

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「相対的貧困」を振りかざすNHK擁護派の矛盾

子どもが親におもちゃをねだるとき、必ず言うセリフがありました。
「だって、クラスのみんなが持ってるよ」。
それをつっぱねる親の言葉もお決まりのものでした。
「よそはよそ、うちはうち」。
 口をとがらせる子どもに、親は畳みかけたものでした。
「エチオピアやバングラデシュの貧しい子どもたちはね、おもちゃどころかその日の食べ物すらなくて苦しんでいるんだよ」
「そんなの関係ないじゃん!」と反論しても通用せず、子どもはふてくされるしかありませんでした。

この会話は、いまNHKニュース7の「貧困女子高生」報道で熱くなっている「絶対的貧困」と「相対的貧困」の論争そのままですね。

アニメやゲームに散財してるくせに、あれのどこが貧困なんだ」と騒ぐNHK批判派。対して擁護派は「バッシングする連中は相対的貧困という概念を理解していない」「貧乏人にはささやかな趣味や贅沢すら許されないのか」と応戦しています。

 擁護派は「相対的貧困」を強調していますが、 わたしがYouTubeで視聴した限りでは、番組内で相対的貧困という言葉が使われることもなければ、それに類する概念が示されることもありませんでした。
 統計上の「相対的貧困」は、所得が中心値の半分以下の人々を指すもので、それが番組が冒頭に強調した「日本の子どもの6人に一人は貧困」の根拠です。しかし番組では「所得がある一定の水準に満たない貧困状態」と表現されていただけでした。
 
 巷では 「日本の相対的貧困率は先進国の中でも最悪レベル!」と騒がれておりますが、そもそも、OECDが調査した国別の相対的貧困率は机上の計算値ですから、日本国民の実情や実感と一致するとは限りません。
 病気の診断だって、レントゲンとか血液検査とか問診とか、いろんな観点から調べた上で結論を下しますよね。
 本気で貧困を把握したければ、当人の生活実態や自覚、周囲の認識やセーフティーネットの程度、居住地域や所属集団における比較など、多角的な視点が必要になります。日頃

「市民一人ひとりの実情に応じたきめ細かい福祉サービスを!」
「日本人はもっと世界に目を向けグローバルな価値観を持つべき!」

 と訴えている人権派(NHK擁護派)の皆さんが、内向きな杓子定規の典型ともいえる相対的貧困率をことさらに重視するのは、ちょっと矛盾してるような気がするんですよね。
 ま、統計なんて所詮道具ですから、誰でも好きなように利用すればいいのかもしれませんが。

 道具であるという点はテレビというメディアも同じです。報道番組にもストーリーがあり、ストーリーに沿って映像や音声が巧みに組み立てられているからこそ、視聴者は問題を理解し共感できるわけです。それはべつにいいんですが、今回のNHKは道具の使い方がずさんでした。

 貧困というテーマで真っ先に思い浮かぶのが【我々は敗戦の瓦礫の下から這い上がり、貧しいながらも努力して豊かな社会を実現した】という戦後日本のストーリー。これこそが日本人の誇りでした。
 小説やドラマでも、老若男女を問わず喜ばれるのは【困難に耐えながら(orものともせずに)夢に向かって努力する】式の物語です。
 しかしあの番組は、ほとんどこのセオリーの逆張りでした。

①貧困かどうかビミョーなのに本人は自分が不幸だと言っている
②貧困を乗り越える「努力」がイマイチ見えてこない
③本人の語る「夢」が甘い

 これだけそろってしまうと、視聴者から突っ込まれるのはある程度仕方がないんじゃないでしょうか。
 いや、女子高生当人を批判したいんじゃないんですよ。彼女はあの番組やイベントにおいて、自分に求められている役割を精一杯果たしただけですからね。わたしが批判したいのは、ビミョーな素材を安易に番組化して視聴者を納得させようとしたNHKの姿勢です。

①について。
 自分の不幸を公言しちゃう人って、日本人の間ではあまり好かれませんよね。まして相対的貧困というものは、その母集団(彼女の場合は学校)の中で当事者がどの位置にいるかが問題なわけですから、集団の外部の人間(視聴者)を共感させるには相当の工夫が必要です。でないと冒頭に挙げた親子の会話のように「もっと苦しい人はたくさんいる」と突っ込まれるリスクが高く、実際ネット上ではその通りになりました。
 たとえば親や友人の口から「あの子はとっても苦労してるんです…」と言わせたほうが、女子高生本人へのツッコミは少なかったでしょう。
 まあ、本人が堂々と貧困を訴えるのがイベントの主旨であり、番組の核でもあったわけですから、どうしようもなかったかもしれませんが。

②について。
 ネット上では、件の女子高生が自分の好きなことにはしっかりお金を使うタイプであったことが指摘されました。従来の貧困観とはギャップがあることは確かで、分かりやすい映像とストーリーで勝負しなければならない番組側としては、不都合な事実であったことは確かでしょう。
 彼女が持っているペンがいくら、DVDがいくら、ゲームソフトがいくら、ランチがいくらと畳みかける批判派に対して、
個々人の一場面を切り取って貧困を語るのはやめろ!
 と怒る声もありますが、だったらキーボードや保冷剤という”一場面”で貧困を語ろうとしたNHKは何なんだってことになるわけで。
 ま、彼女の本当の「現状」は番組から受ける印象ほど深刻ではないらしいということが明らかになったのですから、われわれ視聴者は腹を立てるのではなく、むしろホッとすべきかもしれませんw

③について。
 件の女子高生はアニメが好きで、将来はキャラデザの職に就きたいようですが、専門学校は必須条件じゃないだろうに――と、わたしのようなオッサンは言いたくなります。
 ネットに作品を公開してファンを獲得したり、同人活動に励んだり、コンテストに応募したり。できることはいくらでもあるはずなのに、「お金がなくて専門学校に行けないから将来は真っ暗」なんて短絡的な理屈で視聴者を同情させようとするのはちょっと乱暴だったんじゃないでしょうか。
 これがもし「看護学校に行きたい」「法律を勉強したい」せめて「美大を目指したい」とかだったら、観る側も抵抗感が少なかったんですけどね。
 そもそも貧乏が嫌ならもっと堅実な、もしくは稼げそうな職業を目指そうと思わないんですかね。母ちゃんを早く楽にしてやればいいのに。ま、大きなお世話ですけど。
 ていうか本気でデザインをやるつもりなら、なおさらちゃんと貯金して、早くパソコンとイラストレーターを買えるようになれよって話。あ、これも大きなお世話なのかなw


 繰り返しますけど、女子高生本人をバッシングするつもりはないんですよ。けれど出演者のツイッターがバレただけで背骨がぐらつくような番組を作ってしまったのはNHKの責任ですよね。一地方のイベントの一スピーチで収まっていれば何の問題もなかったものを、全国放送しちゃったわけですから。
 これがもし「貧困とは何か」を問う番組だったら、ネットの反応は全然違っていたはずです。
 もしくは、キーボードだの保冷剤だのといった中途半端な貧困アピールではなく、「進学できない」という部分に焦点を当ててもっと丁寧に描いていれば、へそ曲がりなネトウヨの揚げ足取りを防げたかもしれません。DVDやランチの値段と入学金や授業料の値段とでは次元が違いますからね。

 件の女子高生はイベントのスピーチで
「あなたの当たり前は当たり前じゃない人がいる」ことを知ってほしいと訴えました。
 番組のテーマは相対的貧困だ!というNHK擁護派の主張に沿えば、彼女のスピーチは「何を当たり前と感じるかは人それぞれに違うのだから、貧困の定義もみんな違ってみんないい」というメッセージだと受け取っていいんでしょうか。

 よくないですよね。

 本人としては、「あなたが当たり前に享受している幸せを、享受できていない人がすぐ身近にいるんですよ」もしくは「あなたの当たり前はもう当たり前じゃないんですよ」と訴えたかったのでしょう。イベントの主催者やNHKも、一人親家庭への支援拡充や大学無償化の実現に向けた世論作りがしたかったはずです。

 擁護派の相対的貧困論は、番組の一番肝心なメッセージをウヤムヤにしてしまうんですよね。
 相対的貧困率を本気でゼロにしようとすれば、民主カンプチアに倣うしかありませんが、そんなデストピアを望む日本人は誰もいないはずです。
 相対的貧困率という指標は、先進国民の貧困観を問い直すための手がかりの一つでしかなく、「目の前の貧困」を論じる役には立ちません。映画の入場料やランチの値段にこだわる批判派と、机上の数値を振りかざす擁護派。どっちの声がよりリアルに近いものでしょうか?
 貧困をめぐる議論で重要なのは、憲法で定められた「健康で文化的な最低限度の生活」とは何かを突き詰め、日本国民の共通認識をそれぞれの時代に応じて適切に調整していくこと。これは結局、日本国内における「絶対的貧困」を論じることにほかなりません。

 高利奨学金の是正や一人親世帯への支援など、行政による対策はもちろん必要ですが、日本経済を建て直さなきゃ貧困問題はどうにもなりません。さもなければ、貧困線の引き上げどころか現状維持すらできない時代が到来するかもしれない――そういう危機意識を持っている人ほど、あの番組やツイッターに物申したくなるんじゃないでしょうか。
 だからこそリベラル系野党のみなさんには、アベノミクスに取って代わる頼もしい経済政策の提示が期待されているのに、残念ながら彼らにはその自覚も能力もありません。彼らができるのは批判と要求だけ。だから議論のすり替えや逆ギレで逃げ、片山さつきバッシングに没頭して保守派の軽蔑を買うのです。不幸ですねえ。

 NHKは罪深い番組を流してしまったものです。

テーマ : 報道・マスコミ
ジャンル : 政治・経済

鳥越氏にオール・インして逃げ場を失った野党聯合の悲哀

 ただでさえ準備不足や健康不安が指摘されていた鳥越俊太郎氏が、女性問題で集中砲火。
 …なのはネット世論だけなのか、我が家の愛読紙である信毎はもちろん全国紙でも、「過去に女性に絡んだ疑惑」(読売オンライン)などと表現するにとどまり、「女子大生」云々まで踏み込んでいるのは産経だけの様子です(各紙の反応について詳しくはJ-CASTニュース)。おそらくTVも大同小異でしょう。
 赤旗に至ってはたんに「疑惑」としか表現していません。

 新聞やテレビがわざと曖昧な報道をしているおかげで、Google検索で「鳥越」と入力すると、予測変換は「鳥越 文春」がトップに出るありさまになっています(わたしのブラウザだけ?)。

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 また、「鳥越」だけの検索結果でも、上位にヒットするのは鳥越俊太郎氏に対して批判的な記事ばかり。疑惑の詳細がバッチリ分かってしまうのはもちろん、報道陣に対する彼の姿勢の不誠実さや、過去発言との矛盾もボロボロ暴露されています。

 巷の企業がみな大枚をはたいてSEO対策に励んでいるご時世で、これはまったく怖ろしいことです。これだけのネガキャンを専門業者に依頼するとなると、費用はどれくらいになるでしょうかね。

 ちなみに、Googleの検索窓に「小池百合子」と入力すると、予測変換のトップは「小池百合子 結婚歴」でした(わたしのブ(ry)。

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 ネットではこれだけお祭り騒ぎになっていても、テレビや新聞だけを情報源にしている人(おもに高齢者)は、鳥越氏が具体的にどんな疑惑を持たれているか、どんな批判にさらされているかを知らされないまま投票日を迎えることになり、野党聯合もそれを望んでいるわけです。無邪気に鳥越氏に投票した人たちが、報道自粛が解除されてから詳細を知り「裏切られた!」と叫ぶ光景が目に浮かびます。

 こんな状況にもかかわらず、もし鳥越氏が勝利するとしたら、東京都民の多くが

①ただの情弱で何も理解していない
②疑惑の内容は知っているが鳥越氏の潔白を信じている
③淫行が事実だったとしても、都知事には鳥越氏が一番ふさわしいと思っている

 のどれかであることになります。悪夢ですね。
 鳥越氏に女性問題の影が濃いことは、かのリテラすら早い段階で警告していたほどですから、まったくのシロなんてことはありえない感じ。
 こうした疑惑が取り沙汰されることはある程度予想がついていたはずなのに、鳥越氏の反応は「事実無根」「告訴する」「弁護士一任」「何も言うことはない」――笑っちゃうほど桝添さんそっくりです。
 これほど彼が世論に疎く危機管理能力に欠けているという事実は、政治家として致命的なんじゃないかと思いますが、それでも都民が鳥越氏を選ぶとなれば、どのみち東京に未来はないでしょう。

 この期に及んでも、野党聯合は鳥越氏をかばおうとしているようですが、せめてきちんと自分の言葉で釈明するよう、本人に促すくらいはしたほうがいいと思います。
 ま、幹部のみなさんはメンツや立場がありますから身動きとれないかもしれませんが、一般の党員や党支持者はどう思ってるんでしょうね。リテラもいまだこの件に関してはダンマリだし。根性ないなあ。

 わたし、いまだに「組織票」というものが理解できません。投票用紙に誰の名前を書くかなんて個人の自由だし秘密は守られるはずなのに、なぜあえて組織の「命令」に従う人たちがいるのでしょうか。彼らは自分の意志を持たないのか、それとも組織に洗脳されているのか。いずれにしても気持ち悪い。
 日頃、個人の自由を守れだの議論を尽くせだのと騒いでいる人たちに限って、所属集団の方針に無批判・無抵抗だったりするんですかね。それじゃあ大政翼賛会と一緒じゃないですか。
 宇都宮氏を切り捨てたせいで退路を失った野党聯合と、分裂選挙のリスクを負いながらも結果として大きな選択肢(小池か増田か)を残した自公連合。
 結果論かもしれませんが、民主的に健全であり有権者にとって有益なのはどっちですかね。

テーマ : 政治・地方自治・選挙
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